photo credit: going deep via photopin (license)
南米を中心に感染が確認されているジカ熱が最近大きな話題となっています。
今年の8〜9月にかけてオリンピックが開催されるブラジルも南米の国。これから南米に渡航される方に、ぜひ知っていただきたいジカ熱対策の注意点をご紹介します。
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ジカ熱と似ているデング熱
「海外旅行中に大量の蚊にさされ、翌週に高熱が出た。頭痛もして、関節や筋肉も痛む」
さて、これは一体どんな病気でしょう?
最近ジカ熱のニュースをご覧になった方は、真っ先にジカ熱を疑うかもしれませんが、この病態はデング熱やチクングニア熱とよく似ています。
ジカ熱は他2つの病気に比べて比較的軽度の発熱(38.5度未満)と言われていますが、体温計を持参していなければ正確な体温を測ることは難しく、病気の特定も難しいでしょう。
また、いずれの病気にも特効薬はなく、対処療法が必要になるため、風邪薬を用いて熱を下げようとされる方がいますが、ここで注意が必要です。
蚊に刺された時の解熱鎮痛剤の使用は要注意!
以前、別の記事でもご紹介した通り、デング熱にかかると血小板が低下して出血を起こしやすくなるので、血小板の働きを抑える風邪薬(PLなど)や鎮痛解熱剤(バファリンやロキソニンなど)を服用するのは避ける必要があります。
つまり、ジカ熱の症状とデング熱の症状を勘違いして、風邪薬や鎮痛解熱剤を服用すると、非常に危険が伴うのです。
このような理由もあってか、外務省の海外安全ホームページでは、ジカ熱の治療方法の欄にデング熱の対処法についても合わせて書かれてあります。
現在、ジカ熱、デング熱及びチクングニア熱には特有の薬がなく、対症療法が行われます。デング熱では、血小板が低下し、出血を起こしやすくなるので、デング熱でないことが確認されるまでは、血小板の働きを弱める作用を持つアスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛剤の使用を避け、アセトアミノフェン(パラセタモール)を使用してください。ジカ熱、デング熱及びチクングニア熱が流行している地域で蚊に刺されて発熱が続く、または発熱後に発疹が出たなど、ジカ熱、デング熱及びチクングニア熱を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
発熱が低く、ほぼジカ熱だと断定できたとしても注意が必要です。鹿児島市のホームページでは、ジカ熱の血小板減少の可能性について触れられています。
主として軽度の発熱(38.5度未満)、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、結膜炎、疲労感、倦怠感(一般的にデング熱、チクングニア熱より軽症ですが、血小板減少などが認められる場合もあります)などを呈します。これらの症状は軽く、通常、2~7日続きます。潜伏期間は3~12日で、治療は対症療法となります。通常は比較的症状が軽く、特別な治療を必要としません。
いずれにしても蚊に刺されて発熱した場合には、外務省の海外安全ホームページに書かれている通り、医療機関への受診をすることをお勧めします。
これから南米をはじめとした海外へ旅行に行かれる場合には、ぜひ蚊に刺された際の対処法について覚えておきましょう!
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