こんにちは!
トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-EducationPRインターンの原です。
いよいよ夏本番。連日暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
7月20日(土)、「フィリピンフィールドスタディ’19 渡航前研修」が開催されました。
当日は、オンライン参加含め全8名の方にご参加いただきました。
来月8月に、e-Education初の試みであるフィールドスタディがフィリピンのカガヤンデオロにて行われます。
今回はその渡航前研修として、カガヤンデオロで実施されているe-Educationのプロジェクトの紹介や、参加者同士の交流を行いました。
研修中はフィリピン現地ともビデオチャットで繋ぎ、海外インターン生としてフィリピンで活動している金井と共に進行していく形となりました。
今回は、そんな渡航前研修当日の様子をたっぷりとご紹介します!
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渡航前研修の流れ
- 第一部:アイスブレイク、参加者自己紹介
- 第二部:フィリピンフィールドスタディ’19のねらい
- 第三部:プロジェクト紹介、カガヤンデオロの事実情報
- 第四部:モチベーショングラフの作成
【第一部】アイスブレイク、参加者自己紹介
まずは、アイスブレイクを兼ねた自己紹介を行いました。
今夏のフィリピンフィールドスタディの参加者は、高校生から社会人までおり、年齢もバックグラウンドも多様です。
アイスブレイクでは、「途上国に対してどのようなイメージを持っているか?」と「このフィールドスタディに参加しようと思った背景」についてシェアしました。
途上国に対して抱くイメージについては
「都市部と地方の貧富の差が大きい」
「目がキラキラしている」
「自分たちの”幸せ”を考えさせられる場」
などの意見がありました。
ポジティブなイメージもネガティブなイメージも、途上国へのイメージは一人一様でした。
また、当フィールドスタディに参加しようと思ったきっかけについて
「現地に赴き、そこで過ごしてみないと分からないことがあると思った」
「e-Educationの活動を自分の言葉できちんと説明できるようにしたい」
というお声をいただきました。
途上国への渡航経験がある方も、今回が初めてという方もいらっしゃいました。
当フィールドスタディを通して、渡航前後で途上国に対するイメージが変わったり、また変わらなかったり。
社会課題に対して新たな一歩を踏み出すきっかけになることを、スタッフ一同願っています!
【第二部】フィールドスタディ’19のねらい
続いて、今夏のフィールドスタディのねらいや渡航前研修の位置づけについて、e-Educationフィリピン担当の坂井より説明をしました。
フィリピンフィールドスタディ’19のコンセプトは「カガヤンデオロの様々な社会問題から教育を考え行動する」。
「知る」に留まらず、自分たちで考え行動するところを最終ゴールとしています。
ただ目の前で用意されていることに取り組むだけでなく、毎日設定されている“Daily Mission”をどう達成するかを考え、毎日参加者同士で振り返る時間を設けます。
プログラム内容は、現地の若者とのディスカッションをするなど、参加者が主体的に取り組むことができるものになっています。
最終日には「カガヤンデオロの教育をより良くするために私たちにできることとは?」をテーマに、現地政府向けのプレゼンテーションを予定しています。
また現地渡航で終わりにせず、現地で得たことを振り返り今後自分は世の中の社会課題に対してどうしていきたいのかを考えるために、渡航後研修も実施予定です。
【第三部】プロジェクト紹介、カガヤンデオロの事実情報
続いては、今回のフィールドスタディで実際に訪れるフィリピンのカガヤンデオロの現状説明を坂井より、またフィリピンに関する客観情報の共有を海外インターンとしてフィリピンのカガヤンデオロにいる金井より行いました。
- フィリピンプロジェクトの創業期
カガヤンデオロでは、もとより台風の被害や紛争の傷跡により貧困が生まれていました。
早期出産・早期結婚などにより、学校に行けずドロップアウトしてしまう子どもたちが増えていました。そんな子どもたちが週末を利用して学校卒業を目指すことが出来るOHSP(オープン・ハイスクール・プログラム)という制度が実施されています。
しかし、十分な教材も先生も確保できておらず、子どもたちは学ぶ機会を取り戻せていない状況でした。
OHSPでは「モジュール」という参考書を使っています。
参考書というより問題集に近く、解説や答えは書かれていません。にもかかわらず、モジュールを教える先生が不足していました。
そこで、地元の学校や自治体と協力し、このモジュールの内容を教えるための映像授業を一緒に作ることを決めました。
- フィリピンプロジェクトの挑戦期
パイロット校にて映像授業を開始したものの、
「生徒の集中力が続かない」
「学力の差があったり苦手分野が異なったりする生徒が一緒に授業を受けていても効果的・効率的でない」
などの課題が出てきました。
- フィリピンプロジェクトの拡大期
上記の課題を踏まえ、2017年頃より従来の映像授業型に加え、現地の大学生がOHSPで生徒にオフラインで授業の補助を行う「チュータープログラム」を開始しました。
映像授業だけでなく、身近な地元の大学生が勉強をサポートしてくれることで生徒の勉強のモチベーションになり、生徒がより勉強に前向きな環境を作れるようになりました。
チュータープログラムの実施前後で進級率は20%向上。卒業テストの平均点も10点向上しています。
- フィリピンプロジェクトの現在
現在フィリピンの生徒たちの多くが苦手としている科目は、数学です。
そこで、日本の教科書のノウハウを紹介したところ、現地で非常に好評でした。
以降、英語と現地語の両方を使い、分かりやすさを重視した教科書作成に取り組んでいます。
今後も現地の教育局や大学とのパートナーシップを大切にしていきます。
- カガヤンデオロの事実情報
(出典元:Oro Youth Development Council-Barangay Youth Profiling Data)
フィリピンの基本情報をはじめ、渡航前にインプットしておきたい内容を共有しました。
カガヤンデオロでは、健康関連の機会に対する意識が欠如している人が約8割おり、また妊娠している女性の約半数が10代となっています。
上記のような要因により早期出産・早期結婚をしてしまった若者が、通常の学校に通うことが出来ず、ドロップアウトしてしまいます。
他にもいくつかの事実情報をお伝えし、教育問題の背景にはどのような事が関連しているのかを考える時間としていただきました。
【第四部】モチベーショングラフの作成
最後に、参加者各自のモチベーショングラフを作成しました。
モチベーショングラフとは、これまでの人生を振り返り、自分のモチベーションがいつ・どのように・なぜ 上がったのか/下がったのかを記入していくものです。
e-Education広報担当の水溜よりモチベーショングラフの作成方法を説明した後、実際に参加者各自にグラフを作成してもらい、その後各自3分程度で全体に共有してもらいました。
以下、その一部を掲載します。
「外資系の企業で働いていた時、そこでヒイヒイ言いながら働くことに疑問を持つようになった。その後『人のために働きたい』と思うようになり、e-Educationのプログラムに参加することを決めた」
「周りの友人と同じように、学生生活を満喫したいという想いはある。しかし、『自分が遊びに使うお金を国際協力に回すことができるのに』というジレンマを日々感じている」
「海外に行った際、人の性格や価値観はその人が育ってきた環境に影響を受けていると感じた。この出来事から、教育に興味を持つようになった」
また、「フィールドスタディを終えた後、どのような自分になっていたいか」という問いに対する答えも共有しました。
以下、一部を掲載します。
「先進国・日本にいながら、国際協力へのモチベ―ションをどう保つか、見出せるようになっていたい」
「現場を見ることで、現在自分が持っている途上国へのイメージとのギャップを埋められていたら、と思う」
「自ら物事を企画するなど、積極的に行動できるようになりたい」
「現地で五感で感じたことを、周りの人に伝えていきたい」
終わりに
e-Education初の試みとなるフィリピンフィールドスタディ’19。
渡航を間近に控えての研修となりましたが、参加者の皆さんやe-Educationスタッフの多様なバックグラウンドや国際協力・教育に対する想いをシェアすることができ、心に残る1日となりました。
e-Educationはこれからも、1人でも多くの途上国の子どもたちに教育を届けるために、挑戦を続けていきます。
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