みなさん、こんにちは。前回「40代でNPOに転職するのは不思議ではない」という記事を書いた、中野秀敏(47歳)です。
不思議ではない、とはいえ、NPOへの転職なんとなく踏ん切りのつかない方もいらっしゃると思います。「NPOなんてよく分からないし、上手くいくかどうか不安だし、やっぱりやめとけば?」という、よくある意見に流されて。
そうめんは流されてもよい
そこで思いつきました。今回は「人は他人の意見に流されやすいということ」「できないと思い込んでいること」の2つについて、ある心理学実験の研究を紹介します。
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ヒトは無意識のうちに多数派に同調してしまう
心理学者のソロモン・アッシュが、こんな実験をしています。
まず誰でも正解が認知できるような問題を用意します。たとえば、A,B,Cの3択問題で明らかにBが正解の問題を用意するとしましょう。ここに、実験対象者に加えて、あえて不正解(C)を選ぶサクラを複数人用意すると、一体どんなことが起こるでしょう?
ソロモン・アッシュの実験
被験者1人に対して、7人のサクラがわざと不正解を選択すると、多数派の影響を受けた被験者のうちの35%は、間違った答えを選択するのです。
人は、集団に受け入れられたいがために、その集団の基準に合うように態度や行動を変える傾向があるのです。これが集団浅慮発生の最大の原因であるともいわれています。
どうでしょうか?なんだか身近に感じる話ではありませんか?
学習性無力感
もう一つ研究事例を。
マーティン・セリグマンという心理学者が動物や人間で実験を行ったのですが、同じ原理を別の事例で紹介します。『動物のお医者さん』という漫画に出てくる「ラジカセ犬パフ」です。
佐々木倫子「動物のお医者さん」(白泉社)より
ご覧の通り、ラジカセ犬パフは「過去の経験から、自分では動かせないと思い込んでいる」のです。これを「学習性無力感」といい、人間でも同じようなこと確認されています。
どうでしょうか?こちらも身近に感じる話ではありませんか?
イノベーションのジレンマ
「過去の経験に縛られる」という言葉の解釈をもう少し広げると、個人だけではなく組織にも似たようなことが言えます。
例えば、大企業で破壊的イノベーションが起こりにくいと理由の一つ『イノベーションのジレンマ』です。ハーバード・ビジネス・スクールのクリステンセン教授が書かれた本のタイトルでもあり、ご存知の方も多いでしょう。
大雑把にいうと、そもそもイノベーション(革新)とは現状を基準としていては生まれません。現状からの改善で生まれるのは「最善の修正」であって、「真の革新」ではないのです。
「最善の修正」が行われるほど、より少ない労力でより大きな成果を生むことができるようになります。しかし、これは裏を返せば過剰な最適化であり、現状が変化した時への対応力が下がるということでもあります。やや不正確な表現ではありますが、持続的イノベーションを続ける集団では、破壊的イノベーションが起こりにくいのです。
これを『イノベーションのジレンマ』といいます。
私が寝ているうちに、イノベーションを起こしてください(しろ/新宿区在住/無職)
組織人としての行動は、一個人の行動にも影響を及ぼします。企業や行政で経験を積んだ40代が、NPOへの転職(イノベーション)を無意識に躊躇するのは、こういった理由も背景にあるのです。
どうでしょうか?なんだか身近に感じる話ではありませんか?
惑わされないように。選ぶのはあなた自身です。
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