e-Educationでは、2022年12月1日〜2023年1月9日まで、冬季募金キャンペーンを実施しておりました。
本日は、冬季募金キャンペーンでご支援をいただいた皆さまからのご寄付が実際にどのように活かされているのか、その結果どういう成果が挙がっているのか、e-Educationのこれまでとこれからについて、お伝えさせていただきます。
私達e-Educationは、フィリピンの南部に位置するカミギン島とミンダナオ島カガヤンデオロ市という地域で活動をしています。
これらの地域は、2012年に大型台風センドンが襲来し、紛争の影響もあり、疲弊していました。
また、フィリピンは経済成長を遂げている国として知られていますが、貧困層の4割がミンダナオ島に集中していると言われています。
そして貧しい家庭の子どもたちは、働かなくてはならなかったり、14歳15歳という若さで結婚を勧められて早期妊娠などの理由から、学校を中退することが多く、学校に行けない現実があります。
そのため、e-Educationが取り組んできたのが、平日は仕事や子育てをしている若者が土曜日だけ学校に通う公共制度、オープンハイスクール・プログラムでの支援です。
しかし、このオープンハイスクール・プログラムの運営は、地元の先生たちがボランティアで運営していたため、先生の不足や教材の不足が課題でした。
そこで、オープンハイスクール・プログラムでe-Educationと一緒に作った映像授業の提供が始められ、これまで150本以上の映像授業が2000人の生徒に提供され、成績の向上など良い変化が見られました。
2020年からは、新型コロナウイルスの影響で、フィリピンの学校も閉鎖され、学びに遅れが生じる状況になっています。
2年半にわたり学校に行けなかったことで2700万人の生徒が学習の機会を失いました。
学校からプリントを受け取って自宅で勉強することはできましたが、友達に会えないことやコロナの不安から生徒たちは不安や孤独感を抱えました。
そこで、地元の優秀な大学生をオンライン家庭教師として採用し、中学生へ授業を届ける「StudyCo」をスタートさせました。
中学生の居場所づくりにも力を注ぎ、多くの生徒が熱心に参加してくれました。
特に、クリスという生徒は、宇宙工学の仕事に携わりたいという夢を持っており、そのために理系に強い高校に進学したいと願っていましたが「StudyCo」に参加するためのスマートフォンやパソコンを持っていませんでした。
クリスの夢を応援するため、e-Educationは「StudyCo」に参加できるよう端末を貸し出し、日々の授業に加えて受験対策を行いました。
クリスは半年間、勉強に熱心に取り組み、希望していた理系に強い2つの難関高校に合格することができました。
この経験から、 「学校が閉鎖されていても勉強を続けることができる」こと、そして「勉強を続けていれば志望校に合格できる」、そんな夢をクリスが証明してくれたと、私達e-Educationにとっても大きな気づきとなりました。
そして、今年も「StudyCo」での高校受験支援が開始されました。
冬期募金キャンペーンでご支援くださった皆さまのおかげで、現在30人以上の生徒にStudyCoでの高校受験支援を届けることができています。
フィリピンの中学校は2年半閉鎖されていましたが、2022年8月から再開し、中退してしまった子どもたちが参加するオープン・ハイスクール・プログラムも再開されることが決まり、子どもたちの勉強する環境が徐々に徐々に戻りつつあります。
しかし2年半もの学校閉鎖の影響は大きく、e-Educationはこれまでのノウハウも元に、学校の先生や教育局の方と連携し、アフターコロナの教育について議論を行っています。
冬季募金キャンペーンをはじめとした皆さまからのご寄付をもとに、今後も生徒へ学びを届けていきます。
改めまして、ご支援をいただいた皆様におかれましては、感謝申し上げます。
今後とも「最高の教育を世界の果てまで」届けるために、応援のほどよろしくお願いいたします。
冬季募金キャンペーンの詳細はこちらからご覧ください。