はじめにINTRODUCTION
「教育によって、私たちはバングラデシュの若者たちの人生を変えている」
そう信じて活動を続けてきた私たちにとって、2016年7月1日に起きたダッカ襲撃テロ事件は、その信念を根底から問い直される出来事となりました。
日本人7名を含む人質22名が命を落としたこの事件から、10年が経とうとしています。
実行犯の中には、大学進学を果たした“エリート”と呼ばれる若者たちもいました。
どうすれば、バングラデシュの若者が、テロではなく未来へ向かえるのか。
あの日から私たちは、考え続けてきました。
そして2026年。
私たちが今向き合っているのは、教育を通じて若者たちが「自分にも未来がある」と信じられる社会をどうつくるか、という問いです。
バングラデシュでは、徐々に改善はしているものの、いまだに経済的格差に起因する若者たちの教育格差は深刻です。
世界銀行の報告書によると、大学に進学した若者の約3分の2は都市部出身であり、さらに半数以上が「父親も高等教育を受けている家庭」の出身です。
農村出身で、貧しい家庭に育ったイムランさん(2025年にe-Educationの支援を受けた生徒)はこう語ります。
大学受験について、何から始めればいいのか、誰の指導を受ければいいのか、どのように勉強を進めればいいのか、まったく分かりませんでした。
適切な指導を受ける機会がありませんでしたし、経済的な理由から、対面の予備校に通うこともできず、孤独でした。
2026年4月に行ったスピーチコンテストで自身の受験体験を話すイムランさん
課題と解決策ISSUES and SOLUTION
進学に必要な情報が届かない。
費用を理由に、挑戦する前から夢を諦めてしまう。
そばで「あなたならできる」と信じてくれる人がいない。
そんな現実の中で、若者たちは時に、自分の未来を信じることができなくなってしまいます。
経済的な壁
農村部の若者たちが進学を諦めざるを得ない背景には、家庭の経済状況があります。
多くの家庭は、農業や日雇い労働などの不安定な収入に支えられており、受験料や教材費、都市部の予備校に通うための費用は、大きな負担となります。
特に男子生徒は、中学生・高校生の段階から、農作業や日雇いの仕事、運転手などとして家計を支えることを求められることがあります。
一方で女子生徒は、早い年齢での結婚や家事の役割を理由に、学び続けることが難しくなるケースも少なくありません。
さらに、予備校および大学は都心部に集中しており、受験をすること・大学進学をすることへの物理的なハードルも非常に高いのが現状です。
ロールモデルの不足
農村部では、親世代自身が高等教育はもちろん、中等教育すら十分に受けられなかった家庭も少なくありません。
そのため、「大学に進学することで、どのような未来が開けるのか」「受験にはどのような準備が必要なのか」を、家庭の中だけで知ることが難しい現実があります。
このような状況から、大学受験対策予備校に通うことができている生徒の中でも3割〜4割の生徒が途中で受験を諦めてしまっています。
だからこそ、若者たちに必要なのは、授業だけではありません。
進学に必要な情報を届け、費用の壁を少しでも低くし、そして「あなたならできる」と信じて伴走してくれる存在が必要です。
どうすれば若者たちは、もう一度「自分にも未来がある」と信じられるのか。
その問いへのひとつの答えが、ライフコーチ(オンライン家庭教師)制度です。
ライフコーチとは、e-Educationの支援を受けて大学に合格した卒業生たちが、今度は“次の世代”の伴走者として、後輩たちを支える仕組みです。
自宅で、ライフコーチと勉強をする受験生
彼らは、勉強を教えるだけではありません。大学受験という長く険しい道のりの中で、不安に寄り添い、励まし、時に心の支えになります。
「支えられた人が、次は支える人になる。」
テロ事件をきっかけに掲げた私たちのビジョン「人生に誇りを、社会には想いやりを」をまさに体現している仕組みです。
そこには、私たちが目指す“誇りと想いやりの循環”があります。
支えられた若者が、
今度は誰かを支える側へ
HOPE
実は、最初にご紹介したイムランさんの言葉には続きがあります。
迷っていた時、私はe-Educationに出会いました。何よりも大きかったのは、個別メンタリングの存在です。ライフコーチのマシユール兄さんは、私を導き、支え続けてくれました。落ち込んだときには励まし、前に進む勇気を与えてくれました。
e-Educationでの学びと伴走を通して、イムランさんは複数のトップ公立大学に合格。現在は、ジャガンナート大学で念願だった法学を学んでいます。
そして彼は、こう続けます。
今、私には新たな使命があります。かつて自分が支えられたように、今度は自分が後輩たちを支えたいのです。
特に、地方出身の学生たちが、かつての私のように迷うことがないように。自分の経験を共有し、目標達成をサポートしたいと考えています。
スピーチコンテストでイムランさんが優勝した時の様子。右から2番目がイムランさん。
一番右にいるのがイムランさんのお母様、左から3番目にいるのがイムランさんのお父様。
e-Educationの現地パートナー企業・BacBonの創業メンバーの一人であるアリフさんは、ライフコーチ制度についてこう語ります。
受験生たちは、一歩先を歩む先輩であるライフコーチのリアルな体験談に、自分自身の状況を重ね合わせます。「この人も同じように悩み、乗り越えてきたのだ」と深く共感し、途中で受験を諦めてしまう学生は大きく減少しました。
ライフコーチ自身にとっても、後輩をサポートする活動に関わったことで、彼ら自身が自分を振り返り、自己評価する機会を得ていると感じます。ライフコーチたちが後輩をメンタリングする中で、「自分はどうやってあの逆境を乗り越えただろうか」と自問自答し、自ら解決策を導き出して受験生に還元していきました。
そして今では、かつてライフコーチに教えられた受験生たちが、今度は次の世代のライフコーチになって戻ってきてくれています。彼らは「自分のメンターがこうやって道を切り拓いてくれた。自分も同じ壁にぶつかったけれど、今度は自分が誰かの人生を変えることができる」と感じているのです。
ライフコーチは、単に勉強を教える存在ではありません。
学生たちのマインドセットを変え、「自分にも未来がある」と信じる力を育てる、最も重要な循環なのです。
アリフさん
かつて迷い、支えられた若者が、今度は誰かを支える側へと歩み出している。
この“誇りと想いやりの循環”は、バングラデシュで確かに広がっています。
寄付で実現したいことDONATION
バングラデシュでのライフコーチ制度は、今では150人のライフコーチと、700人以上の卒業生へと広がりました。卒業生の中には「e-Educationは単なる教育機関ではない。e-Educationはコミュニティであり、自分の心の支えだ」と言ってくれる生徒もいます。
一方で、まだまだバングラデシュの国内では私たちの活動を必要としている人たちが多くいます。
目標金額の100万円が集まると、昨年対比で約1.7倍となる500名の生徒に質の高いe-Educationの教育サービスを届けることができます。
より多くの生徒に教育を届けるためにすでに行っているのが、これまでの支援では十分にカバーしきれなかった農村部の生徒たちへのアプローチです。e-Educationの職員である上杉が先頭に立ち、卒業生やライフコーチたちとともに農村の学校を直接訪問するアウトリーチ活動を実施しています。
この直接訪問を通じて、学校の先生に説明会を行い、生徒一人ひとりにe-Educationの提供するオンライン教材と学習機会の価値を直接伝えています。また、農村部出身のe-Education卒業生の話を高校生が直接聞ける機会を作り、彼らにとっての新しいロールモデルを生み出しています。こうした活動を通じて、さらなる教育格差の是正に貢献したいと考えています。
どんな環境で生まれ育っても、「自分にも未来がある」と信じられる教育を届けるために、ぜひご寄付という形で応援いただけないでしょうか。

※お支払い方法はクレジット、銀行振込をお選びいただけます。
皆さまからのご支援は、ひとりの若者が大学受験に挑む力となり、その若者がいつか誰かを支える力へとつながっていきます。
バングラデシュの若者たちが、未来へ向かう一歩を踏み出せるように。
そして、その一歩が次の誰かの希望につながっていくように。
その“誇りと想いやりの循環”を、バングラデシュの高校生へ、そして次の世代へと広げていくために、どうかあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
e-EducationについてABOUT US
15ヶ国5万人以上の子どもたちへ
2010年、大学生3人がバングラデシュの農村部チャンドプールの集会所にパソコン数台を持ち込み、映像授業を活用した教育支援をスタートして以来、e-Educationは延べ15カ国5万人以上の子どもたちに映像授業を届けてきました。
そして時代や子どもたちの環境に応じて、集会所に通う形から、インターネット環境がなくても学べるタブレットの無償配布、2,000もの授業がインストールされたアプリの開発、コロナ禍におけるオンライン家庭教師事業の展開、と常に進化してきました。
その結果、スタート地であるバングラデシュにおいては、No.1国立大学であるダッカ大学に16年連続で合格者が誕生し、2010年から2025年時点までで500名もの生徒が難関国立大学へ進学しています。
現在は、バングラデシュで培ったノウハウを、フィリピン・ネパール・ミャンマー・日本にも応用し、子どもたちに「最高の教育」を届けようと現地パートナー総勢100名以上と協働しながら様々な取り組みを行っています。
公的機関やメディアにも
ご寄付いただくと
ご支援についてのQ&A
- 寄付したお金はどのように使われますか?
頂いたご寄付はバングラデシュの若者の未来を切り開くための教育を届ける資金に使わせていただきます。 なお、e-Educationの活動地であるフィリピン、ネパール、ミャンマー、日本でも同様に困難に直面しながらも一生懸命に勉強している子どもたちの支援にも使わせていただきます。
- 利用できるクレジットカードを教えてください。
VISA、MasterCard、JCB、American Expressのクレジットカードをご利用いただけます。
- クレジットカード情報は安全に取り扱われますか?
はい、ご入力いただくカード情報は、当団体のサーバーを一切経由せずに、安全に決済システムに送信されます。
- 領収証は発行されますか?
いただくご寄付の領収証は、年1回、毎年1月下旬までに、前年の受領分をまとめて発行し、お送りします。確定申告でご利用ください。
- 寄付は、寄付金控除等の対象になりますか?
はい、認定NPO法人であるe-Educationへのご寄付は、税制上の優遇措置の対象となり、年間のご寄付の2,000円を超える金額のうち、約40%が所得税から控除されます。
P.S.
※お支払い方法はクレジット、銀行振込をお選びいただけます。
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