こんにちは!e-Education Projectインドネシア担当の尾崎綜志です。
教育機会の恵まれないインドネシアの子供たちに最高の教育を届けるため、現在活動しています。
前回の記事では先生探しと進める中で立ち塞がった壁についてご紹介してきました。
今回は、新たな先生探しの続きについてお話しします。
SPONSERD LINK
パートナーの一言
パートナーのリアンとティヨ
「ごめんね、もう撮影協力できなくなってしまったの」
雨なのに77高校の先生の声が響きます。撮影できるはずだったのに、せっかく用意して来たのに・・・三脚とカメラを担いだ僕らはただ呆然と立ちすくみました。
先生の話によると、先生が急遽他の学校でも教鞭をとる必要が出て、もともと忙しい先生がさらに撮影に割ける時間はなくなってしまったようでした。
「もう帰りたい」
そんな時、僕を復活させたのは普段物静かなパートナーのティヨの一言でした。
ティヨ:「僕はこんなことでプロジェクトがストップするのは許せない。このまま僕の高校へ行こう!僕の高校にも素晴らしい先生がいる!」
リアン:「そうし、どうする?行こうか?」
僕 :「…行こう!もう少しだけ頑張ろう!」
僕ら3人は悲しみや悔しさをぶつけるように、そのまま新たな高校、「第13国立高校」へと向かいました。
13高校にて
「第13国立高校」
ティヨの母校である第13国立高校はジャカルタの北部にあります。77高校からバスに乗って13高校へと向かいました。
高校へはたどり着いたものの、もともと先生に協力をお願いする予定ではなかったため僕らの格好はひどいものでした。サンダルに短パン、Tシャツ、ポロシャツといった様相です。案の定、学校へ着くなり「なんだその格好は」と見咎められました。
謝りつつ来校の用件を伝えます。しばらくすると事務室のような場所に通されました。
奥には強面の先生がいました。ノーアポイントメントの失礼な来校ということもあり、口を開くと強い口調で畳み掛けられました。
先生:「お前達は何者だ。何しに来た?」
僕 :「僕らは映像教育を届けるための先生を探しに来ました!」
先生:「プロポーザルは出したのか?」
僕 :「いえ、出していません」
先生:「出してもいないのか。で、今持っているのか?」
僕 :「実は…」
リアン:「(アレがある!)」
僕 :「(そうだ、ありがとう!)はい、あります。こちらです!」
びくびくしながら書類を提出します。実を言うと撮影のことしか考えていなかったため、もともと書類の用意はしていませんでした。しかし第8国立高校を訪問した際に用意していた書類があったため、なんとか提出することが出来ました。
強面の先生はさらに顔を険しくしながら書類を読んでいました。やはり今回は難しそうだ、この後はどこに行こう、そんなことを考えていると先生は口を開きました。
先生:「今は授業中なので後で2人の先生に声をかけておく」
僕 :「はい!」
先生:「時間の交渉などは直接してくれ」
僕 :「はい!」
そういうと先生は部屋から出て行きました。僕らは顔を見合わせます。
僕 :「今のって、OKってことなのかな?」
リアン:「多分」
僕 :「喜んで良いんだよね?」
リアン:「Probably, yes」
僕 :「良かった…」
一気に緊張がほぐれました。
その後実際に協力して下さる先生とお会いし、撮影についての話などをしました。先生はプロジェクトに対して理解を示してくれました。
ティヨと恩師の先生
難航する英語
数学と経済は授業撮影を進めて行く目処が立っていたのですが、問題は英語です。BTAからは、「頼む予定の英語の先生に拒否されてしまった。代わりの先生を用意するから待ってくれ。」と連絡がありました。
しかし、時間にそれほど余裕があるわけではありません。僕はBTA以外に長時間の撮影に協力して下さる先生を探す必要がありました。
現状の候補は第8国立高校の先生です。高校から許可が出れば長時間の撮影に協力してもらえます。しかし高校からは未だ連絡が来ませんでした。先日お会いした先生に確認のメールを送ってもなかなか返信が来ません。
「これは直接高校へ行くしかない!」
僕は第8国立高校へと向かいました。
驚きの光景
バイクタクシーはオジェックと呼ばれます。
高校の最寄りの駅に着き、バイクタクシーおじさんに行き先を伝えます。
おじさん:「あそこは浸水だよ?」
僕 :「良いんです、連れてって下さい!」
バイクで10分、見えて来たのは想像を超えた光景でした。バイクのおじさんがニヤニヤしながらこちらを向いて来ました。
おじさん:「ほら、すごいだろ!」
もはや浸水ではなく、洪水でした。雨期の豪雨に耐えきれず、下水や川から水があふれてしまっている状況でした。軍隊が出動するほどの事態に、先生から返信が来ない理由もわかりました。
新たな先生候補
第8国立高校が撮影どころではなく、その状況が落ち着くのを待っていては撮影開始がいつになるかわかりません。早急に新たな先生を探す必要がありました。
リアンと相談していくつか候補を出す中で、最も良い選択肢は「リアンが通っていた英語の塾の先生に頼む」というものでした。
その先生であれば、長時間の撮影に協力してくれる可能性が高く、またクオリティの高い映像を作ることが出来て、生徒にとっても刺激的なビデオになると考えたのです。
果たしてどんな先生なのか?
その様子はまた次回!!
大学最後の大勝負!部活一本だった僕が、インドネシアで新たな挑戦を始めます(一橋大学5年・尾崎綜志)
SPONSERD LINK