バングラデシュ | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Tue, 05 Nov 2019 11:17:32 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 バングラデシュの果てまで「最高の教育」を届けよう!【プロジェクト紹介】 https://eedu.jp/blog/2019/11/05/bangladesh_project_intro2019/ https://eedu.jp/blog/2019/11/05/bangladesh_project_intro2019/#respond Tue, 05 Nov 2019 10:56:13 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=49471 バングラデシュは、大きな人口を抱える国であり、現在経済成長の最中にあります。一方で、都市と地方の教育の機会の格差は著しく、地方になると低価格で良質な予備校に通うことは難しくなります。 e-Educationの始まりの地で […]

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バングラデシュは、大きな人口を抱える国であり、現在経済成長の最中にあります。一方で、都市と地方の教育の機会の格差は著しく、地方になると低価格で良質な予備校に通うことは難しくなります。

e-Educationの始まりの地であるバングラデシュは来年で事業を始めてから10年。映像授業の作成、提供、受講体制の改善、先輩によるサポートなど活動は多岐に渡り、一人でも多くの生徒が自信と誇りを持って社会で生きていけるように活動をしています。

この10年の経験は確実に蓄積されており、その成果は、現地パートナーの存在や、e-Educationの修了生たちが「インターン奨学金」制度を用いて現地パートナーのもとで働きながら後輩のサポートをする体制を作るなど毎年の改善に裏付けられています。本記事ではそのようなバングラデシュの取り組みについてご紹介します。

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これまでの活動実績

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2010年より活動を開始し、現地パートナーともに首都ダッカに拠点を置きつつ、チッタゴン管区チャンドプールにて授業を提供しています。農村部の生徒に授業を提供し続けて、2018年度までに述べ23,000人以上の高校生をサポートしてきました。

昨年度から、生徒一人ひとりにタブレットを支給し、個々の理解速度に合わせて受講が可能になり、より生徒一人ひとりのニーズに応えられるようになりました。

また、3年目を迎える「インターン奨学金」制度によりe-Educationを修了した先輩たちから勉強面だけでなく精神面のサポートにも注力しています。

万全の状態で大学受験に臨める体制を整えた結果、9年連続でトップ大学のダッカ大学をはじめとする難関大学や生徒の希望する大学に進学することができています。

今後のプロジェクト計画

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2020年度にかけて、チャンドプールにおける大学受験支援を引き続き展開します。

教育環境の質的向上に向けて映像教材の改善・拡充を現地パートナーや教師と協力して行います。

タブレットの導入やインターン奨学金制度によるサポート等の教育環境改善の実績をもとに受講生の受け入れを拡大し、より多くの生徒に良質な授業を届けます。

また、大学受験の結果に加えて、生徒が勉強に打ち込んだ時間や進学先への納得度も調査し、誇りをもって社会に貢献できる人材の育成に注力します。

その他、企業連携案件等も通して一人でも多くの若者に良質な教育を届けるために現地パートナーの事業をサポートします。

インターン生が取り組む業務

  • 大学受験支援のスケジューリング、学習環境モニタリング
  • 教師対象のセミナーの準備、開催サポート
  • JICA,ADBなど開発機関案件や企業案件のサポート(機関や企業、大学関係者との協議・交渉等)

※2018年実績ベース。その他、現地パートナーのビジネス事業のサポートの可能性もあり。

得られる経験やスキル

  • 行政や企業等を巻き込み、インパクトの大きいプロジェクト展開ができる力
  • 経営者のパートナーとして組織の成長を促進させる力
  • 元中央銀行総裁や国際機関所長等、公的機関トップと仕事をする経験
  • 教育支援モデルを確立し、全国展開させる経験
  • 社会課題に取り組む学生・社会人とのネットワーク
  • 世界で勝負できるプレゼンテーションスキル

どういった学生にオススメか

  • 行政連携、企業連携に関心があり、成長したいと思っている人
  • 自分がやりたいことを大切にしながら、現地で必要なことに全力を注げる人
  • 途中で投げ出さない人
  • 忙しさの中から楽しさや意義を自ら見いだせる人
  • 教育を通したビジネスに関心がある人
  • 英語でのコミュニケーションに不安がない人

おわりに

現在、成長著しいバングラデシュの現地パートナーとの協働を通して社会への貢献を果たせることはこの上ないやりがいを感じることかと思います。

毎年新たな挑戦を続ける現地パートナーはe-Educationの大学受験支援だけでなく、ビジネスにより教育課題を乗り越える方法を常に模索しています。
そのような常に成長するプロセスの中で支援者・被支援者という垣根を超えて対等な立場で協働する彼らとの取り組みは多くの学びを得られるでしょう。

一緒にバングラデシュで挑戦できること楽しみにしております!

インターン募集要項をみる »

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【海外インターン】新進気鋭バングラデシュ社会起業家のCEOアシスタント募集!【12月23日締切】 https://eedu.jp/blog/2018/12/03/bangladesh-ceo-assistant/ https://eedu.jp/blog/2018/12/03/bangladesh-ceo-assistant/#respond Mon, 03 Dec 2018 07:53:34 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48324 経営者のパートナーとして国の発展を支える NPO e-Educationは、途上国の教育課題を自らの手で解決しようと挑戦する日本とバングラデシュの大学生によって生まれた団体です。 当時大学生であったバングラデシュのパート […]

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経営者のパートナーとして国の発展を支える

NPO e-Educationは、途上国の教育課題を自らの手で解決しようと挑戦する日本とバングラデシュの大学生によって生まれた団体です。

当時大学生であったバングラデシュのパートナーは今では現地で会社を立ち上げ、NGOとビジネスの両輪を回すバングラデシュで注目の社会起業家となっています。

30人を超える仲間をかかえる組織は今この瞬間も成長を続けており、日本人の協力も必要としています。そこで今回、このe-Educationのバングラデシュパートナー企業で、現地CEOのアシスタントをするインターンを募集します。

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募集要項

募集概要

  • 職種: CEOアシスタント
  • 所属: BacBon Ltd(※e-Educationの所属ではありません)
  • 募集人数: 1名
  • 対象: 大学生、大学院生
  • 活動場所:バングラデシュ・ダッカ
  • 現地活動期間:1年間 (要相談 ※休学を原則とします)

派遣予定時期(任期:原則1年間)

2019年3月〜2020年3月
※渡航の時期や期間は応相談とします。
※内定後、渡航前に日本国内で研修を行います。

現地での活動

  • JICA,ADBなど開発機関案件や企業案件のサポート(機関や企業、大学関係者との協議・交渉等)
  • タブレットや関数電卓など教育商材のセールスサポート
  • 大学受験支援のスケジューリング、学習環境モニタリング
  • 教師対象のセミナーの準備、開催サポート
  • エンジニア向け日本語教育のサポート
  • ※2018年実績ベース
    ※バングラデシュ国外の出張の可能性もあり

得られる経験やスキル

  • 行政や企業等を巻き込み、インパクトの大きいプロジェクト展開ができる力
  • 経営者のパートナーとして組織の成長を促進させる力
  • 元中央銀行総裁や国際機関所長等、公的機関トップと仕事をする経験
  • 教育支援モデルを確立し、全国展開させる経験
  • 社会課題に取り組む学生・社会人とのネットワーク
  • 世界で勝負できるプレゼンテーションスキル

求める人物像

  • 途上国の教育課題解決に対して強い想い・情熱を持っていること
  • パートナーたちと信頼関係を築くための会話(英語)力がある方
  • 約束を大切にし、一つ一つ確実にやり遂げることができる方
  • 想いと責任を持って最後まで決して諦めないタフな方
  • 急成長中の組織の一員として常に自ら挑戦するマインドがあること
  • 途上国での滞在経験のある方

《以下の方は優遇》

  • NGO・企業でのインターン経験のある方
  • 英語やベンガル語を話せる方

どういった学生におすすめか

  • 行政連携、企業連携に関心があり、成長したいと思っている人
  • 自分がやりたいことを大切にしながら、現地で必要なことに全力を注げる人
  • 途中で投げ出さない人
  • 忙しさの中から楽しさや意義を自ら見いだせる人
  • 教育を通したビジネスに関心がある人
  • 英語でのコミュニケーションに不安がない人

待遇

現地での滞在費や給与の支給はありません。
(バングラデシュ国内の出張費は支給)

募集期間

<エントリー受け付け期間>
12月3日(月)〜12月23日(日)まで
※エントリー頂いた方に選考書類をお送りしますので、お早めのエントリーをお待ちしております。

<課題提出〆切>
12月28日(金)23:59まで
 

応募の流れ

説明会日程

インターン応募につきましては、説明会への参加を推奨おります。
以下の日程から都合のつく日時をご確認の上、説明会参加フォームよりお申し込みください。
また、遠方にお住まいで東京の説明会に参加できないという方は、東京で実施する説明会へのオンラインで出席も可とします。

説明会参加フォームへ »

日時
12月15日(土):18時〜20時
12月19日(水):19時〜21時

場所
e-Education東京オフィス (千代田区東神田1丁目2-8 赤塚ビル2階)
最寄駅:JR馬喰町駅/都営新宿線馬喰横山駅 徒歩3分

また、お問い合わせについては、件名を下記のようにご記入の上、本文をお書きいただき、matsubara[at]eedu.jpまでご連絡をお願い致します。
※[at]は@に変換して下さい。

※12月22日のe-Educationアニバーサリーイベントにバングラデシュパートナーが登壇予定なので、都合のつく方はぜひご参加ください。

イベントに参加する »

応募方法

以上の募集要項を確認いただき、ぜひ参加したいと決意して下さった方は、説明会へ応募、もしくは説明会へ参加されない方はページ下部の採用応募フォームより応募してください。

選考プロセス

  1. 書類選考(エントリー頂いた方へ選考書類をお送りします)
  2. 面接(書類選考通過者のみ)

応募後の流れ

応募フォームから申し込み

(説明会に参加)

インターンにエントリー

採用担当から書類選考課題を送付

選考課題を提出

書類選考の結果、及び面接日程のご連絡

担当者と面接(複数回)

1月中旬を目処に合否通知

2月上旬に国内(東京)にて研修

最後に

現在、成長著しいバングラデシュの企業活動を通して社会への貢献を果たせることはこの上ないやりがいを感じることかと思います。

ビジネスによる教育課題を乗り越える方法を模索しながら解決の糸口を見出すプロセスは多くの学びを得られるでしょう。

一緒にバングラデシュで挑戦できること楽しみにしています!

ご応募をお待ちしております。

CEOアシスタントに応募する »

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国際協力を志事にするために途上国で二度目の挑戦。バングラデシュの発展を支える社会起業家に1年間伴走して学んだこと(早稲田大学5年・松原信英) https://eedu.jp/blog/2018/12/03/bangladesh-experience/ https://eedu.jp/blog/2018/12/03/bangladesh-experience/#respond Mon, 03 Dec 2018 07:53:18 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48328 みなさんこんにちは!e-Educationのバングラデシュパートナー企業BacBon Ltdでインターンをしている松原信英です。 2018年1月からこの12月までの1年間、e-Educationの始まりの地バングラデシュ […]

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みなさんこんにちは!e-Educationのバングラデシュパートナー企業BacBon Ltdでインターンをしている松原信英です。

2018年1月からこの12月までの1年間、e-Educationの始まりの地バングラデシュで現地パートナーとともに駆け抜けてきました。

テレビやプレゼンコンペへの露出が増えて毎年着々と注目を集めているe-Educationはなぜ毎年成長を続けられるのか。それは必ずしも日本人スタッフたちが優れたスキルや熱意を持っているからだけではありません。

国際協力の世界で大きなインパクトを残すためには「現地パートナー」のたゆまぬ努力が不可欠です。本記事では、そんな現地パートナー企業のもとで私が1年間CEOアシスタントを経験し、学んだことをお伝えしようと思います。

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国際協力を仕事にするために二度目の途上国へ

バングラデシュの経験をお話する前に、私がなぜバングラデシュでのインターンを始めたのかお話させてください。

実は、私がe-Education関連で途上国に滞在するのは二度目なんです。大学2年次、2015年の半年間、インドネシアで高校生に映像教材を届け大学受験の支援をしていました。
インドネシア合宿

インドネシアの高校生たちと

結果としてスラム地域のフリースクールから2名が国のトップ大学に合格を果たしてくれたのですが、個人としては力を出し切れたのか、本当に現地の役に立つことができたのかもやもやする部分がのこりました。

帰国後、NPOの活動とは一旦距離を置いて大学のゼミ活動などに注力していました。しかし、周りが徐々に就職活動を始め、将来のことを考え始めると「自分が本当にしたいことはなにか」という問いに直面します。

友人たちが官公庁や商社、メガバン、コンサルという名だたる企業・機関に進路を定める中、自分の出した答えは「国際協力を仕事にする」こと。

インドネシアで残ったもやもやに再び向き合いたい気持ちと途上国で感じた勢いの中で働きたいと思った結果でした。

ただ、「国際協力を仕事にする」といっても選択肢はいろいろあるんです。JICAや開発コンサル、商社やゼネコンでも捉え方次第で国際協力に十分なり得ます。また国連などを考えるためには修士号も最低限必要。

今の自分が取るべき選択肢がなかなか定まらず悩んでいると、久々に会ったe-Education代表の三輪さんから一言。

ノブがバングラで働いてる夢を見た。だから来年バングラで待ってる。

多くの人からしたら、この誘い方とこの言葉についていく人はなかなかいないと思いますが、悩んでいた当時の私にはビビっと来てしまって、即決でバングラ行きを決めました。

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2014年バングラパートナーのマヒンと松原が始めて会ったとき

e-Educationのバングラデシュパートナーであるマヒンとは面識がありましたし、何よりNGOから始まった組織がJICAや世界銀行、アジア開発銀行などの公的機関、大手日系企業や現地政府、日本とバングラデシュ両国の大学など多くのパートナーシップを組んで国の発展を支えている現場というのは様々なアクターの役割をより深く知りたい私に最善の機会だったのです。

このような機会を経て2018年1月より私はバングラデシュのマヒンのもとでCEOアシスタントとして滞在を始めました。

くらべものにならない挑戦の数々

そして、いよいよ始まったバングラデシュでの生活。

映像教育はインドネシアで経験があったのでどうにか役に立てるだろうと思っていたのですが、バングラデシュに到着して現場を目の前にすると、想像を遥かに上回る速さでものごとが進んでいました。

それもそのはずインドネシアは何の経験もない大学生が一人で渡航して現地の組織が出来上がってるわけでもない中、手探りでプロジェクトを進めていたのですがBacbonはすでに30人を超えるスタッフを抱える立派な企業。

ちょうど私が渡航した1月は大きな企業案件が動いており、毎週、週末を返上してスタッフ一同仕事に取り組む毎日でした。

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華やかな世界に思われがちな社会企業や国際協力も日常の多くはデスクワーク

途上国というと約束を守らないとか、仕事にもそんなに真剣に取り組んでいないというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、全くの正反対。バングラデシュで一番働いているんじゃないかと思うくらい、みんな懸命に取り組んでいます。

特にCEOのマヒンは誰よりも足を動かして仕事に取り組んでいました。なによりも驚いたのが彼の初速のはやさ。国内外のネットワークを駆使して少しでも教育の質を向上できるチャンスを見出したら迷わず仕事として立ち上げます。

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Casioの関数電卓をつかう高校生

私が滞在していた間だけでも、関数電卓、タブレット、スマートボード(電子黒板)、日系企業のCSRサポート(太陽光発電)、エンジニアの日本語教育などのプロジェクトを立ち上げ、進めていきました。(これらは私が関与したプロジェクトというだけであって、会社としてはさらに多くのプロジェクトを動かしています。)

彼はバングラデシュ国内で新聞やTVなど様々なメディアに取り上げられ、注目を浴びている起業家なのですが、その裏には数え切れないほどの挑戦が隠れていることを知りました。

9年の蓄積

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9年の歴史を物語る写真の数々@チャンドプールオフィス

それでは、なぜこのような取り組み方が可能なのでしょうか。それは9年間の蓄積があるからだと感じました。バングラデシュで映像授業のプロジェクトが始まったのは2009年。すでに9年もの月日が流れています。

例えば、映像教育を用いた大学受験支援ではこの9年間、毎年最難関ダッカ大学の合格者を輩出しています。これは偶然ではなく、組織としてノウハウを確実に蓄積しているからだと言うことがわかりました。

生徒の理解が難しい分野の把握や、現地予備校の競合分析、学習管理モニタリングなど毎年データが残されて最高の教育を届けられるような土台があるんです。

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タブレットで授業を受ける生徒

私は日本側との取り次ぎや各学校を訪問して生徒の募集をかけるときには貢献できたかとは思いますが、その他の業務はローカルスタッフだけで自走できる状態であったのは非常に驚きでした。

このように裨益者に最も良いものを届けるための「学ぶ組織」の重要性やその組織が出来上がっていく課程を垣間見れたことは非常に大きな学びとなりました。

経営者の苦悩

ただ、いつも順調かというとそうではありません。

私はこの1年間CEOマヒンの家の1室を借りて住ませてもらっていたので、仕事場でも家でも時間をともにしていました。そこでわかったのは経営者は誰よりも働いて誰よりも結果を残しているけど、誰よりも悩んでいるということ

大学生からはじまったバングラデシュのプロジェクトですが、今では会社という形をとっておりもちろん30人のスタッフには給料を支払わなければなりません。

社会課題を解決すると同時にスタッフの生活の責任も背負っている経営者。そして彼自身、一児の父という家庭をもった1人の個人でもあります。

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マヒンと1歳の娘さん

そのすべての歯車を上手く組み合わせてスムーズに回すことは容易ではありません。彼が頭を抱える姿も幾度となく見てきました。

「この事業は収益性が良くないから止めようと思う」「スタッフを減らそうと思うんだけどどう思う?」「忙しすぎて家族に会えない」

このような悩みに対する相談を何度も受けました。彼の不安を私がどれだけ解消できたかはわかりませんが、周りからの期待が大きい分そのストレスも相当のもの。

もし彼が折れてしまったらこの国の人が得られるはずであった1ステップ上のサービスを受けられるのは数年先となってしまいます。

国の発展にはキーパーソンが現れるだけではなく、その人を支える環境が非常に重要になると感じた時間でしたし、結局どんな大きな仕事も根底にはこのような人間味のある瞬間があってそれを一緒に乗り越える必要があることがわかりました。

パートナーの信頼

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e-Education代表の三輪さん

ただ、彼はこの9年間このような苦悩はありましたが諦めることなくそれを乗り越えて来たんです。なぜ、続けてこれたのでしょうか?

その答えはこの1年間バングラデシュにいて以上によく理解できました。それは「ある1人からの圧倒的な信頼」があったからです。

その人こそがe-Education代表の三輪開人です。この1年、三輪さんもバングラデシュを拠点として多くの時間をこの国で過ごしていました。

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Bacbonのオリジナルタブレットが届いたときのマヒンと三輪さん

マヒンの仕事がうまく行ったときは誰よりも一緒に喜び、うまく行かなかったときは遅くまで反省会をともにし、お互い忙しいはずなのに常に連絡を取り合っています。

経営戦略を立てるときもお互いの考えている方向性はピタリと一致していて、こんなに息の合ったパートナーは見たことがないと思いました。

多くの人が国境を一歩またげば「バングラデシュ人は〇〇だから」「日本人は◯◯だから」と大枠に括って話してしまいがちなところ、個人単位の信頼をここまで強く築いている二人の姿は今後も私の心のなかに残っているでしょう。

この2人から国際協力や社会企業でもっとも大切なものを学んだ気がします。

おわりに

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1年間の滞在で、社会課題へのアプローチの仕方はもとより、人として誇れる姿を学びましたし、何よりも「国際協力は信じることで始まる」という根本的な部分に気づけたことは大きな収穫でした。

この成長著しいバングラデシュで人間味あふれる1年を送れたことは今後の人生を歩んでいく上で大きな財産となると確信しています。

そして、どのような形になるかわかりませんが、また戻って来たいと思いますし、将来もバングラデシュで出会った人たちとまた働けることを楽しみにしています。

インターン募集のお知らせ

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そして現在このバングラデシュで来年3月から渡航できるインターン生を募集しています。

まだまだ成長を続けるBacBonは日本人の協力を必要としており、1年間マヒンのもとで社会起業や国際協力、教育開発などさまざまなことを学べるチャンスとなっています。

詳細は以下のリンクからご覧ください。途上国の発展に貢献したいという強い意志をお持ちの方、ご応募お待ちしています。

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新プロジェクト始動。バングラデシュの若きITエンジニアと一緒に、日本を盛り上げる日を信じて【協力企業募集中】 https://eedu.jp/blog/2018/10/27/new_challenge/ https://eedu.jp/blog/2018/10/27/new_challenge/#respond Sat, 27 Oct 2018 08:36:58 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47899 みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。 2010年、私たちの活動は当時アジア最貧 […]

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New challenge

みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。

2010年、私たちの活動は当時アジア最貧国と呼ばれていたバングラデシュで始まりました。農村で暮らす貧しい高校生たちに対して映像教育を提供し、彼らの大学受験を応援してきました。私もお世話になった日本の東進ハイスクールがモデルになっています。

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毎日映像授業で必死に勉強する貧しい村の高校生

活動初年度からNo.1国立大学の合格者が誕生し、今では250人以上の貧しい高校生たちが難関国立大学に進学しています。「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれるようにもなりました。

そんな私たちが今新しく挑戦しているのが「バングラデシュ若手IT人財向けグローバルリーダー育成事業」です。今回は、新プロジェクト立ち上げの経緯と、私たちのこだわりについてご紹介します。

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真っ暗だからこそ見えた光

私は今バングラデシュを拠点に活動しています。

きっかけは、2年前に起こったバングラデシュのテロ事件。なぜ優秀な若者たちがテロ行為に及んでしまったのか?若者たちが抱えている不安や不満は一体なんなのか?彼らのために今私たちにできることはないか?そんな想いを抱きながらバングラデシュに戻りました。

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バングラデシュの大学などで講演

若者たちのリアルを知るために20以上の大学を訪ねました。出会った学生は1000人以上。その中にはテロ事件を起こした若者の出身大学もありましたが、絶望なんかありません。希望に溢れていました。

一例として、e-Educationの元生徒であり、大学院生となったシャフィという青年をご紹介します。

彼は高校生の時に父親を亡くし、学費を全てアルバイトを稼ぎながら大学に通っていましたが、ロヒンギャ難民支援の活動や地元の後輩たちに対する学習サポートなど様々な活動を一緒にしています。

この活動の様子は2018年1月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』でも紹介いただきました。現在NHKのWEBサイトでダイジェスト版をご覧いただくことができますので、良かったらぜひご覧ください。

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若者たちの力が テロではなく未来へ向かうように― | どーがレージ | NHKオンライン

支援される側から支援する側のリーダーへと成長していく過程を間近で見ながら、この国の若者たちの可能性を再確認でき、今まで以上に彼らの夢や挑戦を応援したくなりました。

「真っ暗だからこそ、見える光もある」

前職JICAで働いていた頃、国際協力の先輩たちから教わってきた言葉の意味がようやくわかって来ました。

そんなことを思っていた時、JICAの新しいプロジェクトに関わらないかという相談をいただきました。それが「B-JET(Bangladesh-Japan IT Engineers Training Program)」です。

バングラの若手ITエンジニアに、最高の教育を

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B-JETは、JICAの技術協力プロジェクトの一環として2017年11月より開始した、バングラデシュICT人材向けの日本就職をターゲットとしたトレーニングプログラムです。

日本のIT人材不足は深刻です。一方で、バングラデシュではIT人材は豊富にいるものの就業機会が不足しています。B-JETは、そのような日本とバングラデシュそれぞれが抱えるニーズを埋め合わせるべく発案されて始められました。

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B-JETWEBサイトより引用

「バングラデシュの若者たちと日本を一緒に盛り上げる」という目標に心から共感し、私はカリキュラムアドバイザーという立場で0からICTアカデミーの立ち上げに関わらせていただきました。バングラデシュの希望を日本に届けるため、これまで培ってきた経験や知識を全て活かしてカリキュラムを組み立てました。

ここから少し長くなりますが、私がこのプログラムのカリキュラムを0から作るにあたって非常にこだわったポイントを3つに絞ってご紹介します。

【こだわり1】失敗を乗り越える強さを

私はバングラデシュで8年近く教育支援に関わってきたのですが、この国で感じた大きな課題の一つが「失敗に弱い」ことです。大きな失敗をする経験が少なく、一度の失敗で崩れてしまう生徒が少なくありません。

これは学校の仕組みも深く関係があります。部活動がないこともあって誰かと競う機会が少なく、テストも間違った回答をすると減点対象になるため、彼らは若いうちから失敗をどうやったら避けられるのか肌で身につけてしまっています。

これを解決するために、B-JETでは失敗するポイントをあえて沢山作りました。

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日本語の授業も一人一人が会話に挑戦(失敗)できるようなクラス作りを

一例として、B-JETでは(当たり前に聞こえるかもしれませんが)時間厳守を徹底しています。無断欠席や遅刻は許さず、できなかった場合は特定の個人に対してではなく生徒全員に対して厳しく注意します。

「なぜ彼が遅刻することを誰も知らなかったのですか?」
「チーム全員が遅刻しないためにはどうしたらいいですか?」

一人の失敗をみんなで共有し、他人の失敗を自分の失敗として受け止め、一緒に解決策を考えられるようになったことで、少しずつ全員失敗に対する耐性がついきました。

授業の終盤では、多くの生徒が企業の面接に挑戦し、中には何度も不採択となった生徒もいましたが、「どうしてダメだったのかみんなで考えよう」と仲間たちと一緒に失敗を乗り越えようとする姿を見て、彼らだったら日本で活躍できると確信できました。

【こだわり2】家族のような絆を

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毎週開催している「チーム・レビュー・クラス」の様子

上のこだわりにも関係しますが、エンジニアのような専門職であっても、仕事は一人で完結せず、チームメンバーとの良い関係が、仕事をスムーズに前に進める鍵です。

もともとバングラデシュは家族想いの国であり、友人との距離も非常に近い国ではありますが、これが大学受験や職業訓練になると、周りがライバルに見えるためか、お互い支え合うようになりません。

これを解決したくて、私は毎週「チーム・レビュー・クラス」という全員参加型のディスカッションクラスを設けました。会議の進め方・議事の取り方・タイムマネジメントなどを教える目的もありましたが、一番の狙いはチームとしての団結力を増やすためでした。

このクラスでは毎回、生徒たちが司会進行やタイムキーパーなどを役割を分担し、議題も毎回生徒主体で決めています。

ある生徒が家族の葬式のために1週間近くクラスを離れてしまった時は「彼女のために、今私たちができることを考えよう」と議論しあい、彼女が授業で追いつけるようノートを取り、仲の良い生徒は毎日電話して少しずつキャッチアップする、など見ていて胸が熱くなりました。

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欠席者に対して、自発的に授業のフォローをおこなう生徒たち

授業の終盤、生徒たち主催で、私たち運営スタッフに対して感謝の気持ちを伝えるパーティが開かれたのですが、その中で「まだ企業から内定が出ていない生徒もいますが、既に内定している人たちがみんなで支え合い、全員で日本に行きたい。私たちはいつまでも家族です」と熱いスピーチをしてくれ、涙が出そうになりました。

家族のように支え合う彼らは、私にとっても家族のような存在であり、彼らと一緒の時間を過ごせて本当に楽しかったです。

【こだわり3】圧倒的な原体験を

そんな家族のような生徒のために、もっとできることはないだろうか?

そこで一つ思いついたのが、私の自慢の仲間や先生を紹介して、彼らの目線や志が一気に上がるような圧倒的な原体験を作ってあげることでした。

ただ、治安が落ち着かない中で「バングラデシュへ来てください!」と招待するのはやはり難しく、しばらく頭を悩ませていたのですが、シリコンバレーでエンジニアとして活躍されて来た友人上杉周作くんと恩師・米倉誠一郎先生がバングラデシュまで来てくれ、無償で特別講義を引き受けていただきました。お二人には本当に感謝しかありません。

お二人ともバングラデシュの若者たちの可能性も感じていただき、Facebookに投稿いただいた感想を見て、彼らが日本を一緒に盛り上げてくれることを確信しました。一部ここでも紹介させていただきます。

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シリコンバレーでエンジニアとして活躍されてきた上杉くん

(上杉くんのB-JET訪問感想)
ちょうどひと月前、国際協力機構(JICA)がダッカに職業訓練校を設立しました。ダッカのトップ校卒のIT技術者に日本語などを学んでもらい、人材が不足している日本の地方企業に仲介するというプログラムです。すでに宮崎県の企業で受け入れがはじまっています。

この職業訓練校で今回少しだけお話させてもらい、バングラデシュの若者の熱量を感じることができました。これから日本の地方を優秀なバングラデシュ人が盛り上げてくれる予感がします。

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一橋大学・名誉教授であり、e-Educationの理事でもある米倉先生

(米倉先生のB-JET訪問感想)
BJETプログラムは三輪開人くんがJICAとともに創り上げたバングラデシュのIT技術者に対する研修プログラム。日本語と日本のビジネスマナーをしっかり教えて、日本企業に送り込むという研修制度です。キラキラした目を持つ彼らが、外国人をそれほど優遇することもない日本を選んでくれたことは本当に嬉しい。外国人技術者の問題は彼らにではなく、日本側が彼らを生かしきることができるかなのです。
日本は彼らのような人材をもっともっと受け入れて、大事な戦力にしなければならないのです。

上杉くん、米倉先生、素晴らしい特別講義と温かいコメント、本当に有難うございました。

B-JETの成果

何もないところから始まったB-JETは、今では定員の100倍以上の応募がある、バングラデシュ最高峰の教育プログラムになりました。

また、B-JET卒業生の多くは日本にあるIT企業、或いはバングラデシュにある日系IT企業に正社員(技能実習生等とは異なり高度IT人材として就労ビザを取得)として採用されています。

B-JETのWEBサイトでは、これまでの応募者数や採用実績が掲載されておりますので、ぜひご確認ください。

第1期生(トレーニング期間2017/11~2018/1)
応募者数1,825名から20名を選抜し、全員修了。
就職先 日本17名(宮崎県、東京都、北海道)、ダッカ2名(1名はダッカにてインターン中)

第2期生(トレーニング期間2018/3~2018/5)
応募者数4,703名から40名を選抜し、38名修了。
就職先 日本25名(東京都、宮崎県、愛知県、高知県、大阪府)、ダッカ4名(9名は就職活動中)
※詳細はB-JETのWEBサイトをご参照ください。

新しい挑戦。B-JETのその先へ

New challenge

B-JETのカリキュラムがいったん完成し、JICAのカリキュラムアドバイザーとしての任期を終えた今、私は新しい挑戦を開始しました。それが「バングラデシュ若手IT人財向けグローバルリーダー育成事業」であり、B-JETの卒業生のうち、未就職者7名に対して追加のトレーニングを提供しています。

卒業生たちへのヒアリングと、B-JET生を採用いただいた(&採用いただけなかった)日系企業の方々へのヒアリングを通じて、採用に至るまでの3つの壁を知ることができました。

  1. エンジニアとしての経験不足
  2. 日本語でのコミュニケーション能力
  3. バングラデシュという国に対する抵抗感

これらの課題を解決するために、私たちは今新しく3つのこだわりを持って特別な教育プログラムを提供しています。

【新しいこだわり1】実践的なコーディングトレーニングを

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現在、就職先の決まっていない生徒の大きな課題の一つがエンジニアとしての経験不足です。未就職者7人のうち4人が昨年大学を卒業したばかりで、就労経験がありません。

そこで、私たちe-EducationBacBon Limitedと業務提携することで、彼らに対して実践的なコーディングトレーニングの機会を提供しています。

BacBon Limitedは、e-Education創業者の一人であるバングラデシュのパートナー・マヒンが2015年に設立した会社であり、映像教材開発の経験や日本とのネットワークを活かして、WEBサービスやモバイルアプリのオフショア開発チームを立ち上げ、これまで国内外の企業数十社からの受託開発実績があります。

そこで現在受託している開発案件のうち、生徒たちの得意とするプログラミング言語をベースにいくつかのチームを作り、経験豊富なエンジニアと一緒に開発経験を積んでいます。

一例として、オーストラリアのハンドメイド家具ECサイト『Nakshi』は、一人の生徒が中心となって開発を進めました。LaravelというPHPのフレームワークを使ってサイトを作り、Stripeという決済APIで支払い機能を実装しています。

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生徒が中心となって作成した『Nakshi』のWEBサイト

このような経験を積み重ねることで、エンジニアとしての経験不足を補うと同時に、自分が作り上げたサービスが社会(顧客)の課題解決に繋がる成功体験に繋がり、彼らがリーダーへと成長していくと信じています。

【新しいこだわり2】アウトプットを中心とした日本語教育を

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自主制作した日本語のYoutube動画についてプレゼンする生徒たち

エンジニアとしての経験不足と同じくらい大きな課題が、(特に面接時における)日本語でのコミュニケーション能力不足です。

私たちに置き換えてみると分かりやすいです。例えば、採用面接が英語であるとして、自分の志望動機や長所を上手く伝えられますでしょうか?ましてや、人と話すことが苦手であった場合、そのハードルが更に高くなることは容易に想像できるでしょう。

そんな課題を解消するために、アウトプットを中心とした日本語教育カリキュラムを鵜澤威夫先生と一緒に作り上げました。

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アウトプット中心の日本語教育を進める鵜澤先生

鵜澤先生は以前青年海外協力隊として、バングラデシュで日本語教育をされていた方であり、前職JICA職員としてバングラデシュに駐在していた時にとても感銘を受けた方でした。

生徒たちの自発性や創造性を尊重し、アウトプット中心の日本語教育を実践されていた心から尊敬する先生であり、今回新しい教育プログラムの立ち上げに協力いただきました。

バングラデシュの有名な人について発表する生徒たち

生徒たちと一緒にYoutubeチャンネルを立ち上げて日本語で発信する機会を作り、Facebookグループで動画&音声ベースの課題を出すなど、ユニークな方法で日本語を学ぶ機会を提供し、生徒たちの日本語コミュニケーション能力はどんどん磨かれています。

【新しいこだわり3】日本とバングラデシュを繋げる越境教育を

先ほど紹介したYoutubeチャンネルには現在15本程度の動画がアップロードされており、良かったらぜひこちらの動画をご覧ください。

ダッカ天気予報 第6回(2018年10月17日) DHAKA WEATHER #06 – YouTube

これはバングラデシュの天気を紹介している動画になりますが、こだわっているのは「日本の人たちに、バングラデシュを身近に感じてもらう」ことです。

日本語の授業では、日本について学ぶだけではなく、自分の国(バングラデシュ)について考える、という裏目標を設定しており、日本との違いや共通点を探しながら、バングラデシュの魅力を一緒に探しています。

「バングラデシュという国への抵抗感をどうやったら少なくできるのか?」

これは私もテロ事件以降ずっと悩んできた課題でしたが、鵜澤先生と生徒たちがバングラデシュの魅力を動画にまとめ、それをご覧いただいた日本の方々の温かいコメントを見るたびに、少しだけ日本とバングラデシュの距離が縮まったような気持ちになります。

天気予報動画の作りかた。生徒たちが楽しく取り組んでいる様子をご覧ください。

バングラデシュという国のイメージが湧かないという方は、ぜひともYoutubeチャンネルをご覧ください。そして少しでもバングラデシュのイメージが明るくなったら本当に嬉しいです。

最後に(ご提案)

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今の生徒7人は、倍率100倍という選考を勝ち抜き3ヶ月の厳しい授業を乗り越えたB-JETの卒業生であり、更に追加トレーニング2ヶ月間を通じて大きく成長した自慢の生徒たちです。失敗から多くを学び、チームのことを家族のように大切にする彼らは、きっと日本で活躍してくれると信じています。

もしバングラデシュのITエンジニアを採用したい、という企業の方がいらっしゃいましたらぜひ以下のフォームからぜひご連絡ください。彼らと一緒に会社を、そして日本を盛り上げたいという熱い想いをもった方々に自慢の生徒たちをご紹介できることを楽しみにしています!

フォームから連絡する »

また、直接生徒たちを紹介する機会をぜひ作りたく、11月26日〜12月8日の約2週間、バングラデシュまでお越しいただける方に対して、生徒たちを紹介(マッチング&面接)する機会を提供します。

また直接バングラデシュへ渡航することが難しくても、生徒たちのCV(履歴書)を共有し、オンラインで面接するサポートを無償で提供しますので、少しでもご関心のある方は以下のフォームからぜひご連絡ください。

フォームから連絡する »

基本的な採用までの流れ

フォームからご登録いただいた企業様には、生徒の履歴書や教育プログラムの詳細をご案内いたします。

基本的な採用までの流れは以下の通りで、ご不明な点や質問がございましたら登録フォームの「質問」欄よりお問い合わせください。

【1】求人票(英語版)の提示
会社情報・求めるスキル等を記した求人票をご提出ください(フォーマットはメールでお送りいたします) 頂いた情報・ご要望に基づき、生徒の履歴書をお送りします。

【2】書類選考
履歴書を元に書類選考いただき、次の選考ステップに進めたい候補者をお知らせ下さい。

【3】テスト、面接の実施
技術テストや面接など、独自の方法で選考をお進め下さい。
※11月26日〜12月8日の約2週間限定で、バングラデシュ・ダッカで直接面接する機会もお作りいたします。
※Skype等を通じたオンライン面接も可能であり、書類選考を終えた企業様に順次ご案内いたします。

【4】 内定通知、オファー面談
要件を満たす候補者へ内定通知を連絡いただき、双方合意の上で雇用契約を締結いただきます。

【5】ビザ発行、入社
採用決定後は、採用企業と内定者間でビザ取得手続きを進めていただきます。入社前のフォローアップ等は、各社様のご判断で実施いただいています。

以上、少しでも関心のある企業様はぜひ以下のフォームからお問い合わせください。

「バングラデシュの若きITエンジニアと一緒に、日本を盛り上げたい」

この想いに共感いただける方々からのご連絡、心からお待ちしております!

フォームから連絡する »

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テロ事件から2年。生き残った私が、バングラデシュに戻った理由と、挑戦する中で見つけた希望(e-Education 三輪 開人) https://eedu.jp/blog/2018/07/01/2years/ https://eedu.jp/blog/2018/07/01/2years/#respond Sun, 01 Jul 2018 10:07:37 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47475 「どうして、私は生き残ったんだろう?」 ダッカのテロ事件が発生してから3日後の7月4日。多くの警察が見守る中、バングラデシュの国際空港の出国ゲートを抜ける直前、少しだけ足が止まりました。 「本当に、日本に帰っていいのだろ […]

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「どうして、私は生き残ったんだろう?」

ダッカのテロ事件が発生してから3日後の7月4日。多くの警察が見守る中、バングラデシュの国際空港の出国ゲートを抜ける直前、少しだけ足が止まりました。

「本当に、日本に帰っていいのだろうか?」

まだバングラデシュでやることがあるんじゃないのか。今帰ってしまったら、二度と戻ってこれなくなるんじゃないか。

そんな不安を抱えながら日本へ帰国したのはもう二年前。

社会人になって時の流れはどんどん早くなり、気がつけば一年が過ぎていく中、この二年間はこれまでの人生で最も長く感じた時間でした。

朝起きては同じ問いを繰り返す毎日。

「どうやったら、バングラデシュの若者が、テロではなく未来に向かうのか」

あれから2年。私がバングラデシュに戻ってきた理由と、挑戦する中で見つけた希望をお伝えします。

SPONSERD LINK

バングラデシュとの出会い

E Education top

みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。

e-Educationの始まりは、2010年に訪れたバングラデシュ。当時まだ大学生だった私は株式会社マザーハウスのインターンとして現地の工場で働いていました。

その時、バングラデシュで出会った大学生が税所篤快。彼は貧しい人たちのための銀行「グラミン銀行」のインターンであり、友人の紹介で彼に会いにいきました。

「この国の教育格差を、ICTの力で壊したいんです!」

出会って数分で、彼は熱い想いとユニークなアイデアを共有してくれました。貧しくて塾に行けない農村部の高校生たちに、都市部の有名な予備校講師の授業を、映像にして届けることで、彼らの大学受験を応援する。

「東進ハイスクールのモデルで、この国の教育を変えたいんです!」

元東進生だった私にとって、彼のアイデアは革命的でした。ぜひ協力させて欲しいと頼み込み、翌日一緒にダッカ大学で聞き込み調査を開始しました。これがe-Educationの始まりです。

そこからは激動の毎日。有名な予備校講師を探し回り、映像授業の撮影を開始。完成した動画は寄付でいただいたパソコンと一緒に、毎晩遅くまで受験勉強を続ける貧しい高校生たちの元へ届けました。

E Education2010

毎日必死に勉強する村の高校生たち

そして半年後の大学受験で小さな奇跡が起きます。生徒の一人が、バングラデシュNo.1国立大学であるダッカ大学に合格し、私たちの活動は「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれるようになりました。

e-Educationの活動は世界各地へ広がり、バングラデシュでは2015年までに150人以上の貧しい高校生たちが、学費が非常に低い難関国立大学へ進学し、バングラデシュの教育大臣からも高い評価をいただきました。

「私たちは、バングラデシュの若者たちの人生を変えることができた」

大学に進学した生徒たちや、その親族から感謝の言葉をもらうたびに、私たちは少しずつ自分たちの活動に誇りを持てるようになりました。

ただ、その誇りは、2016年7月1日に大きく崩れました。

「自分のせいだ」

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「開人、今どこにいる!?」
「ホテルにいるなら絶対外に出るな!絶対だぞ!!」

2016年7月1日の夜9時、バングラデシュの仲間たちから突然電話がありました。彼らは震えた声で話を続けます。

私の宿泊先からそう遠くないレストランでテロ事件があったこと。犯人たちは爆弾や銃を持っており人質を取って立てこもったこと。外国人を狙った事件である可能性が高く、絶対ホテルから外に出るべきではないこと。

衝撃の出来事でした。私は彼らからのアドバイスと日本大使館の指示に従い、翌日も翌々日もホテルから出ませんでした。部屋のカーテンを閉め、暗闇の中で時間が流れるのを待ちました。

ニュースを見るたびに不安な気持ちは増えていくばかり。日本人が巻き込まれてしまったこと、その中には知り合いがいたこと。そして、犯人が優秀な若者だったことを知った時、心が壊れる音がしました。

「自分のせいだ」

なぜ一番近い場所で支援していたはずの私たちが彼らの悩みを受け止めてあげられなかったのか。自分たちの力がもっとあれば、防げた事件だったのではないか。私たちの活動は、間違っていたんじゃないか。

バングラデシュから日本へ無事に帰国しても悩みは消えず、悔しさや無力感は日に日に増していき、気がつけば鬱病になり、仕事ができない状態になりました。

もう一度、大好きな場所で働きたい

「これから1ヶ月、絶対仕事をしないでください」

体調が少しだけ回復して職場に戻った2016年の8月。まだ思うように身体が動かず、これ以上みんなに迷惑をかけたくなく、代表を降りようとしていたところ、職員全員から「1ヶ月休職命令」を受けました。

1ヶ月という長いお休みをもらって、自分の深い部分と向き合った結果、バングラデシュを拠点にするという決断をすることができました。休みを作ってくれ、私の背中を押してくれたみんなには本当に感謝しかありません。

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背中を押してくれたe-Educationの職員たち(左から薄井、吉川、三輪、中野、古波津)

「バングラデシュの若者の可能性を信じたい。私のことを信じてくれる仲間たちの応援に応えたい」

想いが固まると自然と力が湧いて来て、福岡で開催されたイベントICC カタパルト・グランプリでは、かつてないほど気持ちを込めてプレゼンすることができました。よかったらぜひご覧いただけると幸いです。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

ICCでお会いした方々、e-Educationの活動を支えてくれた方々から背中を教えてもらい、私は2017年5月からバングラデシュを拠点に活動することを決意しました。

もう一度、大好きな場所で働くことを決めたのです。

【あの時応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました!】

明日世界が終わるとしても

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「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

テロ事件以降ずっと続くこの悩みの答えを知りたくて、私は全国各地の大学を直接見て回りました。アメリカの経済誌『Forbes』が選ぶ30 Under 30 2016 Asia(アジアを牽引する若手社会起業家30人)に選ばれたこともあって、大学で講義を持たせてもらえるようにもなりました。

20以上の大学を訪ね、出会った学生は1000人以上。その中にはテロ事件を起こした若者の出身大学もありましたが、絶望なんかありません。希望に溢れていました。

ここで一人、紹介したい若者がいます。e-Educationの元生徒であり、大学院生となったシャフィという青年です。

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写真中央に移る青年がシャフィです

高校生の頃に父親を亡くした彼は、大学に通いながらアルバイトをして家族に仕送りをする生活を続けていました。そんな彼を応援したくてe-Educationから奨学金を送ろうとすると、「無料では受け取れません」と言って、彼は地元の高校生たちの受験勉強をサポートしてくれるようになりました。

これが私たちの手がける「奨学金&インターンシップ制度」の原型であり、大学生になったe-Educationの元生徒たちが、奨学金を受け取りながら、地元の中高生の学習をサポートするプログラムが始まりました。

そして2017年9月。ロヒンギャ難民問題(隣国ミャンマーから70万人以上の人たちがバングラデシュへ避難してきました)を目の当たりにし、シャフィたちは動き出します。

「彼ら(ロヒンギャの人たち)のために、今できる限りのことをしたい」

e-Educationの元生徒たちが大学を超えて連携しあい、ロヒンギャ難民支援プロジェクトが立ち上がりました。彼らの勇気ある行動は、私を含めたくさんの人たちを巻き込み、最終的には2万人を超える人たちに食料を届ける大きな活動となりました。

この活動の様子は2018年1月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』でも紹介いただきました。現在NHKのWEBサイトでダイジェスト版をご覧いただくことができますので、良かったらぜひご覧ください。

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若者たちの力が テロではなく未来へ向かうように― | どーがレージ | NHKオンライン

「ああ、この国を変える主人公ってこんなにもたくさんいるのかと。自分の頑張ってきた意味、テロ事件からずっと考えてきた意味って、やっぱりここにあったのかな」

NHKの取材を通じて、バングラデシュに戻ってきた理由、挑戦する理由を改めて考え直しましたが、その答えはe-Educationの元生徒たちが教えてくれました。

彼らこそバングラデシュの希望であり、明日世界が終わるとしても、私は彼らのような若者の可能性を開いていきたいです。

【番組をご覧いただいた皆さん、本当にありがとうございます!】

シャフィのような希望を、国の果てまで

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先月6月、e-Educationの映像授業を受講しにきた新しい生徒たちに向けて、シャフィをはじめとした大学生・大学院たちから激励のメッセージを送ってもらいました。

地元から難関国立大学に進学したロールモデルとなる先輩たちに出会い、目の色を輝かせる高校生たち。No.1国立大学に進学した元生徒たち3人からのメッセージが終わり、最後にシャフィの順番がやってきました。

「最初に断っておくと、私はダッカ大学生ではありません。ダッカ大学の試験には合格できず、私はジョゴンナ大学(難関国立大学の一つ)に進学しました。だから、私は受験に失敗したと言えるかもしれません」

聞いている生徒たちの表情が固っていく中、シャフィは話を続けます。

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「でも、これからの人生は入試の結果で決まるわけではありません。失敗は私の財産であり、受験勉強に打ち込んだ毎日が今の私の支えになっています」

彼は自身が非常に貧しい家庭で育ったこと、そのためにいじめにあったこと、父親が高校生の時に亡くなったこと、それでも大学進学を諦めなかったことを伝え、最後にこう締めくくりました。

「私は自分が貧しく、弱者であることを誇りに思います。弱い人たちの痛みや苦しさがわかるからこそ、私は未来を、社会を、この手で変えることができる、そう信じています」

シャフィのスピーチを聴きながら、バングラデシュに帰ってきてよかったと心から思いました。

テロ事件から2年。まだ完全に治安が落ち着いたとはいえず、バングラデシュ全土が危険度レベル2の状態(出典:外務省の海外安全ホームページ)であり、テロに対する特別警戒は「継続中」です。

今年はさらに来年2019年1月〜2月に控える国政選挙の影響もあって、外務省の定める危険度がすぐに下がるとは思えません。

ただ、それでも私がバングラデシュで見ているものは若い「希望」であり、この希望をバングラデシュの果てまで届けられるよう、今できることを一つ一つ積み重ねていこうと思います。

皆さまへお願い

最後に。この記事を読んでいただいた皆さまへ、大切お願いが3つあります。

お時間の許す範囲で構わないので、ぜひお願いを聞いていただけたら本当に嬉しいです。

30秒をください

2年前の今日。7月1日に亡くなった日本人の方が7名いらっしゃいます。

岡村誠さん、酒井夕子さん、下平瑠衣さん、黒崎信博さん、田中宏さん、橋本秀樹さん、小笠原公洋さん。

男性も女性もいらっしゃいました。20代の方から80代の方までいらっしゃいました。そして全員が国際協力の分野で活躍され、バングラデシュの発展に貢献されている方でした。

そんな彼らのことを、30秒でもいいので、ぜひお一人お一人の名前に触れながら、想っていただければ幸いです。

3分間をください

私は、昨年からバングラデシュを拠点に活動し、この記事でも紹介したバングラデシュの「希望」を日本の方々にお届けしようと思って発信してきましたが、まだまだ力が足りません。

個人的な印象ですが、今もバングラデシュのイメージは悪い状態が続いており、今日の報道でまたイメージが悪くなるかもしれません。

それでも、私は私がこの目で見てきたバングラデシュの希望を信じたく、ぜひ皆さんの力を貸していただきたいです。

この記事や、記事中の動画をご覧いただき、もしバングラデシュのイメージが少しでも明るくなったのであれば、ぜひFacebookやTwitterなどSNSでシェアいただけないでしょうか?

皆さんの言葉には力があります。それは日本国内のイメージを変えるだけでなく、バングラデシュで挑戦を続ける若者たちの支えにもなるんです。

皆さんからのコメントは、私が現地の若者たちに一つ一つお届けしますので、良かったらぜひ皆さんの「声」をください。

5分間をください

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私には、今どうしてもやりたいことがあります。

それはシャフィのような希望あふれる若者を、バングラデシュ中に増やすことです。

バングラデシュには全国64の県があり、その大半がまだ農村地帯です。そんな地方に希望の光を灯したい。シャフィのようなロールモデルをもっともっと増やし、全国の中学生や高校生たちが希望を持って未来を切り開いていく流れを一秒でも早く作りたい。

そう想って今、記事中でも紹介した奨学金制度の拡充を進めており、2020年までに100人の大学生の挑戦を、想いある奨学金の力で応援しようと計画しています。

1人あたりの奨学金は年間約7万円。これだけあれば、夜通しでアルバイトをしながら大学に行く必要はなくなり、地元や他の地方の高校生たちをサポートする挑戦もできるようになります。

毎月1,000円寄付してくださる方が6人いらっしゃれば、もしくは毎月3,000円寄付してくださる方が2人いらっしゃれば、シャフィのような大学生たちの挑戦を応援することができます。

想いの詰まったお金が彼らに届くことで、日本とバングラデシュの結びつきが強くなり、それがテロのない未来に繋がると心から信じています。

もし共感いただける方は、ぜひ以下のページから私たちe-Educationの活動を応援をよろしくお願いいたします。

e-Educationの活動を応援する »

最後の最後に

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先日、年に一度のe-Education活動報告会’18に登壇したところ、昔からお世話になったいている方からこんな嬉しい言葉をいただきました。

「今までで、一番良い笑顔をしていましたよ」

毎年お会いしている方が言うのですから、きっとそうなのでしょう。

ただ、あまり自覚がなかったので、改めてバングラデシュに拠点を移してから撮った写真を振り返ってみると、なるほど、確かに楽しそうに笑う写真がいっぱいありました。

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親友マヒンの愛娘と一緒に

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ロヒンギャ難民キャンプにて

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はじめての社員旅行(ピクニック)

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毎年恒例のイフタール(ラマダン明けの軽食)パーティー

バングラデシュでの生活はもちろん上手くいくことばかりではありません。というか、ほとんど上手くいきません。

それでも、こうやって笑うことができるのは、バングラデシュのチームメンバー、その先にいる生徒たち、いつも私を支えてくれるe-Educationの仲間たち、そして支援者みなさんのおかげです。

全ての人たちに心から感謝しつつ、バングラデシュの仲間たちと一緒に、できることを一つ一つ積み重ねていきます。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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最高の仲間たちと一緒に、これからも頑張ります!

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https://eedu.jp/blog/2018/07/01/2years/feed/ 0
英語で話すのが苦手な人のためのプレゼン裏技テクニック https://eedu.jp/blog/2018/02/19/english_presentation_howto/ Sun, 18 Feb 2018 19:31:24 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46592 みなさん、英語は得意でしょうか? 私は苦手です。今も苦手です。 社会人一年目の頃、外国の方約100人(日本人は私だけ)の前でプレゼンする機会があったのですが、壇上に立つだけで足が震え、声が裏返り、途中で頭が真っ白になりま […]

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miwakaito

みなさん、英語は得意でしょうか?

私は苦手です。今も苦手です。

社会人一年目の頃、外国の方約100人(日本人は私だけ)の前でプレゼンする機会があったのですが、壇上に立つだけで足が震え、声が裏返り、途中で頭が真っ白になりました。

悪夢だったらまだいいです。覚めればそれで終わります。けど現実は何も変わらず、私を見つめる異国の人たちの顔がどんどん不安げになり、プレゼンが終わると不思議な拍手が起こりました。

「彼は日本人なのに全部英語でプレゼンしてくれた。素晴らしい!」

司会の方としては好評のつもりだったと思いますが、私にっては屈辱でした。

「ちくしょう、絶対見返してやる!」

と気合いを入れたものの、苦手意識が簡単に消えるわけはありません。今も英語は苦手なままです。

ただ英語でプレゼンするのが苦手かというと、最近はそうでもありません。むしろ楽しんでいます。

今回は、英語が苦手なままで、それでも楽しくプレゼンするために編み出した、ちょっとしたコツを7つご紹介します。

SPONSERD LINK

苦手なことを、あえて楽しむ

そもそも、どうしてこんな記事を書こうと思ったかというと、nanapiの創業者であるけんすうさん(@kensuu)のブログ記事を読んだからです。

話すのが苦手な人のためのプレゼンの裏技テクニック|けんすう|note

まだ読んでない、という方はぜひ先に上の記事を読んでください。ハウツー記事のはずなのになぜか面白く、途中でついつい笑ってしまいました。記事で笑わせられるなんてズルいです。

で、笑いながら気がつきました。「あー、けんすうさんは苦手なことを楽しむ人なんだな」と。苦手を無理やり克服するのではなく、苦手なままで楽しむ方法を考える。これですよ、これ。

中には苦手なものを克服することが楽しいという人もいるようですが、私はそんな人ではありません。きっとこれからもなれません。

なので諦めました。苦手は、苦手のままでいい。英語が苦手なら、苦手のまま楽しむ方法を考えよう。

こう考え方を変えると、意外とアイデアが出て来るもので、「次はあれをやってみよう」と少しだけワクワクしてきました。イタズラを思いつき、試してみようとするあの頃のあの感覚です。

そんな悪ガキのような発想から生まれたテクニックなので、きっとみんなの参考になるわけではありません。

でもいいんです。私のように英語が苦手な人が、少しでも英語のプレゼンを楽しめるようになったら、それで十分です。

では、英語プレゼンの裏技をご紹介します!

その前に、自己紹介を

Miwakaito

忘れていました。まだ自己紹介していませんでした。

改めまして、こんにちは。三輪開人と申します。NPO法人e-Educationの代表として、途上国で教育支援をしてます。

e-Educationは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、バングラデシュをはじめとした途上国の貧しい高校生に映像授業を届け、彼らの大学受験を応援しています。東進ハイスクールの途上国版、といえばイメージが湧きますでしょうか?

最近は高校生だけでなく、彼らを教える先生のトレーニングプログラムも始めました。一人の先生の教え方が変われば、100人、1000人という生徒の教育が変わります。当たり前の話ですね。

ただ、これがかなり難しいんです。教え方を変えるのは、今までのやり方を否定することにもなります。これまでの人生を否定されたら、誰だって嫌ですよね。私も嫌です。

なので私たちはアプローチを変えました。まずは、先生の心に火をつけることから始めること。先生がやる気になれば、きっと新しい指導法も楽しく吸収してくれるはず。

そう信じて、先生のやる気をあげるために英語でプレゼンした様子を撮影した動画がこちらになります。

The Power of Teacher The Power of Technology – YouTube

これは先日、バングラデシュの中学校の数学の先生に対しておこなったプレゼンです。対象は約30人。全員数学の先生ですが、英語はみんな理解できます。バングラデシュは貧しいけど凄い国なんです。

そんな先生たちに私が伝えたかったことは「先生には社会を変える力があり、テクノロジー(新しい技術)を使えばもっと凄い教育ができる」ということ。メッセージはこれだけです。

詳しくはぜひ上の動画をご覧ください。英語がわからないという方は、気にしないでください。きっと私の英語が下手なだけです(実際、文法や単語のアクセントなどは本当にヒドイです)。

本当は動画を公開するのも避けたかったのですが、それだと「本当は英語が得意なんじゃないか?」と疑われそうなので、あえて公開しました。英語が得意なみなさん、笑ってくれて構いません!

英語プレゼン動画を見る »

さて、動画はご覧いただけましたでしょうか?

では、このプレゼンを参考に、今度こそ英語プレゼンの裏技テクニックを7つご紹介します!

【1】英語をあえて使わない

miwakaito

まずはイントロから。英語が苦手な人は、間違いなくイントロでつまづきます。

じゃあ、私はどうしているかというと、とにかく明るく“Hello, Everyone!”と大声で話すことから始めます。明るく、大声で、がポイントです。

メラビアンの法則というものがありまして、人は話を聞くとき、半分(55%)の人は、顔の表情から相手の感情を読みとろうとするそうです。要は見た目が大事ということですね。

なので、最初はオーバーにいきます。バングラデシュの友人によると、私は真顔だと怒っているように見えるらしく(失礼な話です)、口角を上げて元気に第一声を出すよう心がけています。良かったら、鏡を見て練習してみてください。

“Hello, Everyone!”

これができたら第一関門突破です。楽勝ですね。

ちなみに第二関門はもっと楽勝でして、私は英語を使いません

「アッサラーム・ワライクム!」
「バロ・アチェン?」
「アミ・オ・バロアチ!」

これ、なんて言っているか分かりますか?

全てベンガル語(バングラデシュの公用語)でして、上から「こんにちは!」「お元気ですか?」「私も元気です!」という意味です。はじめて聞いたという方でも、1分あればきっと覚えられます。3回くらい声に出して見てください。

「アッサラーム・ワライクム!」
「バロ・アチェン?」
「アミ・オ・バロアチ!」

覚えられましたか?楽勝でしょう。

たった3つの挨拶言葉ですが、プレゼンの冒頭で使うと、間違いなく笑いを取れます。けんすうさんも「最初の5秒くらいで、笑いがとれるのが理想」と言っていましたが、途上国なら楽勝です。その国の言葉で挨拶するだけです。

たかが挨拶と思うかもしれませんが、挨拶は「聞き手の心を開く」意味でも非常に重要です・・・と書こうとしたところ、けんすうさんが全く同じことをおっしゃっていたので、引用箇所を貼り付けておきますね。

さらにいうと、実は聴いている人も新しい人のプレゼンがはじまると緊張していたりします。どんな話なんだろう?おもしろいのかな?と身体が硬直している状態です。
というわけで、最初に笑いを取ることで、話し手も聞き手も双方がすごく楽になるのです。

プレゼンを組み立てる時、ついつい自分の伝えたいことを意識してしまいがちですが、聞き手の気持ちを考えるのは本当に大事です。

もしあなたが聞き手で、語り手の外国の人がいきなり英語で難しい話を始めたら緊張しませんか?私なら確実に心の壁ができます。

英語が苦手だからこそ、苦手な聞き手の心情も理解できるもの。ということで、挨拶は超簡単に、できれば英語を使わずにいきましょう。

【2】接点をみつける、なかったら作る

「聞き手の心を開く」ことが大事と言いましたが、挨拶が終わったら、ここでもう一つ仕掛けます。

English presentation howto00

冒頭で使うこのスライドは、昨年私が『Forbes』という有名な経済誌から「アジアで活躍する若手リーダー30人(30 Under 30 Asia)」に選んでもらった時の話なのですが、自分のことを自慢したいわけではなく、隣にいる彼の話をしたいのです。

彼はVirat Kohli(ビラット・コーリー)というインドのクリケット選手で、クリケットが好きな人であれば知らない人はいません。ちなみに、バングラデシュの人たちはみんなクリケットが大好きで、インドはライバル国。数学の先生であっても100%彼のことを知っています。

“Do you know him? I got the same award(彼を知っていますか?私は彼と同じ賞をもらいました)”

これでバングラデシュの先生たちの心を鷲掴みできます。下を向いていた先生も顔を上げ、スマホで写真を撮り始めます。中には握手を求めてくる先生もいます(嬉しいけど、後にしてほしい)

これは特殊な例かもしれませんが、聞き手と自分の接点を作れるのであれば何でもいいです。その国の民族衣装を着て「今日のプレゼンのために買って着ました。似合っていますか?」と聞くのもいいですし、「昨日食べた◯◯◯というバングラデシュの食事が美味しかった」などもありです。

大事なのは「私(聞き手)とあの人(語り手)にはこんな接点があるんだ」と感じてもらうことで、これができたらプレゼンはほぼ成功と言っていいです。

「第一印象が全て」という言葉があるように、はじめの印象が良ければ、その後の話は大体良いように聞こえます。逆に、はじめの印象が悪いと、どんなに良い話をしても、聞き手の心に響いてくれません。

しかし、はじめて会う人たちとの接点を見つけるのは簡単ではないですよね。

そこで私がつかっている裏技があります。それは感謝の気持ちを伝えることです。

「金曜日(バングラデシュの人にとっては日曜日)なのに、セミナーに来てくれてありがとう」
「家族と過ごす時間を削って、生徒のためにセミナーに参加してくれたことが嬉しい」
「そんな先生に会えて幸せです。本当にありがとうございます」

こう言われて、嫌な人はいないでしょう。プレゼンは、そもそも自分の話を聞いてもらうものであって、聞き手は自分のために時間を割いてくれているわけです。これだけで十分感謝の対象になり得ます。接点は作れるんです。

ということで、ここでも練習してみましょう。準備はいいですか?相手の心を開く魔法の言葉です。それではご一緒に。

“Thank you very much! I am so happy to meet you!”

【3】最初にメッセージを全部出し切る

笑いが取れて、聞き手との接点を確認できたら、すぐにプレゼンの一番大事なメッセージを伝えましょう。

ほとんどの人が一度は聞いたことがあると思いますが、日本以外のほとんどの国は「結論を先に」という文化があり、日本人は苦手だったりします。

そんなこと分かっているよ、と感じる方が多いと思います。でも、最初と最後でメッセージが同じか、もっと具体的に言えば、同じスライドを使えるかどうか確認してみてください。意外とズレているかもしれません。

3つメッセージがある(一つ一つ紹介していく)からズレてて当たり前、と思う方。ちょっと待ってください。聞き手は、本当にあなたの狙いを汲み取ってくれますか?仕掛けを理解してくれますか?

これはプレゼンが上手い人でも意外と陥っている罠の一つです。本人は順序立てて、相手を楽しませようとあえて次のメッセージを隠しているつもりかもしれませんが、聞き手としては「全部先に教えてよ」と思っている人も少ならずいます。私もその一人です。

私の場合、メッセージを最初に3つ全部出しくれれば、その3つの言葉がどう繋がるのか、(英語で正確に理解できない分)想像で補うことができます。一方、全体のメッセージが分からないままプレゼンを聞いていても、次にどんな話が来るのか不安は増えていきます。お化け屋敷が嫌いな人をお化け屋敷に連れて行くようなものです(全然違うかもしれませんが、私はそんな気持ちです)。

ちなみに、「3つのメッセージ」を流行らせた仕掛け人はApple創業者のスティーブ・ジョブズだと勝手に思っています。「伝説のプレゼン」と言われたスタンフォード大学卒業式の基調講演で、ジョブズはこんな言葉からプレゼンを始めます。

Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories(本日は自分が生きてきた経験から、3つの話をさせてください。たいしたことではない。たった3つです)
【和訳参照:ジョブズ氏スピーチ全訳:日本経済新聞

このスピーチを聞いて刺激を受けた人も多いのではないでしょうか?ジョブスのように英語でプレゼンしたいと思って、失敗した人もいるのではないでしょうか?少なくとも、苦い思いをした人を一人知っています。もちろん私です。

話を戻しましょう。

英語が苦手な人は、メッセージを1つに絞ることをお勧めしますし、3つメッセージがあっても、全部最初に出し切ることを強くお勧めします。

ちなみに、私の場合、メッセージは単語だけ切り出すのではなく、文章として全文公開します。

English presentation howto03

“Teacher will make the big education impact and social movement through using technology(先生が先端技術を使うことによって、大きな教育改革や社会変革が進んでいく)”

メッセージを作る時も2つポイントがあります。

一つ目は誰でも理解できる言葉であること。日本語訳をそのまま英語にしようとすると、「教育改革」「社会変革」が主語になり、「先生」は原因を示す言葉となり、(私のような英語レベルだと)うまく伝わらない危険性があります。

難しすぎる言葉を選ぶのも厳禁です。聞き手の知らない言葉を出したところで、新しい疑問が浮かぶだけです。改革をreorganizationというより、日本人でも馴染みがあるmovementを使った方が語り手としても聞き手としても楽です。シンプルで、力強い言葉を選びましょう。

二つ目は全文をスライドに書くこと。私はあまり文字の多いスライドが好きではないのですが、それでも英語でプレゼンする時は、メッセージを全部書ききるようにします。

理由は単純。緊張してメッセージを忘れそうになっても、見て思い出せるからです。さすがにメッセージをハッキリ言えないと、何のためのプレゼンなのか伝わらないので、変なプライドは捨てて全文書きましょう。

また繰り返しになりますが、これは聞き手にとってありがたいです。英語を聞くのは自身がないけど、文字なら何とか読むことができるという人もいるのではないでしょうか(あ、これも私です)。

自分の発音が悪くても理解してもらえますし、聞き手も安心してメッセージを受け取ってくれます。まさに一石二鳥。ぜひ試してみてください。

もう、いっそのこと自分で話さないという手もあります。聞き手に頑張って読んでもらえたら、それで十分です。あえてスティーブ・ジョブス風に言うなら、こんな風にでしょうか。

“Today I want to tell you one message from my life. This is it. Just one message”(本日は自分が生きてきた経験から、1つお伝えしたいことがあります。(スライドを指差して)これです。メッセージは1つだけです)

【4】知識を語るな、経験を語れ

「書を語るな、体験を語れ」

これは大好きな小飼弾さんのブログ『404 Blog Not Found』の格言の一つなのですが、英語でプレゼンする時にも役立つ心構えです。

メッセージを補完する話は、大きく分けて「知識」と「経験」の2つに分けることができるのですが、英語が苦手な人はできる限り後者を選択することを強くお勧めします。

これが国際学会のように「知識」をシェア・議論する場であれば話は別ですが、そうでない場合、例えば会社説明であったとしても、聞き手の関心は語り手自身であり、自分の「経験」をベースに会社のことを説明した方が、聞き手の心に届きます。

それだけではありません。やっぱり楽なんですよ、経験を英語にする方が。自分のことならいくらでも語れるものですし、無理に難しい英語に変換する必要はありません。

一方、知識を語ることは二重の難しさがあります。一つは引用元へ敬意を払う必要があり、過度な意訳ができないこと。また聞き手の前提知識や語学力が足りなくて話が理解できないこともあり、お互い歩み寄れないという悲しい事件が起こったります。

さて、悲しい思い出が頭をよぎったので、ここで話を切り替えます。どうしたら「経験」をうまく語れるかという質問に答えましょう。

答えはシンプルで、写真や動画を使うことです。英語を使わなくても理解してもらえます。最高です。

今はものすごい便利な時代で、インターネットで「無料 画像」と検索すると超ハイクオリティな写真素材サイトがいくらでもでてきますので、ぜひ素敵な写真を活用しましょう。ここではお気に入りのサイトを少しだけ紹介しますね。

おすすめ無料写真素材サイト

  • 写真AC:大体何でも見つかる。1日1枚まで無料
  • PhotoPin:ACで見つからなかったら。英語で検索するとGood
  • Unsplash:オシャレな写真がいっぱい。見るだけで楽しい
  • Startup Stock Photos:Macとかスマホとか。意外と使える
  • FIND/47:日本の絶景。海外の人たちに喜ばれる
  • ぱくたそ:海外の人たちにもっと喜ばれる。笑いを取れる
  • いらすとや:一部の海外の人たちに超喜ばれる。This is Japan

海外でプレゼンするのであれば、最後の3つを使うだけで圧倒的な差別化になりますが、それでも「体験」を語る以上、自分が被写体であるに越したことはなく、普段から自分の写った写真や動画を撮っておきましょう。

そしてここでもう一つスライド作成テクニックを。それは「半透明の黒画像で暗転させ、その上に巨大な文字を入れる」です。言葉だと説明しにくいですね。こちらです。

English presentation howto02

いかがでしょう。この暗転前後のスライド2セット(4スライド)は、どちらもButやHoweverなど逆説で繋ぐ箇所なのですが、スライドを暗転させることで聞き手もスムーズに理解できます。

この「黒で暗転」にはもう一つマニアックな使い方があります。私はできる限り聞き手の顔を見ながら話すように心がけているのですが、そうすると後ろのスライドが見えず、返しモニターや自分のパソコンが見れない会場の場合、この黒で暗転する光の変化で今のスライドがあっているか確認できます(興味のない方は、気にせずスルーしてください)

脱線ついでにもう一つ。上の暗転スライド例で紹介した写真は「ラオスという国では小学生の多くが算数に苦手意識がある」という説明でいつも使うのですが、(今回は忘れましたが)ここでこんな質問を投げかけたりします。

“By the way, what subject do you feel difficulty?”(ところで、何の教科が苦手ですか?)

すると、十中八九、会場に英語が苦手な人がいるので、笑顔でこう答えてあげましょう。仲良くなれます。

“Me, too! English is very difficult for me!”

【5】いつもより笑う、オーバーに笑う

私は去年50回くらい英語でプレゼンする機会があり、少しずつ肩の力を抜いてプレゼンできるようになって来ましたが、最初はメモをパソコンの横におき、少しずつ見なくてもプレゼンできるようトライしてきました。

ただ、最初はうまくいかず、TED風にステージの中央に立ったはいいものの、何を話すか忘れてしまい、その場で固まってしまったことがあります。想像して見てください。最悪ですね。

ここで紹介したいのは、そんな時に使えるフレーズ。ずばりこれです。

“Sorry, I forgot what i want to say next(すいません、次に何を話したかったのか、忘れてしまいました)”

いかがでしょう?普通でしょう?ポイントは言葉じゃありません。

これを笑って言えるかです。申し訳なさそうに言うか、堂々と笑いながら言うかで聞き手の印象はビックリするほど変わります。

これも考えてみれば当然なのですが、聞き手も人間であり、緊張して何を話そうとしたか忘れることは誰にだってあります。つまり、文章を忘れた時は、聞き手の共感を作る絶好のチャンスであり、活かさない手はありません。

とは言っても、いきなり実戦でやるのは難しく、できれば事前に練習してみましょう。笑顔で、堂々とSorryという練習をしてみましょう。ちなみに、私は直前にこの練習をしている姿をバングラデシュの仲間に見られて「何の練習をしているんだ」と笑われました。良い思い出です。

それから笑顔というか感情の作り方について少し補足を。

英語に苦手意識のある人にほぼ共通する特徴は、プレゼンしている際に笑えないことであり、感情の変化が少ないことです。緊張しているのですから仕方ないようにも思えますが、逆に考えると、感情をうまくコントロールできればプロっぽく見えます。

ここでコントロールという言葉を使いましたが、笑顔は技術であり、練習でうまくなります。まずは騙されたと思って、鏡に向かって笑いかけて見てください。全力で。

最初の笑顔が10だとしたら、次は20の笑顔を。その次は30と徐々にレベル(?)を上げていき、最後100の笑顔になるよう10回連続で笑顔を作って見ましょう。

English presentation howto04

いつもより笑う、オーバーに笑う

どうですか?気持ち悪くないですか?はい、それでいいんです。

これは私の偏見もかなり入っていると思いますが、外国の人たちと比べると、日本人は笑顔を作るのが下手な印象を受けます。慣れていない、と言う説明が正しいのかもしれませんが、作るのも然ることながら、見るのもそんなに慣れていないのです。

なので、言葉を選ばずにいえば、外国の人たちの笑顔はクシャっとしており、写真でみると凄く変な顔に見えたりしますが、近くで見ていると何だかとても温かい気持ちになります。

「笑顔は綺麗なものではなく、変な顔だけど温かい気持ちになるもの」

こう言い聞かせて、いつもの何倍も明るい笑顔を目指して鏡の前で練習しましょう。ちなみに、プレゼン会場のトイレの鏡を使って練習すると、たまに運営スタッフや仲間に見つかって恥ずかしい思いをするので、その点だけご注意を。

あと笑顔に関連して「間の取り方」についても紹介ます。ここでいう「間」とは「心地よい沈黙」と言い換えることができ、プレゼンが上手いと思う人はほぼ例外なくこれができていると思います。

言葉に緩急をつけたり、声の大小を使い分けたりできるプレゼンターは増えて来た気がしますが、「心地よい沈黙」を狙って作れる人はあまり多くありません(これはチャンスですよ)

というわけで、練習してみましょう。先ほど紹介した相手の心を開く魔法の言葉“Thank you very much! I’m so [ ] happy [ ] to meet you!!”の[ ]にほんの少しだけ間を入れてみてください。そしてsoとhappyの言葉に力を込め、to meet youは最後駆け抜けるように言い切りましょう。もちろん満面の笑顔で。

いかがでしょう?何かそれっぽくなったような気がしませんか?それでいいんです。それだけでいいんです。

英語が苦手な人の場合、どうしても早口になってしまったり、言葉が平坦になって、抑揚をつけることができません。そこで役立つのが「心地よい沈黙」であり、笑顔で黙る瞬間を作れるようになれば緩急はできるし、次の言葉を考える時間もできるし、まさに一石二鳥です。

参考までに、私は上の動画の中で何度か意図的に「心地よい沈黙」を入れていれています。どこかわかりますでしょうか?

笑いながら、次の言葉を出す前に、心の中で「トントン」と2カウントしています。イメージは『硝子の少年』のラストです(わかる人にだけ、わかってほしい)

いつもより笑う。オーバーに笑う。困った時こそ笑う。練習は必要ですが、これができるようになると英語のプレゼンも徐々に楽しくなってきます。

【6】最後にもう一度メッセージを、ただし一手間加えて

プレゼンもあと少し。ここでもう一度、冒頭で紹介したメッセージを伝えましょう。

ここもけんすうさんの記事と同じ意見なので、該当箇所を引用します。

まとめは、最後、一言で話してしまう。
話が下手すぎてマジで何も伝わっていなかったとしても、最後のスライドだけ見れば、何を話したのかわかるようにしておくといいです。
会場ではたぶん真面目に聴いていない人も結構いて、仕事してたり寝てたりします。そういう人も、最後のスライドを見れば、わかった気になります。
伝えたいことが伝わればなんでもいいので、最後にもこういう締めをいれておくとよいと思います。

本当にその通りですね。

ただ、全く同じことを繰り返し言うと、熱心に聞いてくれた人からすると「さっきそれは聞いたよ!」と思われるかもしれないビビリな私は、ここで一手間かけます。

English presentation howto05

左が冒頭のメッセージ。右が最後のメッセージ。何か少し違いませんか?

そしてこんなスライドが続きます。

English presentation howto20

簡単なクイズですが、いわゆるひっかけ問題です。

「世界で一番使われている言語は日本語?ベンガル語?」と聞くと、ほとんどの人が「英語!」と回答してくれるので、ここぞとばかりに大声で“No!”と叫びます(メッチャ楽しいです)

そして続けます。

English presentation howto21

「世界で一番使われている言語は英語なんかじゃない。数学だ!」

「人類の歴史は数学にと一緒に進化して来た。だから数学の先生はただの先生なんかじゃない、人類の歴史を作る人なんだ!」

「だから私はこう言いたい。数学の先生こそが、最新技術を使って、教育を変え、社会を変革していくんだ!」

と、文字起こしすると結構激しいことを言っていますが、ここで恥ずかしがってはいけません。堂々といきます。

イメージはビル・プルマン。映画『インデペンデンス・デイ』の大統領演説のように、目の前の数学の先生たちの心に火を灯せるよう、気持ちを込めて一つ一つ言葉を贈ります。

English presentation howto22

「ラオスの教育は、これから数学の先生たちによってきっと変わっていくはず」

「さあ、次の国はどこだ?」

会場から「バングラデシュだ!」と言う声が聞こえてくるので、ここで「オボッショイ!(もちろんだ!)」と叫びます(2つ目の仕掛けです、確実に笑いが取れて、超楽しいです)

ここでスライドをまた切り替えます。

English presentation howto23

「バングラデシュという言葉は、とても広い言葉だから使いたくない」

「だから私は、こんな言葉でプレゼンを締めたい」

「数学教育を変えましょう!ここから、今から、そしてもちろん、あなたたちの力で!」

ここまで全力で言い切ると、会場がワッと湧きます。スタンディングオベーションになることもあります。

「いやいや、日本だとそうはならないよ」と思ったら、その考えこそ捨てなければなりません。聞き手は日本人ではないので。

他の国の人たちに通じるか分かりませんが、バングラデシュでは毎回喜んでもらえますし、私は満面の笑顔を返してくれるバングラデシュの先生たちが大好きです。

【7】締めは、感謝の言葉を2回に分けて

終わり方も重要です。「拍手をここでしてね」というタイミングを、全員がわかるようにします。
具体的には「ご清聴ありがとうございました」スライドとともに、お辞儀をするのが一番ラクです。
できれば、最後はゆっくりというと、拍手の準備ができます。
拍手しやすいと、拍手が大きな音になるんですね。そうすると、成功した感がでるじゃないですか。みんなも「あれ、いいプレゼンだったのかな」って思ってもらいやすいくなります。ずるいテクです。

これもけんすうさんの記事と同じ方法を使っていまして、拍手をもらうために、たっぷりタメを作ってからお辞儀するようにしています。

ただ、最後の疾走感のまま突っ走るとタメができないことも多く(プレゼン動画を確認したら実際できていませんでした)、ここで海外ならではの裏技をもう一つ使います。

それが2ヶ国語で最後の挨拶をすること。冒頭の挨拶と同じですね。

“Thank you very much!”と言うと、プレゼンの締めっぽいことが聞き手に伝わり、今度は現地の言葉で「オネック・ドンノバッド(本当にありがとうございました)」と笑顔で言いながらお辞儀をすると、ここで拍手がもらえます。

Presentation end

お辞儀はゆっくりと、感謝の気持ちを込めて

以上、英語で話すのが苦手な人のためのプレゼン裏技テクニックをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

プレゼンを上達させるには、①良いプレゼンをいっぱい見ること、②実践を重ねること、③質の高いフィードバックをもらうことの3つが重要だと思うのですが、英語が苦手だと①プレゼンを見ても今ひとつ参考にならず、②実践の回数も少なく、③フィードバックをもらう勇気が出ない、と中々苦しい人も多いのではないでしょうか。

③はひとまず諦めるとして(それが最初からできるのなら苦労はしません)、②の予行練習は一人でもできます。鏡の前で笑顔を作り、自分の動画をスマホで撮影してみる。「これは俺じゃない!」と最初は現実から逃げたくなりますが、きちんと受け止めましょう。それは自分です。

でも、繰り返し撮影をしていると少しずつ自分に変化が生まれます。言えなかった単語が言えるようになり、笑顔が豊かになったり。そんな小さな変化を楽しめるようになれば、苦手な英語のプレゼンであってもきっと好きになれます。

最後に①ですが、英語ネイティブな人のプレゼンを見ても正直参考にならないと思っていた(今も思っている)自分ですが、2011年に公開されたこちらの動画を見て、感動しました。

TEDxTokyo -Black – A Yo-Yo Story – [English] – YouTube

スピーカーはヨーヨー世界チャンピオンのBLACKさん。とてもシンプルな英語で、表情豊かで、文字通り全身を使った英語のプレゼンは、私にとっての目標となり、英語でプレゼンする前には必ず見るようにしました。現在再生回数が約8万回ですが、おそらく視聴数1%以上は私だと思います。

2013年にはTEDの本場アメリカのTED Talkに登壇し、日本人として初めて正式にスピーチをされました。こちらの動画の再生回数は現在850万回を超えており、初めて見たときは鳥肌が立ちました。会場のスタンディングオベーションも納得です。

BLACK: ヨーヨーの達人への道 | TED Talk

「プレゼンは、英語力なんかじゃ決まらない」

BLACKさんの動画を見ると、いつもそんなメッセージをもらえる気がします。

英語が苦手な方にとって、英語のプレゼンは苦行に近く、それがキッカケでプレゼン自体が嫌いになる人だっているでしょう。

でも、少し考え方を変えるだけで、英語は苦手なままでも楽しくプレゼンできるようになるし、少しずつ英語そのものも楽しめるようになってきます。

私は未だに苦手意識がありますが、そんな今だからこそ、同じような悩みを抱える人に、英語でプレゼンするのを楽しんで欲しくてこの記事を書きました。

少しでも参考になって、英語でプレゼンする苦手意識が少しでも薄れたら、これほど嬉しいことはありません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

【おまけ1】英語プレゼン上達のためのコツ「7つのS」

Presen 7s

記事の途中で、昨年50回くらい英語でプレゼンしたと言いましたが、そのうち数回は「英語プレゼン上達のコツ」というテーマでした。講師を間違えています。私が聞きたいくらいです。

ただ、せっかく頼まれた以上は期待に応えたく、私のバイブル『プレゼンテーションZEN』と、著者であるガー・レイノルズ氏のプレゼン動画を見ながら、自分なりに少しだけアレンジを加えて「7つのS」という言葉を作りました。

  1. Simple(シンプルにいこう)
  2. Short(短くまとめよう)
  3. Story(ストーリーを語ろう)
  4. Smile(笑顔で話そう)
  5. Slow(ゆっくり伝えよう)
  6. Surprise(サプライズを作ろう)
  7. Study(もっと学ぼう)

最後の2つだけ少しだけ補足すると、まずSurpiseですが、良いプレゼンには予想外のプレゼントがあります。情熱的なメッセージ、巧みな比喩。忘れられない驚きの瞬間があります。聞き手の予想や期待を裏切るような仕掛けを楽しみながら作りましょう。

そしてStudyですが、あえて日本語にするなら「努力」です。プレゼンは努力なしには成長しません。良いプレゼンを見て、実践を重ね、改善を繰り返すことで磨かれます。良いプレゼンにゴールはありません。コツコツ勉強を続けていきましょう。

といったことを、英語でプレゼンしています。自分が実践できているかと聞かれると正直不安ですが、Studyあるのみです。良かったらぜひご一緒に。

【おまけ2】日本語プレゼン上達のためのコツ(6万字)

1stgrandprixphoto

第一回カタパルト・グランプリ(出展:INDUSTRY CO-CREATION

今からちょうど1年前。ICC(INDUSTRY CO-CREATION)主催の「カタパルト・グランプリ」に登壇しました。

注目のベンチャー企業総勢20社が、1社12分間のプレゼンテーションを行う大会。「プレゼンの達人たちによる天下一武道会」とも呼ばれるこの大きなイベントで、光栄なことに優秀することができました。

バングラデシュに移り住む前の最後のプレゼンであり、いつも以上に気合を入れて挑みましたが、まさか優勝できるとは思ってもいませんでした。

あの時大会に出る上で考えたことや、プレゼンをする上で意識したこと、参考にした動画などは以下2つの記事にまとめています。合計6万字というかなりのボリュームですが、良かったらぜひ合わせて読んでもらえると嬉しいです。

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明日世界が終わるとしても、本人補足事項(e-Education代表 三輪開人) https://eedu.jp/blog/2018/01/29/nhk20180127/ https://eedu.jp/blog/2018/01/29/nhk20180127/#respond Mon, 29 Jan 2018 09:59:42 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46534 先日放送されたNHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』、いかがでしたでしょうか? 私も映像の録画データを送ってもらい、一人でゆっくり見返しました。自分が番組になるというのは、やっぱり少し恥ずかしく、なぜか緊 […]

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Nhk20180127

先日放送されたNHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』、いかがでしたでしょうか?

私も映像の録画データを送ってもらい、一人でゆっくり見返しました。自分が番組になるというのは、やっぱり少し恥ずかしく、なぜか緊張もして、変な汗が出てくるものですね。

NHKの方々と何度も打ち合わせたので、概ねの内容は分かっていたつもりですが、それでも番組後半につれて込み上げてくるものがありました。

取材を受けるまでの葛藤、取材中に大泣きした夜、番組終了後にいただいた感想。

ドキュメンタリーの放送を終えて、私からどうしてもみなさんにお伝えしたいことがあり、ここでご紹介させてください。

SPONSERD LINK

取材を受けるまでの葛藤

20160701

テロ事件の現場から少し離れたホテルから撮影(2016年7月1日)

「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

2016年7月1日。あのテロ事件が起こって以来、私はe-Educationの活動を、農村部の高校生たちの大学受験を応援するという活動を、100%信じることができなくなっていました。

大学受験の先に何があるのか。大学生が抱える痛みにもっと目を向けられたら、テロを防げたんじゃないか。考えだすとキリがなく、何度も悩んで悔んで、私は心の病気にかかりました。

思うように身体が動かず、これ以上みんなに迷惑をかけまいと、代表を降りようとしていたところ、職員全員から「1ヶ月休職命令」を受けました。

1ヶ月という長いお休みをもらって、自分の深い部分と向き合った結果、バングラデシュを拠点にするという決断をすることができました。休みを作ってくれ、私の背中を押してくれた仲間には本当に感謝しかありません。

Nakama2016

背中を押してくれたe-Educationの職員たち(左から薄井、吉川、三輪、中野、古波津)

「バングラデシュの若者の可能性を信じたい。私のことを信じてくれる仲間たちの応援に応えたい」

そう想うと自然と力が湧いて来て、福岡で開催されたICCというイベントでは、かつてないほど気持ちを込めてプレゼンすることができました。よかったらぜひご覧いただけると幸いです。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

そして、このプレゼンをご覧になった方々から講演や取材の依頼をいただくようになり、今回のNHKドキュメンタリーの企画も動き始めました。

「やった。みんなへようやく恩を返せる!」

そう思って取材を受けることを決めましたが、この直後、また悲しい事件がバングラデシュで発生しました。

それがロヒンギャ難民問題です。

取材中に大泣きした夜

2017年8月末。ロヒンギャと呼ばれる人たちがミャンマーでの争いから逃れ、バングラデシュに避難してきました。その数は日に日に増え、1ヶ月で40万人を超える人たちがバングラデシュに押し寄せました。

Rohingya news

約1ヶ月の間、新聞の一面はほぼロヒンギャ難民問題

新聞の一面はほぼ毎日ロヒンギャ難民であり、ミャンマー大使館の近くでデモを起こしている若者たちをニュースで見ると、涙が止まりませんでした。

「また止められないのか」

私たちe-Educationはミャンマーでも教育支援をしており、弱い立場の声を受け止められなかった悔しさと、どんな立場にたって支援して良いか分からない難しさで、また心が壊れそうになりました。

「カイト、僕たちで何とかしよう!」

そんな時、救いの声をかけてくれたのは今度もバングラデシュの仲間たちでした。テロ事件が起きた時と同じように、悲しみや怒りに流されず、今目の前にある問題を一生懸命解決しようとする仲間たちに、私は目を覚ましてもらいました。

彼らだけではありません。今は大学生となったe-Educationの元生徒たちがロヒンギャの人たちのためにぜひ活動したいと名乗り出てくました。

そのうちの一人が、番組にも登場したシャフィという青年です。

シャフィという希望

Shafe

『明日世界が終わるとしても』ウェブサイトより引用)

彼と初めて出会ったのは約5年前。彼が高校3年生の時、バングラデシュの農村で出会いました。

どうしてe-Educationの授業を受けようと思ったのと質問すると、彼はこう答えます。

「家族のためにも、僕は大学に行かなければならないんだ」

大学受験を前にして父親を失ったシャフィ。大学進学は家族の悲願でもあり、彼は朝から深夜まで一生懸命勉強しました。

しかし、現実は甘くありません。

ダッカ大学の受験に挑むも、結果は不合格。そして第二志望で国立大学へ進学することになりましが、彼は笑っていました。

「人生は入試の結果で決まりません。挑戦させてくれて、本当にありがとうございました」

Shafe2

彼は同じメッセージを後輩たちにも伝えてくれました

そして4年後。久しぶりに会った彼の顔つきはずいぶん大人になっており、大学生活の楽しさや悩みについてあれこれ聞きました。

「大学受験の時、挑戦できて本当に良かった。今度は僕が地元の後輩たちの挑戦を応援したい」

生活費をギリギリまで切り詰めながら大学に通っている彼が、誰かの役に立ちたいと頑張っている姿を見て、胸が熱くなりました。

彼のような大学生たちのために「奨学金&インターンシップ制度」を作り、大学生になったe-Educationの元生徒たちが、地元の中高生の学習サポートをすることで奨学金を提供するプログラムを作りました。

そして2017年9月。ロヒンギャ難民問題を目の当たりにし、シャフィたちは動き出します。

「彼ら(ロヒンギャの人たち)のために、今できる限りのことをしたい」

こうしてロヒンギャ難民支援プロジェクトが立ち上がりました。彼らの勇気ある行動は、私を含めたくさんの人たちを巻き込み、2万人を超える人たちに食料を届ける大きなムーブメントとなりました。

明日世界が終わるとしても

「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

テロ事件があってからずっと続くこの悩み。

取材を受ける中でさらに悩み、途中不安で潰されそうになりそうな時もありましたが、シャフィをはじめとしたe-Educationの元生徒たちと再会し、彼らと一緒に挑戦を続ける中で、心がどんどん晴れていきました。

Rohingya support

既に3回難民キャンプで支援活動を行なっている大学生トゥシャ

ロヒンギャ難民キャンプでたくさんのショックを受けながらも、明るい未来を諦めない若者たち。キラキラした目で未来を語る彼らこそがこの国の主人公であり、これまで応援してきたことを誇りに思えるようになりました。

「これまでやってきたことは間違っていなかった。バングラデシュに帰ってきてよかった」

言葉にした瞬間、涙が止まらなくなりました。

その日の取材が終わり、「私たちこそカイトさんと出会えて本当に幸せです」と彼らに言われて更に大泣きしたのは、ここだけの話です。

明日世界が終わるとしても、私は彼らのような若者の可能性を開いていきたいです。

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番組終了後にいただいた感想

番組放送を終えて2日。記事を書いている今この瞬間も番組の感想メッセージを頂いています。

幼稚園から中学までずっと一緒だった幼馴染。一緒に甲子園を目指した掛西野球部の仲間。大学の居場所を作ってくれた先輩後輩や同級生。今でもずっと尊敬しているJICAの同僚。e-Educationの活動をずっと応援してくれてた方々。そしてどんなことがあっても応援し続けてくれる両親。

大好きな人たちから届くメッセージの中に「バングラデシュ」や「シャフィ」という言葉があるのを見て、もう一回泣きしました。

テロ事件やロヒンギャ難民の問題があって、どんどんイメージが悪くなっているバングラデシュという国。

それでも良いところはたくさんあって、でもそれを伝えるのが難しくて、ずっとずっと悩んできましたが、温かい感想をもらうたびに、バングラデシュのイメージが変わってきている気がして、嬉しくてたまりません。

温かいメッセージを送ってくれた皆さん、本当に有難うございました。

皆さんの見方が変われば、皆さんの想いがバングラデシュの若者たちに届けば、きっと未来は明るくなっていきます。

彼らと皆さんをもっとお繋ぎできるよう、これからも頑張ります。

皆さんへのお願い

最後に、皆さんへお願いがあります。

私たちe-Educationの活動は、みなさん一人一人の応援によって成り立っています。

毎月1000円の寄付があれば、家族のために大学へ進学しようと勉強している、村の高校生6人に教育を届けることができます。

また毎月3000円の寄付があれば、シャフィのような大学生1人が、毎月大学に通いながら地元の高校生のサポートを行うための奨学金を届けることができます。

「若者たちの力がテロではなく、未来に向かうように」

そのための道は、間違いなくシャフィたちが歩いてきた道であり、e-Educationの生徒たちがこれから歩いていく道であると、今、心から信じています。

彼らと最高の未来を一緒に作っていくために、ぜひご協力よろしくお願いいたします!

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バングラデシュ発の2団体がコラボ!エクマットラ×e-Education上映会&クロストークイベントレポート https://eedu.jp/blog/2017/11/28/ekmattraevent/ https://eedu.jp/blog/2017/11/28/ekmattraevent/#respond Tue, 28 Nov 2017 09:16:00 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45916 去る11月19日(日)、バングラデシュを拠点に活動を行う教育NGOエクマットラの映画上映会イベント「“子どもにやさしい社会”から“みんなにやさしい社会”へ」がJICA地球ひろばにて開催されました。 上映会後のクロストーク […]

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去る11月19日(日)、バングラデシュを拠点に活動を行う教育NGOエクマットラの映画上映会イベント「“子どもにやさしい社会”から“みんなにやさしい社会”へ」がJICA地球ひろばにて開催されました。

上映会後のクロストークには、トジョウエンジン運営団体でありバングラデシュをはじめとした途上国で映像授業による教育支援を実施しているe-Education事務局長の薄井大地が登壇しました。

バングラデシュ発の2つの団体が共に目指す世界とはどのようなものなのでしょうか?今回の記事では上映会とクロストークの模様をレポートします!

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当日の流れ
1 映画「アリ地獄のような街」上映
2 エクマットラ 渡辺大樹さん×e-Education 薄井大地 クロストーク
3 会場の皆様を交え、質疑応答

映画「アリ地獄のような街」上映

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上映中の様子

あらすじ

映画「アリ地獄のような街」は、バングラデシュの首都ダッカを舞台に、スラムに住む子どもたちやストリートチルドレンと呼ばれる子どもたちの現状を描いた作品です。一度踏み込んでしまうと、「アリ地獄」のようになかなか抜け出すことのできない、ダッカの闇の生活を描き出しています。

農村での生活を捨て、生き延びるための僅かなお金を握りしめ、大都会ダッカへ足を踏み入れた少年ラジュ。そこでラジュはダッカの路上で暮らすストリートチルドレンなどと知り合っていき、彼らの元締めであるイアシンという男のもとに連れて行かれる。イアシンはダッカの暗闇を象徴するような男であり、子ども達を使って様々な違法な商売に関与している。ラジュも自分がしている悪事に気づかないまま、イアシンの手先になっていってしまう。一方、路上に捨てられた少女ククもイアシンの餌食となり、ダッカの闇の生活に落ちていってしまう。幼い少年少女に課せられた運命は過酷で想像も絶するものであった。

映画『アリ地獄のような街』予告編(1分)|youtube

映画が描く世界に触れて

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日曜の夜に見る映画じゃない、飲みに行けばよかったなとか思ってません?!と切り出す渡辺さん

上映後、重々しい空気が流れる会場。子どもたちを取り巻く社会問題に切り込んだこの作品を通して、バングラデシュに限らず、世界各国で暮らす子どもたちに対して、私たちが今できることを考えるきっかけとなったのではないでしょうか。

エクマットラ × e-Education クロストーク

バングラデシュで青空教室、チルドレンホームやアカデミーという施設を運営し、ストリートチルドレンの生活場所、学校、職業訓練所としての機能を果たすエクマットラの活動。

「子どもたちの可能性を見つめ続けていきたい。」

ストリートで生活していた子が、アカデミーで生活し、勉強し職業訓練を受けることで「アリ地獄」から抜け出すことができる。ストリート育ちの子どもが人よりも過酷な境遇を乗り越え、思いやりのある自立した大人になってほしいと熱く語ってくださいました。

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写真からも伝わるほど、とにかくアツい渡辺さん

e-Educationの活動もまたバングラデシュの貧しい小さな村から始まりました。その活動も徐々に実を結び、今年まで8年連続で国内最難関のダッカ大学に合格者を輩出しています。そして、e-Educationで学び大学生となった農村出身の学生が、今度はチューターとして後輩の高校生たちに自らの成功体験を伝えロールモデルになっていくというサイクルができ始めています。

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脱力系事務局長。不思議な温度の薄井

渡辺さんが「全く一緒」と言うほど、活動を通じて目指す社会が似ているエクマットラとe-Education。

よそ者の日本人が支援という形をとるのではなく、現地の困難を乗り越えた若者が、同じ境遇の子どもたちに寄り添い、学んでいくというサイクルを作り、ロールモデルを輩出しています。

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寒暖差の激しい二人のトーク。良い温度差。

このように今回のクロストークは、同じバングラデシュから生まれた団体同士多くの共通点が見られるセッションとなりました。

イベントを終えて

同じバングラデシュというアジア最貧国と呼ばれる国から生まれたエクマットラとe-Education。共に活動は違えど、生まれた境遇に関わらずどのような子どもたちも可能性を追求できる社会のために活動していくという熱い思いを再確認できたイベントとなりました。

会場の皆様にも多くの質問をいただき、非常に暖かいイベントとなりました。ご来場いただきました皆様ありがとうございました!

今後ともエクマットラ、並びにe-Educationの活動を応援のほどよろしくお願い致します。

クラウドファンディング挑戦中!エクマットラを応援する »

e-Educationを寄付で応援する »

12月のe-Education関連イベント情報

12月は、他にも以下のイベントを開催します。お忙しい師走の月ではありますが、ぜひこちらにもご参加ください。

12月11日〜15日(第3週平日)
キャンパスキャラバン

12月1日より募集を開始する海外渡航インターン、正職員に興味がある方と、e-Educationの現インターン生、職員、海外インターンOGOBとの交流の場を設けさせて頂きます。e-Educationの活動自体に興味があるという方もお気軽にご参加いただけます。東京に限られますが、各地で開催しますのでご都合のよい回にご参加ください!
キャンパスキャラバンに参加する! »
12月23日(土・祝)
e-Education感謝祭’17!

法人化を迎え、早3年。支えてくださる皆さまに日々の御礼をお伝えするために豪華メンバーが皆さまをお迎えし、感謝祭を開催いたします。そしてこちらはe-Educationを知ることのできる1年で最大のイベントになっておりますのでe-Educationの活動について知りたい!何をしているか気になる!という方の参加も大歓迎しております。
感謝祭に参加する! »

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【11月19日(日) 開催】バングラデシュ発 2つの教育支援団体が考える社会 〜エクマットラ×e-Education〜 https://eedu.jp/blog/2017/11/03/ekmattra_event/ https://eedu.jp/blog/2017/11/03/ekmattra_event/#respond Fri, 03 Nov 2017 11:00:41 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45537 途上国における教育支援と聞いてどのような光景が思い浮かぶでしょうか。今回ご紹介するイベントはなかなか普段日本で生活していては実感することのない、途上国の現場を知ることができる貴重な機会となるはずです。 バングラデシュでス […]

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途上国における教育支援と聞いてどのような光景が思い浮かぶでしょうか。今回ご紹介するイベントはなかなか普段日本で生活していては実感することのない、途上国の現場を知ることができる貴重な機会となるはずです。

バングラデシュでストリートチルドレンの教育支援やキャリア支援活動に取り組むエクマットラが2009年に制作した映画「アリ地獄のような街」の上映イベントに、トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Education事務局長の薄井大地が登壇します。

同じバングラデシュという地で教育支援に取り組んできた二つの団体がどのような光景を目の当たりにし、どのような社会を目指して活動を展開しているのかに触れることのできるイベントです!

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映画「アリ地獄のような街」

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バングラデシュの首都ダッカでは急速な経済発展が進む一方で、ストリートチルドレンとして、道端での生活を余儀なくされている子どもたちがいます。映画「アリ地獄のような街」は、バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動をしているエクマットラによって、ストリートチルドレンを取り巻く問題を社会に存在する問題の一つとして、より多くの人に認知してもらおうと制作されました。

路上で生き抜く子どもたちは、お金がないだけでなく、社会の暗闇に引き込まれる危険と隣り合わせで生活しています。気がつかないうちに巻き込まれていた犯罪や、薬物依存。蟻地獄のように社会の暗闇に引き寄せられ、逃れるとができなくなってしまうストリートチルドレンの現実を描いた映画です。

この映画を通して、子どもたちを取り巻く社会課題の解決のために私たちができることを考える機会となるのではないでしょうか。

「アリ地獄のような街」公式ホームページ予告編

エクマットラ × e-Education

映画「アリ地獄のような街」の上映会終了後、エクマットラの共同創設者であり、現在は顧問として活動を牽引されている渡辺大樹さんとe-Education事務局長の薄井大地によるクロストークが行われます。

バングラデシュという発展途上国から始まり、教育分野で今日まで走り続けてきた両団体。教育によって開かれる子どもの未来と、その先に目指す社会のあり方とはどのようなものか。簡単ではない問題を抱え、決して恵まれているとは言えない環境だからこそ見えた教育の可能性と子どもの持つ未来の大きさ。団体を牽引してきたお二人にその思いを語っていただきます。

バングラデシュや発展途上国での教育支援などについてご関心のある方は、ぜひご参加ください!

イベント概要

開催日時
日時:2017年11月19日 (日) 17:30~20:00 ※開場 17:15
料金:社会人1000円 学生500円
場所:JICA地球ひろば
住所:東京都新宿区市谷本村町10-5
最寄駅:各線「市ヶ谷」徒歩10分

当日の流れ
17:30 オープニングトーク
17:40 映画「アリ地獄のような街」上映
19:00 休憩
19:10 映画解説(エクマットラ顧問 渡辺大樹)
19:20 クロストーク(ゲスト:e-Education事務局長 薄井大地)
20:00 イベント終了

ご参加いただける方は下記リンクより申し込みをお願い致します。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

参加申し込みはこちら »

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何が正しいか分からないからこそ、誰を応援するかを大事にしたい https://eedu.jp/blog/2017/10/12/because_of_him/ https://eedu.jp/blog/2017/10/12/because_of_him/#respond Thu, 12 Oct 2017 09:52:03 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45435 みなさん、こんにちは。e-Educationの三輪です。 突然ですが、これまで何か大きな選択肢で悩んだことはありませんか?例えば、友人同士が喧嘩していて、どっちの味方になったらいいか悩んだ。そんな経験はありませんか? 私 […]

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Because of him

みなさん、こんにちは。e-Educationの三輪です。

突然ですが、これまで何か大きな選択肢で悩んだことはありませんか?例えば、友人同士が喧嘩していて、どっちの味方になったらいいか悩んだ。そんな経験はありませんか?

私は今、e-Educationの仲間たちと、バングラデシュとミャンマーのどちらの国でも教育支援の活動をしており、最近ニュースで話題になっている「ロヒンギャ難民問題」をどう受け止め、何をしたら良いかずっと悩んできました。

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誰もきっと間違ってはいないけど

「ロヒンギャ難民問題」は今に始まった問題ではありません。1970年代に一度、1992年に一度、合わせて20万人近い人たちがミャンマーからバングラデシュへ脱出しており、今年の8月までに30万に近い難民がバングラデシュの南部の国境近く移住していました。

そして今年の8月末、事件は起こりました。「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」によるミャンマー政府軍への襲撃が発生し、対抗策として軍による住民に対する過剰な封じ込めが行われ、50万人を超える大規模な新規難民の流出が生まれてしまったのです。

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「家を燃やされた」
「家族が目の前で殺された」
「何もかも失った」

バングラデシュに逃れて来たロヒンギャの人たちは、悲惨な現状を泣きながら語ります。これに対して怒りを覚えたバングラデシュの人たちはミャンマー大使館の前で大規模なデモを行い、アウン=サン=スーチー氏の「ノーベル平和賞」取り消しを求めるキャンペーンには40万人以上の署名が集まりました。

これに対して反対の声をあげたのは、ミャンマーの人たちでした。

「海外のメディアは過剰報道しすぎている」
「実はARSAが住民を虐殺している」
「そもそもロヒンギャはバングラデシュから来た不法移民だ」

どれも「絶対に間違いだ」と言えない意見であり、ミャンマーの人たちが怒りを覚えるのも、理解できるものがあります。

でも、見ていてただ辛くなるばかりでした。

バングラデシュの若者がアウン=サン=スーチー氏の「ノーベル平和賞」取り消しを求めるWEBキャンペーンに賛同すると、それに対してミャンマーの若者たちが怒りのコメントを投稿する。

こんなやりとりがネット上で飛び交い、さらには若者たちがデモ活動を始め出しているのを見て、私は一体どちらに寄り添い、何をしたらいいのか分からなくなりました。

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誰の責任とか、誰が悪いとか、そんなことはどうでもいい

二つの国が啀み合うようなニュースが飛び交う中で、私の目を覚ましてくれたのは、e-Educationを一緒に立ち上げたマヒンたち、バングラデシュの仲間たちでした。

「誰の責任とか、誰が悪いとか、そんなことはどうでもいい。今、困っている人たちのために、僕たちができることをやろう!」

彼らに目を覚ましてもらってから、私は彼らと1ヶ月近く、小さく緊急支援を続けてきました。様々な困難がある中でようやく必要な支援の形が見え、今クラウドファンディングに挑戦しています。

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本当はもっと早く寄付を募る予定でしたが、その前にどうしてもやらなければいけないことがありました。

「カイト、ジョセフに相談しよう」

ジョセフは私たちe-Educationのミャンマープロジェクトのパートナーであり、バングラデシュの仲間たちは今回寄付を募ることで、ジョセフたちがミャンマーで活動しにくくなることを最後まで心配していました。

そして一緒に話し合いました。ジョセフが、ミャンマーの人たちが、今回の件をどう受け止め、今何を思っているか。バングラデシュのマヒンとミャンマーのジョセフがお互いのことを思いながら話し合っている様子を隣で聞いていて、涙が出てきました。

ちょうど2年前。ジョセフがバングラデシュに来て、マヒンたちと楽しそうにお互いの目指す未来について語り合っていた日を思い出しました。文化も宗教も超えた絆を見たような気がして、あの日も気づいたら涙が出てきました。

Ideal future

This is my favorite photo and this is the ideal future

バングラデシュの仲間たちと話し合い、今回クラウドファンディングでは「e-Education」の名前を使わないことを決めました。

それはミャンマーの仲間を想うバングラデシュメンバーたちの強い希望であり、個人としてクラウドファンディングに挑戦しています。

クラウドファンディング終了まであと残りわずか。良かったら、ぜひ応援・ご協力よろしくお願いいたします。

クラウドファンディングで応援する »

迷った時こそ、誰を応援するかを大事にしたい

最後に。今回のクラウドファンディングにかける、もう一つの想いをご紹介します。

クラウドファンディングをローンチする前日の夜。私は、バングラデシュの仲間たちと最後のミーティングをおこなりました。

集まってくれたのは、これまで7年間一緒に教育支援のプロジェクトを進めて来た仲間と、彼らの支援によって大学に進学することができた元生徒たちでした。

「大きな国内機関と一緒に活動することはできないのか?」
「UNHCRはまだ登録されていない難民芯をすることができないから今協働は厳しいと思う」

「僕たちがやるべきなのは、本当に食糧支援なのか?」
「安全な水の確保は小さな団体だと難しい。それに既に別の団体が水道局に交渉をしている」

「2000人は全体のほんの一部だ。それでもやる意味があるのか?」
「ロヒンギャの人たちが、家族みんなで明日を迎えられるのであれば、理由はそれで十分だ」

彼らが本気で議論し、今できることを懸命に考え、それを一つ一つ行動に移しているのを見て、目頭が熱くなりました。

「彼らを信じて、最後まで応援し続けよう」

仮にロヒンギャの人たちがこれまでミャンマーに不法で滞在していたとしても、バングラデシュに流れ込むきっかけが警察による正当防衛であったとしても、政治的な対立などの理由からバングラデシュ政府や国際機関が動きにくい状態であっても、難民の長期的な受け入れが非常に困難だったとしても、そんなことはどうでもいいんです。

今、私たちの手の届く範囲に、今にも命を失いそうな人たちがいます。そんな彼らが家族みんなで明日を迎えられるよう、目の前で本気で頑張っている人がここにいます。

「何が正しいか分からないからこそ、誰を応援するかを大事にしたい」

これが今回のクラウドファンディングにかける、もう一つの想いであり、彼らの意志や行動に共感いただける方、もしくは私を信じていただける方は、ぜひ応援いただければ幸いです(今回の挑戦にかける想いを3分の動画にまとめましたので、ぜひご覧ください!)

ロヒンギャ難民支援が明日を迎えられるよう食糧を届けたい! – YouTube

明日を迎えることができないかもしれない人たちを助けるために、彼らを助けようと奮闘している若い挑戦者たちのために、ぜひ皆さんの力を貸してください。

どうかよろしくお願いいたします!

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