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パトリック、私、アルビン

みなさん、こんにちは!

e-Education Projectマニラ担当の磯部香里です。フィリピンの首都マニラで暮らす貧しい高校生たちに「最高の授業」を届ける活動をしています。

前回の記事では、マニラに来て2週間が経ち、プロジェクトの実施校へ訪問した際のことについて書きました。

今回は、大切なプロジェクトパートナー「パトリック」と「アルビン」をご紹介します。

2人のe-Educationにかける想いをお伝えするとともに、この2人のバックグラウンドの違いを通して、フィリピンの教育問題についてお伝えしたいと思います。

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2人がe-Educationに携わることになったきっかけとは?

2人がe-Educationに携わるきっかけとなったのが、マニラプロジェクトを立ち上げた秦さんとパトリックの出会いでした。秦さんとパトリックは数回会っていたのですが、その時点では、パトリックも忙しくe-Educationに本格的に関わることはありませんでした。

しかし、プロジェクト前任のアキさんがパートナー探しに難航し、秦さんの知り合いに片っ端から連絡をしたときに反応してくれたのがパトリックでした。無償で自分の国の教育のために一生懸命動いているアキさんに感化され、またe-Educationに深く共感し、仲間になってくれたのです。

そして、同じボランティア団体に所属しているパトリックの親友「アルビン」も誘い、e-Educationの活動を一緒に始めることになりました。

2人のサポートでプロジェクトは成功!

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生徒に授業を行うアルビン

パトリックとアルビンは、昨年の8月に行われたフィリピン大学入学試験が終わるまで、アキさんと一緒に実施校に行き、映像授業にプラスして生徒たちにチューターとして授業を行ったりと、最後まで生徒達のサポートをしてくれました。そして私がプロジェクトを引き継いだ今も、一緒に活動をしています。

情熱的で人を惹き付けるパトリックと、冷静で論理的思考が得意なアルビン。いつもジョークを飛ばし合っていて、とても仲の良い2人ですが、全く正反対のバックグラウンドを持っています。

公立高校出身のパトリック

パトリックは、日本人である私に「このアニメ面白いから観た方が良いよ!」と勧めてくるほどのアニメ好き。日本語の勉強もしており、今ではフィリピン大学での生活を満喫していますが、実はマニラから3時間ほど離れた地域の公立高校の出身でした。

フィリピンは子どもの数が多く、1つの公立高校に3000〜5000人の生徒が在籍しているのも珍しくありません。教室の数や先生の数も足りず、学校によっては1つの教室に80人の生徒がなんとか座り勉強することもあります。

パトリックの高校も例外ではありませんでした。生徒の数が多く、低学年、高学年と学校に登校する曜日を変えていたほど。そのため、学校には大学受験用の授業もなく、授業の質も良いものではなかったそうです。

高校から大学に進学する人も多くはなく、パトリック自身も大学受験にそこまでこだわりはありませんでした。しかし、勉強の成績が良かったこともあり、たまたま友達に誘われて受験に挑んだところ、日本の東大と言われるフィリピン大学に合格したのです。

パトリックの学校では、その年のフィリピン大学合格者はパトリックを含め2人だけ。パトリックの合格を受け、先生や友人たちはとても喜んでくれたとのことでした。

私立高校出身のアルビン

一方のアルビンは、私立の高校出身です。冷静で、論理的に物事を考えるのが得意。それは19歳とは思えないほど(笑)

私立高校では、入学に合格した生徒のみ通えるため、1クラスは30〜40人で構成されています。大学受験用の授業もあり、ほぼ全員が高校卒業後は大学に進学するほど。またトップ大学を目指す生徒は、学校以外にも予備校に通い勉強をしている生徒多くいます。

このような環境にいたアルビンにとって、大学受験をするのは当たり前。受験対策もばっちり行い、フィリピン大学に合格をしました。

2人が熱い想いを語る

この2人がなぜe-Educationの活動に参加したのか、前回の記事でもお伝えした通り、マニラを訪れていた共同代表の三輪さん、マニラプロジェクト前担当のアキさんとのミーティングで話してくれました。

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パトリックはこう言いました。

僕が高校4年生(高校の最終学年)の時、生徒会長をしていて、教室や先生が足りなかったり、生徒数が多すぎたりと学校の色んな問題に気付くことができた。

成績が悪い生徒は、先生のサポートを受けれずに学校を辞めてしまう人も多い。本当にこれで良いのかと思ったんだ。だから、e-Educationを通して、同じような境遇の生徒をサポートしていきたいと思う。

このプロジェクトは絶対に必要とされているし、生徒たちに大きな影響を与えることができる。そして、いつかは自分の高校でも提供していきたいと思っています。だから、自分が出来る限りのことをする。

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アルビンも続けて話します。

最初は、e-Educationに関わるのはチューターとして生徒に教えるだけで十分だと思っていた。でも実際に活動を始めると、このプロジェクトに大きな可能性があることに気が付いたよ。

僕は、正直大学に入るまでフィリピンの教育問題について考えたこともなかったし、耳にしたこともなかった。私立の高校では誰も、フィリピンの公立の高校の問題を口にしなかった。大学に来て初めて知ったよ。

e-Educationはフィリピンが抱えている教師不足や教室不足に絶対に効果的に役に立つし、必要とされているプロジェクト。これが未来につながる教育なんだと思う。

2人の熱い想いを聞いて嬉しかったとともに、フィリピンの公立高校と私立高校の差というものを、改めて認識しました。

プロジェクトチーム、遂に発足!

2人の熱い想いを聞いたあと、今後のプロジェクトのスケジュールや目標を皆で話し合い、また共同代表である三輪さんがいたこともあり、e-Education Projectの団体説明もしっかりと共有することもできました。

プロジェクトの概要からそれぞれの熱い想いまで。3時間にも渡ったミーティングを行ったあとは、パトリックとアルビンとの距離がぐっと近くなった気がしました。

私1人でやるのではなく、チームとしてみんなで作り上げていくプロジェクト。

パトリックとアルビンの2人とは、「友達として、プロジェクトメンバーとして、そして兄弟のように」仲良くなってプロジェクトを進めていこうと心に決めたのでした。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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