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南米パラグアイでは今、ポケットのないスーツに注文が相次いでいます。
スーツと言えば、ポケットが付いているのが一般的ですよね。
いったいなぜ、ポケットのないスーツに人気が出ているのでしょうか?
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途上国における汚職・腐敗の現状
ところで、世界の国々の汚職・腐敗の度合いを測ったランキングがあることをみなさんはご存知でしたか?
各国のビジネスマンに「この一年間で賄賂を払ったことがあるか」、企業に「公開された倫理基準があるか」などを調査し、それを数値化してランキングにしたものです。
汚職・腐敗防止活動を展開する国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルが2013年に発表した「CPI(腐敗認識指数、Corruption Perception Index)」によると、パラグアイは全調査対象177カ国中150位と、とても低い数値を示しています。
via TRANSPARENCY INTERNATIONAL
世界のCPI指数を見てみても、開発途上国では9割以上の国が、最も清潔な状態を100としたときの半分以下の数値となっています。
ポケットなしスーツ誕生のストーリー
パラグアイで、与党コロラド党のホセ・マリア・イバニェス副党首が、邸宅の使用人の給料の支払いに公金を充てたとして起訴される事件が起きました。
そこで、高級紳士服などを手掛けるパラグアイの衣料品チェーン「Robert」は、国内で横行する政治家の汚職に対抗するため、ポケットがないスーツを発売しました。
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そのポケットなしスーツの新シリーズの名前は、汚職した副党首の名前を取り「イバニェス」。汚職した政治家の名前をそのまま取ってくる思い切りの良さは南米らしいですね。
Robert社のオーナー、ロベルト・エスピノラ氏はこう言います。
政治家の汚職に対する嫌悪感を表すために、このポケットなしスーツを作りました。
お客さんにもこの想いに共感してもらおうと、店内にはスーツとともに「誠実さをファッショナブルに」というメッセージも掲げられています。
汚職や腐敗のない理想の世界を目指して
パラグアイでは、一般市民の方から、政治家の汚職は本当にひどいという声もよく聞きます。
こうした国民の声を反映し、商品化に移された「ポケットなしスーツ」。実際に売れ行きも好調のようです。
政治家の汚職に対して実際にアクションを起こし、市民一体となって汚職や腐敗は許さないというムーブメントを起こす。このような動きがもっともっと出てくれば、汚職や腐敗のないクリーンな世界が実現できるかもしれませんね。
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