本日は日本にいる海外ルーツの子ども(越境児童)の学び遅れや孤立を解消するための活動を広げるべく実施した夏季募金キャンペーンの結果と、オンライン個別授業の取り組みが読売新聞に掲載されたことについてお伝えします。
e-Educationは2024年夏、新しい挑戦を始めました。
2010年からバングラデシュで教育支援の活動を開始し、これまで途上国14か国40,000人以上の子どもたちに映像教材や、オンライン授業を届けてきた私たち。
そした新たに、日本にいる日本語指導が必要な越境児童(海外ルーツの子ども)にも「最高の教育」を届けることの決意をお伝えしてきしました。
この挑戦を多くの子どもたちに届けるために、8月31日まで夏季募金キャンペーンを実施し、皆さまのお力添えをお願いしました。
その結果、87名の皆さまからの温かいご協力をいただき、目標金額100万を超えることができました。心より感謝申し上げます。
【夏季募金キャンペーン結果】
読売新聞では、e-EducationがNPO法人「静岡県教育フォーラム」の「虹の架け橋 菊川小笠教室」の協力を経て、母語によるオンライン個別授業の取り組みを行っている事業について掲載頂きました。
このように、多くの方々にe-Educationの新しい取り組みを知っていただくことができ、多くの子どもたちに学びと繋がりを届けることができているのは、皆さまの温かいご支援があるからです。
心から感謝申し上げます。
ではここで、私たちの日本での取り組みについて再度ご紹介をさせていただきます。
現状、日本語指導が必要な越境児童(海外ルーツの子ども達)の数はこの10年間で2倍になった一方で、受け入れが整っている自治体は全国で6%しかありません。
静岡県に焦点を当てると、静岡県の市立小中学校の児童生徒9454人のうち、越境児童は約4%にあたる386人にも及び、フィリピンを始めとした約10か国の児童生徒が慣れない日本語で勉強に励んでいます。
しかし、この日本語で勉強することが、学びの壁になってしまっているのです。
日本語が学びの壁になっていると聞くと、簡単な日本語さえ理解できれば、算数・数学は母国で習っているなら応用できるのではないかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、算数・数学を日本語で勉強することは一筋縄では行きません。
例えば、
・「リンゴを1つ持っています。さらにリンゴを2つもらいました。合わせて何個もっていますか?」と聞かれるのと
・「リンゴを1つ持っています。さらにリンゴを2つもらいました。加法を用いて今持っているリンゴの数を計算してください。」
といわれるのでは、同じことを聞かれているはずなのに、日本語が堪能な人にとっても少し難しく感じませんか?
この小さな言葉の違いが、日本語を勉強途中の越境児童にとっては簡単な問題も超難問に変えてしまうのです。
現在、越境児童に対して言語の壁が学びの壁にならないように、静岡県掛川市では31の小中学校に8人の外国人児童生徒支援員を配置しています。
しかし、教科の補修や日本語指導など特別な配慮を必要とする越境児童は半数近くに上り、国内で言語ごとに支援員を確保することは人材不足や費用の問題のため非常に難しいとされてきました。
そこで、私たちならではの解決策、e-Educationの各国の仲間たちから日本にいる越境児童にオンラインで算数を教えてもらうことを始めました。
全国どこにいても利用することができ、特に難しい算数・数学を母語で教わることで、言語の壁による学び遅れを取り戻すことができます。
実際にe-Educationのオンライン個別授業を受講していた卒業生からこんな言葉を頂きました。
No one left behind(誰一人取り残さない)、越境児童ひとりひとりに「最高の教育」を届けるため、より力を入れて活動してまいりたいと思っております。
これからも引き続き、皆さまの温かいご支援、よろしくお願いいたします。