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Photo: Dilemma X

トジョウエンジンでは以前から、アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアの成長に注目してきました。

そんな中、マッキンゼー・アンド・カンパニーの研究機関(McKinsey Global Institute)がナイジェリアの近年の経済成長の裏に関するロングレポートを公開しました。

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あまねく広がる成長の裏

レポートのタイトルは、”ナイジェリア:アフリカ最大の経済大国の広がる成長”。注目すべきポイントは、現在のナイジェリアの消費者市場は4000億ドル(約41兆円)が2030年までに約1.4京ドル(143兆円)になり、そのほとんどが食品・消費財になると予測したことです。

中間所得層の所得は年間680ドルで、人口の43%は貧困ライン(一日1.25ドル以下で生活)での生活を強いられていますが、消費者層の割合が激増しているとのこと。2013年は、800万世帯での平均所得が7500ドルに上りました。

レポートによると、

基本的な必需品を手に入れることが容易になり、余った所得で健康食品や教育への出費が増えてきている。

と指摘されており、途上国から新興国へのステップを着実に踏んできていると言えるでしょう。

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Photo: Council on foreign relations

成長と今後の課題

労働生産性も過去4年間で約4%上昇しましたが、これは他の途上国と比べると遅い成長スピードと言われています。さらに、国の人口に対する労働人口の割合が31%と、52%のブラジルとはかなりの開きがあります(インドネシア:46%・ロシア:48%)。

“生産性”に関しては、インフラの不整備がビジネスをするコストを上げており、特に発展のポテンシャルがある石油とガス業界で改善する必要があるとされています。

レポートから、ナイジェリアの近年の経済成長は、天然資源によるものではない、ということが分かります。実際に、ナイジェリアには多くの油田や天然ガス施設が存在していますが、自国のGDPを伸ばしている要因は中間層の増加による消費が増えたことになるかもしれません。

このままの成長が続くと、ブラジルのような加熱した経済になりかねませんが、まずは貧困層の撲滅と早急なインフラ整備が求められてくることは間違いないでしょう。国際的な今後の同国の動きにも目が離せません。

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