撮影
こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、僕がもう一年間ミンダナオにコミットしようと決意するに至った3つの要素のうち、一つ目の「現地コーディネーターおよび事業チームの強化と業務の明確化」に関してお話しました。今回の記事では、二点目の「事業スケールアウトと授業クオリティ向上のためのより大きな予算の獲得とそのための具体的な準備」に関してお話したいと思います。

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現地の事業をスケールアウトするために

e-Educationミンダナオ事業の立ち上げ当初からの目標であった、現地の事業をスケールアウトし、ミンダナオ全域の生徒がより効果的な教育にアクセスできる、いわば「教育インフラ」を実現するためには、①既存の事業チームの強化・活性化と、それによる②映像授業のクオリティの向上が必須だと思いました。そしてそのためには③よりまとまった大きな予算も必要になります。

僕はまず①既存の事業チームの強化・活性化を目指しました。前回の記事でお話した通り、現地の教育局主催で「人財研修」を実施し、その後本格的に事業チームを結成しました。

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カミギンの人財研修にて

しかし、事業を実際の現場ベースで見ると、コーディネーターやチームメンバーは日々の通常業務をこなしながら、e-Educationにコミットしていただいている状況であり、彼らのモチベーションは高くとも、教育局というパブリックな組織構造的にどうしても業務の遅れが目立ちました。

現地教育局と1年半近く恊働しながら考えたことは、彼らと効果的に仕事をしていくためには、

  • トップの局長の「鶴の一声」を引き出すこと
  • 現地コーディネーターが動きやすいように事前準備をしておく、先駆けて学校をまわり校長先生はじめ事業関係者に説明しておく

という2点が重要だということでした。

「既存の事業チームの強化・活性化」を目指し、基本に立ち返る

一見するとしごく当然のことのようにも思われますが、事業コーディネーターが立ち上がり、映像作成チームが結成された当初は、それだけであとはオートマティックに組織や事業が動くものと、僕はどこか思い違いをしていました。しかし、現地の教育局は「組織」といえど、人の血が通った「いきもの」です。

血の通った「組織」が動くために、まずはトップの局長の「よし、みんなやるぞ!」という「鶴の一声」を引き出し、正式な業務として業務プロトコルをスムーズにする下準備をします。

それと同時に、各学校現場を廻りながら(営業のようでしょうか)、現地コーディネーターが動きやすいように事前準備しておく、各校の校長先生はじめ撮影担当や編集担当など関係者と綿密にコミュニケーションしておくことで、実際に映像作成や授業を実施する際により効果的でスムーズな事業運営ができるようになりました。トップダウンとボトムアップの両方向から攻めて行くイメージです。

学校まわり

「映像授業のクオリティの向上」にむけて

「既存の事業チームの強化・活性化」とともに、同時並行で準備を進めたのがスタジオ、オフィスの設置です。これまでの映像授業は主に学校で撮影していたため、幾つかのビデオでノイズが入っていたり、照明が暗いという意見が聞かれました。

そこでカガヤンデオロ、カミギン島教育局の局長にそれぞれかけあい、映像撮影・編集のためのオフィス兼スタジオを設置していただくことになりました。

スタジオ

カミギン教育局のスタジオに掲げられている横断幕

オフィス

オフィスの机。私の席を用意してもらいました(恐縮です!)

「よりまとまった大きな予算」の獲得に向けて

上記に述べた①「既存の事業チームの強化・活性化」と②「映像授業のクオリティの向上」は、どちらも既存事業のグッド・プラクティスを実現する上で不可欠です。そして、北ミンダナオで生まれたグッド・プラクティスをミンダナオ全域やフィリピン国内にスケールアウトしていくには、そのためのまとまった大きな予算が必要となります。

そのため、僕は次の大きな3つのセクターからの予算獲得の構想をはじめました。一つ目は「国際協力機関」、二つ目は「現地政府」、そして三つ目が「民間企業」です。

この辺りの動きに関しては、僕がミンダナオ事業にもう一年コミットするに至った3つの要素のうち、3点目の「現地の生徒の将来の自立サポートを含めたパッケージとしての事業コンセプトの改善」と繋がりが強く、次回の記事で併せてお話ししたいと思います。

本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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