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世界の有名人が、これまで国際協力の場に関わってきた例はトジョウエンジンでもいくつかご紹介しました。

今回紹介するのは、俳優のヒュー・ジャックマンのストーリー。彼は、社会起業家として途上国の人々の生活を変えようとしています。

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シンプルなイノベーションで世界は変わる

ヒュー・ジャックマンは、国際NGOワールド・ビジョンのアンバサダーとして、ある日エチオピアを訪れ、コーヒーを栽培しているドュケイルさんと出会いました。

そこで目にしたのは、途上国の農村での現実と、フェアトレード(公正取引)の難しさでした。

ドュケイルさんは、質の高いコーヒー豆を生産することができますが、既存の世界市場では彼にとって公平な値段での取り引きをすることはできません。

ワールド・ビジョンは、ドュケイルさんとパートナーシップを組み、牛の肥料を明かりと料理用の火に変えるメタンガスシステムを作りました。このおかげで子供たちは日が暮れても勉強することができ、より多くのコーヒーを栽培することが可能になったのです。

ここでヒュー・ジャックマンは気付きました。こんなシンプルなイノベーションで何百万人の生活を変えることができる、と。

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Photo: Hire Damien

自ら新たなシステムを創り出す

アメリカに帰ったヒュー・ジャックマンは国連会議で、ドュケイルさんのような小作人ともっと協働する必要性、フェアトレードの重要性を強く訴えました。

現実はそう簡単ではなく、コーヒーの販売業者は世界中から豆を仕入れ、米国中に売っています。そして、コーヒービジネスは、ドュケイルさんのような途上国の小作人への利益は考えられていません。

アフリカの国内市場も、ドュケイルさんへ利益を回すには小さ過ぎます。しかし、アフリカやアメリカ、どこにもドュケイルさんとフェアな市場との橋となるインフラやパートナーは存在しませんでした。

そこで2011年、ヒュー・ジャックマンは自ら、公平な利益が100%生産者に還元されるシステムを提供する「Laughing Man Worldwide」を立ち上げました。

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チャリティーではなくビジネス

ドュケイルさんのような人たちに、フェアな市場へのアクセスを提供するために、一からコーヒーの販売システムを構築していく必要がありました。

「Laughing Man Worldwide」のコーヒーは、現在ニューヨークのショップとオンラインでも販売されています。

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一社会企業家として

「Laughing Man Worldwide」から生まれた利益の一部は、様々なチャリティー団体に還元されます。

教育関係が主ですが、ワールド・ビジョン・オーストラリアとも提携して、エコで安全なストーブなどもアフリカのコミュニティに提供しています。

ただ、ヒュー・ジャックマンの影響力だけで途上国の問題を訴えるのではなく、自らが立ち上がり、さらにビジネスとしてこのような取り組みを行なっていく動きを今後もっと見れることに期待します。

ヒュー・ジャックマンの、「Laughing Man Worldwide」の創業ストーリーも是非ご覧になってみて下さい。

[Fast Company/Inhabitat]


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