ネパールでは、9月20日に新しい憲法が憲法が公布され、7年間続いていた憲法のない状態が解消されました。
新しい憲法はいくつかの特徴がありますが、ユニークなポイントは「大統領と副大統領のうち、一人は必ず女性でなければならない」という点です。
これからの新たな国つくり・社会つくりにおいて、女性の社会進出は大きなテーマとなっています。そして、今回初の女性大統領が選出されることとなりました。
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新大統領はビドヤ・デビ・バンダリ氏
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ネパール議会は10月28日、新憲法制定を受けた大統領選を実施し、第2党の統一共産党(UML)副議長であるビドヤ・デビ・バンダリ氏(54)を選出しました。2008年の王制廃止後の2代目の大統領であり、ネパール初の女性大統領となります。
バンダリ氏は元国防省大臣でもあり、今回の新憲法において女性権利を保証する内容を明文化する上で大きく貢献してきた人物であると言われています。新憲法においては、下院議員の3分の1を女性に割り振るなどと定め、女性の社会進出を支援、拡大させていくものとなっています。
「ネパールの少数派や女性権利のために戦っていきたい」
大統領就任にあたっても、力強いコメントを残されたバンダリ氏。
地震からの復興や新憲法下での混乱沈静化など、ネパールでは様々な課題があります。今回の女性大統領選出が良い影響力を発し、ネパールの継続的な発展につながることを期待しましょう。
新首相はK.P.シャルマ・オリ氏
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また、10月11日には首相選も行われており、大統領のバンダリ氏とおなじく統一共産党(UML)議長のK.P.シャルマ・オリ氏(63)が新首相に選出されました。
大統領は国家元首であり、儀礼的な職でもある一方、政治的な実権は首相が握ります。特に、新憲法公布後のこれからのネパールにおいて、オリ氏の政治手腕には期待が高まります。
4月に発生した地震によって、カトマンズ盆地にある世界遺産の多くが被害を受けました。加えて、新憲法公布後の混乱により、インドからガソリンの供給に制限がかかり、飛行機や公共交通機関を含めた移動手段に規制がかけられています。これらにより、主たる産業である観光への影響が出ています。
様々な国やNGO団体からの支援に加えて、ネパール政府によって多くの問題を乗り越え、観光客の活気溢れるネパールを1日でも早く取り戻してほしいですね。
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