「毎年50万人、毎分1人の命が小型武器によって失われています。特に小型武器を持たされ兵士として戦わされてきた子ども兵の問題は深刻です」
書籍『ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら』の前書きには、このような国連平和大使のジェーン・グドールさんの言葉が紹介されています。
みなさんは子ども兵・小型武器の問題について聞いたことがあるでしょうか?
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子ども兵と小型武器
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子ども兵とは、正規非正規を問わず、あらゆる軍隊に所属する18歳未満の子供のことを指し、少年兵だけではなく少女兵も含みます。
なぜ少女が兵士となってしまうのでしょう?
本書では最近の紛争で子どもたちが武器を持ち、最前線で戦うようになった理由のひとつを小型武器の登場だと述べています。代表的な小型武器はAK47(ロシア製)といって軽くて丈夫な自動小銃です。
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その昔、騎士になりたいと望む子供は従者になって武具の手入れや主人の身の回りの世話をしていました。しかし、軽くて小さく、操作の簡単な小型武器が登場したため、幼い子どもたちが戦闘要員として最前線で戦うことになったのです。
小型武器を作っているのは言うまでもなく先進国。特に最大の武器輸出国であるアメリカにはいたるところに銃の販売店があり、その数はアメリカ国内のマクドナルドの店舗数の約10倍にものぼるといわれているほどで、多くのアメリカ人が武器ビジネスを職業にしています。
武器の売買を通じて経済的な関わりを持つ人々が多くいるために小型武器の規制が難しいと考えられています。
民族や宗教が原因で争っているのではない
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民族や宗教が原因で争っているのではない
本書で旧ユーゴスラビアの元少女兵のサビナさんはこう語っています。
「私の村ではクロアチア人もセルビア人もずっと一緒に平和に暮らしていました。私はクロアチア人ですが、セルビア人の友達もたくさんいます。私たちの争いのことをアメリカや日本では『民族や宗教が違うから争っている』と報道されているようですが、でも本当はそうじゃないのです」
サビナさんの住んでいた村が政府軍と反政府武装勢力の双方で徴兵の割り当ての対象とされたために、村の幼馴染に銃を向け、殺し合わなければならないという悲劇がありました。
大人たちの身勝手に振り回されている子ども兵たち。その実態を知った時、皆さんはどんなことを感じますでしょうか?
恥ずかしながら私は、テレビや新聞で「紛争」や「戦争」という文字を見ると、大体は民族や宗教が異なっていて互いに理解することが難しいんだろうな、と考えていました。しかし、地域によってはそうではないこともあります。紛争や戦争にはそれぞれ異なる背景があり、一括りにすることはできません。
民族や宗教が原因だと報道されている場合でも実際は違う可能性もあるのかもしれません。ありきたりではありますが関心をもつこと・知ることの大切さを改めて感じました。
もし、皆さんの周りにこのような問題があることをご存知ない方がいたら、「小型武器」が子どもたちの人生をどのように変えているのか、ぜひ
そこで誰かが子ども兵について、小型武器について知るきっかけになればと思い記事にさせて頂きました。
子どもたちの未来をサポートするには?
本書『ぼくは13歳 職業、兵士。―あなたが戦争のある村で生まれたら』を購入すると、地雷・小型武器・子ども兵・平和教育に取り組んでいるNPO法人 テラ・ルネッサンスへの活動支援になり、子どもたちの未来をサポートすることができます。
もちろん、この本を読んで知った様々な事実を身近な人に伝えることも私たちにできることの一つであり、本はあまり読まないという方は次の映画でも子ども兵の実態について知ることができます。
- ホテルルワンダ:有名なルワンダ虐殺における実話をもとにした映画
- ブラッド・ダイヤモンド:シエラレオネで行われたダイヤモンドを巡る争いを描いたもの
- ジョニー・マッド・ドッグ:少年兵にスポットを当てた映画。出演した15人の少年は全員元少年兵だそうです
私たちの知らないところで、多くの貧しい人々が私たち先進国の人間を含む誰かの都合のために命を落としているという悲しい現実があることを知りました。場面によっては衝撃的で目を覆いたくなるような残虐なシーンもありますが、私たちは目をそらしていてはなりません。
最後に、この問題に取り組むテラ・ルネッサンスの動画もご紹介します。ぜひ動画を見ながら、遠く離れた国で暮らす子どもたちのために何ができるか、一緒に考えていきましょう。
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