トジョウエンジンではこれまでも「JUMIA」など、途上国発のアマゾン型オンラインショッピングサイトをご紹介してきました。
今回新たにラテンアメリカ版のアマゾンとも言うべき「Linio」が、事業を拡大すべく50億円の資金調達に成功しました。
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1年で100億円以上の資金を調達
資金はメキシコに拠点を置く「Latin India」をはじめとする複数のファンドから調達。この資金調達によって「Linio」は2012年の設立以来、合計で100億円以上の資金を調達したことになります。
同社は現在、メキシコ、コロンビア、ペルー、ベネズエラの4か国で事業を展開していますが、今回の資金調達は(今のところ)新たなマーケットへの拡大を狙ったものではないとのこと。規模の経済がものを言うオンラインマーケットの世界においては、いささか異色の資金調達であると言えそうです。
目的はマーケットシェアの向上
それでは、今回の「Linio」による資金調達は何を目的としているのでしょうか? 同社CEOであるAndreas Mjelde氏は今回の目的についてこう語っています。
今回の資金調達によって、私たちは現状の市場における成長を促進するとともに、サービスの質をより向上させることができます。(中略)この資金調達の目的は、メキシコ、コロンビア、ペルー、ベネズエラにおけるマーケットシェアを上げることにあります
ただ、今回の資金調達の目的をより正確に理解するためには、「Linio」が所属しているドイツ拠点のインキュベーターである「Rocket Internet」について説明する必要があるかもしれません。
資金調達の裏にある狙いとは
イケダハヤトさんのブログで「クローン」サービスを展開していると言われた「Rocket Internet」。
その基本的なビジネスモデルは最先端のビジネスをコピーし、ヨーロッパ、アジア、アフリカそして南アメリカで展開。その後ある程度まで成長したところで、その企業を売却することによって利益を得ています。
Rocket Internetの共同設立者であるOliver Samwer氏はインタビューに対してこう話しています。
私たちがこの10年で犯した最大の間違いは、あまりにも早く会社を売却しすぎたことです。私たちはたったの54億円で、最近までeBayの最大の収入源となった企業を売却しました。あまりにも早く市場から退出することは、間違えだったようです。このような失敗を通して、私たちは学習しました。
短期的な利益から長期的な成長へ。「Linio」の調達した50億円の使い道には、Rocket Internetの新たな戦略が見え隠れしています。はたして同社はラテンアメリカでブレークスルーを迎えることができるのか。今後の展開に注目していきましょう。
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