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こんにちは!e-Education Projectインドネシア担当の尾崎綜志です。
教育機会の恵まれないインドネシアの子供たちに最高の教育を届けるために活動しています。

前回の記事ではプロジェクトのコンセプトを説明させて頂きました。
今回は僕のプロジェクトの最終段階の様子をお話しさせて下さい。

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パートナーの心に火をつける

「僕にはチューターなんてできない」

パートナーの一人で英語が大得意なヨガにチューターを頼んだところ、予想外の返事が返ってきました。他人に教えられる自信がない、というのが理由のようでした。しかし、ヨガは英語のエキスパート。僕なんかより百倍英語がうまく、彼以外に頼める人はいないと思われました。

「モチベーションをあげるにはまず授業に来てもらうしかない」

僕はコミットの深さ(=それに割く時間)はモチベーションを大きく左右すると常々感じていたので、彼が授業に来るようにする方法を考えました。そうして僕が立てた作戦は、「ヨガに楽しい雰囲気を見せる」というものでした。

その頃には撮影も終盤にさしかかり、授業開始を控えて体験授業のようなものをやる機会がありました。授業に来たがらないヨガに対し、僕やリアンはその授業風景を写真に撮り、メールしたのです。

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このような写真にコメント付きでメールしました。

するとある日のことです。

ヨガ:「今度ちょっと授業見てみるよ!」
僕: 「OK!今度の月曜にマスター来てね!」

ついにヨガが重い腰をあげたのでした。

迫り来る授業開始日

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授業開始日は迫っていました。同時に僕がインドネシアにいられる時間もあとわずか。最後の数週間は睡眠時間を削って動き回りました。

撮影がうまく進んでいるか、編集はどんな様子か、授業の時間割はどうするか…やることはたくさんあります。リアンやテヨ、ヨガはもちろん、マスターの先生やアイさん、協力してくれている先生達と毎日ミーティングを重ねてプロジェクトに没頭しました。

そして気がつけば、あっという間に授業開始前夜。

緊張と不安に包まれていた時、インドネシアの友人がパーティーに誘ってくれました。僕がもうすぐ日本へ帰るということ、また友人であるカリスも日本の企業に就職するためもうすぐインドネシアを出るということで、皆集まってくれたのです。

一緒に普段食べないパスタを食べ、2次会と称してミー・アチェというとても辛い焼きそばを体験し、最後はドリアンを皆で食べました。皆が集まって会を開いてくれたことが本当に嬉しく、本当に楽しい時間でした。

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授業、始まる

そしてついに本番の日がやってきました。

それまでに何度か体験授業はやってきたものの、時間を決めて小テストなども行いながらやる本格的な授業は初めてだったので朝からそわそわしていました。授業前にレジュメを印刷し、各パソコンに授業データを入れて準備していると、生徒が入ってきました。

「ついに来た、ついに授業が始まる!」

生徒達が席に着いたのを確認して、僕とリアンは生徒達の前に立ちます。打ち合わせ通りリアンが口を開きました。

「今日から授業が始まる。今までにない、新しいビデオの授業だ。これを使って勉強すれば希望の大学合格も決して夢じゃない。さあ、授業を始めよう!」

最高の時間

授業が始まりました。

生徒達は一斉にビデオを見始めます。ビデオを見終わった生徒達は問題を解き始めました。するとあちこちで手があがりました。「この問題がわからない」「これで合ってるか」様々な質問に僕たちはあちこち走り回って答えていきます。気がつくと授業終了まで残り5分。今までの人生で最も短い2時間でした。

授業が終了し生徒を帰したあと僕とリアンは顔を見合わせました。

僕  :「どうだった?」
リアン:「最高だった。」
僕  :「うん、最高だった。」

生徒達の出来が思っていたよりも良くない、そんな不安もありましたが、この数時間でも成長する生徒の姿を見て僕は本当に幸せな気持ちになりました。

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生徒達と

帰国3日前

授業をなんとか開始したものの、僕に残された時間はあとわずかでした。欲を言えば彼らが大学に合格するまではインドネシアにいたい気持ちでいっぱいでしたが、帰らなければならない日が迫っていたのでした。

帰国3日前、僕は空港である人を待っていました。それはプロジェクトの後任である慎治です。慎治にはリアンやアイさんらと共にプロジェクトを進めて行ってもらう必要があります。空港で慎治を見つけると、何にせよ時間がありません、初対面でしたが挨拶もそこそこにタクシーに乗り込み、プロジェクトの話をしました。

その後も眠そうな慎治を関係各所に連れまわしました。

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マスターの生徒達と慎治

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ヌロヒムさんと

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リアンとテヨと

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さすがにお疲れの慎治

帰国

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こうして僕のプロジェクトは区切りを迎えました。

一緒に活動して来たリアンやテヨ、アイさんやファルスに別れの挨拶をして空港に向かい、いつものように搭乗手続きをすませます。達成感と今後の不安と、いろいろな気持ちが入り交じる中で飛行機を待っていると一通のメールが届きました。送り主はヨガでした。

「ソウシ、もう飛行機に乗ってしまったかい?僕は今日シンジと初めて授業をやったよ。本当に楽しくてファンタスティックだった。シンジもとても良いやつだった!本当に素晴らしいプロジェクトだ!」

チューターは無理だと言っていたヨガの頼もしい一言。彼の声が、僕の不安を消し飛ばしてくれました。

「きっと大丈夫だ!」

僕は笑顔で日本行きの飛行機に乗り込みました。

次回から後任の慎治の記事が始まります。大学を休学して単身途上国に乗り込んだ慎治の奮闘記を是非楽しみにして下さい!

これまでご愛読ありがとうございました!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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