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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、昨年12月の全体カンファレンス開催前に、プロジェクトメンバー一同がカミギン島に視察に訪れ、現地の州知事やプロジェクト関係者と会見したことに関してお話しました。今回の記事では、その全体カンファレンスを終え、再び日本に一時帰国した際のことに関してお話できればと思います。

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ひたすら走り続けた一年間

忘れもしない昨年の1月11日。新年明けて間もない中、僕はカガヤンデオロ市の教育局のオフィスに足早で向かっていました。

その日はカガヤンデオロ教育局のエレナ局長と面会のアポイントを取っており、手には、現地の関係者や共同代表のカイトさん(三輪開人)、一橋大学の米倉先生と何度も推敲を重ねた契約同意書(MOA: Memorandum of Agreement)を携えていました。

そうです。その日は僕が2012年秋よりミンダナオ北部で立ち上げたe-Educationミンダナオ島プロジェクトを、現地の公共サービスとして始動するべく、現地の教育局長とMOAを結ぶ日でした。

当初は、信用不安や機材設備の不足などを理由に何度も突き返されたMOAでしたが、日本とフィリピンの様々なステークホルダーを巻き込みながら、ぐんぐんとそのMOAはバージョンアップしていきました。

そしてマヌエル局次長の許可を経て、ついにエレナ局長のオフィスに通されたときは「ついに辿り着いた!」と、まさに感無量でした。

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MOA締結の際

また、カガヤンデロオで映像授業を活用した日比の教育事業が始まるという知らせは周辺地域へと広がり、その翌週には近隣のカミギン島教育局からもプロジェクト要請がありました。

そんな状況の中で、僕はバタバタと2013年を迎えたのでした。

そこから一年間、日本とフィリピンを幾度往復し、現地を走り回りながらプロジェクトを進め、2013年の12月、日々のあらゆる関係者を巻き込んだ全体カンファレンスを開催することができました。

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カンファレンスを控え、現地コーディネーターやカミギン州知事らと

そして全体カンファレンスを無事に終え、年末年始を控えた僕は帰国の途に着いたのです。

帰国の便で

そんなことをずっと帰りの便で思い起こしながら、僕はこの2013年の反省と、そして2014年はどんな一年にしようかと考えに考えあぐねていました。

そして、昨年の10月頃から僕の肚の中で少しずつ膨らんでいた想いが、どうにも抑え難い大きさになってきました。

「もう一年ミンダナオでやりたい!」

プロジェクト立ち上げ当初から、ミンダナオ全域の若者に教育の機会を提供するためには、現地の公共サービスとして教育行政と連携したプロジェクトを実施することが効果的だと考え、僕はパイロットの授業を行いながら、現地の「制度作り」にこれまでずっと注力してきました。

そして全体カンファレンスの開催を経て、いよいよ現地の公共サービスとして、カガヤンデオロ全域の高校にトップダウンで映像授業を提供できるところまで来ました。

「公共の教育サービスとして、やっとあらゆる生徒に授業を届けられる!」

そんな状況を迎えている中、何としても現地の教育局に完全にプロジェクトをハンドオーバーし、生徒に授業をしっかり届けるまで、プロジェクトにコミットしたいという想いがますます強くなりました。

「冷静」と「情熱」のはざまに

ただ一方で、そこには複雑な気持ちもつきまとっていました。

まずは両親に「これ以上心配はかけたくない、早く卒業・就職して安心させたい」という素直な気持ち。大学の授業のことや、同期の友人が就職を決めて間もなく立派な社会人として働き始めるという何とも言えない焦燥感。そしてプロジェクトを進める上で必要な現地での生活費の不足。そしてもう一年プロジェクトを続けることで自分はどんなキャリアをこれから進むことになるのかという漠然とした将来への不安。

これらの複雑な感情が、「プロジェクトをもう一年やりたい!」という肚の底から湧き上がる素直な「情熱」に、冷や水を浴びせてきました。この類の問題は、両方の感情を天秤にかけて決められるものでもありません。

そんなこんなで日本に着いた僕は、これまでお世話になった様々な方々にお会いし、もう一年プロジェクトをコミットすることに関して相談しました。

「箱」から抜け出し、覚悟を決める

また、帰国後、カイトさん(共同代表:三輪開人)に貸していただいた『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という本は、そのときの自分にとってはまさに「目から鱗」な物事の見方を得ることができ、思考がずいぶんスッキリしました。

不安や怒り、嫉妬といった「負の感情」を自覚し、どう向き合うか、本書ではそうしたセルフ・コントロールの骨子のようなものを「箱」という概念を用いてとても分かりやすくシンプルに描いています。興味のある方はぜひご覧になってみてください。

また年始には実家の広島に1年近くぶりに帰省し、両親に全てを話しました。

こうして悩み考え、様々な人からお話を伺い、また幾つかの良著に出会いながら年末年始を過ごした僕は、ミンダナオ島に再び飛ぶことを決意しました。

次回の記事では、どのようにミンダナオ再訪を決意するに至ったかについてお話できればと思います。

本日もご愛読くださり、誠にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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夕焼けの名所「ロハス通り」にて


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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