トジョウエンジンでは、これまでいくつか水問題に関する活動を紹介してきました。途上国の水不足を解決するNPO「charity: water」の活動、コカ・コーラの取り組みなど実に多様でインパクトのある活動が行われています。
今回ご紹介するのは、アフリカ東部に位置するエチオピアに、水問題を解決する『Warka Water Tower』という給水塔を設立する取り組みです!
『Warka Water Tower』が設計された背景
この面白い形をした給水塔は、イタリアのデザイナーArturo Vittoriさんによって設計されました。彼は「技術移転と持続可能性」をテーマに数多くの講演なども行っており、そういったテーマに関するワークショップを開いたりしています。
そんな彼がエチオピア北東部の村を訪れた際、その村で水を回収することが信じられないほど時間と労力を伴うものだと知りました。水源まで一日かけて水を汲みにいかなければならず、女性に大きな負担がかかったり、子供たちの学校へ行く時間が奪われたりしていました。また、運んで来る途中に水が汚染され、衛生面の問題も生じてしまうのです。
そこでArturo Vittoriさんはこの水問題に対して財政的な支援ではなく、効率的で持続可能な仕組みが必要だと考え『Warka Water Tower』を考案しました。
『Warka Water Tower』の仕組み
『Warka Water Tower』は、電力などを使うことなく大気中の水を集める仕組みとなっており、25ガロン(約95リットル)以上もの飲用水を毎日持続的にかつ衛生的につくることができます。
花瓶のような外側のフレーム部分はイグサや竹を編んで格子風にし、水を集めるのに必要な内部にはナイロンとポリプロピレンの繊維でできた網が入っています。この網で大気中の水分を集め、タワーの下部に水を送っていきます。このおかげで、多くの人がきれいな飲用水を確保することができます。
内部にこのような網があり、大気中の水分を集めます
Warka Water Towerに込められた想い
『Warka Water Tower』は単なる給水塔ではなく、さきほどご紹介したデザイナーのArturo Vittoriさんの想いがしっかりと込められています。
Arturo Vittoriさんは次のように語っています。
『Warka Water Tower』はきれいな水だけでなく、長期的、環境的、財務的、社会的な持続可能性を確保します。地元の人が必要なノウハウを他の村にも広めていけば、『Warka Water Tower』を現地だけで広げていくことができます。
『Warka Water Tower』は一時的に現地の水問題を解決するものではなく、現地の人たちだけでノウハウを共有することによって「現地で持続可能なモデルを作る」ためのものです。
そのため、『Warka Water Tower』の製作費用は1基あたりおよそ550ドルと低コストで、4人で作業すれば1週間以内に完成させることもできます。さらに、材料は現地で調達することができ、電力も不要です。こういったところにArturo Vittoriさんの想いが込められていることが分かります。
ノウハウがあれば現地の人だけで完成できます
本当に現地の人たちのためになる取組みにするためには、その取り組みを現地の人たちが自分たちでできるような仕組みを作っていくことが必要です。Arturo Vittoriさんの想いがしっかりと現地の人たちに引き継がれ、持続可能な取り組みになっていくことを期待します!
いかがでしたでしょうか?一時的ではなく持続可能なモデルをつくることの大切さが分かる、『Warka Water Tower』設立の取組みでした!これからも注目していきたいですね!
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