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こんにちは、4月からe-Educationラオスプロジェクト担当になりました、竹下友梨です。

これまであまり自信を持てず悩み続けたフツウの大学生の私が、アジアの発展途上国であるラオスで1年間の挑戦を決意するまでについてお話しさせてください。

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「外交官になりたい」

私の母校である湘南高校は体育祭がとても盛んで、高校2年生の9月から1年近い時間をかけて準備をします。

のんびりと1年がすぎるわけではなく、毎日が言い争い。みんなが本気でよいものを作ろうとするからこそ、愚痴や衝突は日常茶飯事であり、時には大きな喧嘩も起こります。私はそんな日々の中で「人ってこんなに人のことを嫌いになるのか」と驚きました。

私は人のことを嫌いになったことがなく、その時初めて、それが特殊なことなのだと気づいたのです。

「人のことを嫌いにならないことって私の強みなのかもしれない」と考えるようになりました。

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3学年240人をまとめる中で、何度も衝突を乗り越えてクラスは強くなりました

体育祭の準備に打ち込んでいたある日、日本と中国が尖閣諸島の領土問題で衝突しているニュースをテレビで見ました。これまで国際問題にほとんど関心を持てなかった私ですが、体育祭の準備で揉めていたクラスと領土問題の言い争いが重なって見え、こんなことを思いました。

「なんでもっと仲良くできないんだろう?私が日本の先頭に立って、中国と仲良くなろう!」

今振り返ると無知で無謀に見えますが、当時の私は本気であり、「外交官になりたい」と心から思いました。

はじめての挫折

「外交官になるために大学に行く!」

そんな気持ちで臨んだ大学受験は、人生で一番大きな挫折の経験になりました。

当時、合格発表はインターネットで受験番号を打ち込むだけで合否が出る仕組みだったのですが、私が何度ボタンをクリックしても、画面に出てくるのは「不合格」の3文字。その文字を見るたびに、自分を否定されている気持ちになって、私の自信は木っ端微塵に崩れていました。

「このままじゃだめだ、夢なんてかなえられないんじゃないか、今の私じゃなくなりたい、変わりたい。でも、どうしたらいいんだろう?何をしたらいいのだろう?」

大学に入って早々、もがき続ける日々が続きました。

「私みたいになってほしくない」

もがいた先に見つけた私の居場所は、アルバイト先の予備校でした。そこで働き始めたキッカケはということ、後輩には自分のように大学受験で自信を失ってほしくないという願いでした。

私がアルバイトしていた予備校は映像教材を活用した自主学習のスタイルを取っており、私の役割は日々の学習進捗の確認したり、生徒の悩みを聞いたりする、いわば相談役でした。

予備校には色々な生徒がおり、最初から非常に高いモチベーションで勉強している生徒もいれば、なかなか進路を描けず、勉強のモチベーションが上がらない生徒もいます。私は、成績が伸び悩んでいる生徒を中心にサポートしていたのですが、ある生徒に希望大学や進路を聞くと、こんな答えが返ってきました。

「ある程度の大学に入って、ある程度の会社に入って、普通な生活がしたいです」

外交官になりたいと思って大学選びでワクワクしていた私にとって、とても驚いた回答でした。その生徒が将来に対して希望やワクワクした気持ちを感じていなかったことに大きな衝撃を受けたのです。

そして決めました。彼が未来にワクワクできるようなサポートを全力ですると。

自信を失った場所で、自信を取り戻す

決意したその日から、私は彼に対してストーカーのように付きまとい始めました。何度も何度も面談の機会を設け、彼の将来のことだけでなく、趣味や家族構成を聞き、私自身の夢や大学で学んでいることについても話しました。

気がつけば相談役ではなく、一人の友人になっており、世界にはたくさんの職業があふれていて、信じられないほど多くの学問が存在しているのだ、と二人で調べました。

2か月が経ったころでしょうか。彼は、こう話してくれました。

「今までずっと忘れていたんだけど、実は、宇宙のことが勉強したい」

自分に自信がなくて、人に言えないまま心に閉まっていたら、いつの間にか自分でも本当に忘れてしまっていた、と話してくれました。そして、彼は志望校を上げ、改めて目標を掲げて勉強に打ち込み始めました。

卒業の時の「竹下さんが担当でよかった」という言葉は、自信のなかった私に、大きな自信を与えてくれました。

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アルバイトを退職するときには感極まって涙があふれました

私がどこまで彼の力になれたかわかりません。ただ、彼の悩みをしっかり聞き、自分のことも知ってもらい、どちらが上か下かなど気にせずに仲良くなることができれば、心が通じ合う関係を作ることができれば、世界は少しずつ良くなっていき、きっと自分に自信が持てるはず。

こう思って「仲良くなる」という得意なことを通じて自信を取り戻す方法を掴んだ私ですが、その自信は初めて訪れた海外でまた失われました。

初めての異世界、インド

第一希望の大学に進学はできなかったものの、「外交官になりたい」という夢は消えたわけではなく、私は大学で国際開発について学べるゼミに入り、ゼミのプログラムでインドへ行きました。

はじめての海外経験。気温もにおいも言語もすべて日本とは違っていて、私は初めての異世界に興奮してワクワクしていました。現地の人たちの声を実際に聞けることが、とても楽しみでした。

インドに渡って数日後、日本のNGOが国際協力の活動を行なっている地方の村を訪れる機会があり、通訳の方を通してインタビューができる機会を頂きました。私はずっと気になっていた質問をぶつけます。

「プロジェクトを始めてから何か良い変化はありましたか?あと悪い変化もあったら教えてください」

すると村の方は「感謝している。村は本当に良くなった」と答えてくれましたが、悪い変化については特に答えてくれませんでした。質問が悪かったのではないかと思い、今度は「悪いところはありましたか?」と率直に質問してみたところ、誰からの返答もありません。通訳さんも「悪いことはよくわからないみたい」と少し困った顔で私に伝えました。

団体で訪問していたため、私に与えられた質問時間はそこで終了。次の質問へ移ってしまいました。当然満足はしていません。疑問が残ってモヤモヤする心と、通訳さんを通さないと現地の方と話せないもどかしさが残りました。

そして、ホテルに戻って冷静に考えました。逆のケースとして、突然訪問してきた1時間だけ滞在する外国人に何を聞かれても、私はうわべのことしか話せないかもしれないな。こう考えるとキリがなく、海外の人たちのことを良く知りもしないで、仲良くなり、彼らの悩みを解決できると思っていた自分が、恥ずかしくなりました。

まだまだ力のない自分に、また、自信が揺らぎました。

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訪問した村の女の子

彼らの心からの本音は、私がそこに一緒に暮らして、一緒に課題に悩んで話し合って行動して、たくさんの時間を共有して、それでこそ聞けたり感じられたりするものなのかもしれない。私にとって、もっと知りたい人がいる場所、仲良くなりたい人がいる発展途上国に、ちゃんと時間をかけて住んでみよう。私はここで決心しました。

そしてe-Educationへ

帰国してすぐ、私は海外へ渡る方法を調べ始めました。

最初は大学の交換留学でタイへ行こうと思っていましたが、私がやりたいことは途上国へ行って日本と同じように教室で勉強をすることではないんじゃないか、とすごく悩みました。

そんな悩みを様々な人に相談していた私の前に突然現れたのが、知人が関わっていたe-Educationでした。

大学生が一人で途上国に派遣されて、最高の授業を映像にして教育機会のない地域に届けるe-Educationの活動。これまでに全国の学生が世界各地に渡り、これまで1万人以上の子どもたちに教育支援をしてきた実績を知り、心から驚きました。

「なんだそりゃ。そんなことができるのか」

思わず笑ってしまいましたが、同時にクワクする気持ちが湧き上がってきてました。

「私にもできるかも、私もやりたい、これが私のやりたいことじゃないか」

こうして、私はe-Educationの門を叩くことを決めました。

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挑戦を続けるe-Educationの仲間たち

自信のない自分とサヨナラしたい

私の中にはきっと、あのとき自信を失って毎晩泣いていた私がまだいます。

それでも最近、すこしずつ自分は自分なんだと思えるようになってきたのは、胸を張ってやりたいといえることが目の前にあるからだと思います。

私が今一番やりたいこと。それはこれから1年間暮らすラオスという国で、やりたいこと、やれることを、全てやりきることです。まだ出会ったことのない人たちと仲良くなり、彼らが困っていることを一緒に解決することができたら、きっと私は自信を持てるはず。そう考えると、ワクワクが止まりません。

“Trial and Error”

失敗することや挫折することもあると思いますが、このワクワクする気持ちを忘れずに、やりたいことに挑戦し続けてきます。これからどうぞよろしくお願いします!

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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