ユニセフ(国連児童基金)と、チリ発の社会起業家のためのプラットフォーム「Socialab」が世界中からアイデアを募ったイノベーション・コンテスト「The First 72 Hours Challenge」を昨年12月から今年4月にかけて実施。
災害発生時によりよい緊急対応ができるためのアイデアが世界5大陸50カ国から300ものプロジェクトが集まり、このたび優勝者が発表されました。
緊急支援に必要とされる4分野
東日本大震災の際も災害発生から72時間以内の緊急支援の重要性は叫ばれていました。また、スマトラ沖やハイチでの大地震、フィリピンを襲ったハリケーンなど、世界中で防災について考える機会が増えています。
そこでこのコンテストでは、緊急支援に必要とされる電力、保健ケア、情報と通信、水と食糧という4分野からテーマを1つ選択し、プロジェクトを提案するというものでした。
優勝した2つのプロジェクトから、スウェーデンのチームが提案した、緊急下でもインターネットなどの通信を回復できる、エンジン付きのパラシュート用いたシステム「Instanet」を紹介します。
通信経路の復旧期間、通信ネットワークを確保する
「Instanet」は、携帯電話と情報通信装置を載せた気球で、災害で失われた通信経路が復旧するまでの間、通信ネットワークを確保することができるというコンセプト。
また、緊急事態下での行方不明者や連絡がつかなくなった人々の位置情報を得るための携帯電話の通信情報のトラッキングも行うことが可能です。今後はコンテストの優勝資金1.5万ドルをもとに、実用化に向かうそうです。
気球と言えば、「気球を飛ばして新興国でもネット接続を! Googleの夢のような新プロジェクト『Loon』が世界を変える」という記事でも紹介したように、途上国や新興国のネット接続を目的に活用が摸索されています。今後も気球が様々な分野で使われていきそうですね。
災害関連では日本発でも、「発展途上国×防災・減災」をテーマに実施されるハッカソン「Race for Resilience」のような取り組みもあります。「The First 72 Hours Challenge」自体については、以下に紹介動画がありますので、関心のある方はご覧になってみてください。
[The First 72 Hours Challenge]
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