日本 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Thu, 25 Apr 2019 23:38:17 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 【イベントレポート】Good Life実現に向けた学びの場「サステナブルブランド国際会議2019」 https://eedu.jp/blog/2019/04/26/sbtokyo2018_report-2/ https://eedu.jp/blog/2019/04/26/sbtokyo2018_report-2/#respond Thu, 25 Apr 2019 23:38:17 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48731 地球上の誰一人として取り残さないことを誓い、2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。 先進国から発展途上国への支援ではなく、世界中が一丸となって達成することが求められている今、持続可能な社会への関心はま […]

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地球上の誰一人として取り残さないことを誓い、2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。

先進国から発展途上国への支援ではなく、世界中が一丸となって達成することが求められている今、持続可能な社会への関心はますます盛り上がりをみせています。

企業やブランドはサステナビリティ(持続可能性)を取り入れたビジネスを展開しつつあり、人々の意識も変化してきています。私たちはSDGsを掲げるだけでなく、どのように実現していけばよいのでしょうか

3月6日と7日の2日間、ヒルトン東京お台場にて「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」が開催されました。

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サステナブル・ブランド国際会議とは?

「サステナブル・ブランド国際会議」はアメリカで11年前に始まった国際会議で、日本では今年で3度目の開催となります。

サステナブル・ブランド国際会議東京2018の様子

前回のテーマ「“Good Life” の再定義」から発展した今回のテーマは「Good Lifeをゴールとし、サプライチェーンや取引先・社員を含めて、自社・自組織を『再構築(Redesigning)』していくこと」でした。

サステナビリティに関心を持った企業関係者やNPO職員、学生など、多様な層が参加し、会場は活気にあふれていました。

今回は、国内外150名以上のスピーカーにより行われたパネルディスカッションや講演の中から、いくつかご紹介します。

企業とNGOの連携、ルール形成でみえるサステナビリティ

人権マーケット

「人権マーケットも近い将来莫大なビジネスになる」

そう話されたのは、デロイトトーマツコンサルティング合同会社の羽生田慶介氏。認定NPO法人ACEの取り組みであるチョコレートプロジェクトに企業連携しており、1日目のランチセッションの1つ、「企業とNGOの連携最前線!児童労働撤廃から世界を変える挑戦」では、認定NPO法人ACEの事務局長/共同創業者と一緒に、そしてファシリテーターには一般財団法人CSOネットワークの事務局長/理事の黒田かをり氏が加わり、その最前線を語ってくださいました。

羽生田氏は、なぜACEと人権関連の取り組みに挑戦したのかについて、
「今では100兆円を超す環境ビジネスもかつてコストのかかる問題だった。同じように、人権問題は現在『面倒なコスト』であるが、不買運動など人権問題のリスクが顕在化し、ルール形成が始まっていけば、市場が拡大してビジネスになる。人権セクターでイノベーションが起こっていく。」と話されました。

企業とNGOが連携し、新たな視点が生まれてイノベーションが起こり、さらにルール形成にまでつながると、人権問題という現場がサステナブルなビジネスに展開していく可能性を知ることができました。

実際に、チョコレートプロジェクトでは「チャイルドレイバーフリーゾーン制度」(=チャイルドレイバーフリーゾーンで生産された製品は無税になるという国際ルール)を広げる取り組みが進行中であり、まさに、児童労働撤廃という目標と経済合理性の両方を兼ね備えたルール形成が行われているとのことです。

NGOの活動に経済合理性を付け加えた仕組みづくりをする、つまりWin-Winな関係のルール形成をすることが、持続可能な社会を実現するひとつの鍵になるのではないでしょうか。

持続可能な未来のために。サプライチェーン管理の新たな挑戦

supplychain

「”Taking it Seriously”(真剣に捉えること)が一番大切」

そう語ったのは気候変動など環境分野に取り組む国際NGO、CDPのSonya Bhonsle氏。
2日目のセッションの一つ、「Sustainables Supply Chain サプライチェーン管理の新たな挑戦」では、CDPからSonya Bhonsle氏、日本マクドナルド株式会社から岩井正人氏、株式会社ブリヂストンから稲継明宏氏の3名のスピーカー、そしてファシリテーターにはWWFジャパン吉澤千明氏が加わり、原材料が調達されてから商品が消費者に渡るまでの生産・流通のプロセスであるサプライチェーンについての議論が行われました。

皆さんは、SFC認証マークと聞いてピンと来ますか?

日常生活の中で、「環境に良い製品を選ぼう」「生産者に最適な商品はなんだろう」と考えることはあまり多くないかもしれません。SFC認証マークとは、適切な森林管理が行われているか、森林管理の認証を受けた森林からの木材・木材製品であるかが認証された製品などに掲載されているマークです。

例えば、マクドナルドの紙製品のほとんどにこの認証マークが付いています。日本マクドナルド株式会社は、2020年までに全ての紙製容器包装を認証のものにすることを目標としているそうです。

しかし、この制度や、製品についたマークの意味を理解し、自分の意思で選択する消費者はあまり多くないのもまた事実です。

「認証を受けた製品を使用しているレストランを選ぶ」
「スーパーで製品の裏側を見てみる」
そんなあなたの些細な行動が環境を守ることに繋がるのです。

私たちは森の恵みや海の恵みで生きています。森林伐採で緑がなくなって地球温暖化が起こる、ただそれだけの簡単な問題ではありません。そこで働く労働者の問題や、輸送で発生する大気汚染、他にも挙げきれないほどに問題が森林伐採という一つの問題と複雑に絡み合っています。

ここでただ言えるのは、木を切らない森林保全も、魚を食べない食物保全もないということ。この地球は未来の世代の人々から借りている、借り物なのだという意識を持ってみることもまた、あなたができる一歩なのかもしれません。

私たちの生活と背中合わせの問題を、一度真剣に、深刻に捉えてみてはどうでしょうか?

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【イベントレポート】4万人の先生不足。途上国の教育格差に挑むNGO〜e-Education 4th Anniversary Event〜 https://eedu.jp/blog/2018/12/31/4th_anniversary_event_report/ https://eedu.jp/blog/2018/12/31/4th_anniversary_event_report/#respond Mon, 31 Dec 2018 00:38:48 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48476 みなさま、こんにちは、トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-Educationインターンの金井です。 今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。振り返ってみると、今年の6月に […]

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1812224thアニバーサリー集合写真

みなさま、こんにちは、トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-Educationインターンの金井です。

今年も残すところあとわずかとなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。振り返ってみると、今年の6月には、特例認定NPO法人として認められ、e-Educationにとって次のフェーズへ歩みを進める一年となりました。

e-Educationは、おかげさまでこの度NPO法人化4周年を迎えることができました。そして、去る12月22日(土)には、e-Educationの毎年恒例の行事となったAnniversary Eventを開催しました。今回は、生憎の天気でしたが、100名近くの方にお越しいただき大盛会となりました。

お越しくださったみなさま、ありがとうございました!今回は、イベントの様子を余すところなく、たっぷりとお伝えいたします!

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イベントの流れ

  1. 第一部:e-Educationの立ち上げから今までの歩み
  2. 第二部:現場で見て感じる活動のリアル
  3. 第三部:現地パートナーからのメッセージ
  4. 第四部:ブースに分かれての交流会

それでは、一つずつ詳しくご紹介します。

【第一部】e-Educationの立ち上げから今までの歩み

はじめに、代表の三輪よりe-Education創立から今までの歩みをお伝えしました。

「先生が足りない」
「教育の質が低い」
「そもそも学校がない」

私たちはこのような途上国の教育問題に「映像授業」という方法で挑んでいます。

「世界の果てまで最高の授業を届ける」というミッションのもと日々活動していますが、今から2年前にバングラデシュでテロ事件が起こりました。日本人8名を含む22名が犠牲となった悲惨なテロでした。たくさんの悲しいニュースが流れてくる中で、特に胸が張り裂けそうになったのは、「実行犯は、優秀な若者だった」という事実です。

「大学に入ることができれば、未来が開ける!」

そう信じて、映像授業を届けてきました。

しかし事件後、自分たちの力不足で起こってしまった事件なのではないかと思わずにはいられなかった代表・三輪は、「自分たちがやっていることは本当に意味のあることなのだろうか」と、e-Educationの活動の意義そのものを疑い、悩む日々が続きました。

そんなドン底な状態でも、三輪を支え続けてくれたのは他でもないバングラデシュの人々です。
e-Educationの教育を受けて、自ら現地の社会課題を解決しようという強い想いを持つ現地の若者たちと再会し、e-Educationの価値を再確認することができました。

e-Educationはただ単に教育の機会を提供するだけでなく、教育を通して「人を育てること」を大切に活動を続けています。

三輪プレゼン

活動への想いを熱く語る代表・三輪

【第二部】現場で見て感じる活動のリアル

第二部では、グローバル事業統括の吉川がモデレーターとなり、フィリピン・ネパール・ミャンマーのカントリーマネージャーである坂井・椎木・古波津の3人がそれぞれの国で感じたことをお伝えしました。

途上国では生まれ育った場所によってその後の学力が大きく左右されます。日本にいると、途上国での格差はどうしても「遠い国の話」として感じます。そこで吉川は、《東京都生まれの人と東京都以外の生まれの人》という例で私たちに問いかけました。

吉川プレゼン

参加者に自分ごととは何かを問いかける吉川

《東京都生まれの人》は、良い教育を受けられて、大学にも行けて、良い仕事に就くことができるけれど、《東京都以外の生まれの人》は、大学にも行けず、良い仕事にもつけず、両親とも一緒に暮らすことができません。

このように、途上国の厳しい教育格差を身近な例に置き換えることで、遠い国の問題をジブンゴトとして見つめ直していただきました。

サイサイ君のエピソードを熱く語る職員の古波津

サイサイくんのエピソードを語る職員の古波津

また、ミャンマー担当の古波津は、サイサイ君という男の子のエピソードを紹介。

サイサイ君は、ミャンマーの首都ヤンゴンからバスで20時間かかるシャン州という地域で出会った学生です。シャン州の学生たちは朝5時に起きて夜11時まで勉強しており、その中でも特に一生懸命勉強している男の子がサイサイ君でした。

「こんなに勉強して、サイサイ君は将来何になりたいの?」
と古波津が聞くと、サイサイ君はこう答えました。

「僕は、将来兵士になりたい。兵士になって家族を守りたい、友達を守りたい、自分のアイデンティティを守りたいんだ。」

e-Educationは子どもたちの夢を叶えるために教育支援の活動をしています。
ですが、この答えを聞いた時、古波津は100%の気持ちではサイサイ君の夢を応援できず、複雑な感情になったと言います。

椎木、坂井も同様に実際に現地で活動するメンバーならではの想いや、現地でしか分からないこと、知りえない実情を職員一人ひとりのエピソードを元にお伝えしました。

様々な教育課題と向き合っている中で、現場にいるからこそ感じられる「確かな変化」や「希望の種」を見つけたり、感じたりすることができます。

参加してくださった方からは
「実際に足を運び、人と関わったからこそでなければ分からないエピソードがたくさんありました」
「本物の、生の声が聞け、感動しました」
といった感想をいただき、数字ではなかなかお伝えできない、教育支援活動のリアルをお伝えできたのではないかともいます。

【第三部】現地パートナーからのメッセージ

第三部では、このイベントのために来日したスペシャルゲスト、パートナー団体BacBon FoundationCEOのマヒンによるトークセッションを行いました。
マヒンは、e-Education創設者の一人であり、彼がどうして一緒に活動を開始したのか、原体験から話してくれました。

バングラデシュパートナーのマヒンと通訳する三輪

バングラデシュパートナーのマヒンと三輪

彼の故郷は、バングラデシュの首都ダッカから船で7時間行ったところに彼の故郷があります。
しかし、彼がダッカ大学(日本でいう東大)に行くためには、故郷から都市部に移動して予備校に通わなければいけない状況でした。もちろんマヒンは一般的な家庭で育ったので、都市部に行って予備校へ行くお金はありません。そこでマヒンの夢を応援しサポートしてくれたのが、彼の弟であるトゥヒンでした。

高校生だったトゥヒンは、兄が大学へ行くお金を稼ぐためにバーレーンへ出稼ぎに行くという決断をしました。マヒンはそんな弟が、「絶対に良い教育を受けられる環境をつくるため」に、そして同じような想いをしているバングラデシュの人のために教育の活動をしようと心に決めました。そんな時に出会ったのが、e-Educationの創業者である税所篤快と三輪開人でした。

e-Education founders

約10年前、e-Education創業者の三輪、マヒン、税所。

現在マヒンは、日本の教育系企業と連携しながら、バングラデシュで使用する動画を作成し、貧しい地域でも動画が見れるようにデータサイズを小さくし、現段階で2,000以上の映像教材を全国の中高生に届けています。

そんな日本をよく知るマヒンですが、2年前のバングラデシュで起こったテロ事件によって、日本の方々がバングラデシュに対して負の感情を抱いているのではないか、という不安を少し抱えながらも来日したそうです。

しかし、会場で温かく迎えてくれた参加者の方々と触れ合い、「たくさんの日本人の方が声をかけてくださって本当に嬉しかった」と彼も喜んでいました。4周年を迎えるこのイベントにマヒンが来日してくれたことは、バングラデシュと日本を繋いでより良い社会を築いていく大きな一歩となりました。

【第四部】ブースに分かれての交流会

交流会の様子

交流会の様子。みなさんの熱気で暑いくらい。

その後、6つのチームに分かれて、職員・インターン生と参加者による交流会が行われました。

「今後e-Educationがどうなっていくのか?」
「都市と地方の教育格差の実態、どこまで何が違って教育格差が生まれているのか?」

参加者から多くの質問をいただき、どのグループでも時間いっぱいに交流が行われました。

参加者の質問に熱心に答えるネパール担当の椎木

参加者の質問に熱心に答えるネパール担当の椎木

「各スタッフ様の活動に対する情熱を感じることができ、私もモチベートされました」
「それぞれの熱意と誇りが伝わりました」
「質問も交えて、各国の状況がよくわかりました」

イベント後のアンケートにはこのような嬉しい言葉が並び、参加者のみなさまにも職員やインターン生の思いが伝播し、共鳴した時間となったのではないかと思います。

また、閉会後も登壇者と参加者の積極的な交流が行われるほどでした。

e-Educationからのお知らせ

交流会の後には、e-Educationから皆様にささやかではありますがクリスマスプレゼントをお渡ししました。

サンタに扮した職員・インターン生がe-Education特製のチロルチョコと職員・インターン生からの直筆のメッセージカードをプレゼントしました。

メッセージカードをじっくりと読んでくださる方や嬉しそうに受け取ってくださる方の笑顔に溢れていて、私たちも嬉しくなりました!

e-Educationからクリスマスプレゼント

サンタに扮したe-Educationメンバーから一足早いクリスマスプレゼント。

そして、広報ファンドレイジング担当職員の水溜より新たな取り組みのひとつとして「ボランティアチーム募集」の告知もしました。

これまでは、途上国やe-Educationの関わり方として、マンスリーサポーターなどの寄付でしか関わる手段がありませんでしたが、寄付ではない形として「ボランティアチーム」という新たな関わり方も開始することにしました。

「自分の寄付したところで何も変わらない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、微力であっても無力ではありません。寄付自体はもちろん、毎月応援してくださる方、支援してくださる方の存在が私たちのパワーとなりモチベーションの源泉となっています。

途上国の子どもたちをボランティアで応援 »

イベントを終えて

e-Educationは、職員やインターンのみならず、興味や関心を持ってくださる多くの方によって支えられているのだと改めて感じました。
本当にありがとうございます。

これからもますます活動を発展させていくためには、皆様からのご支援やご協力が欠かせません。途上国に足を運ぶ機会はなくとも、「寄付」という形で途上国の支援をすることができます。

一人でも多くの方にマンスリーサポーターになっていただければ、次の未来を創る子どもたちを支える教育支援につながります。よかったらこの機会に、ぜひe-Educationの応援・ご協力をお願いいたします!

途上国の子どもたちを寄付で応援 »

あと少しで2019年。

来年もさらなる挑戦ができるよう、職員・インターン生ともども精進していきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします!

eedu円陣

最高の授業を世界の果てまで届ける

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https://eedu.jp/blog/2018/12/31/4th_anniversary_event_report/feed/ 0
生まれた環境に関わらず誰にでもチャンスがある社会を作るために、一緒に一歩を踏み出してみませんか(水溜 智士) https://eedu.jp/blog/2018/11/24/mizutamari_origin/ https://eedu.jp/blog/2018/11/24/mizutamari_origin/#respond Sat, 24 Nov 2018 07:47:57 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48242 みなさんこんにちは。2018年5月からにe-Educationに参画した水溜智士です。 途上国のために何かしたい。 本当はやってみたいけど、今の仕事を続けるだけで良いんだっけ。 最初の一歩としてどうやって関わったらいいか […]

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広報ファンドレイジング担当職員 水溜智士

みなさんこんにちは。2018年5月からにe-Educationに参画した水溜智士です。

途上国のために何かしたい。
本当はやってみたいけど、今の仕事を続けるだけで良いんだっけ。
最初の一歩としてどうやって関わったらいいかが分からない。

こんなことを思っている方は多いかもしれませんが、私もその一人でした。

私自身、通信キャリアのエンジニアをしながら認定NPO法人かものはしプロジェクトNPO法人a-conなどに少しづつ関わっていくことで、e-Educationの広報ファンドレイジング担当へ転職をした経験から、パラレルキャリアを過去も今もしている私だからこそ感じることを、自分の観点と照らしてこの記事で皆さんにお伝えしたいと思います。

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途上国に対する想い

私は幼い時から、ゴミ山で売れるものを探して生活している子どもなど、テレビの画面を通して感じていた不平等を無くしたいと漠然と思っていました。

また、高校生の時に自分自身が居場所について考えさせられる経験をしたため、マイノリティの方や苦しい状況にいる人の想いを大切にしたいと思うようになっていた気がします。

しかし、これが決め手とまではいかず、なんとなく父親の背中を見てエンジニアになりたい、という想いがあり、高校も大学も理系の道を歩んでいました。

そんな時、大学時代の就職活動で出会ったのがソフトバンクの社長、孫さんの新30年ビジョンのプレゼンテーション。思い返すとこれが人生のターニングポイントの1つだったと思います。

それまで、理系脳だった私、どんなシステムやサービスがあったら便利なのかと考えがちだった私には、衝撃的で打たれるものがあり、このプレゼンテーションを通して、「何のために人生を生きるのか」「人々の幸せのために何をしたいのか」と、今までの人生を振り返ることで、“悲しい時間を減らして幸せな時間を増やす仕事”を生涯やっていきたいと思うようになりました。

それからは、まずは企業で経験を積みたいと考え、インターネットを通した国際協力の可能性を模索するために初めのキャリアを歩みました。

大学院を卒業して働きながらも、ブータン、カンボジア、インドなどにボランティアをしに行きました。

幸せの国ブータンへ行く途中のバンコクでは、トランジットで1日ほど滞在していた時に訪れたナイトマーケットで一人の女の子に出会いました。すぐ近くでは屋台で売り買いする人々がいましたが、彼女の親らしき人は近くにいません。

7歳くらいに見える彼女は、木琴で色んな曲を叩いては、何度も笑顔を振りまいてお金を稼いでいました。笑顔で何曲も短い曲を叩いてはニコッとします。活気に満ち溢れたナイトマーケットを歩く中、突如出会った、私にとってほぼ初めての途上国で衝撃を受けたシーンの一つでした。

バンコクで出会った木琴で稼いでいる女の子

バンコクで出会った木琴で稼いでいる女の子

ボランティアをさせていただいたカンボジアの孤児院では、両親が交通事故で亡くなって、8歳くらいの妹と5歳くらいの弟の面倒をしながら暮らしている15歳の女の子もいました。その子は孤児院に住みながらも英語とフランス語と日本語を勉強していて、将来は学校の先生になりたいんだと話してくれました。

日本と比べると恵まれているとは言えない環境でも、妹弟の面倒を見ながら自分の夢に向かって頑張っている姿を見て、ああ、自分よりほんとに頑張ってるな、と感じましたし、孤児院を離れる時には、触れ合ったいろいろな子の顔を見て涙が止まりませんでした。

決して裕福ではない環境でも明るく前向きに頑張っている人の存在を実感したカンボジア。

日本では見ない、原付に無理やり5人乗りをする様子、大人同士での殴り合い、儀式の生贄のために血が滴るヤギの首を3つ引きずっている子どもの姿、知的障がいの子どもや死を待つ人が滞在するマザーテレサの作った施設でのボランティアなどを通して、視野が広がったインド。

牛が道路からはけるまでクランクションを鳴らさないで車で待つのが当たり前なこと、野良犬野良猫が家に来たら餌をあげる風習、隣の家の人が家に来て一緒に歌ったり踊ったりする人の温かさ、ホームステイを通して感じたゆっくりとした時の流れ、多くのことを考えさせてくれたブータン。

途上国に行く度にいつも違う風景を見て、自分の当たり前が崩れていきました。貧しい場面も見た一方、その環境でも笑顔で頑張っている人たちがたくさんいることを実感して、“生まれに関わらずチャンスがある社会”を作りたいと思うようになりました。

涙が止まらなかったカンボジア孤児院のお別れ

涙が止まらなかったカンボジア孤児院のお別れ

知った人としてできることから始めたい。

バンコクで出会ったストリートチルドレンの無邪気な笑顔。ブータンで感じた誰もが心地良くいられる居場所、人と人の温かいつながり、幸せ。カンボジアで出会った両親がいなくても、毎日弟と妹の面倒を見ながら孤児院で夢を追いかけている女の子。インドで出会った、難病や知的障がいの方を毎日無給で明るく元気にお手伝いをするボランティアの方々。

アメリカやヨーロッパももちろん行きましたが、途上国にはショッキングなことから、みんな無邪気なところ、そして、自分の当たり前が崩されること、価値観が広げられることがいっぱいありました。

決して、かわいそうとか、助けてあげるとか、という上からの目線ではなくて、文化や価値観が違うからこそお互いに学び合いたい、同じ一人の人としてできることを何でもしたい、と思うようになりました。

知った人として何か始めたい

そんな想いが沸く一方、私の場合は、通信キャリアでインターネット接続や音声通話に関するエンジニアをしており、システムやサービスを作るいわゆるIT企業とも大きく違うニッチな仕事であったため、NPOで働くにはかなりハードルがあるように当初感じていました。

でも、ネットで検索をすると色々なNPOで関わることができると分かったんです。

本業をやりつつも、NPO法人a-conという団体において複数のNPOの広報活動の支援をしたり、かものはしプロジェクトというNGOでのボランティアマネージャを通してファンドレイジングの仕事内容を伺うことで、実際に自分がNPOで広報ファンドレイジングの仕事をするイメージをつけられました。

そして、パラレルキャリアを歩めば歩むほど、社会課題を解決していく仕事のイメージが湧き、パラレルキャリアでなく、こういう仕事に100%のリソースを注ぎたいと思うようになりました。

NPO法人very50さんとのa-con協同プロジェクト

NPO法人very50さんとのa-con協同プロジェクト

一歩踏み出してみませんか?

自分が大切だと思っていること、信じていることを追求する人生を過ごしたい

私と同じようにそんなことを思う人も多いと思います。

もしかしたら保守的な生き方をしていることが、逆に自分の人生の価値観でいうと遠回りをしているかもしれません。どう生きたいかという意思を持つことが私にとって凄く大事です。

もちろん、日本の企業人にも、ソーシャル課題に関心がある人が増えてきていて、社会活動をしている人は増えてきていると思います。NPOという形だけでなく、企業の社会的事業、プロボノ、パラレルキャリアなど、関わり方は多様になってきています。

私はパラレルキャリアをやっていて良かったと思うことがあります。

それは、組織外の人から幸せをもらえることです。

前職の同僚や学生時代の友人と一緒に過ごす時ももちろん楽しいですが、e-EducationやNPOの活動に関わっている人といると、忙しい時に忘れがちな優しい気持ちや温かい気持ちの大切さを感じたり、ワクワクした気持ちになります。

これが私にとってのパラレルキャリアの魅力です。

私自身これからも、かものはしプロジェクトの社会人ボランティアマネージャ、a-conのメンバーとしても、NPO同士の繋がりを深めたり、情報をキャッチアップしたりしていきます。

ソーシャルセクターがぶつかる課題は共通していることも多いので、e-Educationで培ったことを、他のNPO組織へ還元もしていきたいと思っています。

そして、“生まれに関わらずチャンスがある社会”を作っていきたいと思います。

会社でソーシャルビジネスをする、NPOへ転職する、パラレルキャリアを始める、どんな形でも、少しでも多くの人が社会に目を向けて、少しずつ社会を変えていく人が増えたら嬉しいです。

一歩踏み出してみませんか?

一歩踏み出してみませんか?

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e-Education史上初の試み!アジアに飛び出した大学生の挑戦の軌跡〜e-Educationインターン帰国報告会〜イベントレポート https://eedu.jp/blog/2018/11/23/intern_eventreport_181028/ https://eedu.jp/blog/2018/11/23/intern_eventreport_181028/#respond Fri, 23 Nov 2018 10:37:12 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48112 みなさん、こんにちは! トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationの次期フィリピンカントリースタッフとして2019年4月からカミギン島に派遣される予定の堀田です。 先月10月28日(日)、e-Educ […]

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みなさん、こんにちは!

トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationの次期フィリピンカントリースタッフとして2019年4月からカミギン島に派遣される予定の堀田です。

先月10月28日(日)、e-Education史上 初の試みとなるインターン帰国報告会を開催しました。

その名も「アジアに飛び出した大学生の挑戦の軌跡〜e-Educationインターン帰国報告会〜」!

e-Educationが活動する現場の最前線で本気になって身体と頭を動かし、教育課題に取り組んでいるのは、大学生であるインターン生たち。

「熱い想いをもって、現地の教育のために活動してきたインターン生たちの生の声を、より多くの人に届けたい!」

そんな想いが形となった今回のイベントです。

1年間、途上国の教育課題解決をするためにe-Educationのインターン生としてネパール・フィリピン・ミャンマー・国内の場で、大学生たちが、それぞれが経験・奮闘しその中で考えたことを、参加者の皆様と共有する場が実現しました。

本記事では、そのイベントの熱い様子をお伝えできればと思います。

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e-Educationインターン生の1年間をぎゅっと凝縮

e-Educationのインターン生が自身の経験の奮闘や想いを等身大で語ることが最大限の見所であったとも言える、今回のインターン帰国報告会。

当日の流れ

  1. e-Educationについて 事業紹介・活動報告
  2. 海外インターン生による帰国報告
  3. 国内インターン生によるプレゼン報告
  4. 交流会(通称ぐるぐる!)
  5. まとめ

今回のイベントの目玉「4人のインターン生による自身の経験の語り」を中心に、ぎゅっと濃いプログラムに。

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ネパールの現地で活動中の三苫と愉快な現地の生徒たち

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右からフィリピンで活動中の山崎と川上、帰国した中川と職員の坂井、フィリピンの現地の先生たち

e-Educationについて

e-Education職員の広報ファンドレイジング担当、水溜が当団体の国内外での事業活動やe-Educationの活動の軸となっている部分をお話しさせていただくところから始まりました。

バングラデシュの農村部にある村から始まったe-Education。

e-Educationが誕生した背景には、途上国で過酷ともいえる環境下で勉強する子どもたちの姿がありました。

「4万人の先生が足りない」
「教科書をひたすら音読するだけの勉強法」
「家で勉強するにも電気がなく、暗い夜道にぽつりとある街灯で勉強する子どもの姿」

e-Education founders

e-Education創設者の3人

“東進ハイスクールをモデルとして、この国の田舎の遠隔地でも自国のカリスマ性を持つ先生の分かりやすい授業を受けることができる仕組みができたなら、途上国で課題となっている「圧倒的な教師不足、教育の質」の問題を是正できるのではないか。“

プロジェクトを開始してから半年、国立トップ校であるダッカ大学への合格者をバングラデシュの田舎に位置する小さな村から出すことができたのです。それからというもの、200名以上の生徒を難関国立大学へ送り出しています。

しかし、活動を続けていく中で数々の壁が立ちはだかってきました。

その中でも、2016年に起きたバングラデシュの首都ダッカで起きたイスラム過激派によるテロは記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

JICAのプロジェクト関係者を含む現地に赴任していた日本人7人を含む22名が犠牲となった悲惨なテロ。そのテロの実行犯の中には現地の優秀な大学生の姿もありました。

『大学に入ることができれば未来が開ける!』

e-Educationはそう信じて若者たちの背中を押してきました。

「自分たちがやっていることは本当に意味のあることなのだろうか」

代表の三輪はe-Educationの活動の意義そのものを疑い、考え、悩む日々が続きました。心も体もボロボロになって、バングラデシュでの活動を再開することに見通しも立たない日々でどん底に落ちたようでした。

そんなどん底の中でも、見えた一筋の光。e-Educationが再び動き出すきっかけとなったのは、“e-Educationの教育を受けて、自ら現地の社会課題を解決しようという強い想いを持つ現地の若者の存在”でした。

“このようなその国の未来を担っていく若者を育てるためにe-Educationは活動しているんだ”

教育を通して、生徒一人ひとりの人生や生き方に関わってゆく。

e-Educationは教育の機会をただ単に提供するだけでなく、教育を通して『人を育てること』を重要視した活動を続けています。

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e-Eduation代表の三輪が取り上げられた、NHKドキュメンタリー

現在では、その『人を育てる活動』を、スタート国であるバングラデシュに始まりネパール、フィリピン、ミャンマーの計4か国で展開しています。

そして、その各国の活動を様々な場所で支えているのが大学生インターンの存在です。

今回のイベントでは、派遣国から帰国した海外インターン生が3名、国内インターン生が1名登壇し、その胸の内を熱く語りました。

『生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる』

ネパール・カントリースタッフ佐藤由季也

最初の海外インターン発表者は、みんなの優しいお兄ちゃんのようなキャラクターで、ネパールに1年間カントリースタッフとして赴任していた佐藤。

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ネパールの子たちと戯れる佐藤、とっても楽しそう

岩手県の田舎街で生まれ育ち、自身のことをどこにでもいるごく一般的な大学生だという彼。

そんな彼が初めて途上国での活動に惹きつけられたのは、旅先で出会ったタバコを進めてくる10歳くらいのフィリピンの子どもたちとの出会いでした。

その後、e-Educationの海外インターン生としてネパールに赴任となったものの、ネパール渡航後の4か月間はなかなか前に進むことができなかったと話します。体調不良になったり、週間報告ミーティングで職員からの厳しい言葉を受けて、精神的にとてもつらい時期もありました。

一時は日本に帰った方がいいのではないか?と自問自答したこともあったといいます。

しかし、彼を奮い立たせたのは、「微力だけれど、無力ではない」というe-Educationの職員吉川の言葉でした。

実際に、その言葉の意味を実感した経験として、佐藤が来たばかりの頃は、鍵がかかってホコリがかぶっていたPCルームが1年後には教室いっぱいに子どもたちが入って映像教育を使って勉強するようになっていました。

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佐藤が学校に行くと寄って来る子どもたち。

『微力だけど、無力じゃない』

1年間のネパールで現地の人々と家族のように共に生き、教育課題に向き合い続け、現地で都市部と田舎の教育格差解決のために全力を尽くした佐藤。

生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる。

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「生まれ育った環境に関係なく、人は社会を変えることができる」と語る佐藤

将来は、自身の出身地である岩手の公立の学校から社会を変える当事者を生み出したい。岩手の田舎の公立中高出身で今も岩手の大学に通っている佐藤、オリジナルの視点で切り開いていく未来がとても楽しみです。

『小さなBetterの積み重ねが世界を変える』

フィリピン、ミンダナオ島・カントリースタッフ中川千絵美

2人目の海外インターン発表者は持ち前の明るさとリーダーシップで周りの人々を動かしてきた、元フィリピン担当の中川。

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昔から漠然と「社会貢献したい、大きなことを成し遂げたい」という想いを持っていたという彼女は、国際人権NGOでインターンとして関わっていました。

そんな中で、現地を見たことがない自分と、机上の空論、知識だけが増えていくという状況に、アンバランスさを感じたといいます。

その後、彼女はe-Educationのフィリピン担当として1年間の海外インターンシップを決意しました。

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パワフル笑顔!フィリピンの学生たちと中川

現地の文化の中でなかなか思うように前進しないプロジェクトを目の前に悪戦苦闘する日々が続きました。

そんな時は、『自信はなくても行動するための勇気は出せる』というe-Education職員吉川の言葉を、噛みしめながら目の前のプロジェクトに挑み続けました。

現地での1年間の活動の中で、地道な努力こそが現地の状況変化を与えることを実感したという中川。

現地では、映像教育に対応する計算プリントやかけ算を覚えやすくするためのかけ算の歌を発案し、子どもたちの学力アップに努めました。

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自信はなくても、行動する勇気は出せる・小さなBetterの積み重ねが世界を変える

そんな彼女が力強く伝えてくれた言葉、

「小さなBetterの積み重ねが世界を変える」

は多くの参加者の心の中に強く残っているのではないかと思います。

帰国後、世界には様々な社会課題があるということを人々に知ってもらいたい、社会の無関心を打破するというミッションのもと、新たなNPO団体でインターンシップを行っている中川。全力疾走し続けています。

『欲にすなおに歩みを止めて一歩前へ』

ミャンマー・カントリースタッフ村山輝周

3人目のインターンは、NPOの活動のかたわら、ミャンマーでお坊さんになる修行も乗り越えてきた、挑戦心の塊のような村山。

1年間e-Educationミャンマープロジェクトのカントリースタッフを務め、現地のNPOであるFoster Education Foundationとともに活動しました。

ミャンマーでの1年間を通して、外見の変化も多くみられた一方で、内面の大きな変化を実感しているという彼。

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彼の変化(?)がみられる印象的なスライド

活動の舞台は、ミャンマーで最も高校卒業試験の合格率が低いチン州でした。

「作成した映像授業をミャンマーの困っている学校に広げ先生や生徒が抱えている問題を解決したい」

そう意気込んで現地に向かったものの、一時はプロジェクトが全く進まず、挫折。何をしたいのかわからなくなってしまったこともあったといいます。

そんな中で村山が思い出したのは、『いつも一緒に頑張ってくれている現地のカウンターパートであるジョセフを笑顔にしたい。』という気持ちでした。

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現地カウンターパート、ジョセフを笑顔にしたい!

そういった『一番近くの1人を笑顔にしたい』『チームで仕事をしたい』という想いが、だんだんプロジェクトはポジティブな方向に動かしていきました。

その結果、最終的に彼の地元宮崎のIT企業を巻き込み、その技術を現地のプロジェクトに導入することに成功。また、一緒に頑張ってくれる仲間たちを現地ミャンマー、チン州でリクルートし、新しいチームを創り上げることができました。

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欲にすなおに歩みを止めて一歩前へ

仏教の教えに熱心なミャンマーで1年間を過ごし、『自分の欲をまっすぐに捉え、向き合う。そしてそれを受け止め、次のステップへ行動を映していくことの大切さ』を学んだといいます。

『欲に素直になる』

将来は、地元宮崎に関わりながら事業を興すことを構想中。

ミャンマーでも、地元宮崎との繋がりを最大限に活かしてプロジェクトを作り上げた村山。今後どのように、地元宮崎を盛り上げていってくれるのでしょうか、期待が高まります!

『頑張る人が輝く環境を作りたい』

国内インターン若林碧子

4人目のインターン生発表は、海外の活動を支える縁の下の力持ち!4人姉弟の次女として生まれ育った心遣いが細やかな若林。

実は、初めは海外インターンとしての活動を希望していたという彼女。「留学やインターンなど海外に出てキラキラ輝く周りを見て、焦っていたのかな」とその時の自分を振り返ります。

“誰のために、誰に向けて、何をどのように、どうして届けたいのか”

この問を自分に問いかけ続けながら、e-EducationのFacebookをはじめとするSNSの運営、トジョウエンジンの記事推敲、イベントの企画段階から運営、メーリングリストの管理、クラウドファンディング、などの業務に携わってきました。

若林

オフィスで仕事中。出来る女になりたい。

そうやって彼女がe-Educationのプロジェクトのために国内で活発に動いてきた一方で、“教育支援の相手である子供たちの笑顔が直接見えない”という状況の中での国内活動に、限界を感じていた時期もあったと話します。

そんな想いで、迎えた2018年3月。若林は活動国であるネパールに向かっていました。そこで、実際に自分の目で見たもの。

それは、賑やかで活気溢れる街、壮大な自然、お祭り好きで温かい人々、支援先の学校、そして子どもたちの笑顔でした。

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”おんぶに抱っこ”とはまさに、このこと!?

生身で経験したネパール渡航を通して、やっと自分が“誰のために、何のために”活動を続けているのかを再確認することができたと言います。

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頑張る人が輝く環境を作りたい

周りに対して200%の気を配り、いつでも丁寧な仕事を素早くこなす若林。彼女が放つ言葉1つ1つには、その重みや彼女の細やかな内面が表れていました。

将来、これから彼女がどのような道を進んでいくのかは、まだ不明確だといいます。その中でも、教育福祉という興味に沿って、確実に前へ歩みを進め続けています。

「大きな夢やなりたい理想像がなくたっていい。とにかく、1歩を踏み出して始めてみることで何かが分かるはず。」と語気を強めました。

『頑張る人が輝く環境をつくりたい』

真っすぐに話してくれた彼女の想いや国内インターンとしての奮闘、葛藤から国内活動があってこそ、e-Educationのそれぞれの活動国でのプロジェクトが進められるということをお分かりいただけたのではないでしょうか?

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4人の想いが詰まった発表に、身を乗り出して彼ら彼女たちの話に耳を傾ける参加者

真剣にメモを取っていた方も多くいらっしゃいました。

発表者とぐっと距離が近い交流会。通称ぐるぐる。

プレゼンテーションの後は、皆さんお待ちかねのぐるぐる交流会を行いました。

それぞれ「ネパール」「フィリピン」「ミャンマー」「国内インターン」の4つのグループに分かれて、4人のプレゼンターと近い距離での質問やインタラクションが交わされました。

どのグループも活発に質問の手が挙がり、身を乗り出して話す参加者の姿や15分の時間では物足りない程に盛り上がっている様子が伺えました。

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国内インターングループ 少人数だと質問の手も上がりやすい

 

 

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ネパールグループ 参加者の質問に答える佐藤

発表メンバーの活動や現地の状況について、ワクワクした目で質問をしてくださった参加者の皆様。

交流会の人数規模が7,8人ほどの小さなグループだったこともあり、踏み込んだ質問やプライベートな内容も、聞くことができたのではないかと思います。

イベントを終えて

今回初の試みとなった、大学生であるインターン生中心の報告イベント。社会人の方々に加えて、多くの学生さんが参加してくださいました。

国内外関わらず、本気でインターンとしてe-Educationプロジェクトに関わってきた4人の、ここだけの経験・苦労や裏話などを聞くことができたのではないかと思います。

イベントが終わった後も、会場に残って当日の発表メンバーやe-Educationのスタッフと話が弾んでいる参加者もいらっしゃり、皆様のおかげでドキドキ・ワクワクする、充実したイベントとなりました。

スタッフ一同も、熱い想いを持っていらっしゃる参加者の皆様から沢山の刺激を受けた色濃い時間を過ごすことができました。

また、当日出会った参加者の皆様同士が繋がることができる機会にもなっていたら幸いです。

私たちの仲間になりませんか?

e-Educationでは、11月1日から11月25日まで新規職員2名、海外インターン2名を募集しています。
※国内インターンの募集は締め切りました。

今回のイベントで活動報告発表をした海外/国内インターン生、その全員が、過去の募集期間に勇気を出し一歩踏み出して応募したからこそ、今の一回りも二回りも成長した彼ら彼女が在ります。

『社会貢献への想いを実際に形にしたい』
『今の自分を変えたい』
『身体と頭を動かしてプロジェクトに携わる経験がしたい』
『世界で活躍できる人間になりたい』
『持続的な教育モデルを確立したい』
『途上国で本気になって現地の教育に向き合ってみたい』

私たちe-Educationの仲間になって、
その地域・国の教育課題と向き合い
若者の選択肢を、未来を広げることに本気になりませんか?

新規職員としてe-Educationの仲間になる »

海外インターンに興味がある方はこちら »

おわりに

私自身も2018年5月頃のインターン募集、そして選考を経て、フィリピンプロジェクト担当の海外インターン生として採用していただくことが決まりました。

正直、1年間休学し、インターン生としてフィリピンに行くことを決断することは簡単ではありませんでしたし、「これまでe-Educationの先輩たちが作り上げてきたプロジェクトを引き継いで進化させていくという任務が務まるのか」など不安な部分も多くありましたし、今も不安な要素はたくさんあります。

「自分の人生、やりたいことをしたい。何事もやってみなければ何も起きないし自分を含む、誰のことも変えることもできない。」という想いからe-Educationの1人のメンバーとして、動き出すことを決めました。

『本気で挑戦してみたい』
気持ちが少しでもある方は、是非挑戦してみていただきたいと思います。
熱量のこもったご応募をお待ちしています。

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【12月22日14時〜】4万人の先生不足。途上国の教育格差に挑むNGO 〜e-Education 4th Anniversary Event〜 https://eedu.jp/blog/2018/11/22/181222_4thanniversary/ https://eedu.jp/blog/2018/11/22/181222_4thanniversary/#respond Thu, 22 Nov 2018 06:12:17 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48131 こんにちは! トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Education国内担当インターンの若林です。 いよいよ12月。2018年も終わりに近づいて来て肌寒い日が続く今日この頃。毎年恒例となったアニバーサリーイベント […]

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こんにちは!
トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Education国内担当インターンの若林です。

いよいよ12月。2018年も終わりに近づいて来て肌寒い日が続く今日この頃。毎年恒例となったアニバーサリーイベントを今年も開催します!

途上国の教育課題の現状ってどんなものだろう」
NPO・NGOの事業に興味がある」
e-Educationって名前は知っているけど、どんな団体なんだろう」

12月22日が法人設立記念日であるe-Education。

そんな12月22日(土)14:00からe-Education 4th Anniversary Eventを開催します!

NPO法人になってから今年で4年が経ちます。これまでの4年間を振り返り、5年目に向けて走り続けるe-Educationをお楽しみに!

4th Anniversary Event に参加する »

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バングラ現地子供

バングラデシュの路上で生活する子供

NPO法人e-Educationは「世界の果てまで最高の授業を届ける」というミッションのもと、「先生が足りない」「教育の質が低い」「そもそも学校がない」などという途上国の教育問題に「映像教育」というアプローチで挑んでいるNGOです。

今回のアニバーサリーイベント

今回はe-Educationのこれまでの活動実績、最新の活動を余すことなくみなさんにお伝えします!

日頃から国際協力の最前線で活動を行っているe-Educationのメンバーが途上国での教育課題のリアルを語ります。

2014年12月22日にNPO法人として認定され、4年間走り続けて来たe-Education。

これまでたくさんの出来事がありました。e-Educaionの誕生日である12月22日に、皆さんと一緒に途上国の教育課題について、そしてe-Educationのこれまでとこれからについてお話できたらと思います。

4thアニバーサリーサンタ

クリスマス直前ということで、去年はeeduチロルチョコをサンタがプレゼント!

今回の見どころは!

  1. 代表の三輪が一時帰国!
    バングラデシュを拠点として日々最前線で活動している三輪がこのアニバーサリーイベントのために一時帰国します!
  2. スペシャルゲスト、e-Education創業時からのパートナー・マヒンが来日!
    e-Education創設時からの、バングラデシュパートナーであるマヒンが来日!9年前、バングラデシュで始まったその瞬間からずっとパートナーである彼が語るリアルとは。
  3. 4カ国の活動国それぞれの教育課題のリアルが知れる!
    バングラデシュ、ミャンマー、フィリピン、ネパールの4カ国で活動を展開中のe-Education。国が違えば抱える教育課題も異なります。みなさんにリアルな活動内容をお伝えします。
  4. 教育、製薬、商社、ITなどバックグラウンドが多様な職員7名が大集結!インターン生やOGOBも大集合します!
    東京・大阪2拠点のe-Education。今回は職員7名が勢ぞろい!
  5. e-Educationのメンバーと皆さんでインタラクティブな交流会!
    直接疑問や感想を投げかけてもらえるセッションもご用意。通称ぐるぐるでは、皆さんと近い距離で対話できることをe-Educationメンバーも楽しみにしています!

スペシャルゲストもやってくる?!

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左から、代表三輪開人、マヒン、税所篤快

e-Educationは彼なしでは語れません。

バングラデシュのパートナー団体BacBon FoundationCEO、マヒン。
ダッカ大学で街頭アンケートをしていた税所と当時大学生だったマヒンが出会ったのが9年前。それこそがe-Educationの始まりの瞬間でした。

バングラデシュの教育を善くしたい。

自身も貧しい村育ち。必死に勉強し掴んだ国内最高峰ダッカ大学への切符。

奇跡のような彼の経験は、未だに彼が故郷バングラデシュの若者を支える原動力であり続けているといいます。

e-Educationが最終的に目指すのは「現地の課題は現地人が解決する」ことでもあります。バングラデシュの未来のため、マヒンが行動し続けているわけとは。

マヒンが人生をかけて挑む故郷バングラデシュの教育への想いをぜひ聞きに来てください。

盛りだくさんな内容でお送りする今回のアニバーサリーイベント。e-Educationを初めて知る方にも、今まで応援してくださっている方もきっと楽しんで頂けると思います。

・途上国の教育問題に興味がある方
・実際にNGOで働く人の話を聞きたい方
・途上国の教育課題へのソリューションに興味がある方

など、様々な興味関心をお持ちのみなさんにご参加いただきたいと思っています。

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昨年のアニバーサリーイベントの様子

過去のイベント参加者の声

男性 匿名 「活動を行うe-Educationのメンバーがこんなにも熱量を持って途上国の教育に向かっていると知って、とても刺激を受けました。私も何かしたいと思わせられました。」(T.Y 20代男性)
スクリーンショット 2018-05-23 18.40.07 「熱意の届くわくわくする内容でした。あっという間でもっともっと聞きたかったです。」(M.T 30代女性)
男性 匿名 「等身大だけど中身の詰まった内容が聞けました。インタラクティブにスピーカーと参加者が交流できるセッションもあって、とても有意義な時間でした。」(D.S 30代男性)

4th Anniversary Event に参加する »

4thアニバーサリー1

代表・三輪

実施詳細

日時

2018年12月22日(土)
14時00分〜17時00分(13時30分開場)

場所

TKP麹町駅前会議室 ホール8A
〒102-0083 東京都千代田区麹町3−2麹町共同ビル8階

※最寄駅:
東京メトロ有楽町線 「麹町駅」 3番出口 徒歩1分
東京メトロ半蔵門線 「半蔵門駅」 3a出口 徒歩4分

定員/参加費

・定員:100名
・参加費:一般 1,500円 / 学生 1,000円 / 高校生以下無料
※当日、会場でのお支払いをお願いします。
※学生の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。

4thアニバーサリー集合写真

昨年のアニバーサリーイベント

終わりに

アニバーサリーイベントはe-Educationの年間で最大のイベントです。
昨年度までは「感謝祭」と名付けられていたイベントを今回リニューアルし、より多くの方に気軽にお越しいただき楽しんでいただけるように準備を進めています。

今年e-Educationは特例認定NPO法人化し、より著しい成長を続けています。弊団体がこれから目指す世界を皆さんと考えられたらと思っています。

このイベントが皆さんの一年の締めくくりとなり、そして新年新しい気持ちで何かに挑戦してみるきっかけになればいいなと思います。

e-Educationスタッフ一同、みなさんのお越しを心よりお待ちしています!

4th Anniversary Event に参加する »

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「気付くこと」の大切さ。ネパールと仙台育英学園高校をつなぐWeb交流第3回実施! https://eedu.jp/blog/2018/10/13/sendaiikuei_nepal_03/ https://eedu.jp/blog/2018/10/13/sendaiikuei_nepal_03/#respond Fri, 12 Oct 2018 23:00:36 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47686 トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationと、宮城県にある仙台育英学園高等学校が行っている新たな取り組み、Web交流。前回は第2回目のWeb交流の活動報告と、ネパールの実施校の先生の活動にかける想いや […]

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仙台育英TEファーストビュー

トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationと、宮城県にある仙台育英学園高等学校が行っている新たな取り組み、Web交流。前回は第2回目のWeb交流の活動報告と、ネパールの実施校の先生の活動にかける想いや、生徒たちのWeb交流から学んだ「違いから学ぶこと」などについてお伝えしました。

ネパールの若者と日本の若者とを繋ぐWeb交流について、今回は先日行われた3回目のWeb交流の活動レポートと、仙台育英高校の先生のWeb交流にかける想いや生徒たちのWeb交流を通して得た気づきなどについて生の声をお届けしたいと思います!

今回も前回までと同様、「世界のために私たちができることを探したい」という熱い想いを持ってこのWeb交流を始めた仙台育英学園の生徒たちが活動報告レポートを書いてくれました!

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第3回Web交流を行いました!

こんにちは!仙台育英高校の佐藤と八島です。

先月に第3回目の仙台育英とネパールのWeb交流を行いました!
今回のテーマは「言語」

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実際に手書きされているネパール語を初めて見る。流石に予想するのも難しい

それぞれの言語で小芝居をして、何を話しているのかを当てるゲームをやってみると、予想以上に難しく、これがなかなか当たらない。

自分たちがネパール語を聞くときには自然とボディーランゲージや顔の表情に注目していることに気がつきました。そこで、私たちが見せる時には何度か繰り返し、よりボディーランゲージで伝わるように工夫してみることに。
違う言語の人と会話する時は、いかに手振り、身振り、フェイシャルエクスプレッションを使えるかが第一印象を決める!といっても過言ではないかもしれません。

仙台育英TE1

画面を見たい私たちはぎゅうぎゅうに覗き込む

新たな発見はネパール語でのペンの発音が、ウガンダ語と同じだったこと!ウガンダ人レイチェルが、「これウガンダ語も同じ!!」と一言。これには一同驚きでした。なんといってもネパールとウガンダは直線距離約6000kmも離れているのです。

言語はこういった偶然か必然かわからないような共通点も見つけられるということからも、やっぱり面白いなぁと思わされました。

前回は「ダンス」がテーマの交流でしたが、今回の「言語」は前回に比べ、教えあうということに少し難しさを感ました。主な理由は…

・第二外国語、英語でコミュニケーションを取っていること。
・発音に関して、母語には全く存在しない発音が多くあること。
・zoomを介したWeb上での会話

等々たくさんあります。

筆者である私たち佐藤、八島は日本語と英語で普段授業を受け、それぞれ中国語、スペイン語は第三ヶ国語として現在勉強中のため、言語にはとても興味があります。その中でも、こういった言語の大きな壁に気づくことは言語習得や他国の人々と友好な関係を築くという点において大きな一歩だと考えています。

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ネパールでもみんなが画面を覗き込む

一見小さなことに見えますが、この言語の壁という限界に気づかなければ、本当の意味での言語学習、多文化理解は始まりません。この「気づき」があって、今後何が必要なのかという「考え」に至り、ここで初めて「実行する」に移していく。その気づきがなければ、どんなことも始まらず、進みません。そんなところから、その気づく、という部分をお互いにすることができた、良い交流であったと感じています。

(筆:仙台育英学園高等学校 佐藤、八島)

Web交流を通じて見えたこととは ー仙台育英学園高校

前回はネパールの先生や生徒のインタビューをお届けしましたが、今回は仙台育英学園の先生と生徒のインタビュー内容をお届けします!

Web交流実施校・仙台育英学園高校のAnthony Sweeney先生へのインタビュー

–この企画を通して生徒にとってどのよう学びがあると思いますか?

このWeb交流は自分の文化を伝えると同時に、自分たち自身が日本の文化について理解を進め、自国の文化の良さを再確認することができるプロジェクトだと思います。
幼い頃から、自国の文化の他に様々な文化に触れることによって多くの違った価値観に触れ、自分のアイデンティーを作り上げて行く一つの柱になることでしょう。国によって、文化の違いによって、常識が180度異なるということを知ることもできたようです。

仙台育英TEアンソニー先生

仙台育英学園高等学校スウィーニー・アンソニー(Anthony Sweeney)先生

日本の高校生が外の国へ行く機会は多くないですが、それをzoomというツールを通してならばWeb上であっても海外に訪れる時にしか味わえないような感覚を得ることができるのだと感じます。
また、本校では国際交流、異文化交流を活動的に生徒が行なってはいますが、ネパールには姉妹校などの関係がないため、今までネパール文化に関わる機会はありませんでした。しかし、今回のインターネットを使うという新しい発想のもと新しい文化に触れる場を設けることができ、双方向にとても良い学びになったと感じています。
また、今回のWeb交流では異文化理解という学びだけに留まらず、Web上でのコミュニケーションをとることは、普段フェイストゥーフェイスで話すのとは違うスキルが養われると感じています。これからの未来を生きる生徒たちに必要なスキルも養われた活動でした。

Web交流に参加してくれていた生徒たちへのインタビュー

–Web交流を通しての感想を教えてください。

王一博(高校3年)中国
私たちの学校では、他の国の中学生と直接関わる機会があまりないので、このプロジェクトは私にとってユニークで面白い活動だと思っています。異文化や私たちの当たり前だと思っていることなどを共有することで、楽しみながら新たに学ぶことができました。初めのWeb交流に比べネパールの生徒たちの表情や話し方が変わり、より多くの話をしてくれるようになったことで、心を開いてくれているのが伝わり、とても嬉しく思いました。

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少しシャイなネパール人。だんだんと心を開いてくれるようになりました

津田京香(高校2年)日本
ネパールとの交流を始めて、ネパールの良さを学ぶと同時に日本を誇りに思うようになりました。ネパールと日本では言語や文化、若者の流行りなど多くのことが異なります。お互いに新しい発見ばかりでとてもいい勉強になり、これからの将来に繋げることができる大切な機会になっていると思います。残りの時間を大切に異文化理解を深めていきたいです。
レイチェル(高校2年)ウガンダ
このWeb交流は、異なる視点や文化を共有するとてもいい機会になりました。またダンスや挨拶の仕方など、ネパールの生活スタイルを垣間見ることができました。この企画によって、私はネパールに対してより知りたいと思うようになりました。このような素晴らしい機会を設けてくれたe-Educationの方々に感謝したいです。ありがとうございます。

(聞き手:仙台育英学園高等学校佐藤、八島)

終わりに

今回が第3回目となったWeb交流。手探りから始まった活動は、次回で最終回となります。第4回目のWeb交流は、普段ネパールでこの活動を支えていたe-Educationのインターン生・佐藤由季也が仙台育英学園高校に足を運び、報告を交えた形で行います。

仙台育英の高校生たちが熱い想いを持って、自分たちの力で進めてきたこのプロジェクト。最終回も乞うご期待ください!

Web交流初回のレポートを読む »

第2回Web交流のレポートを読む »

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【10/28(日)14:00~開催】アジアに飛び出した大学生の挑戦の軌跡〜e-Educationインターン帰国報告会〜 https://eedu.jp/blog/2018/09/29/intern_conference18/ https://eedu.jp/blog/2018/09/29/intern_conference18/#respond Sat, 29 Sep 2018 09:26:28 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47689 こんにちは!トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Education国内担当インターンの若林です。 10月28日(日)14:00からインターン帰国報告会を開催します! 「大学生のうちに国際協力に携わりたい」 「海外 […]

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こんにちは!トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Education国内担当インターンの若林です。

10月28日(日)14:00からインターン帰国報告会を開催します!

「大学生のうちに国際協力に携わりたい」
「海外で自分の限界に挑戦してみたい」
「途上国で広がる教育格差の問題を解決したい」

休学して学生インターンとして途上国に飛び出すこと、海外で働くこと、途上国の誰かのために一生懸命になること。そしてそんな活動を日本で支えること。e-Educationで1年間、国内外問わず挑戦してきた大学生4名がそのリアルを語ります。

インターン帰国報告会に参加する »

SPONSERD LINK

NPO法人e-Educationは「世界の果てまで最高の授業を届ける」というミッションのもと、「先生が足りない」「教育の質が低い」などという途上国の教育問題に「映像授業」というアプローチ方法で挑んでいるNGOです。

大学生から挑戦は始まった

e-Educaitonのはじまりはたった一人の大学生。
4万人の先生が足りていない」、「灯油ランプや街灯の下で勉強をする子どもの姿」。失恋をきっかけにバングラデシュに一人飛び出した一人の大学生がそんな現地の教育課題を実際に目にして、思いついたのがこの映像授業でした。

ハムチャー村という小さな農村で始まった挑戦は、初年度バングラデシュ国内最高峰ダッカ大学に合格者を輩出。その成果は「ハムチャー村の奇跡」と言われました。

そんな挑戦からはや9年。バングラデシュでは9年連続でダッカ大学合格者を輩出しています。

一時は14カ国まで広がった活動の全てには大学生の姿がありました。一人で海外に飛び出し、現地の教育課題を発見し、仲間を見つけ、その課題に挑み続ける。

今はバングラデシュ、フィリピン、ミャンマー、ネパールの4カ国で活動を続けるe-Education。今も現地に駐在し最前線でプロジェクトを回していくのは一大学生です。

初のインターン帰国報告会

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ネパールの子どもたち。

今回は初めてインターン生の帰国報告会を行います。1年間現地で活動をしてきた海外インターン生、国内のバックオフィスでその活動を支えてきた国内インターン生が1年間を振り返ります。海外インターンのリアル、日本で活動を支えることのリアルをみなさんに余すことなくお伝えします!

今回の見どころは!

  1. 1年間の赴任を経たインターン生が帰国!
    今夏フィリピン、ミャンマー、ネパールから帰国したばかりのインターン生が現地での活動のリアルを語ります。海外で働くこと、学生インターンとして休学して社会課題に挑戦することの実情が知れるはず!

  2. 活動をバックオフィスで支えるやりがい!
    海外でのインターンだけでなく、そんな活動を国内で支えることは実はとても重要です。あまり知られていないNPOでの国内インターン、日本でもできることのリアルを語ります。
  3. 3カ国の活動国それぞれの教育課題のリアルが知れる!
    それぞれミャンマー、フィリピン、ネパールの3カ国で活動していたインターン生は日々どんな課題に挑んでいたのか、国が違えば教育課題も異なります。みなさんがまだ知らないかもしれない、現地の教育課題のリアルをお伝えします。

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フィリピンに現在渡航中の川上。フィリピンでヤモリと共生中

盛りだくさんな内容でお送りするインターン帰国報告会。海外で挑戦してみたいと思っている方にも、日本でできることから始めたいという方にも、刺激的で新しい発見や学びがあると思います。

・途上国の教育問題に興味がある方
・一歩踏み出して成長したいと思っている方
・EdTechでの教育課題解決に興味がある方
・学生の挑戦を応援してみたい方

など、様々な興味関心をお持ちのみなさんにご参加いただきたいと思っています。

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ネパールで活動中の様子

実施詳細

日時

2018年10月28日(日)
14時00分〜16時30分(13時30分開場)

場所

JICA地球ひろば
センター棟311室
〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5(JICA市ヶ谷ビル内)

※最寄駅:
R中央線・総武線 「市ヶ谷」 徒歩10分
東京メトロ有楽町線・都営地下鉄新宿線 「市ヶ谷」A1番/4番出口 徒歩10分
東京メトロ有楽町線・南北線 「市ヶ谷」6番出口 徒歩8分

定員/参加費

・定員:50名
・参加費:一般 1,000円 / 学生・高校生以下無料
※当日、会場でのお支払いをお願いします。
※学生の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。

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「最高の授業を世界の果てまで届ける!」

終わりに

インターン生の日々の活動はあまりみなさんの目にはつかないかもしれません。しかし現地で、日本で、日々挑戦し続ける私たちの姿をぜひみなさんにお伝えできたらと思います。

私自身、国内インターンとしてちょうど1年間活動を続けてきました。インターン生として、一学生としてできることは少ないかもしれないけれど、確かに歩んできた1年間です。

海外で挑戦してみたいと思っているあなたも、途上国の子どもたちのために何かしたいと思っているあなたも、NPOの組織運営に興味があるあなたも、そしてまだ一歩踏み出すことに躊躇しているあなたも、この帰国報告会が何か刺激的になればいいなと思います。

みなさんのお越しを心よりお待ちしています!

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「違い」から学ぶこと。 ネパールと仙台育英学園高校をつなぐWeb交流第2回実施! https://eedu.jp/blog/2018/08/27/senndaiikuei_nepal_02/ https://eedu.jp/blog/2018/08/27/senndaiikuei_nepal_02/#respond Sun, 26 Aug 2018 23:00:42 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47655 トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationと、宮城県にある仙台育英学園高等学校が行っている新たな取り組み、Web交流。前回は仙台育英の生徒たちの「世界のためにできることを探したい」という想いについてお […]

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トジョウエンジン運営団体であるNPO法人e-Educationと、宮城県にある仙台育英学園高等学校が行っている新たな取り組み、Web交流。前回は仙台育英の生徒たちの「世界のためにできることを探したい」という想いについてお伝えしました。

ネパールの若者と日本の若者とを繋ぐWeb交流について、今回は先日行われた2回目のWeb交流の活動レポートと、ネパールの先生のWeb交流にかける想いやネパールの生徒たちのWeb交流を通して得た気づきなどについて生の声をお届けしたいと思います!

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前回に引き続き、今回も仙台育英の生徒に活動レポートを書いてもらいました!

緊張とわくわくが混ざった初回のWeb交流から約1ヶ月、仕様がわかり上手くコミュニケーションも取れるようになってきた2回目の交流では、仙台育英の生徒にも、ネパールの生徒にも、一生懸命「伝えよう」と工夫して話している姿が見られました。

そんな2回目の交流は彼・彼女らにとってどのようなものとなったのかお伝えできればと思います。

第2回Web交流を行いました!

前回に引き続き、7月30日に第2回目の仙台育英とネパールの交流を行いました!前回は初回だったこともあり簡単な自己紹介とレクリエーションが中心でしたが、今回は「ダンス」をテーマに行うことに。

ネパールの学生がダンスが好きだということを聞き、日本、ネパール、中国、ウガンダの4カ国のダンスをビデオ交流で共有しました。

私たちは仙台育英高校の国際バカロレアで学んでいることもあり、多様な国籍の仲間がいます。そんな仲間のうち中国とウガンダにルーツを持つ2人も参加してくれていることもあり、この日本、ネパール、中国、ウガンダの4カ国をピックアップし、ダンスを通じて交流しました。

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ネパール側のダンスは女の子たちが踊ってくれました

私たちが交流しているネパールの学生のほとんどがグルン族という民族で、年中行事では踊る習慣があるそうです。彼女たちのお気に入りの伝統的なダンスを踊ってくれました。

日本、中国、ウガンダからはそれぞれの国で一番身近なポップカルチャーの中からダンスや歌を共有しました。

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日本では昨年大流行したあのダンスをみんなで踊りました!

各国のダンスや歌には、踊り方、特に体の使っている部分や、リズム、使われている言語といった、違いがあるということを見いだすことができました。

ネパールのダンスの動きや曲の第一印象は、日本の盆踊り。かすかに聞こえて来た曲に使われる楽器や腰や手の動かし方は中国やインドの伝統的な踊りに近いように感じました。

最後には、日本とネパールのダンスを教え合い、間違いやすいところは何度かやり直しながらも、日本もネパールもみんな楽しく踊ることができました。

印象的だったのは、ネパールの生徒たちは日頃からダンスに親しんでいて、日本よりも踊りの文化が根付いていることがよくわかるほどみんな上手だったこと。みんなが踊れる伝統的な踊りがあるというのは日本にはあまりないことで、驚きであり羨ましくも思いました。

ダンス交流の後には、今人気の歌手がそれぞれの国々で誰なのかを写真を見せあい、その人たちが何歳なのか当てるクイズをしました。

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アイドルグループ「嵐」のメンバーの年齢を20歳と予想したネパールの生徒たち!流石に若すぎ!

次回は3回目になるWeb交流。次の交流の内容を考えることもとても楽しく、次回が待ちきれません!

(仙台育英学園高等学校 佐藤・屋島)

ネパールのWeb交流にかける「想い」とは

ここまで仙台育英高校の生徒によるレポートをお届けしましたが、ここからは2回目のWeb交流後に行ったネパールの先生と生徒へのインタビューをお届けします!

Web交流実施校の校長Prakash Pant先生へのインタビュー

–WEB交流を通して生徒の変化は見られましたか?

生徒たちは日本の文化を知ることで、改めて自分たちの文化に目を向けています。
日本から見たネパールとネパールの生徒が見るネパールの姿は異なります。その違いに生徒が気づき始め、改めて自分たちの文化を見つめ直す機会になっていると思います。

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Web交流実施校SanskarEnglishSchoolの校長先生

–WEB交流を通して生徒にどんなことを望みますか。

WEB交流を通して主に二つのことを大切にしてほしいと思っています。
 
一つ目は双方向の学びです。私たちの生徒はきっと日本の学生から多くのことを学ぶと思います。同時に日本の学生もネパールから多くのことを学んでほしいです。双方向の学びが実現することで、お互いの学生の可能性が広がることを願っています。
 
二つ目は、文化や言葉の違いを肌で感じ取ること。私は学校の学びとは、教科書の学びだけでは不十分だと考えています。子供たちは様々なメディアを通して世界中から情報を集める必要があります。
 
このWEB交流は海外の学生とリアルタイムで会話ができ、教科書で学ぶことのできない生きた知識を得ることができます。私たちの学校ではこの交流が海外について学ぶための一番大切なプラットフォームになると思います。
 
今後私たちの学校だけでなく、ネパールの様々な学校で広がって欲しいですね。

Web交流をした7年生の生徒へのインタビュー

―-第2回目のWEB交流の感想を教えてください。

Dipshika Gurung (7年生)
日本のダンスがとても気に入りました。踊りのステップや音楽、衣装がすごくキュートでした。これからもWeb交流を続けていって、もっとお互いの国について理解を深めていきたいです。

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Roshina Gurung (7年生)
日本の言葉やダンス、文化を学ぶことができました。また海外のことについて知ることが大切だと思いました。なぜなら私たちは「違い」から学ぶことが多いからです。今回の交流では「踊り」を通してお互いの国の違いに気づくことができました。これから日本とネパールの違いをもっと知りたいです

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Prajwol Gurung (7年生)
WEB交流を通して、私たちの文化と日本の文化が異なるということに気づきました。踊り一つとっても手足の動きや衣装が違い、驚きました。次回の交流ではお互いの国の言葉について紹介し合いたいです。

(聞き手:e-Educationネパール担当インターン佐藤由季也)
 

終わりに

今回で2回目となったWeb交流。

日本の高校生の「自分が世界にできることを探したい」という思いから始まったこの新たな取り組みを通じて、日本・ネパール共に様々な気づきを得、新しい「知りたい」という欲求が出てきているようです。

少しずつ変化が見られる生徒たち。このWeb交流で新たな気づき得て、またその気づきが「生きた学び」になることを期待し、残り2回のWeb交流を充実させてほしいと思います。

あと2回となったWeb交流。今後もこちらで発信していきますのでお楽しみに!

WEB交流初回のレポートも読む »

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フランスとトーゴで自信を喪失。人々の精神的な豊かさを追求するためにーーキズキ 伊藤優さんのストーリー https://eedu.jp/blog/2018/07/28/kizuki_ito/ https://eedu.jp/blog/2018/07/28/kizuki_ito/#respond Fri, 27 Jul 2018 23:00:07 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47546 「価値観が揺らいだとき、新たな何かが見えてくることがある」 そう語るのは、前回紹介した鎌中俊充さんに続くもうひとりのキズキスタッフ。 学生時代のフランスとトーゴでの挫折を味わい、自分が情熱をもって取り組めるものを考え抜い […]

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「価値観が揺らいだとき、新たな何かが見えてくることがある」

そう語るのは、前回紹介した鎌中俊充さんに続くもうひとりのキズキスタッフ。

学生時代のフランスとトーゴでの挫折を味わい、自分が情熱をもって取り組めるものを考え抜いた結果、キズキの職員となった方のストーリーです。

そして、最後にはキズキグループ代表・安田祐輔さんの想いも合わせてお届けします。

鎌中さんのストーリーを読む »

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フランスとトーゴで自信を喪失。人々の精神的な豊かさを追求したくなった

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本日ご紹介するのは、株式会社キズキの伊藤優(いとう・ゆう)さん。1990年生まれ、東京都出身、キズキでは取締役経営管理部長を務めています。

伊藤さんは鎌中さんとは異なり、幼い頃から途上国支援に興味がありました。

ですが、国内支援に興味を持つようになったのは、その途上国支援で「挫折」を経験してからのことです。

小学生時代の国際協力への憧れ

伊藤さんは、小学生の頃に、大平光代さんの著書『だから、あなたも生きぬいて』に感銘を受け、「私も人を助けられる人間になりたい」と憧れを抱くようになりました。

また、ユニセフの「アフリカの子どもは1分に〇〇人死んでいく」というパンフレットを読み、幼いながらにショックを受けました。

そして「国際開発学を学んで、将来は世界中の貧しい人たちを助けたい!」と思うようになったのです。

その思いをずっと持ち続け、大学受験も上手くいき、東京大学で憧れの開発学を学ぶことになりました。

フランス留学で、周りの留学生を見て自信を失う

「国連で働きたい」という気持ちがあった伊藤さんは、高校・大学で国連の公用語でもあるフランス語を学んでいました。

そしてフランス語は得意で自信もあった伊藤さんは、大学の交換留学プログラムでフランスに行くことを決めました。

留学先はパリ政治学院という学校で、フランス人や留学生たちと一緒に、主に国際関係論や社会科学全般を勉強していました。

そんな留学生活のある日、他の留学生たちのプレゼンテーションを見て愕然とします。

他の学生は、言語能力、コミュニケーション能力、思考の深さなど、全てがそれまでに見たことのないレベルの高さだったのです。

それに対して、伊藤さんは、先生が口頭で伝えてくる宿題内容を聞き取るのに精一杯でした。

伊藤さんは、「彼らと自身に圧倒的な力の差があることに気づきました。そして、この日から、『世界には優秀な人がたくさんいるのに、自分程度の人間に一体何ができるのだろうか?』という考えが、頭の中をぐるぐる回り始めたんです」と言います。

「世界を股にかけて働くかっこいい自分」という憧れのイメージは遠ざかり、自信を完全に失ったのです。

途上国支援についての、初めての挫折でした。

トーゴで国際協力という指針を失う

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フランス留学で自信を失った伊藤さんは、さらにアフリカ・トーゴでの二つの挫折を通して「国際協力」という指針も失うことになります。

トーゴでの第一の挫折は、現地のNGOでインターンをしたときのこと。

「開発学を学んでいるなら、現場を見なくてはいけない」と思っていた伊藤さんは、知人からトーゴでエイズ・HIV患者の支援をしているNGOを紹介され、そこでインターンシップをすることにしました。

しかし、いざエイズ患者の人々のサポートをしていると、彼らに本気で向き合えない自分に気がつきます。

伊藤さんが関わったエイズ患者の中には、夫に離縁され孤独に生活しているなどの悲壮な人生を送っている方もいました。

彼女たちを見たときのことを、伊藤さんは「あまりにも自分と違う世界にいる彼女の境遇に対して心から共感することができず、『彼女を助けたい』というような情熱が湧いてくることもない自分に気がつきました」と言います。

相手のつらさを、実感を伴って理解することができなかったのです。

そんな自分が人情味のない冷たい人間に思えた伊藤さんは、「国際協力をする資格など私にはない」と絶望しました。

トーゴでの第二の挫折は、現地の友人にキリスト教の教会に連れていってもらったときのことです。

それまで伊藤さんは、「教会」というと「賛美歌が流れて厳かな雰囲気」というイメージを持っていました。

ですが、現地の教会は全く異なったのです。

厳かさなど何もないアップテンポな曲調の賛美歌が流れ、それに合わせてバンドがギターをジャガジャガと弾き、人々はファンキーに踊り、神父は絶叫。

そして、集まっていた人々は皆イキイキとした表情をしていました。

友人は伊藤さんにこう言いました。

「私たちは確かに日本人と比べたらとても貧しい。でも神様が僕たちを守ってくれるから何も不安はないし、毎日家族や友達と一緒に暮らせることが何より幸せだよ。」

伊藤さんが開発学を学んでいた理由は、「貧しい人々はつらい思いをしている。彼らの生活を向上させたい」という思いからでした。

しかし、トーゴの人たちは、イメージしていた「かわいそうな人たち」ではなかったのです。

トーゴの人々の「貧しいながらも幸せに満ちた生活」を見た伊藤さんは、自分の価値観を押しつけて、彼らの生活を変えようとすることに大きな矛盾を感じたのです。

メガバンクに就職するも、精神的につらい状況に

伊藤さんは、フランスとトーゴでの三つの挫折経験によってそれまでの価値観が根幹から揺らぎ、自分が社会に対して何をすべきか全くわからなくなりました。

そんな状況で日本に帰ってくると、すぐに就活の時期に入りました。

国際協力という目標を失い、「何のために働くのか」が全くわからないままの伊藤さんでしたが、メガバンクへの就職が決まりました。

東京大学からメガバンクと、端から見ればエリートコースです。

しかし自分の価値観が揺らいでいる中で就職した伊藤さんは、就職後も「仕事に熱意を持っている周りの社員」との温度差を感じ続ける日々を過ごしていました。

自分が本当に人生をかけてやりたいことが何なのかがわからず、精神的につらくなっていったのです。

「精神的な豊かさを追求したい」思いからキズキへ

フランスで周りとの差に圧倒され、自信を喪失した自分。
トーゴでエイズ患者の境遇に共感を抱くことができなかった自分。
貧困国支援への価値観が揺らいだ自分。
銀行の仕事に熱意を持てず、精神的に苦しむ自分。

「では自分が共感と情熱を持って取り組めることは何か?」

悶々と悩み続け、出した答えは、「人々の精神的な豊かさを追求する支援がしたい」というものでした。

そんなときに、「何度でもやり直せる社会をつくる」という理念を持つキズキのことを知ります。

ちょうど代表の安田祐輔さんが講演するタイミングだったので、伊藤さんは、すぐに職場の京都から東京へ夜行バスで向かいました。

社会課題に対する本気の姿勢がある安田さんの話を聴き、自分が行いたい「支援」はまさにキズキのそれだと確信を持ちました。

その場ですぐに「職員は募集していないのですか?」と質問したとのことです。

新卒でメガバンクに就職してから2年3か月後、伊藤さんはキズキに転職しました。

価値観が揺らいだとき、新たな何かが見えてくることがある

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伊藤さんに限らず、途上国支援や就職に限らず、「理想と現実」が違うことはよくあることかもしれません。

ですが、よくあることとは言っても、違いに直面すると、苦しみも覚えますし、価値観も揺らぎます。

そして、そこから新たに何かが見えてくることもあります。

伊藤さんの場合は、それが「人々の精神的な豊かさを追求する支援がしたい」でした。

キズキで働く今、伊藤さんは、「自分にとっての働く意味が明確に見つかったと実感しています」と言います。

もしあなたが途上国支援について悩みなどを覚えているようであれば、一度国内支援に目を向けてみてはいかがでしょうか。

伊藤さんと同じように、「新たな自分」が見つかるかもしれません。

日本を、希望の持てる社会、何度でもやり直せる社会に

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最後に、キズキグループ代表の安田祐輔さんについても紹介します。

安田さんは、大学在学中にパレスチナ、ルーマニア、バングラデシュといった国々で紛争や貧困問題に関わるようになりました。

特に印象に残っていることについて、安田さんは、「バングラデシュの娼婦街で生活しながら、農村から売られて働いている娼婦たちを対象とした映画を制作していたころです」と言います。

現地で生活する中で、安田さんは、当地の貧困問題は、衛生・医療・教育などに不十分な点は多々あるものの、「餓死する」という類ではないことに気づきました。

貧しくても、幸せそうに生きている人々がたくさんいました。

一方で、極貧の農村にいるよりもはるかに所得があり、自由も保障されているはずの娼婦たちの中に、リストカットを何度も繰り返す人がいました。

そこで「人は、お金や暮らし向きによってではなく、尊厳によって生きている」ことを知りました。

そして、困難な状況にある人々を支援する仕事、人の尊厳を守るような仕事をしていきたい、と強く思うようになったのです。

また一方で、そのころの日本では、リーマンショックによる大不況などもあり、「日本の貧困」がクローズアップされ始めていました。

そこで日本に帰国し、日本の総合商社で働きながら、休日を使ってホームレスの方々を支援するNPOに参加したりしながら、日本社会について勉強を深めました。

その中で安田さんが気づいたことは、「発展途上国の人々の多くは確かに貧しかったけれど、そこには希望があった」ということです。

発展途上国に生きる彼らの多くは、日本の高度経済成長期のように、「貧しい生活の先に輝かしい未来が待っている」と信じて生活していました。

しかし、安田さんが見る限り、日本社会には「希望」がありませんでした。

特に、一度ドロップアウトしてしまった人はそこから這い上がることができません。

「なぜ一度ドロップアウトしてしまうとなかなかやり直すことができないのか」

安田さんは、自身の生い立ちやバングラデシュでの経験から、そのことをずっと悩み続けてきたと言います。そして、明確な答えは今もまだ見えていないとも。

「それでもなお、どんな環境で生まれ育ったとしても、たとえ人生のレールから外れてしまっても、未来が見えなくなったとしても、何度でもやり直せるような社会をつくりたい

そんな思いから、安田さんはキズキを設立しました。

そして今も、キズキ共育塾をはじめ、国内支援に取り組んでいます。

国内支援にも、一度目を向けてみませんか?

おわりに

いかがでしたでしょうか。

キズキには、今回紹介した人以外にも途上国支援の経験者が多くいます。

途上国支援と国内支援には、共通する部分も多くあります。

もしあなたが、
途上国支援の経験を何かに活かしたかったり、
途上国支援の後に何をするか迷っていたり、
途上国支援に行けない事情があったりするようであれば、
国内支援にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

きっと、途上国支援同様の、尊さとやりがいを見つけることができると思います。

この記事が、あなたの新たな道を開く一歩となれば幸いです。

参考リンク:キズキグループ職員インタビュー

鎌中さんのストーリーを読む »

代表・安田さんの挑戦ストーリーを読む »

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ルワンダで実感した「現地のことは現地の人間が解決する」大切さを、日本でも活かすためにーーキズキ 鎌中俊充さんの原体験とは https://eedu.jp/blog/2018/07/27/kizuki_kamanaka/ https://eedu.jp/blog/2018/07/27/kizuki_kamanaka/#respond Thu, 26 Jul 2018 23:00:49 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47530 みなさんは、日本で不登校や引きこもりなどを経験した人が抱える課題に取り組むキズキグループをご存知でしょうか? 「何度でもやり直せる社会をつくる」というミッションを掲げて、そのような人々の学習支援を行う「キズキ共育塾」の運 […]

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みなさんは、日本で不登校や引きこもりなどを経験した人が抱える課題に取り組むキズキグループをご存知でしょうか?

「何度でもやり直せる社会をつくる」というミッションを掲げて、そのような人々の学習支援を行う「キズキ共育塾」の運営など、日本国内での支援業務を行っています。

実は、そんなキズキには、青年海外協力隊、学生NGO、インターンなど、途上国支援を経験した職員が多く在籍しています。

今回は、そんな海外経験を有する職員がなぜ国内の課題に取り組む様になったのか2回にわけて2人のストーリーをご紹介します。

海外での経験を日本で生かして活躍されている様子がこれからキャリアを作る方の参考になれば幸いです。

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現地のことは現地の人間が解決する

第一回でご紹介するのは、キズキ共育塾大阪校の教室運営スタッフ、鎌中俊充(かまなか・としみつ)さんです。

鎌中さんは、「途上国支援がしたい!」という思いを小さい頃から持っていたわけではありません。

大学院を修了するまでのことを、「漠然と人のため、社会のためになることや社会貢献をしたいとは思っていたんですけど、具体的な目標はずっとありませんでした」と振り返ります。

そんな心情のまま、高校を卒業し、東京大学で建築学を、同大学院では技術経営学を学びます。

「途上国に行きたい」と「教育で社会貢献したい」の両立のためルワンダへ

そして大学院修了後に「これまでの自分と全く異なる環境である途上国に住んでみたい」という気持ちが強まってきました。

鎌中さんはその理由を、

「『途上国で何かをしたい』いう思いが先にあったわけではなく、『新しいことを知りたいという好奇心』によるものだ」

と語ります。

では途上国に行って何をするか。

当時、「大学の学部は、もっと真剣に考えてから選べばよかった。『教育』や『勉強』についてあまり考えてこなかったから、学部選択はちょっと失敗してしまったな。とは言え自分は『勉強する環境』には恵まれていた。環境(以前)の段階で勉強できない人たちもたくさんいる」など、教育や教育環境について思いを巡らせるようになっていました。

そこから、「失敗をした僕だからこそ、次世代のために、教育(環境)について社会貢献を行う必要があるんじゃないか」と考え始めていたのです。

ここで「途上国に行きたい」と「教育(環境)に関する社会貢献をしたい」が結びつき、「途上国に行って、現地の教育環境に貢献する」という具体的な行動が頭に浮かびました。

そして鎌中さんは青年海外協力隊に入り、アフリカのルワンダで学校の先生と、理科の授業の仕方を一緒に考える活動を行うことになりました。

ルワンダで「教育環境を変えるための支援」を目指す

当時、「先進国」がルワンダの理科教育で問題視していたことは、「教育内容や教材の質が低いこと」でした(鎌中さん曰く、「実際に低かった」とのこと)。

一方、現地の先生は、「教師の給料が低いこと」が問題だと思っていました(これも鎌中さん曰く、「実際に低すぎた」とのこと)。

そうしたギャップもある中、現地の先生たちのことは、鎌中さんの目には「悪く言うつもりはないけど、低い待遇からか、受動的で支援待ちだなあ。これでは教材だけが立派になっても、教育環境は結局変わらないだろうな」と映りました。

そこで「授業の仕方を考えるだけではなく、教育環境そのものを変える支援を行う必要がある」と思うに至りました。

実験で理解できる授業を!

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鎌中さんには、日本人である自身の価値観を押し付ける支援を行うつもりはありませんでしたし、途上国の人の主体性を奪ってはいけないとも思っていました。

①現地の問題は、将来的には現地で解決する必要がある
②そのためには、直接的な支援だけではなく、将来的な問題解決能力を身につけるための支援が必要である

という考え方です。

そこで「単純に授業の仕方を考える(変える)だけではなく、それを通じて、現地の先生自身に質の低い教育環境を変える意識を持ってもらおう」と考えました。

現地の先生の意識が変わると、やがて現地の先生自身が教育環境全般の向上に向けて自分たちで行動したくなり、いずれ支援そのものが不要になる、ということです。

さて、当時のルワンダの先生たちは、「最低限のレベルの、板書だけの授業」を行っていました。

ルワンダの歴史と現状を考えると、先生たち個人を責めることはできません。日本人である鎌中さんから見ると、教える立場にある先生たちも、理科そのものについても、教育(方法)についても、充分な教育を受けていなかったのです。

鎌中さんは、「先生たちがきちんと知識を持ち、楽しんで教える(働く)ことができてこそ、教育(環境)への意識が変わる」と思いました。

そして生徒のみならず先生も理科の授業を楽しめるような、「理科の知識を実験で理解できる授業」を提案しました。

「人は変わる」と実感し、赴任期間を終える

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実験授業の「支援」を続けるうちに、先生たちの意識はだんだんと変わっていきました。

鎌中さんに「これまでわからなかったことがわかるようになった」と言う先生も出てきました。

先生たちは、諸々の不足・不満はありつつも、「自分でも理科の楽しさや重要さを生徒にどう伝えればよいのかわからない」と悔しさを覚え、悩んでいたのです。

もちろん、現地の先生たち全員が鎌中さんの「支援」に納得してたわけではありません。

ですが、意識を変えてくれた先生は確かにいました。

「人は変わる」と実感し、ルワンダ人の先生たち自身がルワンダの教育環境を変えていってくれることを願いつつ、鎌中さんは2年間の赴任を終えました。

途上国支援と国内支援に共通すること

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帰国後について、鎌中さんは、「教育環境の重大さを認識したので、教育に関連する仕事をしたい。ルワンダと質こそ違えど、日本にも教育環境に関する諸問題はある。この10年で東京も海外もある程度経験できたので、地元の大阪も見たくなった」と考えていました。

また、「『①現地の問題は、将来的には現地で解決する必要がある』ということは途上国支援も国内支援も同じで、日本の教育(環境)に関することは、日本人が主体的に取り組まなければならない」とも思っていました。

ちょうどそのタイミングで、キズキ共育塾大阪校が教室運営スタッフを募集。

「『何度でもやり直せる社会をつくる』というミッションを持つキズキなら、目の前の生徒さんや講師の役に立つとともに、『教育環境』という大きな課題にも取り組める」

――そう思った鎌中さんは、キズキに応募し、現在に至ります。

途上国支援とキズキの支援に共通すること

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そして鎌中さんは、「『②直接的な支援だけではなく、将来的な問題解決能力を身につけるための支援が必要である』という考え方は、キズキ共育塾の支援とも重なる」とも言います。

困難を抱える生徒さんを見ると、講師やスタッフは「助けたい」「なんとかこの生徒さんのためになりたい」と思います。

ですが、そこで「講師が直接助ける」と、生徒さんはいつまでも自立する力が身につきません。

一例として、大学受験をするには願書の提出が必要です。

「願書って、何をどう書いたらいいのかわからない…」と言う生徒さんには、講師は、「生徒さんの代わりに願書を書く」のではなく、「願書の書き方や、書き方の調べ方を一緒に考える」ようにしています。

そうすることで、生徒さんは「適切に人に頼ることを知り、かつ頼りきりにならない」ように成長し、自立していくのです。

目の前の個人を支援するとともに、教育環境を変えていきたい

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現在の鎌中さんは、キズキ共育塾のスタッフとして、不登校・ひきこもり・中退などを経験した本人や保護者から相談を受けたりしています。

相談に来る人は、追い詰められて視野が狭くなっている人も少なくありません。

例えば、「学校に毎日行くのが当たり前」という価値観に縛られているから「不登校になった自分はもうダメだ」などと悩んでしまう、というようなことです。

これは、その人個人の思い込みによることもありますが、世間の風潮のためでもあります。

鎌中さんは、そうした困難を抱える人に対して、大学や海外での経験をもとに「世界は広いですよ。価値観は一つじゃないですよ。学び直しもできますよ」
ということを伝え、支援しています。

そして「キズキで働く中で、直接支援だけではなく、もっともっと、個人の尊厳を守ったり、学び直しができたり、日本の教育環境を変えていけたらなと思っている」と思いつつ、キズキで働いています。

鎌中さんは、途上国支援とキズキの仕事を通じて、
「①現地の問題は、現地で解決する必要がある」は途上国も日本も同じであること、
「②問題解決能力を身につけるための支援が必要である」は途上国支援もキズキの支援も同じであることを実感しました。

途上国支援に興味のある人は、国内支援にも向いているということではないでしょうか。

おわりに

いかかでしたでしょうか?

途上国支援と日本の課題への取り組みの共通点が見えてきたのではないでしょうか。

海外に出るからこそ、いままで当たり前だったものが当たり前でないんだと気づき、日本の課題も見えるようになってきます。

その日本の課題に取り組みたいと思ったとき、海外での経験は決して無駄なものとはなりません。鎌中さんのように海外と国内の共通点を見出す力が、海外経験をもとに日本で活躍する秘訣なのかもしれませんね。

また、もうひとり、海外での経験をもとに熱い想いを持ってキズキに参画された職員のストーリーも紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください!

伊藤さんのストーリーを読む »

代表・安田さんの挑戦ストーリーを読む »

The post ルワンダで実感した「現地のことは現地の人間が解決する」大切さを、日本でも活かすためにーーキズキ 鎌中俊充さんの原体験とは first appeared on トジョウエンジン.

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