9years

今日から2月ですね。

さて、知っている人もいるかもしれませんが、e-Educationの活動開始日はちょうど9年前の、2010年2月1日です。

法人登記はまだまだ先の話で、任意団体の口座を開設をしたのも2013年。自分たちが団体だったことの証明は何一つありません。

ただ、それでも2月1日にしたのは、創業者3人の出会った日だからです。当時はまだ全員大学生であり、まさかあの時に語り合った夢がここまで続くとは思いませんでした。

今日は、あの日から始まった9年間を改めて振り返ってみたいと思います。

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東進モデルで5大陸ドラゴン桜を

私たちの活動は「途上国版東進ハイスクール」や「最貧国版ドラゴン桜」などと呼ばれています。

バングラデシュを例にすると、首都ダッカにある有名予備校の先生たちの授業を撮影して、それをDVDにして農村の貧しい高校生たちに届けます。

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「バカと貧乏こそ、ダッカ大にいけ!」

こんなスローガンを掲げながら、不可能と言われていたNo.1国立大学受験に挑戦する生徒たちを全力で応援しました。そして1年目に1人の生徒がダッカ大学に合格し、現地では「奇跡の授業」と嬉しい評価をもらいました。

「今度は五大陸で、ドラゴン桜をやりましょう!」

ダッカ大学合格者が2年連続で生まれ、ようやく軌道に乗り始めてきた頃、創業者の税所が次に掲げた目標は、私の想像の遥か上をいくものでした。

大きなビジョンには、素敵な仲間が集まります。当時資金の目処は全くありませんでしが、「きっと何とかなる」という根拠のない自信で、前へ前へと進み続け、全国各地から勇気と行動力に溢れた大学生たちが続々と集まりました。

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ヨルダン、ルワンダ、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ガザ、ハンガリー、ベトナム、カンボジア、スリランカ、パラグアイ、ラオス、ネパール。バングラデシュも入れると14の国と地域へ活動が広がりました。

作ってきた映像教材は3000本以上。インターネットにアクセスできない貧しい中高生2万以上に映像教育を届けることができました。正直ここまで活動が広がるとは私自身も思っていなかったです。

失敗と限界。それでも前へ!前へ!!前へ!!!

もちろん失敗もありました。

2014年、私が代表になったからの5年間は決して順調と言えるものではありません。何度も資金が尽きかけ、限られたリソースで社会的なインパクトを出すために、活動する国を一つ一つ減らしました。あの悔しさは一生忘れません。

集中と選択を重ね、ようやく資金の目処と事業の方向性が見えてきたところで、想定外の悲しい事件が起こりました。バングラデシュのテロ事件です。主犯が若くて優秀な若者たちだと聞き、目の前が真っ暗になりました。

「e-Educationの活動に、果たして意味はあったのか?」

自分たちの活動を心から信じられなくなった私は、バングラデシュへ移住しました。今は大学生になった元生徒たちと再会し、彼らが今も変わらず逆境に挑戦する姿を見て、e-Educationの活動は決して間違いなかったと確信を持つことができました。

当時の活動の様子はNHKのドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』で放送され、今もWEBでダイジェスト版をご覧いただくことができます。ご覧になったことのない方は、9年間分の想いがギュッと詰まった4分の動画をぜひご覧ください。

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ダイジェスト版を視聴する »

旅はまだ終わらないし、終わらせない

「10年も経てば、きっと三輪くんもビジネスに飽きるよ」

以前、尊敬する経営者からこんなアドバイスをもらったことがあります。

e-Educationは今日で9年。もしかしたらあと1年で一気に興味を失うのかもしれませんが、今の時点ではそうは思いません。

私が特別というわけもありません。もともと飽き性ですし、ここまで続いていることに自分がびっくりしているくらいです。

きっとe-Educationはビジネスではないのでしょう。あえていうなら「旅」です。財宝のように光る途上国の若者たちの可能性を探して、仲間たちと一緒に光る原石を磨き、育てていく。そんな旅です。

だから今後の計画は?と質問されても、なかなかうまく答えられません。

10年連続ダッカ大学合格者輩出など、具体的な目標はいくつかありますが、絶対に達成できる自信はありません。

それでも、信じていることがあります。それはどんな困難があっても、仲間と一緒なら越えていけること。そしてその挑戦の先に泣けるくらい笑える感動があること。

今の仕事に誇りを持っているのは、壮大なゴールを目指しているからではなく、旅の途中にある困難をみんなと一緒に越えてきたからです。

だから、旅を続けます。何回転んでも、みんなで笑って前へ前へと進んでいく挑戦を続けます。最高の仲間と、素敵な支援者みなさんと一緒に。

9年分の感謝を込めて。みんなと一緒に10年目も頑張ります!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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