三輪 開人 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Fri, 01 Feb 2019 13:14:12 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 あれから9年。まだまだ旅を続けます。 https://eedu.jp/blog/2019/02/01/9years/ https://eedu.jp/blog/2019/02/01/9years/#respond Fri, 01 Feb 2019 11:52:34 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48558 今日から2月ですね。 さて、知っている人もいるかもしれませんが、e-Educationの活動開始日はちょうど9年前の、2010年2月1日です。 法人登記はまだまだ先の話で、任意団体の口座を開設をしたのも2013年。自分た […]

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9years

今日から2月ですね。

さて、知っている人もいるかもしれませんが、e-Educationの活動開始日はちょうど9年前の、2010年2月1日です。

法人登記はまだまだ先の話で、任意団体の口座を開設をしたのも2013年。自分たちが団体だったことの証明は何一つありません。

ただ、それでも2月1日にしたのは、創業者3人の出会った日だからです。当時はまだ全員大学生であり、まさかあの時に語り合った夢がここまで続くとは思いませんでした。

今日は、あの日から始まった9年間を改めて振り返ってみたいと思います。

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東進モデルで5大陸ドラゴン桜を

私たちの活動は「途上国版東進ハイスクール」や「最貧国版ドラゴン桜」などと呼ばれています。

バングラデシュを例にすると、首都ダッカにある有名予備校の先生たちの授業を撮影して、それをDVDにして農村の貧しい高校生たちに届けます。

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「バカと貧乏こそ、ダッカ大にいけ!」

こんなスローガンを掲げながら、不可能と言われていたNo.1国立大学受験に挑戦する生徒たちを全力で応援しました。そして1年目に1人の生徒がダッカ大学に合格し、現地では「奇跡の授業」と嬉しい評価をもらいました。

「今度は五大陸で、ドラゴン桜をやりましょう!」

ダッカ大学合格者が2年連続で生まれ、ようやく軌道に乗り始めてきた頃、創業者の税所が次に掲げた目標は、私の想像の遥か上をいくものでした。

大きなビジョンには、素敵な仲間が集まります。当時資金の目処は全くありませんでしが、「きっと何とかなる」という根拠のない自信で、前へ前へと進み続け、全国各地から勇気と行動力に溢れた大学生たちが続々と集まりました。

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ヨルダン、ルワンダ、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ガザ、ハンガリー、ベトナム、カンボジア、スリランカ、パラグアイ、ラオス、ネパール。バングラデシュも入れると14の国と地域へ活動が広がりました。

作ってきた映像教材は3000本以上。インターネットにアクセスできない貧しい中高生2万以上に映像教育を届けることができました。正直ここまで活動が広がるとは私自身も思っていなかったです。

失敗と限界。それでも前へ!前へ!!前へ!!!

もちろん失敗もありました。

2014年、私が代表になったからの5年間は決して順調と言えるものではありません。何度も資金が尽きかけ、限られたリソースで社会的なインパクトを出すために、活動する国を一つ一つ減らしました。あの悔しさは一生忘れません。

集中と選択を重ね、ようやく資金の目処と事業の方向性が見えてきたところで、想定外の悲しい事件が起こりました。バングラデシュのテロ事件です。主犯が若くて優秀な若者たちだと聞き、目の前が真っ暗になりました。

「e-Educationの活動に、果たして意味はあったのか?」

自分たちの活動を心から信じられなくなった私は、バングラデシュへ移住しました。今は大学生になった元生徒たちと再会し、彼らが今も変わらず逆境に挑戦する姿を見て、e-Educationの活動は決して間違いなかったと確信を持つことができました。

当時の活動の様子はNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』で放送され、今もWEBでダイジェスト版をご覧いただくことができます。ご覧になったことのない方は、9年間分の想いがギュッと詰まった4分の動画をぜひご覧ください。

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ダイジェスト版を視聴する »

旅はまだ終わらないし、終わらせない

「10年も経てば、きっと三輪くんもビジネスに飽きるよ」

以前、尊敬する経営者からこんなアドバイスをもらったことがあります。

e-Educationは今日で9年。もしかしたらあと1年で一気に興味を失うのかもしれませんが、今の時点ではそうは思いません。

私が特別というわけもありません。もともと飽き性ですし、ここまで続いていることに自分がびっくりしているくらいです。

きっとe-Educationはビジネスではないのでしょう。あえていうなら「旅」です。財宝のように光る途上国の若者たちの可能性を探して、仲間たちと一緒に光る原石を磨き、育てていく。そんな旅です。

だから今後の計画は?と質問されても、なかなかうまく答えられません。

10年連続ダッカ大学合格者輩出など、具体的な目標はいくつかありますが、絶対に達成できる自信はありません。

それでも、信じていることがあります。それはどんな困難があっても、仲間と一緒なら越えていけること。そしてその挑戦の先に泣けるくらい笑える感動があること。

今の仕事に誇りを持っているのは、壮大なゴールを目指しているからではなく、旅の途中にある困難をみんなと一緒に越えてきたからです。

だから、旅を続けます。何回転んでも、みんなで笑って前へ前へと進んでいく挑戦を続けます。最高の仲間と、素敵な支援者みなさんと一緒に。

9年分の感謝を込めて。みんなと一緒に10年目も頑張ります!

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新プロジェクト始動。バングラデシュの若きITエンジニアと一緒に、日本を盛り上げる日を信じて【協力企業募集中】 https://eedu.jp/blog/2018/10/27/new_challenge/ https://eedu.jp/blog/2018/10/27/new_challenge/#respond Sat, 27 Oct 2018 08:36:58 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47899 みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。 2010年、私たちの活動は当時アジア最貧 […]

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New challenge

みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。

2010年、私たちの活動は当時アジア最貧国と呼ばれていたバングラデシュで始まりました。農村で暮らす貧しい高校生たちに対して映像教育を提供し、彼らの大学受験を応援してきました。私もお世話になった日本の東進ハイスクールがモデルになっています。

E Education2010

毎日映像授業で必死に勉強する貧しい村の高校生

活動初年度からNo.1国立大学の合格者が誕生し、今では250人以上の貧しい高校生たちが難関国立大学に進学しています。「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれるようにもなりました。

そんな私たちが今新しく挑戦しているのが「バングラデシュ若手IT人財向けグローバルリーダー育成事業」です。今回は、新プロジェクト立ち上げの経緯と、私たちのこだわりについてご紹介します。

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真っ暗だからこそ見えた光

私は今バングラデシュを拠点に活動しています。

きっかけは、2年前に起こったバングラデシュのテロ事件。なぜ優秀な若者たちがテロ行為に及んでしまったのか?若者たちが抱えている不安や不満は一体なんなのか?彼らのために今私たちにできることはないか?そんな想いを抱きながらバングラデシュに戻りました。

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バングラデシュの大学などで講演

若者たちのリアルを知るために20以上の大学を訪ねました。出会った学生は1000人以上。その中にはテロ事件を起こした若者の出身大学もありましたが、絶望なんかありません。希望に溢れていました。

一例として、e-Educationの元生徒であり、大学院生となったシャフィという青年をご紹介します。

彼は高校生の時に父親を亡くし、学費を全てアルバイトを稼ぎながら大学に通っていましたが、ロヒンギャ難民支援の活動や地元の後輩たちに対する学習サポートなど様々な活動を一緒にしています。

この活動の様子は2018年1月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』でも紹介いただきました。現在NHKのWEBサイトでダイジェスト版をご覧いただくことができますので、良かったらぜひご覧ください。

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若者たちの力が テロではなく未来へ向かうように― | どーがレージ | NHKオンライン

支援される側から支援する側のリーダーへと成長していく過程を間近で見ながら、この国の若者たちの可能性を再確認でき、今まで以上に彼らの夢や挑戦を応援したくなりました。

「真っ暗だからこそ、見える光もある」

前職JICAで働いていた頃、国際協力の先輩たちから教わってきた言葉の意味がようやくわかって来ました。

そんなことを思っていた時、JICAの新しいプロジェクトに関わらないかという相談をいただきました。それが「B-JET(Bangladesh-Japan IT Engineers Training Program)」です。

バングラの若手ITエンジニアに、最高の教育を

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B-JETは、JICAの技術協力プロジェクトの一環として2017年11月より開始した、バングラデシュICT人材向けの日本就職をターゲットとしたトレーニングプログラムです。

日本のIT人材不足は深刻です。一方で、バングラデシュではIT人材は豊富にいるものの就業機会が不足しています。B-JETは、そのような日本とバングラデシュそれぞれが抱えるニーズを埋め合わせるべく発案されて始められました。

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B-JETWEBサイトより引用

「バングラデシュの若者たちと日本を一緒に盛り上げる」という目標に心から共感し、私はカリキュラムアドバイザーという立場で0からICTアカデミーの立ち上げに関わらせていただきました。バングラデシュの希望を日本に届けるため、これまで培ってきた経験や知識を全て活かしてカリキュラムを組み立てました。

ここから少し長くなりますが、私がこのプログラムのカリキュラムを0から作るにあたって非常にこだわったポイントを3つに絞ってご紹介します。

【こだわり1】失敗を乗り越える強さを

私はバングラデシュで8年近く教育支援に関わってきたのですが、この国で感じた大きな課題の一つが「失敗に弱い」ことです。大きな失敗をする経験が少なく、一度の失敗で崩れてしまう生徒が少なくありません。

これは学校の仕組みも深く関係があります。部活動がないこともあって誰かと競う機会が少なく、テストも間違った回答をすると減点対象になるため、彼らは若いうちから失敗をどうやったら避けられるのか肌で身につけてしまっています。

これを解決するために、B-JETでは失敗するポイントをあえて沢山作りました。

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日本語の授業も一人一人が会話に挑戦(失敗)できるようなクラス作りを

一例として、B-JETでは(当たり前に聞こえるかもしれませんが)時間厳守を徹底しています。無断欠席や遅刻は許さず、できなかった場合は特定の個人に対してではなく生徒全員に対して厳しく注意します。

「なぜ彼が遅刻することを誰も知らなかったのですか?」
「チーム全員が遅刻しないためにはどうしたらいいですか?」

一人の失敗をみんなで共有し、他人の失敗を自分の失敗として受け止め、一緒に解決策を考えられるようになったことで、少しずつ全員失敗に対する耐性がついきました。

授業の終盤では、多くの生徒が企業の面接に挑戦し、中には何度も不採択となった生徒もいましたが、「どうしてダメだったのかみんなで考えよう」と仲間たちと一緒に失敗を乗り越えようとする姿を見て、彼らだったら日本で活躍できると確信できました。

【こだわり2】家族のような絆を

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毎週開催している「チーム・レビュー・クラス」の様子

上のこだわりにも関係しますが、エンジニアのような専門職であっても、仕事は一人で完結せず、チームメンバーとの良い関係が、仕事をスムーズに前に進める鍵です。

もともとバングラデシュは家族想いの国であり、友人との距離も非常に近い国ではありますが、これが大学受験や職業訓練になると、周りがライバルに見えるためか、お互い支え合うようになりません。

これを解決したくて、私は毎週「チーム・レビュー・クラス」という全員参加型のディスカッションクラスを設けました。会議の進め方・議事の取り方・タイムマネジメントなどを教える目的もありましたが、一番の狙いはチームとしての団結力を増やすためでした。

このクラスでは毎回、生徒たちが司会進行やタイムキーパーなどを役割を分担し、議題も毎回生徒主体で決めています。

ある生徒が家族の葬式のために1週間近くクラスを離れてしまった時は「彼女のために、今私たちができることを考えよう」と議論しあい、彼女が授業で追いつけるようノートを取り、仲の良い生徒は毎日電話して少しずつキャッチアップする、など見ていて胸が熱くなりました。

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欠席者に対して、自発的に授業のフォローをおこなう生徒たち

授業の終盤、生徒たち主催で、私たち運営スタッフに対して感謝の気持ちを伝えるパーティが開かれたのですが、その中で「まだ企業から内定が出ていない生徒もいますが、既に内定している人たちがみんなで支え合い、全員で日本に行きたい。私たちはいつまでも家族です」と熱いスピーチをしてくれ、涙が出そうになりました。

家族のように支え合う彼らは、私にとっても家族のような存在であり、彼らと一緒の時間を過ごせて本当に楽しかったです。

【こだわり3】圧倒的な原体験を

そんな家族のような生徒のために、もっとできることはないだろうか?

そこで一つ思いついたのが、私の自慢の仲間や先生を紹介して、彼らの目線や志が一気に上がるような圧倒的な原体験を作ってあげることでした。

ただ、治安が落ち着かない中で「バングラデシュへ来てください!」と招待するのはやはり難しく、しばらく頭を悩ませていたのですが、シリコンバレーでエンジニアとして活躍されて来た友人上杉周作くんと恩師・米倉誠一郎先生がバングラデシュまで来てくれ、無償で特別講義を引き受けていただきました。お二人には本当に感謝しかありません。

お二人ともバングラデシュの若者たちの可能性も感じていただき、Facebookに投稿いただいた感想を見て、彼らが日本を一緒に盛り上げてくれることを確信しました。一部ここでも紹介させていただきます。

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シリコンバレーでエンジニアとして活躍されてきた上杉くん

(上杉くんのB-JET訪問感想)
ちょうどひと月前、国際協力機構(JICA)がダッカに職業訓練校を設立しました。ダッカのトップ校卒のIT技術者に日本語などを学んでもらい、人材が不足している日本の地方企業に仲介するというプログラムです。すでに宮崎県の企業で受け入れがはじまっています。

この職業訓練校で今回少しだけお話させてもらい、バングラデシュの若者の熱量を感じることができました。これから日本の地方を優秀なバングラデシュ人が盛り上げてくれる予感がします。

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一橋大学・名誉教授であり、e-Educationの理事でもある米倉先生

(米倉先生のB-JET訪問感想)
BJETプログラムは三輪開人くんがJICAとともに創り上げたバングラデシュのIT技術者に対する研修プログラム。日本語と日本のビジネスマナーをしっかり教えて、日本企業に送り込むという研修制度です。キラキラした目を持つ彼らが、外国人をそれほど優遇することもない日本を選んでくれたことは本当に嬉しい。外国人技術者の問題は彼らにではなく、日本側が彼らを生かしきることができるかなのです。
日本は彼らのような人材をもっともっと受け入れて、大事な戦力にしなければならないのです。

上杉くん、米倉先生、素晴らしい特別講義と温かいコメント、本当に有難うございました。

B-JETの成果

何もないところから始まったB-JETは、今では定員の100倍以上の応募がある、バングラデシュ最高峰の教育プログラムになりました。

また、B-JET卒業生の多くは日本にあるIT企業、或いはバングラデシュにある日系IT企業に正社員(技能実習生等とは異なり高度IT人材として就労ビザを取得)として採用されています。

B-JETのWEBサイトでは、これまでの応募者数や採用実績が掲載されておりますので、ぜひご確認ください。

第1期生(トレーニング期間2017/11~2018/1)
応募者数1,825名から20名を選抜し、全員修了。
就職先 日本17名(宮崎県、東京都、北海道)、ダッカ2名(1名はダッカにてインターン中)

第2期生(トレーニング期間2018/3~2018/5)
応募者数4,703名から40名を選抜し、38名修了。
就職先 日本25名(東京都、宮崎県、愛知県、高知県、大阪府)、ダッカ4名(9名は就職活動中)
※詳細はB-JETのWEBサイトをご参照ください。

新しい挑戦。B-JETのその先へ

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B-JETのカリキュラムがいったん完成し、JICAのカリキュラムアドバイザーとしての任期を終えた今、私は新しい挑戦を開始しました。それが「バングラデシュ若手IT人財向けグローバルリーダー育成事業」であり、B-JETの卒業生のうち、未就職者7名に対して追加のトレーニングを提供しています。

卒業生たちへのヒアリングと、B-JET生を採用いただいた(&採用いただけなかった)日系企業の方々へのヒアリングを通じて、採用に至るまでの3つの壁を知ることができました。

  1. エンジニアとしての経験不足
  2. 日本語でのコミュニケーション能力
  3. バングラデシュという国に対する抵抗感

これらの課題を解決するために、私たちは今新しく3つのこだわりを持って特別な教育プログラムを提供しています。

【新しいこだわり1】実践的なコーディングトレーニングを

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現在、就職先の決まっていない生徒の大きな課題の一つがエンジニアとしての経験不足です。未就職者7人のうち4人が昨年大学を卒業したばかりで、就労経験がありません。

そこで、私たちe-EducationBacBon Limitedと業務提携することで、彼らに対して実践的なコーディングトレーニングの機会を提供しています。

BacBon Limitedは、e-Education創業者の一人であるバングラデシュのパートナー・マヒンが2015年に設立した会社であり、映像教材開発の経験や日本とのネットワークを活かして、WEBサービスやモバイルアプリのオフショア開発チームを立ち上げ、これまで国内外の企業数十社からの受託開発実績があります。

そこで現在受託している開発案件のうち、生徒たちの得意とするプログラミング言語をベースにいくつかのチームを作り、経験豊富なエンジニアと一緒に開発経験を積んでいます。

一例として、オーストラリアのハンドメイド家具ECサイト『Nakshi』は、一人の生徒が中心となって開発を進めました。LaravelというPHPのフレームワークを使ってサイトを作り、Stripeという決済APIで支払い機能を実装しています。

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生徒が中心となって作成した『Nakshi』のWEBサイト

このような経験を積み重ねることで、エンジニアとしての経験不足を補うと同時に、自分が作り上げたサービスが社会(顧客)の課題解決に繋がる成功体験に繋がり、彼らがリーダーへと成長していくと信じています。

【新しいこだわり2】アウトプットを中心とした日本語教育を

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自主制作した日本語のYoutube動画についてプレゼンする生徒たち

エンジニアとしての経験不足と同じくらい大きな課題が、(特に面接時における)日本語でのコミュニケーション能力不足です。

私たちに置き換えてみると分かりやすいです。例えば、採用面接が英語であるとして、自分の志望動機や長所を上手く伝えられますでしょうか?ましてや、人と話すことが苦手であった場合、そのハードルが更に高くなることは容易に想像できるでしょう。

そんな課題を解消するために、アウトプットを中心とした日本語教育カリキュラムを鵜澤威夫先生と一緒に作り上げました。

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アウトプット中心の日本語教育を進める鵜澤先生

鵜澤先生は以前青年海外協力隊として、バングラデシュで日本語教育をされていた方であり、前職JICA職員としてバングラデシュに駐在していた時にとても感銘を受けた方でした。

生徒たちの自発性や創造性を尊重し、アウトプット中心の日本語教育を実践されていた心から尊敬する先生であり、今回新しい教育プログラムの立ち上げに協力いただきました。

バングラデシュの有名な人について発表する生徒たち

生徒たちと一緒にYoutubeチャンネルを立ち上げて日本語で発信する機会を作り、Facebookグループで動画&音声ベースの課題を出すなど、ユニークな方法で日本語を学ぶ機会を提供し、生徒たちの日本語コミュニケーション能力はどんどん磨かれています。

【新しいこだわり3】日本とバングラデシュを繋げる越境教育を

先ほど紹介したYoutubeチャンネルには現在15本程度の動画がアップロードされており、良かったらぜひこちらの動画をご覧ください。

ダッカ天気予報 第6回(2018年10月17日) DHAKA WEATHER #06 – YouTube

これはバングラデシュの天気を紹介している動画になりますが、こだわっているのは「日本の人たちに、バングラデシュを身近に感じてもらう」ことです。

日本語の授業では、日本について学ぶだけではなく、自分の国(バングラデシュ)について考える、という裏目標を設定しており、日本との違いや共通点を探しながら、バングラデシュの魅力を一緒に探しています。

「バングラデシュという国への抵抗感をどうやったら少なくできるのか?」

これは私もテロ事件以降ずっと悩んできた課題でしたが、鵜澤先生と生徒たちがバングラデシュの魅力を動画にまとめ、それをご覧いただいた日本の方々の温かいコメントを見るたびに、少しだけ日本とバングラデシュの距離が縮まったような気持ちになります。

天気予報動画の作りかた。生徒たちが楽しく取り組んでいる様子をご覧ください。

バングラデシュという国のイメージが湧かないという方は、ぜひともYoutubeチャンネルをご覧ください。そして少しでもバングラデシュのイメージが明るくなったら本当に嬉しいです。

最後に(ご提案)

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今の生徒7人は、倍率100倍という選考を勝ち抜き3ヶ月の厳しい授業を乗り越えたB-JETの卒業生であり、更に追加トレーニング2ヶ月間を通じて大きく成長した自慢の生徒たちです。失敗から多くを学び、チームのことを家族のように大切にする彼らは、きっと日本で活躍してくれると信じています。

もしバングラデシュのITエンジニアを採用したい、という企業の方がいらっしゃいましたらぜひ以下のフォームからぜひご連絡ください。彼らと一緒に会社を、そして日本を盛り上げたいという熱い想いをもった方々に自慢の生徒たちをご紹介できることを楽しみにしています!

フォームから連絡する »

また、直接生徒たちを紹介する機会をぜひ作りたく、11月26日〜12月8日の約2週間、バングラデシュまでお越しいただける方に対して、生徒たちを紹介(マッチング&面接)する機会を提供します。

また直接バングラデシュへ渡航することが難しくても、生徒たちのCV(履歴書)を共有し、オンラインで面接するサポートを無償で提供しますので、少しでもご関心のある方は以下のフォームからぜひご連絡ください。

フォームから連絡する »

基本的な採用までの流れ

フォームからご登録いただいた企業様には、生徒の履歴書や教育プログラムの詳細をご案内いたします。

基本的な採用までの流れは以下の通りで、ご不明な点や質問がございましたら登録フォームの「質問」欄よりお問い合わせください。

【1】求人票(英語版)の提示
会社情報・求めるスキル等を記した求人票をご提出ください(フォーマットはメールでお送りいたします) 頂いた情報・ご要望に基づき、生徒の履歴書をお送りします。

【2】書類選考
履歴書を元に書類選考いただき、次の選考ステップに進めたい候補者をお知らせ下さい。

【3】テスト、面接の実施
技術テストや面接など、独自の方法で選考をお進め下さい。
※11月26日〜12月8日の約2週間限定で、バングラデシュ・ダッカで直接面接する機会もお作りいたします。
※Skype等を通じたオンライン面接も可能であり、書類選考を終えた企業様に順次ご案内いたします。

【4】 内定通知、オファー面談
要件を満たす候補者へ内定通知を連絡いただき、双方合意の上で雇用契約を締結いただきます。

【5】ビザ発行、入社
採用決定後は、採用企業と内定者間でビザ取得手続きを進めていただきます。入社前のフォローアップ等は、各社様のご判断で実施いただいています。

以上、少しでも関心のある企業様はぜひ以下のフォームからお問い合わせください。

「バングラデシュの若きITエンジニアと一緒に、日本を盛り上げたい」

この想いに共感いただける方々からのご連絡、心からお待ちしております!

フォームから連絡する »

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https://eedu.jp/blog/2018/10/27/new_challenge/feed/ 0
テロ事件から2年。生き残った私が、バングラデシュに戻った理由と、挑戦する中で見つけた希望(e-Education 三輪 開人) https://eedu.jp/blog/2018/07/01/2years/ https://eedu.jp/blog/2018/07/01/2years/#respond Sun, 01 Jul 2018 10:07:37 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47475 「どうして、私は生き残ったんだろう?」 ダッカのテロ事件が発生してから3日後の7月4日。多くの警察が見守る中、バングラデシュの国際空港の出国ゲートを抜ける直前、少しだけ足が止まりました。 「本当に、日本に帰っていいのだろ […]

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「どうして、私は生き残ったんだろう?」

ダッカのテロ事件が発生してから3日後の7月4日。多くの警察が見守る中、バングラデシュの国際空港の出国ゲートを抜ける直前、少しだけ足が止まりました。

「本当に、日本に帰っていいのだろうか?」

まだバングラデシュでやることがあるんじゃないのか。今帰ってしまったら、二度と戻ってこれなくなるんじゃないか。

そんな不安を抱えながら日本へ帰国したのはもう二年前。

社会人になって時の流れはどんどん早くなり、気がつけば一年が過ぎていく中、この二年間はこれまでの人生で最も長く感じた時間でした。

朝起きては同じ問いを繰り返す毎日。

「どうやったら、バングラデシュの若者が、テロではなく未来に向かうのか」

あれから2年。私がバングラデシュに戻ってきた理由と、挑戦する中で見つけた希望をお伝えします。

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バングラデシュとの出会い

E Education top

みなさん、こんにちは。特例認定NPO法人 e-Education代表の三輪です。私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、途上国で教育支援をしています。

e-Educationの始まりは、2010年に訪れたバングラデシュ。当時まだ大学生だった私は株式会社マザーハウスのインターンとして現地の工場で働いていました。

その時、バングラデシュで出会った大学生が税所篤快。彼は貧しい人たちのための銀行「グラミン銀行」のインターンであり、友人の紹介で彼に会いにいきました。

「この国の教育格差を、ICTの力で壊したいんです!」

出会って数分で、彼は熱い想いとユニークなアイデアを共有してくれました。貧しくて塾に行けない農村部の高校生たちに、都市部の有名な予備校講師の授業を、映像にして届けることで、彼らの大学受験を応援する。

「東進ハイスクールのモデルで、この国の教育を変えたいんです!」

元東進生だった私にとって、彼のアイデアは革命的でした。ぜひ協力させて欲しいと頼み込み、翌日一緒にダッカ大学で聞き込み調査を開始しました。これがe-Educationの始まりです。

そこからは激動の毎日。有名な予備校講師を探し回り、映像授業の撮影を開始。完成した動画は寄付でいただいたパソコンと一緒に、毎晩遅くまで受験勉強を続ける貧しい高校生たちの元へ届けました。

E Education2010

毎日必死に勉強する村の高校生たち

そして半年後の大学受験で小さな奇跡が起きます。生徒の一人が、バングラデシュNo.1国立大学であるダッカ大学に合格し、私たちの活動は「途上国版ドラゴン桜」と呼ばれるようになりました。

e-Educationの活動は世界各地へ広がり、バングラデシュでは2015年までに150人以上の貧しい高校生たちが、学費が非常に低い難関国立大学へ進学し、バングラデシュの教育大臣からも高い評価をいただきました。

「私たちは、バングラデシュの若者たちの人生を変えることができた」

大学に進学した生徒たちや、その親族から感謝の言葉をもらうたびに、私たちは少しずつ自分たちの活動に誇りを持てるようになりました。

ただ、その誇りは、2016年7月1日に大きく崩れました。

「自分のせいだ」

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「開人、今どこにいる!?」
「ホテルにいるなら絶対外に出るな!絶対だぞ!!」

2016年7月1日の夜9時、バングラデシュの仲間たちから突然電話がありました。彼らは震えた声で話を続けます。

私の宿泊先からそう遠くないレストランでテロ事件があったこと。犯人たちは爆弾や銃を持っており人質を取って立てこもったこと。外国人を狙った事件である可能性が高く、絶対ホテルから外に出るべきではないこと。

衝撃の出来事でした。私は彼らからのアドバイスと日本大使館の指示に従い、翌日も翌々日もホテルから出ませんでした。部屋のカーテンを閉め、暗闇の中で時間が流れるのを待ちました。

ニュースを見るたびに不安な気持ちは増えていくばかり。日本人が巻き込まれてしまったこと、その中には知り合いがいたこと。そして、犯人が優秀な若者だったことを知った時、心が壊れる音がしました。

「自分のせいだ」

なぜ一番近い場所で支援していたはずの私たちが彼らの悩みを受け止めてあげられなかったのか。自分たちの力がもっとあれば、防げた事件だったのではないか。私たちの活動は、間違っていたんじゃないか。

バングラデシュから日本へ無事に帰国しても悩みは消えず、悔しさや無力感は日に日に増していき、気がつけば鬱病になり、仕事ができない状態になりました。

もう一度、大好きな場所で働きたい

「これから1ヶ月、絶対仕事をしないでください」

体調が少しだけ回復して職場に戻った2016年の8月。まだ思うように身体が動かず、これ以上みんなに迷惑をかけたくなく、代表を降りようとしていたところ、職員全員から「1ヶ月休職命令」を受けました。

1ヶ月という長いお休みをもらって、自分の深い部分と向き合った結果、バングラデシュを拠点にするという決断をすることができました。休みを作ってくれ、私の背中を押してくれたみんなには本当に感謝しかありません。

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背中を押してくれたe-Educationの職員たち(左から薄井、吉川、三輪、中野、古波津)

「バングラデシュの若者の可能性を信じたい。私のことを信じてくれる仲間たちの応援に応えたい」

想いが固まると自然と力が湧いて来て、福岡で開催されたイベントICC カタパルト・グランプリでは、かつてないほど気持ちを込めてプレゼンすることができました。よかったらぜひご覧いただけると幸いです。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

ICCでお会いした方々、e-Educationの活動を支えてくれた方々から背中を教えてもらい、私は2017年5月からバングラデシュを拠点に活動することを決意しました。

もう一度、大好きな場所で働くことを決めたのです。

【あの時応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました!】

明日世界が終わるとしても

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「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

テロ事件以降ずっと続くこの悩みの答えを知りたくて、私は全国各地の大学を直接見て回りました。アメリカの経済誌『Forbes』が選ぶ30 Under 30 2016 Asia(アジアを牽引する若手社会起業家30人)に選ばれたこともあって、大学で講義を持たせてもらえるようにもなりました。

20以上の大学を訪ね、出会った学生は1000人以上。その中にはテロ事件を起こした若者の出身大学もありましたが、絶望なんかありません。希望に溢れていました。

ここで一人、紹介したい若者がいます。e-Educationの元生徒であり、大学院生となったシャフィという青年です。

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写真中央に移る青年がシャフィです

高校生の頃に父親を亡くした彼は、大学に通いながらアルバイトをして家族に仕送りをする生活を続けていました。そんな彼を応援したくてe-Educationから奨学金を送ろうとすると、「無料では受け取れません」と言って、彼は地元の高校生たちの受験勉強をサポートしてくれるようになりました。

これが私たちの手がける「奨学金&インターンシップ制度」の原型であり、大学生になったe-Educationの元生徒たちが、奨学金を受け取りながら、地元の中高生の学習をサポートするプログラムが始まりました。

そして2017年9月。ロヒンギャ難民問題(隣国ミャンマーから70万人以上の人たちがバングラデシュへ避難してきました)を目の当たりにし、シャフィたちは動き出します。

「彼ら(ロヒンギャの人たち)のために、今できる限りのことをしたい」

e-Educationの元生徒たちが大学を超えて連携しあい、ロヒンギャ難民支援プロジェクトが立ち上がりました。彼らの勇気ある行動は、私を含めたくさんの人たちを巻き込み、最終的には2万人を超える人たちに食料を届ける大きな活動となりました。

この活動の様子は2018年1月に放送されたNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』でも紹介いただきました。現在NHKのWEBサイトでダイジェスト版をご覧いただくことができますので、良かったらぜひご覧ください。

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若者たちの力が テロではなく未来へ向かうように― | どーがレージ | NHKオンライン

「ああ、この国を変える主人公ってこんなにもたくさんいるのかと。自分の頑張ってきた意味、テロ事件からずっと考えてきた意味って、やっぱりここにあったのかな」

NHKの取材を通じて、バングラデシュに戻ってきた理由、挑戦する理由を改めて考え直しましたが、その答えはe-Educationの元生徒たちが教えてくれました。

彼らこそバングラデシュの希望であり、明日世界が終わるとしても、私は彼らのような若者の可能性を開いていきたいです。

【番組をご覧いただいた皆さん、本当にありがとうございます!】

シャフィのような希望を、国の果てまで

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先月6月、e-Educationの映像授業を受講しにきた新しい生徒たちに向けて、シャフィをはじめとした大学生・大学院たちから激励のメッセージを送ってもらいました。

地元から難関国立大学に進学したロールモデルとなる先輩たちに出会い、目の色を輝かせる高校生たち。No.1国立大学に進学した元生徒たち3人からのメッセージが終わり、最後にシャフィの順番がやってきました。

「最初に断っておくと、私はダッカ大学生ではありません。ダッカ大学の試験には合格できず、私はジョゴンナ大学(難関国立大学の一つ)に進学しました。だから、私は受験に失敗したと言えるかもしれません」

聞いている生徒たちの表情が固っていく中、シャフィは話を続けます。

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「でも、これからの人生は入試の結果で決まるわけではありません。失敗は私の財産であり、受験勉強に打ち込んだ毎日が今の私の支えになっています」

彼は自身が非常に貧しい家庭で育ったこと、そのためにいじめにあったこと、父親が高校生の時に亡くなったこと、それでも大学進学を諦めなかったことを伝え、最後にこう締めくくりました。

「私は自分が貧しく、弱者であることを誇りに思います。弱い人たちの痛みや苦しさがわかるからこそ、私は未来を、社会を、この手で変えることができる、そう信じています」

シャフィのスピーチを聴きながら、バングラデシュに帰ってきてよかったと心から思いました。

テロ事件から2年。まだ完全に治安が落ち着いたとはいえず、バングラデシュ全土が危険度レベル2の状態(出典:外務省の海外安全ホームページ)であり、テロに対する特別警戒は「継続中」です。

今年はさらに来年2019年1月〜2月に控える国政選挙の影響もあって、外務省の定める危険度がすぐに下がるとは思えません。

ただ、それでも私がバングラデシュで見ているものは若い「希望」であり、この希望をバングラデシュの果てまで届けられるよう、今できることを一つ一つ積み重ねていこうと思います。

皆さまへお願い

最後に。この記事を読んでいただいた皆さまへ、大切お願いが3つあります。

お時間の許す範囲で構わないので、ぜひお願いを聞いていただけたら本当に嬉しいです。

30秒をください

2年前の今日。7月1日に亡くなった日本人の方が7名いらっしゃいます。

岡村誠さん、酒井夕子さん、下平瑠衣さん、黒崎信博さん、田中宏さん、橋本秀樹さん、小笠原公洋さん。

男性も女性もいらっしゃいました。20代の方から80代の方までいらっしゃいました。そして全員が国際協力の分野で活躍され、バングラデシュの発展に貢献されている方でした。

そんな彼らのことを、30秒でもいいので、ぜひお一人お一人の名前に触れながら、想っていただければ幸いです。

3分間をください

私は、昨年からバングラデシュを拠点に活動し、この記事でも紹介したバングラデシュの「希望」を日本の方々にお届けしようと思って発信してきましたが、まだまだ力が足りません。

個人的な印象ですが、今もバングラデシュのイメージは悪い状態が続いており、今日の報道でまたイメージが悪くなるかもしれません。

それでも、私は私がこの目で見てきたバングラデシュの希望を信じたく、ぜひ皆さんの力を貸していただきたいです。

この記事や、記事中の動画をご覧いただき、もしバングラデシュのイメージが少しでも明るくなったのであれば、ぜひFacebookやTwitterなどSNSでシェアいただけないでしょうか?

皆さんの言葉には力があります。それは日本国内のイメージを変えるだけでなく、バングラデシュで挑戦を続ける若者たちの支えにもなるんです。

皆さんからのコメントは、私が現地の若者たちに一つ一つお届けしますので、良かったらぜひ皆さんの「声」をください。

5分間をください

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私には、今どうしてもやりたいことがあります。

それはシャフィのような希望あふれる若者を、バングラデシュ中に増やすことです。

バングラデシュには全国64の県があり、その大半がまだ農村地帯です。そんな地方に希望の光を灯したい。シャフィのようなロールモデルをもっともっと増やし、全国の中学生や高校生たちが希望を持って未来を切り開いていく流れを一秒でも早く作りたい。

そう想って今、記事中でも紹介した奨学金制度の拡充を進めており、2020年までに100人の大学生の挑戦を、想いある奨学金の力で応援しようと計画しています。

1人あたりの奨学金は年間約7万円。これだけあれば、夜通しでアルバイトをしながら大学に行く必要はなくなり、地元や他の地方の高校生たちをサポートする挑戦もできるようになります。

毎月1,000円寄付してくださる方が6人いらっしゃれば、もしくは毎月3,000円寄付してくださる方が2人いらっしゃれば、シャフィのような大学生たちの挑戦を応援することができます。

想いの詰まったお金が彼らに届くことで、日本とバングラデシュの結びつきが強くなり、それがテロのない未来に繋がると心から信じています。

もし共感いただける方は、ぜひ以下のページから私たちe-Educationの活動を応援をよろしくお願いいたします。

e-Educationの活動を応援する »

最後の最後に

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先日、年に一度のe-Education活動報告会’18に登壇したところ、昔からお世話になったいている方からこんな嬉しい言葉をいただきました。

「今までで、一番良い笑顔をしていましたよ」

毎年お会いしている方が言うのですから、きっとそうなのでしょう。

ただ、あまり自覚がなかったので、改めてバングラデシュに拠点を移してから撮った写真を振り返ってみると、なるほど、確かに楽しそうに笑う写真がいっぱいありました。

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親友マヒンの愛娘と一緒に

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ロヒンギャ難民キャンプにて

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はじめての社員旅行(ピクニック)

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毎年恒例のイフタール(ラマダン明けの軽食)パーティー

バングラデシュでの生活はもちろん上手くいくことばかりではありません。というか、ほとんど上手くいきません。

それでも、こうやって笑うことができるのは、バングラデシュのチームメンバー、その先にいる生徒たち、いつも私を支えてくれるe-Educationの仲間たち、そして支援者みなさんのおかげです。

全ての人たちに心から感謝しつつ、バングラデシュの仲間たちと一緒に、できることを一つ一つ積み重ねていきます。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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最高の仲間たちと一緒に、これからも頑張ります!

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英語で話すのが苦手な人のためのプレゼン裏技テクニック https://eedu.jp/blog/2018/02/19/english_presentation_howto/ Sun, 18 Feb 2018 19:31:24 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46592 みなさん、英語は得意でしょうか? 私は苦手です。今も苦手です。 社会人一年目の頃、外国の方約100人(日本人は私だけ)の前でプレゼンする機会があったのですが、壇上に立つだけで足が震え、声が裏返り、途中で頭が真っ白になりま […]

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miwakaito

みなさん、英語は得意でしょうか?

私は苦手です。今も苦手です。

社会人一年目の頃、外国の方約100人(日本人は私だけ)の前でプレゼンする機会があったのですが、壇上に立つだけで足が震え、声が裏返り、途中で頭が真っ白になりました。

悪夢だったらまだいいです。覚めればそれで終わります。けど現実は何も変わらず、私を見つめる異国の人たちの顔がどんどん不安げになり、プレゼンが終わると不思議な拍手が起こりました。

「彼は日本人なのに全部英語でプレゼンしてくれた。素晴らしい!」

司会の方としては好評のつもりだったと思いますが、私にっては屈辱でした。

「ちくしょう、絶対見返してやる!」

と気合いを入れたものの、苦手意識が簡単に消えるわけはありません。今も英語は苦手なままです。

ただ英語でプレゼンするのが苦手かというと、最近はそうでもありません。むしろ楽しんでいます。

今回は、英語が苦手なままで、それでも楽しくプレゼンするために編み出した、ちょっとしたコツを7つご紹介します。

SPONSERD LINK

苦手なことを、あえて楽しむ

そもそも、どうしてこんな記事を書こうと思ったかというと、nanapiの創業者であるけんすうさん(@kensuu)のブログ記事を読んだからです。

話すのが苦手な人のためのプレゼンの裏技テクニック|けんすう|note

まだ読んでない、という方はぜひ先に上の記事を読んでください。ハウツー記事のはずなのになぜか面白く、途中でついつい笑ってしまいました。記事で笑わせられるなんてズルいです。

で、笑いながら気がつきました。「あー、けんすうさんは苦手なことを楽しむ人なんだな」と。苦手を無理やり克服するのではなく、苦手なままで楽しむ方法を考える。これですよ、これ。

中には苦手なものを克服することが楽しいという人もいるようですが、私はそんな人ではありません。きっとこれからもなれません。

なので諦めました。苦手は、苦手のままでいい。英語が苦手なら、苦手のまま楽しむ方法を考えよう。

こう考え方を変えると、意外とアイデアが出て来るもので、「次はあれをやってみよう」と少しだけワクワクしてきました。イタズラを思いつき、試してみようとするあの頃のあの感覚です。

そんな悪ガキのような発想から生まれたテクニックなので、きっとみんなの参考になるわけではありません。

でもいいんです。私のように英語が苦手な人が、少しでも英語のプレゼンを楽しめるようになったら、それで十分です。

では、英語プレゼンの裏技をご紹介します!

その前に、自己紹介を

Miwakaito

忘れていました。まだ自己紹介していませんでした。

改めまして、こんにちは。三輪開人と申します。NPO法人e-Educationの代表として、途上国で教育支援をしてます。

e-Educationは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを掲げ、バングラデシュをはじめとした途上国の貧しい高校生に映像授業を届け、彼らの大学受験を応援しています。東進ハイスクールの途上国版、といえばイメージが湧きますでしょうか?

最近は高校生だけでなく、彼らを教える先生のトレーニングプログラムも始めました。一人の先生の教え方が変われば、100人、1000人という生徒の教育が変わります。当たり前の話ですね。

ただ、これがかなり難しいんです。教え方を変えるのは、今までのやり方を否定することにもなります。これまでの人生を否定されたら、誰だって嫌ですよね。私も嫌です。

なので私たちはアプローチを変えました。まずは、先生の心に火をつけることから始めること。先生がやる気になれば、きっと新しい指導法も楽しく吸収してくれるはず。

そう信じて、先生のやる気をあげるために英語でプレゼンした様子を撮影した動画がこちらになります。

The Power of Teacher The Power of Technology – YouTube

これは先日、バングラデシュの中学校の数学の先生に対しておこなったプレゼンです。対象は約30人。全員数学の先生ですが、英語はみんな理解できます。バングラデシュは貧しいけど凄い国なんです。

そんな先生たちに私が伝えたかったことは「先生には社会を変える力があり、テクノロジー(新しい技術)を使えばもっと凄い教育ができる」ということ。メッセージはこれだけです。

詳しくはぜひ上の動画をご覧ください。英語がわからないという方は、気にしないでください。きっと私の英語が下手なだけです(実際、文法や単語のアクセントなどは本当にヒドイです)。

本当は動画を公開するのも避けたかったのですが、それだと「本当は英語が得意なんじゃないか?」と疑われそうなので、あえて公開しました。英語が得意なみなさん、笑ってくれて構いません!

英語プレゼン動画を見る »

さて、動画はご覧いただけましたでしょうか?

では、このプレゼンを参考に、今度こそ英語プレゼンの裏技テクニックを7つご紹介します!

【1】英語をあえて使わない

miwakaito

まずはイントロから。英語が苦手な人は、間違いなくイントロでつまづきます。

じゃあ、私はどうしているかというと、とにかく明るく“Hello, Everyone!”と大声で話すことから始めます。明るく、大声で、がポイントです。

メラビアンの法則というものがありまして、人は話を聞くとき、半分(55%)の人は、顔の表情から相手の感情を読みとろうとするそうです。要は見た目が大事ということですね。

なので、最初はオーバーにいきます。バングラデシュの友人によると、私は真顔だと怒っているように見えるらしく(失礼な話です)、口角を上げて元気に第一声を出すよう心がけています。良かったら、鏡を見て練習してみてください。

“Hello, Everyone!”

これができたら第一関門突破です。楽勝ですね。

ちなみに第二関門はもっと楽勝でして、私は英語を使いません

「アッサラーム・ワライクム!」
「バロ・アチェン?」
「アミ・オ・バロアチ!」

これ、なんて言っているか分かりますか?

全てベンガル語(バングラデシュの公用語)でして、上から「こんにちは!」「お元気ですか?」「私も元気です!」という意味です。はじめて聞いたという方でも、1分あればきっと覚えられます。3回くらい声に出して見てください。

「アッサラーム・ワライクム!」
「バロ・アチェン?」
「アミ・オ・バロアチ!」

覚えられましたか?楽勝でしょう。

たった3つの挨拶言葉ですが、プレゼンの冒頭で使うと、間違いなく笑いを取れます。けんすうさんも「最初の5秒くらいで、笑いがとれるのが理想」と言っていましたが、途上国なら楽勝です。その国の言葉で挨拶するだけです。

たかが挨拶と思うかもしれませんが、挨拶は「聞き手の心を開く」意味でも非常に重要です・・・と書こうとしたところ、けんすうさんが全く同じことをおっしゃっていたので、引用箇所を貼り付けておきますね。

さらにいうと、実は聴いている人も新しい人のプレゼンがはじまると緊張していたりします。どんな話なんだろう?おもしろいのかな?と身体が硬直している状態です。
というわけで、最初に笑いを取ることで、話し手も聞き手も双方がすごく楽になるのです。

プレゼンを組み立てる時、ついつい自分の伝えたいことを意識してしまいがちですが、聞き手の気持ちを考えるのは本当に大事です。

もしあなたが聞き手で、語り手の外国の人がいきなり英語で難しい話を始めたら緊張しませんか?私なら確実に心の壁ができます。

英語が苦手だからこそ、苦手な聞き手の心情も理解できるもの。ということで、挨拶は超簡単に、できれば英語を使わずにいきましょう。

【2】接点をみつける、なかったら作る

「聞き手の心を開く」ことが大事と言いましたが、挨拶が終わったら、ここでもう一つ仕掛けます。

English presentation howto00

冒頭で使うこのスライドは、昨年私が『Forbes』という有名な経済誌から「アジアで活躍する若手リーダー30人(30 Under 30 Asia)」に選んでもらった時の話なのですが、自分のことを自慢したいわけではなく、隣にいる彼の話をしたいのです。

彼はVirat Kohli(ビラット・コーリー)というインドのクリケット選手で、クリケットが好きな人であれば知らない人はいません。ちなみに、バングラデシュの人たちはみんなクリケットが大好きで、インドはライバル国。数学の先生であっても100%彼のことを知っています。

“Do you know him? I got the same award(彼を知っていますか?私は彼と同じ賞をもらいました)”

これでバングラデシュの先生たちの心を鷲掴みできます。下を向いていた先生も顔を上げ、スマホで写真を撮り始めます。中には握手を求めてくる先生もいます(嬉しいけど、後にしてほしい)

これは特殊な例かもしれませんが、聞き手と自分の接点を作れるのであれば何でもいいです。その国の民族衣装を着て「今日のプレゼンのために買って着ました。似合っていますか?」と聞くのもいいですし、「昨日食べた◯◯◯というバングラデシュの食事が美味しかった」などもありです。

大事なのは「私(聞き手)とあの人(語り手)にはこんな接点があるんだ」と感じてもらうことで、これができたらプレゼンはほぼ成功と言っていいです。

「第一印象が全て」という言葉があるように、はじめの印象が良ければ、その後の話は大体良いように聞こえます。逆に、はじめの印象が悪いと、どんなに良い話をしても、聞き手の心に響いてくれません。

しかし、はじめて会う人たちとの接点を見つけるのは簡単ではないですよね。

そこで私がつかっている裏技があります。それは感謝の気持ちを伝えることです。

「金曜日(バングラデシュの人にとっては日曜日)なのに、セミナーに来てくれてありがとう」
「家族と過ごす時間を削って、生徒のためにセミナーに参加してくれたことが嬉しい」
「そんな先生に会えて幸せです。本当にありがとうございます」

こう言われて、嫌な人はいないでしょう。プレゼンは、そもそも自分の話を聞いてもらうものであって、聞き手は自分のために時間を割いてくれているわけです。これだけで十分感謝の対象になり得ます。接点は作れるんです。

ということで、ここでも練習してみましょう。準備はいいですか?相手の心を開く魔法の言葉です。それではご一緒に。

“Thank you very much! I am so happy to meet you!”

【3】最初にメッセージを全部出し切る

笑いが取れて、聞き手との接点を確認できたら、すぐにプレゼンの一番大事なメッセージを伝えましょう。

ほとんどの人が一度は聞いたことがあると思いますが、日本以外のほとんどの国は「結論を先に」という文化があり、日本人は苦手だったりします。

そんなこと分かっているよ、と感じる方が多いと思います。でも、最初と最後でメッセージが同じか、もっと具体的に言えば、同じスライドを使えるかどうか確認してみてください。意外とズレているかもしれません。

3つメッセージがある(一つ一つ紹介していく)からズレてて当たり前、と思う方。ちょっと待ってください。聞き手は、本当にあなたの狙いを汲み取ってくれますか?仕掛けを理解してくれますか?

これはプレゼンが上手い人でも意外と陥っている罠の一つです。本人は順序立てて、相手を楽しませようとあえて次のメッセージを隠しているつもりかもしれませんが、聞き手としては「全部先に教えてよ」と思っている人も少ならずいます。私もその一人です。

私の場合、メッセージを最初に3つ全部出しくれれば、その3つの言葉がどう繋がるのか、(英語で正確に理解できない分)想像で補うことができます。一方、全体のメッセージが分からないままプレゼンを聞いていても、次にどんな話が来るのか不安は増えていきます。お化け屋敷が嫌いな人をお化け屋敷に連れて行くようなものです(全然違うかもしれませんが、私はそんな気持ちです)。

ちなみに、「3つのメッセージ」を流行らせた仕掛け人はApple創業者のスティーブ・ジョブズだと勝手に思っています。「伝説のプレゼン」と言われたスタンフォード大学卒業式の基調講演で、ジョブズはこんな言葉からプレゼンを始めます。

Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories(本日は自分が生きてきた経験から、3つの話をさせてください。たいしたことではない。たった3つです)
【和訳参照:ジョブズ氏スピーチ全訳:日本経済新聞

このスピーチを聞いて刺激を受けた人も多いのではないでしょうか?ジョブスのように英語でプレゼンしたいと思って、失敗した人もいるのではないでしょうか?少なくとも、苦い思いをした人を一人知っています。もちろん私です。

話を戻しましょう。

英語が苦手な人は、メッセージを1つに絞ることをお勧めしますし、3つメッセージがあっても、全部最初に出し切ることを強くお勧めします。

ちなみに、私の場合、メッセージは単語だけ切り出すのではなく、文章として全文公開します。

English presentation howto03

“Teacher will make the big education impact and social movement through using technology(先生が先端技術を使うことによって、大きな教育改革や社会変革が進んでいく)”

メッセージを作る時も2つポイントがあります。

一つ目は誰でも理解できる言葉であること。日本語訳をそのまま英語にしようとすると、「教育改革」「社会変革」が主語になり、「先生」は原因を示す言葉となり、(私のような英語レベルだと)うまく伝わらない危険性があります。

難しすぎる言葉を選ぶのも厳禁です。聞き手の知らない言葉を出したところで、新しい疑問が浮かぶだけです。改革をreorganizationというより、日本人でも馴染みがあるmovementを使った方が語り手としても聞き手としても楽です。シンプルで、力強い言葉を選びましょう。

二つ目は全文をスライドに書くこと。私はあまり文字の多いスライドが好きではないのですが、それでも英語でプレゼンする時は、メッセージを全部書ききるようにします。

理由は単純。緊張してメッセージを忘れそうになっても、見て思い出せるからです。さすがにメッセージをハッキリ言えないと、何のためのプレゼンなのか伝わらないので、変なプライドは捨てて全文書きましょう。

また繰り返しになりますが、これは聞き手にとってありがたいです。英語を聞くのは自身がないけど、文字なら何とか読むことができるという人もいるのではないでしょうか(あ、これも私です)。

自分の発音が悪くても理解してもらえますし、聞き手も安心してメッセージを受け取ってくれます。まさに一石二鳥。ぜひ試してみてください。

もう、いっそのこと自分で話さないという手もあります。聞き手に頑張って読んでもらえたら、それで十分です。あえてスティーブ・ジョブス風に言うなら、こんな風にでしょうか。

“Today I want to tell you one message from my life. This is it. Just one message”(本日は自分が生きてきた経験から、1つお伝えしたいことがあります。(スライドを指差して)これです。メッセージは1つだけです)

【4】知識を語るな、経験を語れ

「書を語るな、体験を語れ」

これは大好きな小飼弾さんのブログ『404 Blog Not Found』の格言の一つなのですが、英語でプレゼンする時にも役立つ心構えです。

メッセージを補完する話は、大きく分けて「知識」と「経験」の2つに分けることができるのですが、英語が苦手な人はできる限り後者を選択することを強くお勧めします。

これが国際学会のように「知識」をシェア・議論する場であれば話は別ですが、そうでない場合、例えば会社説明であったとしても、聞き手の関心は語り手自身であり、自分の「経験」をベースに会社のことを説明した方が、聞き手の心に届きます。

それだけではありません。やっぱり楽なんですよ、経験を英語にする方が。自分のことならいくらでも語れるものですし、無理に難しい英語に変換する必要はありません。

一方、知識を語ることは二重の難しさがあります。一つは引用元へ敬意を払う必要があり、過度な意訳ができないこと。また聞き手の前提知識や語学力が足りなくて話が理解できないこともあり、お互い歩み寄れないという悲しい事件が起こったります。

さて、悲しい思い出が頭をよぎったので、ここで話を切り替えます。どうしたら「経験」をうまく語れるかという質問に答えましょう。

答えはシンプルで、写真や動画を使うことです。英語を使わなくても理解してもらえます。最高です。

今はものすごい便利な時代で、インターネットで「無料 画像」と検索すると超ハイクオリティな写真素材サイトがいくらでもでてきますので、ぜひ素敵な写真を活用しましょう。ここではお気に入りのサイトを少しだけ紹介しますね。

おすすめ無料写真素材サイト

  • 写真AC:大体何でも見つかる。1日1枚まで無料
  • PhotoPin:ACで見つからなかったら。英語で検索するとGood
  • Unsplash:オシャレな写真がいっぱい。見るだけで楽しい
  • Startup Stock Photos:Macとかスマホとか。意外と使える
  • FIND/47:日本の絶景。海外の人たちに喜ばれる
  • ぱくたそ:海外の人たちにもっと喜ばれる。笑いを取れる
  • いらすとや:一部の海外の人たちに超喜ばれる。This is Japan

海外でプレゼンするのであれば、最後の3つを使うだけで圧倒的な差別化になりますが、それでも「体験」を語る以上、自分が被写体であるに越したことはなく、普段から自分の写った写真や動画を撮っておきましょう。

そしてここでもう一つスライド作成テクニックを。それは「半透明の黒画像で暗転させ、その上に巨大な文字を入れる」です。言葉だと説明しにくいですね。こちらです。

English presentation howto02

いかがでしょう。この暗転前後のスライド2セット(4スライド)は、どちらもButやHoweverなど逆説で繋ぐ箇所なのですが、スライドを暗転させることで聞き手もスムーズに理解できます。

この「黒で暗転」にはもう一つマニアックな使い方があります。私はできる限り聞き手の顔を見ながら話すように心がけているのですが、そうすると後ろのスライドが見えず、返しモニターや自分のパソコンが見れない会場の場合、この黒で暗転する光の変化で今のスライドがあっているか確認できます(興味のない方は、気にせずスルーしてください)

脱線ついでにもう一つ。上の暗転スライド例で紹介した写真は「ラオスという国では小学生の多くが算数に苦手意識がある」という説明でいつも使うのですが、(今回は忘れましたが)ここでこんな質問を投げかけたりします。

“By the way, what subject do you feel difficulty?”(ところで、何の教科が苦手ですか?)

すると、十中八九、会場に英語が苦手な人がいるので、笑顔でこう答えてあげましょう。仲良くなれます。

“Me, too! English is very difficult for me!”

【5】いつもより笑う、オーバーに笑う

私は去年50回くらい英語でプレゼンする機会があり、少しずつ肩の力を抜いてプレゼンできるようになって来ましたが、最初はメモをパソコンの横におき、少しずつ見なくてもプレゼンできるようトライしてきました。

ただ、最初はうまくいかず、TED風にステージの中央に立ったはいいものの、何を話すか忘れてしまい、その場で固まってしまったことがあります。想像して見てください。最悪ですね。

ここで紹介したいのは、そんな時に使えるフレーズ。ずばりこれです。

“Sorry, I forgot what i want to say next(すいません、次に何を話したかったのか、忘れてしまいました)”

いかがでしょう?普通でしょう?ポイントは言葉じゃありません。

これを笑って言えるかです。申し訳なさそうに言うか、堂々と笑いながら言うかで聞き手の印象はビックリするほど変わります。

これも考えてみれば当然なのですが、聞き手も人間であり、緊張して何を話そうとしたか忘れることは誰にだってあります。つまり、文章を忘れた時は、聞き手の共感を作る絶好のチャンスであり、活かさない手はありません。

とは言っても、いきなり実戦でやるのは難しく、できれば事前に練習してみましょう。笑顔で、堂々とSorryという練習をしてみましょう。ちなみに、私は直前にこの練習をしている姿をバングラデシュの仲間に見られて「何の練習をしているんだ」と笑われました。良い思い出です。

それから笑顔というか感情の作り方について少し補足を。

英語に苦手意識のある人にほぼ共通する特徴は、プレゼンしている際に笑えないことであり、感情の変化が少ないことです。緊張しているのですから仕方ないようにも思えますが、逆に考えると、感情をうまくコントロールできればプロっぽく見えます。

ここでコントロールという言葉を使いましたが、笑顔は技術であり、練習でうまくなります。まずは騙されたと思って、鏡に向かって笑いかけて見てください。全力で。

最初の笑顔が10だとしたら、次は20の笑顔を。その次は30と徐々にレベル(?)を上げていき、最後100の笑顔になるよう10回連続で笑顔を作って見ましょう。

English presentation howto04

いつもより笑う、オーバーに笑う

どうですか?気持ち悪くないですか?はい、それでいいんです。

これは私の偏見もかなり入っていると思いますが、外国の人たちと比べると、日本人は笑顔を作るのが下手な印象を受けます。慣れていない、と言う説明が正しいのかもしれませんが、作るのも然ることながら、見るのもそんなに慣れていないのです。

なので、言葉を選ばずにいえば、外国の人たちの笑顔はクシャっとしており、写真でみると凄く変な顔に見えたりしますが、近くで見ていると何だかとても温かい気持ちになります。

「笑顔は綺麗なものではなく、変な顔だけど温かい気持ちになるもの」

こう言い聞かせて、いつもの何倍も明るい笑顔を目指して鏡の前で練習しましょう。ちなみに、プレゼン会場のトイレの鏡を使って練習すると、たまに運営スタッフや仲間に見つかって恥ずかしい思いをするので、その点だけご注意を。

あと笑顔に関連して「間の取り方」についても紹介ます。ここでいう「間」とは「心地よい沈黙」と言い換えることができ、プレゼンが上手いと思う人はほぼ例外なくこれができていると思います。

言葉に緩急をつけたり、声の大小を使い分けたりできるプレゼンターは増えて来た気がしますが、「心地よい沈黙」を狙って作れる人はあまり多くありません(これはチャンスですよ)

というわけで、練習してみましょう。先ほど紹介した相手の心を開く魔法の言葉“Thank you very much! I’m so [ ] happy [ ] to meet you!!”の[ ]にほんの少しだけ間を入れてみてください。そしてsoとhappyの言葉に力を込め、to meet youは最後駆け抜けるように言い切りましょう。もちろん満面の笑顔で。

いかがでしょう?何かそれっぽくなったような気がしませんか?それでいいんです。それだけでいいんです。

英語が苦手な人の場合、どうしても早口になってしまったり、言葉が平坦になって、抑揚をつけることができません。そこで役立つのが「心地よい沈黙」であり、笑顔で黙る瞬間を作れるようになれば緩急はできるし、次の言葉を考える時間もできるし、まさに一石二鳥です。

参考までに、私は上の動画の中で何度か意図的に「心地よい沈黙」を入れていれています。どこかわかりますでしょうか?

笑いながら、次の言葉を出す前に、心の中で「トントン」と2カウントしています。イメージは『硝子の少年』のラストです(わかる人にだけ、わかってほしい)

いつもより笑う。オーバーに笑う。困った時こそ笑う。練習は必要ですが、これができるようになると英語のプレゼンも徐々に楽しくなってきます。

【6】最後にもう一度メッセージを、ただし一手間加えて

プレゼンもあと少し。ここでもう一度、冒頭で紹介したメッセージを伝えましょう。

ここもけんすうさんの記事と同じ意見なので、該当箇所を引用します。

まとめは、最後、一言で話してしまう。
話が下手すぎてマジで何も伝わっていなかったとしても、最後のスライドだけ見れば、何を話したのかわかるようにしておくといいです。
会場ではたぶん真面目に聴いていない人も結構いて、仕事してたり寝てたりします。そういう人も、最後のスライドを見れば、わかった気になります。
伝えたいことが伝わればなんでもいいので、最後にもこういう締めをいれておくとよいと思います。

本当にその通りですね。

ただ、全く同じことを繰り返し言うと、熱心に聞いてくれた人からすると「さっきそれは聞いたよ!」と思われるかもしれないビビリな私は、ここで一手間かけます。

English presentation howto05

左が冒頭のメッセージ。右が最後のメッセージ。何か少し違いませんか?

そしてこんなスライドが続きます。

English presentation howto20

簡単なクイズですが、いわゆるひっかけ問題です。

「世界で一番使われている言語は日本語?ベンガル語?」と聞くと、ほとんどの人が「英語!」と回答してくれるので、ここぞとばかりに大声で“No!”と叫びます(メッチャ楽しいです)

そして続けます。

English presentation howto21

「世界で一番使われている言語は英語なんかじゃない。数学だ!」

「人類の歴史は数学にと一緒に進化して来た。だから数学の先生はただの先生なんかじゃない、人類の歴史を作る人なんだ!」

「だから私はこう言いたい。数学の先生こそが、最新技術を使って、教育を変え、社会を変革していくんだ!」

と、文字起こしすると結構激しいことを言っていますが、ここで恥ずかしがってはいけません。堂々といきます。

イメージはビル・プルマン。映画『インデペンデンス・デイ』の大統領演説のように、目の前の数学の先生たちの心に火を灯せるよう、気持ちを込めて一つ一つ言葉を贈ります。

English presentation howto22

「ラオスの教育は、これから数学の先生たちによってきっと変わっていくはず」

「さあ、次の国はどこだ?」

会場から「バングラデシュだ!」と言う声が聞こえてくるので、ここで「オボッショイ!(もちろんだ!)」と叫びます(2つ目の仕掛けです、確実に笑いが取れて、超楽しいです)

ここでスライドをまた切り替えます。

English presentation howto23

「バングラデシュという言葉は、とても広い言葉だから使いたくない」

「だから私は、こんな言葉でプレゼンを締めたい」

「数学教育を変えましょう!ここから、今から、そしてもちろん、あなたたちの力で!」

ここまで全力で言い切ると、会場がワッと湧きます。スタンディングオベーションになることもあります。

「いやいや、日本だとそうはならないよ」と思ったら、その考えこそ捨てなければなりません。聞き手は日本人ではないので。

他の国の人たちに通じるか分かりませんが、バングラデシュでは毎回喜んでもらえますし、私は満面の笑顔を返してくれるバングラデシュの先生たちが大好きです。

【7】締めは、感謝の言葉を2回に分けて

終わり方も重要です。「拍手をここでしてね」というタイミングを、全員がわかるようにします。
具体的には「ご清聴ありがとうございました」スライドとともに、お辞儀をするのが一番ラクです。
できれば、最後はゆっくりというと、拍手の準備ができます。
拍手しやすいと、拍手が大きな音になるんですね。そうすると、成功した感がでるじゃないですか。みんなも「あれ、いいプレゼンだったのかな」って思ってもらいやすいくなります。ずるいテクです。

これもけんすうさんの記事と同じ方法を使っていまして、拍手をもらうために、たっぷりタメを作ってからお辞儀するようにしています。

ただ、最後の疾走感のまま突っ走るとタメができないことも多く(プレゼン動画を確認したら実際できていませんでした)、ここで海外ならではの裏技をもう一つ使います。

それが2ヶ国語で最後の挨拶をすること。冒頭の挨拶と同じですね。

“Thank you very much!”と言うと、プレゼンの締めっぽいことが聞き手に伝わり、今度は現地の言葉で「オネック・ドンノバッド(本当にありがとうございました)」と笑顔で言いながらお辞儀をすると、ここで拍手がもらえます。

Presentation end

お辞儀はゆっくりと、感謝の気持ちを込めて

以上、英語で話すのが苦手な人のためのプレゼン裏技テクニックをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

プレゼンを上達させるには、①良いプレゼンをいっぱい見ること、②実践を重ねること、③質の高いフィードバックをもらうことの3つが重要だと思うのですが、英語が苦手だと①プレゼンを見ても今ひとつ参考にならず、②実践の回数も少なく、③フィードバックをもらう勇気が出ない、と中々苦しい人も多いのではないでしょうか。

③はひとまず諦めるとして(それが最初からできるのなら苦労はしません)、②の予行練習は一人でもできます。鏡の前で笑顔を作り、自分の動画をスマホで撮影してみる。「これは俺じゃない!」と最初は現実から逃げたくなりますが、きちんと受け止めましょう。それは自分です。

でも、繰り返し撮影をしていると少しずつ自分に変化が生まれます。言えなかった単語が言えるようになり、笑顔が豊かになったり。そんな小さな変化を楽しめるようになれば、苦手な英語のプレゼンであってもきっと好きになれます。

最後に①ですが、英語ネイティブな人のプレゼンを見ても正直参考にならないと思っていた(今も思っている)自分ですが、2011年に公開されたこちらの動画を見て、感動しました。

TEDxTokyo -Black – A Yo-Yo Story – [English] – YouTube

スピーカーはヨーヨー世界チャンピオンのBLACKさん。とてもシンプルな英語で、表情豊かで、文字通り全身を使った英語のプレゼンは、私にとっての目標となり、英語でプレゼンする前には必ず見るようにしました。現在再生回数が約8万回ですが、おそらく視聴数1%以上は私だと思います。

2013年にはTEDの本場アメリカのTED Talkに登壇し、日本人として初めて正式にスピーチをされました。こちらの動画の再生回数は現在850万回を超えており、初めて見たときは鳥肌が立ちました。会場のスタンディングオベーションも納得です。

BLACK: ヨーヨーの達人への道 | TED Talk

「プレゼンは、英語力なんかじゃ決まらない」

BLACKさんの動画を見ると、いつもそんなメッセージをもらえる気がします。

英語が苦手な方にとって、英語のプレゼンは苦行に近く、それがキッカケでプレゼン自体が嫌いになる人だっているでしょう。

でも、少し考え方を変えるだけで、英語は苦手なままでも楽しくプレゼンできるようになるし、少しずつ英語そのものも楽しめるようになってきます。

私は未だに苦手意識がありますが、そんな今だからこそ、同じような悩みを抱える人に、英語でプレゼンするのを楽しんで欲しくてこの記事を書きました。

少しでも参考になって、英語でプレゼンする苦手意識が少しでも薄れたら、これほど嬉しいことはありません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

【おまけ1】英語プレゼン上達のためのコツ「7つのS」

Presen 7s

記事の途中で、昨年50回くらい英語でプレゼンしたと言いましたが、そのうち数回は「英語プレゼン上達のコツ」というテーマでした。講師を間違えています。私が聞きたいくらいです。

ただ、せっかく頼まれた以上は期待に応えたく、私のバイブル『プレゼンテーションZEN』と、著者であるガー・レイノルズ氏のプレゼン動画を見ながら、自分なりに少しだけアレンジを加えて「7つのS」という言葉を作りました。

  1. Simple(シンプルにいこう)
  2. Short(短くまとめよう)
  3. Story(ストーリーを語ろう)
  4. Smile(笑顔で話そう)
  5. Slow(ゆっくり伝えよう)
  6. Surprise(サプライズを作ろう)
  7. Study(もっと学ぼう)

最後の2つだけ少しだけ補足すると、まずSurpiseですが、良いプレゼンには予想外のプレゼントがあります。情熱的なメッセージ、巧みな比喩。忘れられない驚きの瞬間があります。聞き手の予想や期待を裏切るような仕掛けを楽しみながら作りましょう。

そしてStudyですが、あえて日本語にするなら「努力」です。プレゼンは努力なしには成長しません。良いプレゼンを見て、実践を重ね、改善を繰り返すことで磨かれます。良いプレゼンにゴールはありません。コツコツ勉強を続けていきましょう。

といったことを、英語でプレゼンしています。自分が実践できているかと聞かれると正直不安ですが、Studyあるのみです。良かったらぜひご一緒に。

【おまけ2】日本語プレゼン上達のためのコツ(6万字)

1stgrandprixphoto

第一回カタパルト・グランプリ(出展:INDUSTRY CO-CREATION

今からちょうど1年前。ICC(INDUSTRY CO-CREATION)主催の「カタパルト・グランプリ」に登壇しました。

注目のベンチャー企業総勢20社が、1社12分間のプレゼンテーションを行う大会。「プレゼンの達人たちによる天下一武道会」とも呼ばれるこの大きなイベントで、光栄なことに優秀することができました。

バングラデシュに移り住む前の最後のプレゼンであり、いつも以上に気合を入れて挑みましたが、まさか優勝できるとは思ってもいませんでした。

あの時大会に出る上で考えたことや、プレゼンをする上で意識したこと、参考にした動画などは以下2つの記事にまとめています。合計6万字というかなりのボリュームですが、良かったらぜひ合わせて読んでもらえると嬉しいです。

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「笑顔・挑戦・責任」2018年、私たちe-Educationが大切にしていきたいこと https://eedu.jp/blog/2018/02/01/newyear2018/ https://eedu.jp/blog/2018/02/01/newyear2018/#respond Thu, 01 Feb 2018 11:20:39 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46556 2018年も既に1ヶ月が過ぎましたが、皆さんは新年に立てた今年の目標をハッキリ覚えていますか? 私はというと、年末年始をバングラデシュで過ごし、昨年半年に渡って取材いただいたNHKドキュメンタリーが先日放送されたこともあ […]

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Newyear2018

2018年も既に1ヶ月が過ぎましたが、皆さんは新年に立てた今年の目標をハッキリ覚えていますか?

私はというと、年末年始をバングラデシュで過ごし、昨年半年に渡って取材いただいたNHKドキュメンタリーが先日放送されたこともあってか、ようやく新年を迎えられた気がします。

先日放送されたドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』の感想記事を先日公開しましたが、番組を通じて昨年の活動を改めて振り返ることができ、ようやく2018年の目標を整理することができました。

この記事では、今年2018年、私たちe-Educationが大切にしていきたいことをお伝えできればと思います。

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2017年はどんな1年だった?

2018年の目標をお伝えする前に、2017年がどんな1年だったかも少しだけ紹介させてください。

2017年は、e-Educationの代表として働き方や仕事の内容にも大きな変化があった年であり、ここではあえて私に深く関連した大きな出来事を3つに絞ってご紹介します。

バングラデシュを拠点に

Newyear2018 02

昨年5月から私はバングラデシュを拠点に活動しています。詳しい経緯は、過去に書いた記事プレゼン動画をご覧いただければと思いますが、端的に言えば「もう一度原点に立ち返る」ためにバングラデシュを中心に活動することを決めました。

当然、日本で受けていた講演会などの仕事は受けられず、他の国に行く機会も少なくなりましたが、それでも仲間のおかげで事業はどんどん成長し、仲間を信じて任せる大切さを学んだ年となりました。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

ロヒンギャ難民問題

ようやく生活や仕事が落ち着いて来た2017年8月末。ロヒンギャと呼ばれる人たちがミャンマーから逃亡してくる大事件が発生しました。わずか1ヶ月の間に40万人を超える難民がバングラデシュへ流れ込み、テロ事件直後と同様の混乱が起こってしまいました。

私たちe-Educationはミャンマーでも教育支援の活動をしており、どちらの国の立場に立ち、どう関わるのか非常に悩んだのですが、e-Educationの元生徒たちを含むバングラデシュの仲間たちに感化され、まずは食糧支援の活動を始めようと決めました。

Newyear2018 08

ただ、ミャンマー側への配慮や団体のミッションとの整合性を考慮した結果、e-Educationの代表としての立場を使うべきではないと判断し、三輪個人として2度に渡ってクラウドファンディングに挑戦しました。

結果は2回とも目標金額を達成し、2万人を超える人たちに食糧支援をすることができましたが、0からプロジェクトを立ち上げる経験を久しぶりに思い出し、e-Educationの未来を考える上でも大切な時間となりました。

NHKの長期取材

Nhk20180127

そしてやはり去年一番記憶に残っているのが、NHKドキュメンタリーの取材でした。企画段階から放送日まで半年以上の時間をかけており、バングラデシュでも密着取材を受けました。

ここで一つ裏話をすると、『明日世界が終わるとしても』の取材にはシナリオというか番組のゴールが全く決められておらず、とにかく私の普段の仕事や生活に焦点を当てて下さいました。

正直に告白すると、嬉しかった反面、少し複雑な気持ちでした。私の仕事に取材いただく価値があるのか?そもそも私の仕事の価値って一体何なのか?今振り返ると、これまでの活動や今の仕事を何度も見つめ直す時間となりました。

そして最終的に「バングラデシュに戻って来て良かった」と心から思える、確かな手応えがありました。自分の仕事と徹底的に向き合う、そんな機会を作っていただいたNHKの皆様には本当に感謝しかありません。

2018年はどんな1年に?

このような紆余曲折があり、「進んだ」というより「戻って来た」という感覚に近かった2017年を終えて、2018年をどんな1年にしたいか改めて整理しました。

「笑顔・挑戦・責任」

それぞれの言葉にどんな意味を込めたのか、一つ一つご説明します。

笑顔

Newyear2018 04

「笑顔を作ることから考えよう」

昨年はロヒンギャ難民支援をふくめ、仕事でもプライベートでも新しいプロジェクトをいくつも立ち上げた年でした。

関係者も多く、関係者同士でゴールが微妙に異なる中で、私が意識したことは最後にどんな笑顔が待っているのかを想像することでした。

これは現場に戻って来たからこそ考え抜くことができたのかもしれませんが、目の前にいる人をどうやって笑顔にするのか、そのためにできることを何でもやってみる、ダメでも違うやり方でまたトライしてみる、を繰り返しました。

今考えると贅沢な時間の使い方だった気がしますが、NGOで働くものとして原点に立ち返ることができた気がしました。

「笑顔のある方へ進もう。だいたい正しいから」

これは私が大学生の時、アジアを周遊していた時に出会った言葉なのですが、今ようやく意味がわかって来た気がします。

やるべきことが仕組み化され、できることが増えてくると、どうしても計画や成果に目が向いてしまいがちなのですが、壁にぶつかった時や迷った時ほど笑顔に立ち上げるべきだと改めて思いました。

Newyear2018 03

そしてもう一つ。笑顔は連鎖します。

相手を笑顔にすると自分も笑え、自分の笑った顔を見て周りの人たちも笑顔になります。

NHKのドキュメンタリーをご覧になった方から「三輪さんの笑顔が良かった」と嬉しい感想を多くいただきましたが、それは目の前にいた人たちの笑顔のおかげであり、これからも笑顔を増やし、自分も最高に笑うことができる、そんな仕事を続けていきたいと思います。

挑戦

Newyear2018 05

「We are Challenge Maker」

これは現地の仲間たちと半年かけて一緒に作った、バングラデシュチームの新しい理念(約束)です。

Chance Maker(チャンス・メイカー)やChange Maker(チェンジ・メイカー)は耳馴染みのある言葉かと思いますが、Challenge Maker(チャレンジ・メイカー)は中々聞いたことがないのではないでしょうか。

なぜ新しい理念を作ったのか?少しだけ経緯を説明すると、バングラデシュのチームは去年のはじめ10人強しかいなかったスタッフが約1年間で25人にまで増えました。また仕事の幅も一気に広がり、一体どこに向かっているのか、私たちは何者なのか、組織の柱が必要になりました。

そこでまず、抜群のマネジメントスキルを持つAminur(アミヌル)という仲間を現地HRマネージャーに抜擢し、彼や他経営陣と一緒に一人一人の仕事内容をチェックすると同時に、事業の棚卸しや各事業の成果も見直しました。

そしてたどり着いた結論がこちら。


「チャンスは年々増えている一方、チェンジは今だに生まれにくい。しかし、その間には必ず挑戦する人たち(チャレンジャー)がいて、彼らを全力で応援したい」

急速に成長するバングラデシュにおいて、初等教育の就学率は9割を超えるなど、機会(チャンス)の不平等は徐々に減りつつあります。他方、若者の就職先不足といった新しい課題が生まれ始め、個々人の良い変化(チェンジ)が生まれにく、社会への不安は高まっているように感じます。

しかし、です。テロ事件やロヒンギャ難民問題といった暗いニュースが続く中でも、希望を諦めず、明るい未来を作りたいと頑張っている人たちがいるのもまたバングラデシュです。

Newyear2018 06

NHKドキュメンタリーに登場したシャフィやトゥシャといった大学生をはじめ、この国には難しい課題を解決しようと果敢に挑む挑戦者がたくさんおり、彼らを応援することをバングラデシュチームの新しい理念にしました。

当たり前のことな気もしますが、どんなに美しい計画があっても、それを実現するのは「人」の力であり、想定外のトラブルや壁にぶつかった時ほど、「挑戦する」力が問われます。

「世界の果てまで最高の授業を届ける」というミッションの実現のためには、どんな挑戦が必要なのか?生徒たちにとっての挑戦は?教える先生たちにとっての挑戦は?そして私たち自身にとっての挑戦は?

今年は「挑戦」についてしっかり考え抜きたいと思います。

責任

Newyear2018 07

2017年12月23日。法人化3周年を記念した感謝祭のゲストとして、これまで協働いただいてきた企業の方々をご招待しました。団体初となる試みになります。

今、私たちe-Educationはより大きな社会的インパクトを出すために、日本の教育業界を牽引する様々な会社や組織の方々と協働しています。その多くが著名な会社であり、一緒に途上国で活動できることが嬉しくてたまりません。

ただ、一方で今まで以上に強い責任を感じています。ある会社は私たちの協働をキッカケに海外展開のための新しい部署を作っていただきました。また別の会社は私たちとの協働を事業改革の中心に定め、他数カ国に展開するための準備を進めてくださっています。

他にも、現在海外インターンとして活躍している多くの大学生はトビタテ!留学JAPANという制度を利用して毎月奨学金を頂きながら活動しています。奨学金を受け取っている学生にも責任があり、受け入れ先である組織としての責任もあります。

「笑顔」や「挑戦」も非常に大事ですが、そこにどんな「責任」があるのか。仕事の時のみならず、海外における普段の生活も含め、決して忘れてはならないと心に深く刻みました。

「責任がプロ意識を育む」

これは私がマザーハウスという会社でインターンをしていた時に教わった言葉ですが、大きな責任は自分も組織も成長させる起爆剤になります。今年はこの責任の重さを大事に、社会を変えるスピードをもっともっと上げていきます。

「笑顔・挑戦・責任」を実現するために

いかがでしたしょうか?

目標を決めるまでに随分時間をかけてしまいましたが、それでも今私たちが大切にしたいこと、大切にしなければいけないことを、納得するまでしっかり整理できました。

もちろん新年の目標を掲げただけでは意味がなく、これから一人一人意識して行動することが何より重要ですが、できることなら、この目標をぜひこの記事を読んでくださった皆さんと一緒に実現していきたいと思っています。

皆さんと一緒に笑い合う。そのために真摯に挑戦している姿を伝え合う。気が緩みそうになっていたら厳しく責任を問いただし合う。

少し他力本願な気もしますが、昨年日本を離れたことで、誰かを頼りながら一緒に前に進む方法を学びました。少し不安はありましたが、みんなへの感謝の気持ちが増し、チームとしての団結感や絆は強くなったと思います。

「最高の授業を、世界の果てまで届ける」を皆さんと一緒に実現していこうと思います。

それでは改めて、2018年もどうぞよろしくお願いします。

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明日世界が終わるとしても、本人補足事項(e-Education代表 三輪開人) https://eedu.jp/blog/2018/01/29/nhk20180127/ https://eedu.jp/blog/2018/01/29/nhk20180127/#respond Mon, 29 Jan 2018 09:59:42 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46534 先日放送されたNHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』、いかがでしたでしょうか? 私も映像の録画データを送ってもらい、一人でゆっくり見返しました。自分が番組になるというのは、やっぱり少し恥ずかしく、なぜか緊 […]

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Nhk20180127

先日放送されたNHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』、いかがでしたでしょうか?

私も映像の録画データを送ってもらい、一人でゆっくり見返しました。自分が番組になるというのは、やっぱり少し恥ずかしく、なぜか緊張もして、変な汗が出てくるものですね。

NHKの方々と何度も打ち合わせたので、概ねの内容は分かっていたつもりですが、それでも番組後半につれて込み上げてくるものがありました。

取材を受けるまでの葛藤、取材中に大泣きした夜、番組終了後にいただいた感想。

ドキュメンタリーの放送を終えて、私からどうしてもみなさんにお伝えしたいことがあり、ここでご紹介させてください。

SPONSERD LINK

取材を受けるまでの葛藤

20160701

テロ事件の現場から少し離れたホテルから撮影(2016年7月1日)

「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

2016年7月1日。あのテロ事件が起こって以来、私はe-Educationの活動を、農村部の高校生たちの大学受験を応援するという活動を、100%信じることができなくなっていました。

大学受験の先に何があるのか。大学生が抱える痛みにもっと目を向けられたら、テロを防げたんじゃないか。考えだすとキリがなく、何度も悩んで悔んで、私は心の病気にかかりました。

思うように身体が動かず、これ以上みんなに迷惑をかけまいと、代表を降りようとしていたところ、職員全員から「1ヶ月休職命令」を受けました。

1ヶ月という長いお休みをもらって、自分の深い部分と向き合った結果、バングラデシュを拠点にするという決断をすることができました。休みを作ってくれ、私の背中を押してくれた仲間には本当に感謝しかありません。

Nakama2016

背中を押してくれたe-Educationの職員たち(左から薄井、吉川、三輪、中野、古波津)

「バングラデシュの若者の可能性を信じたい。私のことを信じてくれる仲間たちの応援に応えたい」

そう想うと自然と力が湧いて来て、福岡で開催されたICCというイベントでは、かつてないほど気持ちを込めてプレゼンすることができました。よかったらぜひご覧いただけると幸いです。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

そして、このプレゼンをご覧になった方々から講演や取材の依頼をいただくようになり、今回のNHKドキュメンタリーの企画も動き始めました。

「やった。みんなへようやく恩を返せる!」

そう思って取材を受けることを決めましたが、この直後、また悲しい事件がバングラデシュで発生しました。

それがロヒンギャ難民問題です。

取材中に大泣きした夜

2017年8月末。ロヒンギャと呼ばれる人たちがミャンマーでの争いから逃れ、バングラデシュに避難してきました。その数は日に日に増え、1ヶ月で40万人を超える人たちがバングラデシュに押し寄せました。

Rohingya news

約1ヶ月の間、新聞の一面はほぼロヒンギャ難民問題

新聞の一面はほぼ毎日ロヒンギャ難民であり、ミャンマー大使館の近くでデモを起こしている若者たちをニュースで見ると、涙が止まりませんでした。

「また止められないのか」

私たちe-Educationはミャンマーでも教育支援をしており、弱い立場の声を受け止められなかった悔しさと、どんな立場にたって支援して良いか分からない難しさで、また心が壊れそうになりました。

「カイト、僕たちで何とかしよう!」

そんな時、救いの声をかけてくれたのは今度もバングラデシュの仲間たちでした。テロ事件が起きた時と同じように、悲しみや怒りに流されず、今目の前にある問題を一生懸命解決しようとする仲間たちに、私は目を覚ましてもらいました。

彼らだけではありません。今は大学生となったe-Educationの元生徒たちがロヒンギャの人たちのためにぜひ活動したいと名乗り出てくました。

そのうちの一人が、番組にも登場したシャフィという青年です。

シャフィという希望

Shafe

『明日世界が終わるとしても』ウェブサイトより引用)

彼と初めて出会ったのは約5年前。彼が高校3年生の時、バングラデシュの農村で出会いました。

どうしてe-Educationの授業を受けようと思ったのと質問すると、彼はこう答えます。

「家族のためにも、僕は大学に行かなければならないんだ」

大学受験を前にして父親を失ったシャフィ。大学進学は家族の悲願でもあり、彼は朝から深夜まで一生懸命勉強しました。

しかし、現実は甘くありません。

ダッカ大学の受験に挑むも、結果は不合格。そして第二志望で国立大学へ進学することになりましが、彼は笑っていました。

「人生は入試の結果で決まりません。挑戦させてくれて、本当にありがとうございました」

Shafe2

彼は同じメッセージを後輩たちにも伝えてくれました

そして4年後。久しぶりに会った彼の顔つきはずいぶん大人になっており、大学生活の楽しさや悩みについてあれこれ聞きました。

「大学受験の時、挑戦できて本当に良かった。今度は僕が地元の後輩たちの挑戦を応援したい」

生活費をギリギリまで切り詰めながら大学に通っている彼が、誰かの役に立ちたいと頑張っている姿を見て、胸が熱くなりました。

彼のような大学生たちのために「奨学金&インターンシップ制度」を作り、大学生になったe-Educationの元生徒たちが、地元の中高生の学習サポートをすることで奨学金を提供するプログラムを作りました。

そして2017年9月。ロヒンギャ難民問題を目の当たりにし、シャフィたちは動き出します。

「彼ら(ロヒンギャの人たち)のために、今できる限りのことをしたい」

こうしてロヒンギャ難民支援プロジェクトが立ち上がりました。彼らの勇気ある行動は、私を含めたくさんの人たちを巻き込み、2万人を超える人たちに食料を届ける大きなムーブメントとなりました。

明日世界が終わるとしても

「バングラデシュで活動してきたことは、本当に間違っていなかったのか?」

テロ事件があってからずっと続くこの悩み。

取材を受ける中でさらに悩み、途中不安で潰されそうになりそうな時もありましたが、シャフィをはじめとしたe-Educationの元生徒たちと再会し、彼らと一緒に挑戦を続ける中で、心がどんどん晴れていきました。

Rohingya support

既に3回難民キャンプで支援活動を行なっている大学生トゥシャ

ロヒンギャ難民キャンプでたくさんのショックを受けながらも、明るい未来を諦めない若者たち。キラキラした目で未来を語る彼らこそがこの国の主人公であり、これまで応援してきたことを誇りに思えるようになりました。

「これまでやってきたことは間違っていなかった。バングラデシュに帰ってきてよかった」

言葉にした瞬間、涙が止まらなくなりました。

その日の取材が終わり、「私たちこそカイトさんと出会えて本当に幸せです」と彼らに言われて更に大泣きしたのは、ここだけの話です。

明日世界が終わるとしても、私は彼らのような若者の可能性を開いていきたいです。

Nhk20180127

番組終了後にいただいた感想

番組放送を終えて2日。記事を書いている今この瞬間も番組の感想メッセージを頂いています。

幼稚園から中学までずっと一緒だった幼馴染。一緒に甲子園を目指した掛西野球部の仲間。大学の居場所を作ってくれた先輩後輩や同級生。今でもずっと尊敬しているJICAの同僚。e-Educationの活動をずっと応援してくれてた方々。そしてどんなことがあっても応援し続けてくれる両親。

大好きな人たちから届くメッセージの中に「バングラデシュ」や「シャフィ」という言葉があるのを見て、もう一回泣きしました。

テロ事件やロヒンギャ難民の問題があって、どんどんイメージが悪くなっているバングラデシュという国。

それでも良いところはたくさんあって、でもそれを伝えるのが難しくて、ずっとずっと悩んできましたが、温かい感想をもらうたびに、バングラデシュのイメージが変わってきている気がして、嬉しくてたまりません。

温かいメッセージを送ってくれた皆さん、本当に有難うございました。

皆さんの見方が変われば、皆さんの想いがバングラデシュの若者たちに届けば、きっと未来は明るくなっていきます。

彼らと皆さんをもっとお繋ぎできるよう、これからも頑張ります。

皆さんへのお願い

最後に、皆さんへお願いがあります。

私たちe-Educationの活動は、みなさん一人一人の応援によって成り立っています。

毎月1000円の寄付があれば、家族のために大学へ進学しようと勉強している、村の高校生6人に教育を届けることができます。

また毎月3000円の寄付があれば、シャフィのような大学生1人が、毎月大学に通いながら地元の高校生のサポートを行うための奨学金を届けることができます。

「若者たちの力がテロではなく、未来に向かうように」

そのための道は、間違いなくシャフィたちが歩いてきた道であり、e-Educationの生徒たちがこれから歩いていく道であると、今、心から信じています。

彼らと最高の未来を一緒に作っていくために、ぜひご協力よろしくお願いいたします!

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e-Educationの活動を応援する »

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https://eedu.jp/blog/2018/01/29/nhk20180127/feed/ 0
新事業「GCMP」の開始と事業譲受に関するお知らせ https://eedu.jp/blog/2017/12/04/gcmp_start/ https://eedu.jp/blog/2017/12/04/gcmp_start/#respond Mon, 04 Dec 2017 05:01:27 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46069 みなさん、こんににちは。e-Education代表の三輪です。本日はみなさんに大切なお知らせがあります。 私たちe-Educationは、合同会社GCMPより人材育成事業を譲受し、世界で活躍するチェンジメーカーの輩出を目 […]

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Eedu gcmp

みなさん、こんににちは。e-Education代表の三輪です。本日はみなさんに大切なお知らせがあります。

私たちe-Educationは、合同会社GCMPより人材育成事業を譲受し、世界で活躍するチェンジメーカーの輩出を目的とした「GCMP(Global Change Makers Program)」事業をスタートします。

この記事では、これまでの経緯や今後の狙いについてご紹介させてください。

SPONSERD LINK

バングラデシュのテロ事件で見えた壁

20160701

私が新事業を実施する必要性を感じた大きなきっかけは、昨年バングラデシュで起こったテロ事件です。事件後、私は心の病気にかかりました。バングラデシュの若者たちがテロを起こしたあの事件が、自分たちのせいだと思ったからです。

そんなことあるはずもありません。ただ、それでも私たちはe-Educationバングラデシュの高校生たちの大学受験をずっと応援して来た数少ないNGOであり、卒業生たちがテロの主犯格であった若者たちと同じくらいの年齢だったことを思うと、いろいろ考えてしまいます。

自分たちだったら何かができたんじゃないか、バングラデシュの若者たちが抱く社会に対する不満や不安を受け止め、彼らの負の感情をプラスのパワーに変えていく手助けができたんじゃないか、何度も何度も悔やみました。

そして、映像教育支援の壁にもぶつかりました。私たちがこのまま映像教育を届けていった先に、テロ事件のない世界はあるのか。チャンスに恵まれない若者が誇りを持って生きていけるようになるのか。どんなに考えても「YES」とはっきり言うことはできませんでした。

「来年からバングラデシュを拠点に活動したい」

この壁を越えるために、私は今年の5月からバングラデシュを拠点に活動しています。

仲間たちに支えてもらいながら、私は今バングラデシュや他の活動国で何をすべきなのか考えました。そして映像教育支援の先にある可能性を発見することができました。

e-Educationの、その先へ

今年の8月末。バングラデシュで大きな事件が発生しました。ミャンマーでの争いから逃れたロヒンギャの人たちが、バングラデシュに避難してきたのです。

その数は今なお増え続けており、3ヶ月で60万人を超える人たちが難民としてバングラデシュにやってきて、今もギリギリの状態で生活しています。

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新聞の一面は1ヶ月近くロヒンギャ難民問題一色。Facebookのタイムラインにも毎日のように怒りや悲しみの投稿が溢れ、ミャンマー大使館の近くでデモを起こしている若者をニュースで見ると、涙が止まりませんでした。

「カイト、僕たちでなんとかしよう!」

涙を止めてくれたのは、バングラデシュの仲間たちでした。現地のスタッフに加えて、e-Educationの元生徒だった大学生たちが難民支援のための活動を開始しました。

今目の前にある問題を一生懸命解決しようとする仲間たちに、私は目を覚ましてもらい、彼らの活動を精一杯応援しようと決めました。映像教育支援の先にある未来が、そこにある気がしたのです。

そしてクラウドファンディングで集まった資金をもとに、今は大学生になったe-Educationの元生徒たちと一緒にロヒンギャ避難地を訪れました。

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詳細は別の記事でぜひご紹介できればと思いますが、私が見たものは間違いなく「希望」でした。どんなに大きな課題でも、今自分のできることを探し続ける元生徒たちを見て、私たちが作りたかった未来を見ることができた気がします。

「彼らのような、社会を変えていくリーダーをもっと増やしたい」

映像教育によってチャンスを切り開いた学生が、より大きな社会課題を解決するための挑戦の場を作るために、世界中の仲間と一緒に大きなソーシャルムーブメントを起こしていく流れを作るために、新事業「GCMP(Global Change Makers Program)」の実施を決めました。

「GCMP」事業化までの道のり

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「GCMP(Global Change Makers Program)」は私たちが0から作った言葉ではありません。

2009年、当時大学生だったe-Education創業者・税所篤快、事務局長・薄井大地ら4人の大学生が、「グラミン銀行グループと協働で100人の日本人大学生が課題解決に取り組む環境を創り出したい!」と立ち上げた活動であり、これまで約200名の学生や社会人がバングラデシュへやってきました。

2014年からは合同会社GCMPとして再出発を果たし、私もバングラデシュ渡航前の大学生に対して講義やワークショップを実施し、e-Educationと合同でイベントを開催するなど、これまでずっと連携を図って来ました。

そして本日。より大きな社会的インパクトを出すために、e-Educationと合同会社GCMPは一つになりました。具体的には、合同会社の事業を譲受し、e-Educationがこれまで実施して来た海外長期インターンプログラムの呼称が「GCMP(Global Change Makers Program)」となります。

日本の大学生たちが、そして世界中の若者が、社会課題の解決に挑むチェンジメーカーとなるよう、これまでに培った知見を活用しながら、事業を加速させていきます。

GCMPの新メンバーを募集しています!

早速、GCMPの募集が本日より始まっています。

フィリピン・ミャンマー・ネパール。e-Educationの活動地である3つの国で、長期インターン生として教育支援事業を推し進めていく大学生メンバーを募集しています。

詳細はぜひこちらを確認ください!

募集要項はこちら »

最後に

「これまでのe-Educationの海外長期インターンと現在募集しているGCMPで何か大きく変わることはあるのか?」

こんな質問があったとして、私からの回答は「大きな違いはありません」です。ただ、それでも小さな違いはあります。

「そもそもチェンジメーカーとは?」
「チェンジメーカーになるために必要なことは?」
「果たしてチェンジメーカーに近づけているのか?」

新しい名前が加わったことにより、こういった問いが自然と生まれ、より魅力的なプログラムになると確信しています。

途上国の教育課題に本気で向き合いたい、チェンジメーカーになりたい、そんな方はぜひともご応募ください。

新しい冒険を一緒に始めましょう!

GCMPの詳細はこちら »

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https://eedu.jp/blog/2017/12/04/gcmp_start/feed/ 0
何が正しいか分からないからこそ、誰を応援するかを大事にしたい https://eedu.jp/blog/2017/10/12/because_of_him/ https://eedu.jp/blog/2017/10/12/because_of_him/#respond Thu, 12 Oct 2017 09:52:03 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45435 みなさん、こんにちは。e-Educationの三輪です。 突然ですが、これまで何か大きな選択肢で悩んだことはありませんか?例えば、友人同士が喧嘩していて、どっちの味方になったらいいか悩んだ。そんな経験はありませんか? 私 […]

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Because of him

みなさん、こんにちは。e-Educationの三輪です。

突然ですが、これまで何か大きな選択肢で悩んだことはありませんか?例えば、友人同士が喧嘩していて、どっちの味方になったらいいか悩んだ。そんな経験はありませんか?

私は今、e-Educationの仲間たちと、バングラデシュとミャンマーのどちらの国でも教育支援の活動をしており、最近ニュースで話題になっている「ロヒンギャ難民問題」をどう受け止め、何をしたら良いかずっと悩んできました。

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誰もきっと間違ってはいないけど

「ロヒンギャ難民問題」は今に始まった問題ではありません。1970年代に一度、1992年に一度、合わせて20万人近い人たちがミャンマーからバングラデシュへ脱出しており、今年の8月までに30万に近い難民がバングラデシュの南部の国境近く移住していました。

そして今年の8月末、事件は起こりました。「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」によるミャンマー政府軍への襲撃が発生し、対抗策として軍による住民に対する過剰な封じ込めが行われ、50万人を超える大規模な新規難民の流出が生まれてしまったのです。

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「家を燃やされた」
「家族が目の前で殺された」
「何もかも失った」

バングラデシュに逃れて来たロヒンギャの人たちは、悲惨な現状を泣きながら語ります。これに対して怒りを覚えたバングラデシュの人たちはミャンマー大使館の前で大規模なデモを行い、アウン=サン=スーチー氏の「ノーベル平和賞」取り消しを求めるキャンペーンには40万人以上の署名が集まりました。

これに対して反対の声をあげたのは、ミャンマーの人たちでした。

「海外のメディアは過剰報道しすぎている」
「実はARSAが住民を虐殺している」
「そもそもロヒンギャはバングラデシュから来た不法移民だ」

どれも「絶対に間違いだ」と言えない意見であり、ミャンマーの人たちが怒りを覚えるのも、理解できるものがあります。

でも、見ていてただ辛くなるばかりでした。

バングラデシュの若者がアウン=サン=スーチー氏の「ノーベル平和賞」取り消しを求めるWEBキャンペーンに賛同すると、それに対してミャンマーの若者たちが怒りのコメントを投稿する。

こんなやりとりがネット上で飛び交い、さらには若者たちがデモ活動を始め出しているのを見て、私は一体どちらに寄り添い、何をしたらいいのか分からなくなりました。

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誰の責任とか、誰が悪いとか、そんなことはどうでもいい

二つの国が啀み合うようなニュースが飛び交う中で、私の目を覚ましてくれたのは、e-Educationを一緒に立ち上げたマヒンたち、バングラデシュの仲間たちでした。

「誰の責任とか、誰が悪いとか、そんなことはどうでもいい。今、困っている人たちのために、僕たちができることをやろう!」

彼らに目を覚ましてもらってから、私は彼らと1ヶ月近く、小さく緊急支援を続けてきました。様々な困難がある中でようやく必要な支援の形が見え、今クラウドファンディングに挑戦しています。

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本当はもっと早く寄付を募る予定でしたが、その前にどうしてもやらなければいけないことがありました。

「カイト、ジョセフに相談しよう」

ジョセフは私たちe-Educationのミャンマープロジェクトのパートナーであり、バングラデシュの仲間たちは今回寄付を募ることで、ジョセフたちがミャンマーで活動しにくくなることを最後まで心配していました。

そして一緒に話し合いました。ジョセフが、ミャンマーの人たちが、今回の件をどう受け止め、今何を思っているか。バングラデシュのマヒンとミャンマーのジョセフがお互いのことを思いながら話し合っている様子を隣で聞いていて、涙が出てきました。

ちょうど2年前。ジョセフがバングラデシュに来て、マヒンたちと楽しそうにお互いの目指す未来について語り合っていた日を思い出しました。文化も宗教も超えた絆を見たような気がして、あの日も気づいたら涙が出てきました。

Ideal future

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バングラデシュの仲間たちと話し合い、今回クラウドファンディングでは「e-Education」の名前を使わないことを決めました。

それはミャンマーの仲間を想うバングラデシュメンバーたちの強い希望であり、個人としてクラウドファンディングに挑戦しています。

クラウドファンディング終了まであと残りわずか。良かったら、ぜひ応援・ご協力よろしくお願いいたします。

クラウドファンディングで応援する »

迷った時こそ、誰を応援するかを大事にしたい

最後に。今回のクラウドファンディングにかける、もう一つの想いをご紹介します。

クラウドファンディングをローンチする前日の夜。私は、バングラデシュの仲間たちと最後のミーティングをおこなりました。

集まってくれたのは、これまで7年間一緒に教育支援のプロジェクトを進めて来た仲間と、彼らの支援によって大学に進学することができた元生徒たちでした。

「大きな国内機関と一緒に活動することはできないのか?」
「UNHCRはまだ登録されていない難民芯をすることができないから今協働は厳しいと思う」

「僕たちがやるべきなのは、本当に食糧支援なのか?」
「安全な水の確保は小さな団体だと難しい。それに既に別の団体が水道局に交渉をしている」

「2000人は全体のほんの一部だ。それでもやる意味があるのか?」
「ロヒンギャの人たちが、家族みんなで明日を迎えられるのであれば、理由はそれで十分だ」

彼らが本気で議論し、今できることを懸命に考え、それを一つ一つ行動に移しているのを見て、目頭が熱くなりました。

「彼らを信じて、最後まで応援し続けよう」

仮にロヒンギャの人たちがこれまでミャンマーに不法で滞在していたとしても、バングラデシュに流れ込むきっかけが警察による正当防衛であったとしても、政治的な対立などの理由からバングラデシュ政府や国際機関が動きにくい状態であっても、難民の長期的な受け入れが非常に困難だったとしても、そんなことはどうでもいいんです。

今、私たちの手の届く範囲に、今にも命を失いそうな人たちがいます。そんな彼らが家族みんなで明日を迎えられるよう、目の前で本気で頑張っている人がここにいます。

「何が正しいか分からないからこそ、誰を応援するかを大事にしたい」

これが今回のクラウドファンディングにかける、もう一つの想いであり、彼らの意志や行動に共感いただける方、もしくは私を信じていただける方は、ぜひ応援いただければ幸いです(今回の挑戦にかける想いを3分の動画にまとめましたので、ぜひご覧ください!)

ロヒンギャ難民支援が明日を迎えられるよう食糧を届けたい! – YouTube

明日を迎えることができないかもしれない人たちを助けるために、彼らを助けようと奮闘している若い挑戦者たちのために、ぜひ皆さんの力を貸してください。

どうかよろしくお願いいたします!

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クラウドファンディングで応援する »

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相次ぐNPO経営者の退任はピンチなのか?それともチャンスなのか? https://eedu.jp/blog/2017/07/19/yes_it_is_chance/ https://eedu.jp/blog/2017/07/19/yes_it_is_chance/#respond Wed, 19 Jul 2017 12:33:31 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=44696 気がつけば今年も半分以上が過ぎました。みなさんにとって、今年はどんな変化がありましたでしょうか? 私自身はというと、NPO法人e-Educationの代表という立場は変わっていませんが、生活の拠点を海外に移すという大きな […]

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Yes it is chance

気がつけば今年も半分以上が過ぎました。みなさんにとって、今年はどんな変化がありましたでしょうか?

私自身はというと、NPO法人e-Educationの代表という立場は変わっていませんが、生活の拠点を海外に移すという大きな変化がありました。

そしてもう少し範囲を広げて、私のまわり、NGO/NPOという業界全体に目を向けてみると、経営者の退任・キャリアシフトが相次いでいます。

果たして、このような状況はピンチなんでしょうか?それともチャンスなんでしょうか?

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尊敬する先輩経営者たちのキャリアシフト

今年に入って、私が尊敬する先輩経営者たちが相次いでキャリアを変えるというニュースが続いています。

認定NPO法人Teach For Japanの松田悠介さん。NPO法人SVP東京の岡本拓也さん。認定NPO法人ジャパンハートの吉岡秀人さん。

どなたも心から尊敬する経営者であり、3年前に私がe-Educationの代表になってから何度もアドバイスいただいてきた兄ような、恩師のような存在です。

そんな先輩経営者たちが今年、相次いで代表を退任してキャリアシフトするという話を耳にしたとき、まるで革命が起こったのかのような衝撃がありました。

「NGO/NPO業界で、何かが起こり始めている」

こう思いつつも、果たして明るい話題なのか暗い話題なのかも分からず悶々としていたところ、NPO法人クロスフィールズ代表の小沼大地さんが以下のような記事を書かれました。

NPO経営者の退任について、ポジティブな側面とネガティブな側面が客観的にまとめられているので、ここは思い切って「この状況は、誰にとってもチャンスである」という主観的かつ感情的な意見だけお伝えできればと思います。

退任した人たちにとってのチャンス

突然ですが、「トライセクター・リーダー」という言葉をご存知でしょうか?

端的に言えば、民間や行政といったセクターの枠を超えて活躍するリーダーのことを指す言葉であり、アメリカの副大統領を経てアップルの取締役になったアル・ゴア氏や、世界銀行→マッキンゼー→財務長官の首席補佐官→Facebookというキャリアを歩むシェリル・サンドバーグ氏などがその代表例として挙げられます。

彼らの共通点は、異なるセクターにおいてキャリアを積んでいることであり、見方を変えるなら、何度かキャリアを変えているからこそ、異なるセクターをつなぐリーダーになった、とも言えるでしょう。

ここに大きなヒントがあると思うのですが、複雑な社会課題を解決するためには、異なるセクター、異なる立場にある人たちが力を合わせる必要があり、今いる場所から離れて新しい視点や経験を獲得することは、社会を変えるためには間違いなくプラスになるはずです。

Teach For Japanの松田さんは、これからスタンフォード経営大学院のフルタイムExecutive MBAコースに進学されるそうで、これまでの経験を世界のリーダーたちと議論しながら昇華されることでしょう。

SVP東京の岡本さんは、現在次なるキャリアを模索しているようですが、先日お会いした時は今まで以上に柔かい雰囲気を纏われており、社会の課題を「どのようにして」変えていくのか、働き方や生き方も含めて探求されている印象を受けました。

ジャパンハートの吉岡さんにはしばらくお会いしていないものの、常に現場を中心に据えて活動し、持続可能なNPOの仕組みについて非常に鋭い視点を持たれていたことを考えると、今回の退任(に伴い、顧問という立場で現場を中心に活動される方針)は、ホラクラシーとといった新しい組織づくりへの挑戦な気がしてなりません。

異なるセクターに渡る。組織から個人に活動の主軸を置く。組織の構造自体にメスを入れる。先輩経営者のキャリアシフトを、このような挑戦だと想像(妄想)すると、やっぱりワクワクしてきますし、彼らに並ぶ経営者になりたいと心から思います。

新しい経営者・経営層にとってのチャンス

「彼らに並ぶ経営者になりたい」と書きましたが、元々私は経営者を目指していたわけではなく、e-Educationの活動もプロボノに近い形で関わってきました。

しかし、関わるに連れてもっともっと組織の変革を、その先にある社会の変革を一番近い場所で感じ取りたいと思い、2013年の10月に前職JICAを退職してe-Educationの活動に専念し、2014年の7月をもって代表理事に就任しました。

あれから3年。もちろん苦しいことや辛いことはありましたし、今も目の前の課題と向き合う毎日ですが、それでもこの3年間は最高に素晴らしい時間であり、素敵な仲間と一緒に挑戦できることは幸せ以外の何ものでもありません。

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先ほどご紹介したNPOの代表交代、経営層の変更について全ての事情を知っているわけではありませんが、それでも新経営者・経営層の人たちとお会いする中で感じたことがあったので、ぜひここで紹介させてください。

まずTeach For Japan新CEOの白田直也さん。まっすぐな目とアーティストのような空気がとても印象的で、本当に子どもたちのことが、教育の現場が大好きなんだろうなと感じました。元々Teach For Japanのプログラムを通じて教育現場に入った白田さんだからこそ、これからプログラムやサービスに「深さ」が生まれることでしょう。

続いてSVP東京の新代表を就任した藤村隆さん。藤村さんはe-EducationがSVP東京の支援を受けていた時からずっとお世話になっており、どんな人とも心地よい距離をつくるバランス感覚に感動していました。今では100人近い組織になったSVP東京が今まさに必要な力であり、さらに多様性ある団体に進化していくと確信しています。

最後に、代表交代のみならず理事メンバーも含めた経営層全体の入れ替えを行なったジャパンハートについては、もう見事としか言いようがないですが、中でも嬉しかったのが同世代の佐藤抄さんが理事になったことです。佐藤さんは以前クラウドファンディングで協働事業を作った時に大変お世話になり、当時から良い意味で他動的に新しい事業を作っており、きっとこれから組織全体として新しい挑戦が増えていくに違いありません。

こうやって新しい経営者・経営層を眺めてみると、彼らの経営参画によってどの団体も新しい「色」がつき始めている印象があり、それが自分のことのように嬉しく感じられるのは、やっぱり私もいわゆる2代目経営者だからでしょう。

私が代表になった2014年は迷いの連続でした。誰に言われたわけでもないのに、創業者(前経営者)を超えなければというプレッシャーを感じ、それによってどんどん心も足取りも重くなり、自分が辞めた方が団体は良くなるんじゃないかと思ったこともありました。

それでも「自分らしくいけばいい」と背中を押してくれた先輩経営者たちのおかげで、私は自分らしい「色」を大好きなe-Educationという団体に加えることができた気がします。

ちなみに、「自分らしくいけばいい」と言ってくれたのは、他でもない松田さん・岡本さん・吉岡さんの3人であり、彼らからバトンを渡された新経営者・経営層の皆さんは、きっと今までにない「色」を組織に加え、もっと大きな社会変革を起こしていくと心から信じています。

これからNPOへ転職する人にとってのチャンス

今回の代表交代や経営者の退任の話は、何も組織内の話だけはありません。

誰かが組織を離れる、ポジションを変える、ということは、少なくともそのポストが空いたり、新しい人が加わる(関わる)スペースが生まれることを意味します。

新しいスペースが生まれれば、そこには新しい「風」が吹きます。私たちe-Educationもまさに今新しい「風」が吹き始めており、ここで自慢の仲間を1人紹介させてください。

彼女の名前は椎木睦美。大学を卒業した後、青年海外協力隊としてマラウイの教育現場で活動し、帰国後e-Educationに就職しました。

途上国の経験については申し分なかったのですが、社会人としての経験は他の候補者に比べて少なく、私たちもまだまだベンチャー体質(さらに言えば男性のみの職場)であったことから、彼女が楽しく活躍できるか正直不安もありました。

しかし、入社してすぐにメンバーに溶け込み、大学生インターンともあっという間に距離を縮めていきました。さらに驚いたのは、入社2ヶ月で新規事業を考案し、それをベースに応募した三菱UFJリサーチ&コンサルティング主催のソーシャルビジネス支援プログラムで入賞したのです。

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写真は三菱UFJリサーチ&コンサルティングのFacebookページより引用

ちなみに、その新規事業はもともと私たち職員が何度も挑戦しようとしては踏みとどまった内容であり、そんな過去の議論は気にせず、自分がやりたいと思った事業に向かって真っ直ぐ進む彼女をみて、新しい「風」を確かに感じました。

3年前、e-Educationの職員は私1人でした。それから1人ずつ職員が増えていき、今では6人になりました。椎木をはじめ、新しく入ってくれる職員は必ず新しい「色」と「風」を持っており、それが組織を進化させていくということを学んだ3年間でした。

もし今、NPOへの転職を考えている方がいたら、それはきっとチャンスです。NPOの経営者・経営層が変わるタイミングは必ず新しい「風」が生まれやすい時期であり、良かったらぜひ一緒にNGO/NPOを盛り上げて生きましょう!

【e-Educationも新しい仲間を探しています】
現在、私たちe-Educationも新しい職員(2名)を募集しています。ご興味ある方はぜひ以下のページから募集内容をチェックしてみてください。

退任の賛否よりも遥かに大事なこと

ここまで「この状況(NPO経営者の退任)は、誰にとってもチャンスである!」という感情的な意見を並べてきましたが、当然ピンチな側面もあると思っており、今激動の中にいるNPO職員の方々や応援者・協力者の人たちにとっても退任について賛否が分かれることだと思います。

ただ、ここからさらに感情的な意見になりますが、退任が正しい選択だったかどうかは割とどうでもよく、それよりも「選んだ道を最高にする」といった意思と行動の方が遥かに大事です。

もしかしたら選ばなかった選択肢の方が比較的容易に目標へたどり着ける道かもしれません。ただ、別の道を選んだとしても、頑張れば目標へ辿り着けることは十分ありえますし、これが仕事の面白さだと最近よく思います。

大事なのは個人が、鏡に映る「自分」こそが主役だということ。自分で決めたゴールと選んだ道をどこまで楽しく、面白く走りきるかが重要で、その道が正解かどうかなんて関係ありません。

経営層から離れる人も、新たに経営者に入る人も、そして新たにNPOに入る人たちにとっても、起点はいつも「自分」と「今」であるはずであり、私は絶対NGO/NPO全盛期がこれから来ると信じていますし、それに向かって行動し続けると決めています。

私たちe-Educationは、世界の果てまで最高の授業を届けるというミッションの実現に向かって、今後も「団体史上最高」を更新していき、国際協力の歴史を変えるような挑戦を続けていきますので、興味を持ってくださった方は、ぜひ採用募集ページをご確認ください!

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正職員募集内容をチェックする »

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https://eedu.jp/blog/2017/07/19/yes_it_is_chance/feed/ 0
国際協力の歴史を変える!私たちe-Educationが中高生×映像教育支援にこだわる理由 https://eedu.jp/blog/2017/07/07/change_the_history/ https://eedu.jp/blog/2017/07/07/change_the_history/#respond Thu, 06 Jul 2017 23:54:51 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=44543 「君は、人類史をどう変えたい?」 これは私が社会人1年目の夏に、上司から与えられた課題です。突然の、そしてあまりに大きな質問に困惑し、しばらく考える時間をもらいました。 「人類史を変える」と言われて、ピンとくる人は少ない […]

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Change the history

「君は、人類史をどう変えたい?」

これは私が社会人1年目の夏に、上司から与えられた課題です。突然の、そしてあまりに大きな質問に困惑し、しばらく考える時間をもらいました。

「人類史を変える」と言われて、ピンとくる人は少ないでしょう。そもそも歴史を変えるとはどういうことなのか?一体誰の、どんな行為が歴史を変えたんでしょうか?

結局、前職を退職するまで質問の意図すら曖昧に理解したままでしたが、今e-Educationの活動を続けている中で、質問の輪郭と、それに対する暫定的な答えを持てるようになりました。

「中高生×映像教育支援で、国際協力の歴史を変える」

今回の記事では、私たちe-Educationが中高生×映像教育支援にこだわる理由についてご紹介したいと思います。

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あこがれの職場で感じた違和感

前職JICAは、私にとってあこがれの職場でした。日本の国際協力の中核を担うJICAの名前は、学生時代に私が旅した途上国で日本の代名詞となっており、国と国をつなぐ誇りある職場でした。

中でも、2回目の人事異動で私が赴任した人間開発部という教育を専門にした部署は、私が夢見た職場そのものであり、20代前半でありながら、途上国の教育省トップクラスの議論できる、本当にやりがいある場でした。

ただ、そんなあこがれの職場でも違和感を覚えたことが2つほどありました。

1つは組織構造について。JICAのウェブサイトに書かれている通り、JICAの教育担当部署は「基礎教育」「職業技術教育・訓練」「高等教育」に分かれていますが、「中等教育」を専門に扱う部署がありませんでした。

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教育 | 事業・プロジェクト – JICA

もっと踏み込んで調べてみると、中等教育分野における事業が少ないことが見えてきます。たとえば、高校生に対する教育支援の案件は、私が調べた限り1〜2件程度しか見つかりませんでした。

しかし、当然と言えば当然の話でもあります。もし私が途上国の教育大臣であったら、初等教育から順番にレベルを上げていく”ボトムアップ”のやり方か、国のトップを育てるために高等教育から改善していく”トップダウン”のやり方、このどちらかをきっと選ぶと思います。

でも、そうしたら一体誰が中等教育の課題を解決していくのでしょう?これこそが、あこがれの職場で感じた違和感の1つであり、国際協力のジレンマと呼ぶことにしました。

国際協力のジレンマ

2つ目の違和感、もう一つの国際協力のジレンマは「映像教育支援」にまつわる話です。

私はJICAに入る前からe-Educationの創業メンバーとして活動していたこともあり、社内勉強会をはじめとしたいくつかの場で、e-Educationの取り組みについて紹介する場を頂きました。

「このe-Educationの取り組み、映像教材を活用した教育支援が、JICAの活動の柱になることはないんでしょうか?」

思い切って上司や先輩職員に、こんな質問をぶつけてみたところ、「正直、厳しいと思う」という答えが返ってきました。

理由は大きく2つ。一つは、これまでJICAが築き上げてきた教育支援のモデルをすぐに変えることはできないということ。確かに、教員育成や学校運営改善は、国連や世界銀行など開発機関で働く人たちからも高い評価を受けており、日本にしかできない教育支援であるという理由は、納得のいくものでした。

もう一つの理由は、映像教育を活用した教育支援の成功モデルが不足していること。国際協力は国と国をつなぐ重要な事業であり、基本的には失敗が許されないものです。そんなリスクを発注側の先進国も、受注側の途上国も、受けることはおそらくないだろう。この理由も納得がいきました。

ただ、納得のいく理由があっても、違和感が消えるわけではありません。

「だとしたら、誰がこの分野で新しい歴史を作っていくんだろう?」

JICAのような公的開発機関では着手しにくく、民間企業でも事業化が難しい。課題の大きさも解決策の有効性もわからない。そんな領域で新しい“流れ”を作るのことができるのは、第三セクターと呼ばれるNGO/NPOではないか?

違和感を感じるたびに、e-Educationの事業の必要性を感じるようになりました。

「まだ早い」から始まる歴史への挑戦

「中等教育支援は“まだ早い”。初等教育において、もっと解決しなければならない課題が山ほどある」

「映像教育支援は“まだ早い”。パソコンが一台もないような学校で、どうやって映像教育支援をするんだ」

e-Educationの活動をはじめてから今まで、定期的にこのような問いをもらってきました。どちらも的確なコメントですが、どちらの言葉にもやはり違和感を覚えます。

「“まだ早い”が、“今”になったとき、一体誰が道を作るんだろう。その時のための準備を、一体誰がするんだろう」

「まだ」という以上、遅かれ早かれ「今」になる時はやってきます。例えばバングラデシュでは、初等教育の就学率は95%を超え、学校には400万台のPCを導入するという教育政策が動き出し、村の学校にも新品のパソコンやプロジェクターが置かれ始めています。

もちろん初等教育分野にもインフラ環境にも課題は残っていますが、確実に課題は小さくなりつつあり、同時に新しい課題が生まれ始めています。

中等教育分野ではどのような支援が必要なのか?パソコンやプロジェクターを学校でどう活用したらいいのか?

そんなテーマをもっと世に広めるために、私たちe-Educationは2015年9月に「第一回デジタル教育国際会議」というイベントをバングラデシュで開催しました。

ゲストスピーカーとして、教育大臣・ダッカ大学(日本でいう東京大学)学長、中央銀行総裁、など国の教育の未来を担うリーダーが一堂に集まり、新しい教育のカタチについて皆で考え合う場となりました。

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私たちのような小さく若い組織が、国の中枢にいる人たちと真っ向から議論することができたのは、「まだ早い」と言われる分野に対して目をそらさず、歴史の針を進めるための挑戦をしてきたからだ。そう感じました。

歴史の針をあと10年早く進めるために

国際協力の分野には、大きく分けて2つの歴史が存在します。一つは協力をおこなう先進国側から見た歴史、そしてもう一つは協力を受ける途上国側から見た歴史です。

ここで一つ質問です。どちらの歴史の方が変化が激しく、スピードが早いでしょうか?

答えは、協力を受ける途上国側です。バングラデシュやフィリピンの貧しい村の子どもたちがFacebookで遊んでいる。こんな光景は、国際協力をおこなう先進国自身の歴史にも存在しなかったシーンでしょう。「まだ早い」なんて言葉が届く前に、インターネットは貧しい村でも日常の一部になりました。

このスピードに、果たして協力を行う側に立つ私たちはついていけているのか?e-Educationの活動を進めながら、歴史の針が思った以上に早く進んでいることを、ヒシヒシと感じるようになりました。

「“まだ早い”を疑い、10年先の国際協力を先取りする」

国際協力の歴史を変える、私たちなりの方法。それは「まだ早い」という言葉をヒントに、協力を受ける途上国側のスピードを一緒に感じ取りながら、未来の課題を先取って解決していくことです。

中高生に対する映像教育支援は、その第一歩です。「まだ早い」ために失敗することもあるでしょう。ただ、私たちの失敗は、必ずやってくる未来の礎になると確信しており、私たちはこの分野でもっと突き抜けていきます。

歴史に挑む仲間を探しています

私たちの挑戦は、おそらく歴史に名前が残るようなものではありません。

途上国であっても、中学生や高校生が当たり前に学校に行くようになり、インターネットを活用して最高の授業にどこからでもアクセスできる。そんな未来は、きっとやってきます。

ただ、そんな未来は「まだ早い」と言われており、私たちはそんな未来を今に近づけるために、歴史の針を早めるために挑戦しています。見過ごされがちな未来の課題と、まだここにない未来の解決策を、少しでも早く途上国の歴史の1ページに刻み込んでいきます。

そのためには仲間が必要であり、私たちe-Educationは今、共に歴史へ挑む仲間を探しています。少しでも関心のある方は、ぜひ募集内容をチェックしてみてください!

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