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こんにちは!岩手大学教育学部4年の佐藤由季也です。e-Education海外インターンとして昨年11月からネパールで活動しています。今回は、なぜ岩手の村育ちの私が、ネパールで教育の課題解決に挑もうと決意したのかをご紹介します。

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途上国との出会い

「あなたとはもう付き合えない」
この言葉が私を途上国へと導いた引き金でした。

大学一年の冬、2年あまり付き合っていた彼女に別れを告げられ、路頭に迷っていました。「何かアクションを起こさないときっと自分は腐ってしまう」そう考えていた時、たまたま大学のポスター掲示で「フィリピン英語語学研修」と書かれたポスターを目にしました。

「これにかけるしかない」

当時の私はフィリピンに行けば何かあるのかもしれない、何か変わるかもしれないと藁にもすがる思いで、フィリピンへ飛び立ちました。

「ねえ、タバコ吸わない?」

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フィリピンでは首都マニラにある大学付属の語学学校で英語を勉強しました。フィリピンでの生活にも慣れ始めた頃、友達とストリートバスケをすることになりました。

バスケットボールコートに着くと一人の男の子が私の元へ近づいて来ました。背丈からして小学校高学年くらいの年齢だったと思います。そんな彼が私にむかってこう言いました。

「Do you want to smoke?」

私は驚きで声を失ってしまいました。フィリピンに来てまさか小学生にタバコを勧められるとは思っていませんでした。

その出来事があってからフィリピンの町の至る所で物乞いをする子供たちの姿が嫌でも目にとまるようになり、「なぜ世界には教育を受けられない子供たちがたくさんいるのだろうか」と毎日考える日々が続きました。

初めて渡航した海外がフィリピンだったのは良くも悪くも私の人生に大きな影響を与えることになります。

e-Educationとの出会い

日本へ帰国してからもフィリピンであった少年のことを忘れることはありませんでした。今まで途上国の問題について1mmも知らなかったこともあり、フィリピンでの経験は、私がフィリピンや途上国について深く考えるきっかけを与えてくれました。

「フィリピンの子供達に自分ができることはないだろうか」という思いが高まる一方で、何をしていいのかわからない中で何もできないという葛藤がありました。「何かヒントになるものはないだろうか」と考え、私は心理学・哲学・教育学などあらゆるジャンルの本を読み漁っていました。大学2年の夏のことです。

そんなある日、たまたま地元盛岡の書店で見かけて手に取った本が、e-Education元代表である税所篤快さんの「最高の授業を世界の果てまで届けよう」でした。

私は元来飽き性で、本を最後まで読みきることはほとんどありません。しかし今回だけは違いました。私は気づくと最後のページをめくり終えていました。

最高の

これほど心を動かされたことは人生の中で初めてでした。私は書店から出るとすぐさま帰宅し、パソコンを開いて2週間後のフィリピンへのフライトを予約していました。「大学生でも社会を変えられるんだ!」そう思えた瞬間でした。

「先生、僕大学辞めます」

フィリピンでインパクトを残したいと思い飛び立ったものの、当時の私には同じ志を持った仲間がいるわけでもなければ、抜群の行動力があったわけでもありません。結果は最初から見えていました。2週間の滞在で私は何も成し遂げることなく、自信をなくして帰国しました。

「結局なにもできない人間なんだ。」

それ以降、何をするにもやる気が出なくなり、4ヶ月ほど大学へは行かず家に引きこもる日々が続きました。引きこもり生活の中で私は「悪いのは自分ではない。自分を取り巻く環境だ。環境を変えれば自分が変わるに違いない」と思うようになりました。そして大学2年の終わりに私は大学を辞め、海外へ行く決意をします。

「先生、僕大学を辞めます」

なんの説明もなしに、退学させてくれるほど世の中は甘くありませんでした。私の退学届は無残にも却下されてしまいました。

私はその時、いかに自分の堅い殻に閉じこもって外界を見ようとしてこなかったかを思い知らされました。退学届が却下され家に帰った私は、人生で初めて自分の心の声を素直に聞きました。私の素直な心はこう言っていました。

「お前は逃げているだけだ。環境は確かに悪いかもしれない。でも今の環境で出来る最大限の努力をすれば、海外にいくより何倍も成長できる。だから諦めるな。」

私は心の声に従うことに決めました。2016年3月31日、私は退学届を破り捨て、新たな人生の一歩を踏み出しました。

e-Educationとの再会

気づけば、3年生も終わりに近づき、私の耳には「就活」「大学院」「教採」という言葉が頻繁に聞こえるようになり、もれなく私も決断を迫られていました。決断の時が刻々と迫っている中、Facebookをぼーっと眺めていた時です。「e-Education海外インターン生募集」という言葉が私の視界に入りました。

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その時、私の頭の中では大学2年生の時、税所さんの本を読んで心に火が灯ったこと、そのあとフィリピンで挫折し大学を退学しかけたこと、今再びe-Educationと出会ったことが一直線につながった感覚がありました。

「これが最後のチャンスなのかもしれない」

とは言うものの、あと半年で卒業できるのに休学するのは勇気のいることでした。

「自分にとっての幸せってなんだろう?」

大学院進学が最有力だったため、私は自分にこんな問いを投げかけてみました。

「大学院に進学したらあと2年は学生として過ごすことになる。もしあと2年で死ぬとしたら自分はどういう選択をするだろうか。

私の答えは「とりあえず好きなこと、満足することだけして生きたい」でした。しかしこの答えに納得がいかなかったので、もう一つの問いを自分自身に投げかけました。

「自分は1年と364日の寿命を使い果たした。今は病院のベットに横になり愛する家族、親友、恋人に囲まれながら死期を待つのみ。死ぬ直前になってテレビの画面に目を向けると、そこにはフィリピンの路上で暮らす子どもたちの姿。そんな子供たちの姿を死に際に見たとき、果たして自分は満足して死にきれるだろうか。

私の答えは「死にきれない」でした。

「世界全体の幸福無くして、個人の幸福はありえない」

岩手の誇る宮沢賢治が残した名言です。私はこの精神を心に刻み、自分の人生の決定軸にしようと決心しました。そしてe-Educationの門を叩く事に決めました。

生まれた環境、育った環境に関係なく、人は可能性を秘めている

e-Educationの海外インターン選考で1番自分が考えたことは「自分にしか生み出せない価値とは何だろう?」ということです。

田野畑村の観光名所「北山崎」

田野畑村の観光名所「北山崎」

私は岩手県田野畑村という人口3000人余りの小さな村で生まれ育ちました。塾もない、コンビニもない、まさに「無い無い尽くし」の村でした。そんな環境で育ったためか、高校・大学と進むにつれて田舎コンプレックスは高まるばかりでした。自分が失敗するといつも「田舎で生まれたから、自分は何もできないのだ」と生まれた環境や育った環境のせいにしていました。

退学を取り消し、がむしゃらに行動していた大学3年のある日、「夜と霧」という本と出会いました。その本に書かれていた言葉によって私の考え方は180度変わりました。

あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない

この言葉と出会った時、「生まれた環境や育った環境は確かに悪かったかもしれない。しかしこの経験をしたのは自分だけだ。この経験こそが自分にしか生み出せない価値を作り出すのかもしれない」と思いました。インターン選考では「生まれた環境、育った環境になく人は可能性を秘めている。それを証明したい。」と宣言し、海外インターンとしてネパールで活動させていただける事になりました。

与えられる人生から与える人生へ

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2年前私はフィリピンで大きな挫折を経験しました。あの時は、助けてくれる仲間もいなければ、困難な状況を突破する力もありませんでした。しかし今は一緒にネパールで活動する大竹浩貴e-Educationの心強い仲間がいます。

22年間の人生を思い返すと私の人生は様々な人から何かを「与えられる」人生でした。ネパールでの1年間は今まで与えられた分を倍にして「与える」ことができるように、仲間とともに頑張っていきます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ネパールフィールドワーク参加者募集中!

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現在、私が活動するネパールのフィールドワークの参加者を募集しています。ご関心のある方はぜひ以下も御覧ください!
フィールドワークに申し込む »

プログラム概要

現地活動期間
2018年3月3日(土)~3月16日(金)(現地13泊14日)
※2週間の参加が難しい方のために、3月10日(土)までの前半1週間のプログラムもご用意しております。ご興味のある方は下記連絡先まで、お気軽にお問合せください。

活動場所
カトマンズ、カブレ、バクタプール

参加資格
18歳以上(未成年の方は保護者の同意が必要です)

参加費用
149,800円
<費用に含まれるもの>
現地での宿泊費、朝食費、ネパール国内交通費、研修・コーディネート費
<費用に含まれないもの>
航空券、ビザ申請費、海外旅行保険、各自お土産等の費用、昼食、夕食

推奨フライト
【往路】
・大韓航空(KE706,KE695)
・3月3日(土) 9時10分成田発
→(インチョンにてトランジット)
→3月3日(土)18時05分カトマンズ着
【復路】
・大韓航空(KE696、KE703)
→3月16日(金)20時30分カトマンズ発
→(インチョンにてトランジット)
→3月17日(土)12時30分成田着

定員
20名
*定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。

申し込み〆切
2018年1月28日(日)

スケジュール

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※スケジュールは変更の可能性があります。

お申込み

フィールドワークへのお申込みは、こちらの申込みフォームからお願いします。

お申込み後の流れ

申込フォームをご記入いただいた方へ、e-Educationスタッフよりメールにて「プログラム申込書」及び「参加費のお支払い方法のご案内」をお送りいたします。プログラム申込書の提出と参加費のお支払いをもって、申込完了となります。

申し込み完了後、担当スタッフと一度面談の機会を設けさせていただき、諸注意やフライトスケジュールなどについて(遠方の方はスカイプ等を活用して)ご連絡させていただきます。
※参加手続き完了後のキャンセルは、現地コーディネートの手配等の都合上、キャンセル料が発生する場合がございますので、ご了承ください。

本プログラムへの疑問・質問がございましたら、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:info [at] eedu.jp (担当:椎木)
※上記 [at] の部分を@マークに変えて送信ください。

皆様のお申込みを心よりお待ちしております!

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