
2026年7月31日、花王グループのプレステージ化粧品ブランド「est(エスト)」(以下、エスト)のみなさまとともに、「探求のあかり基金 奨学生セレモニー」を開催しました。
当日は花王本社と、バングラデシュ・フィリピンをオンラインでつなぎイベントを実施。2026年度に新たに奨学生となったフィリピンの大学生2名の紹介と、2025年度奨学生であるバングラデシュの大学生2名による活動報告を行いました。
奨学生が自分自身の歩みや将来の夢を語り、その言葉を受け取った花王・エストのみなさまから、あたたかな応援のメッセージを届けていただく時間となりました。
花王グループのプレステージ化粧品ブランドであるエストは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、2022年より私たちe-Educationの活動をご支援くださっています。
都市部と地方部において教育格差の著しいバングラデシュやフィリピンで、地方にいる若者たちの教育支援のために、エスト製品の売上の一部をご寄付いただき、映像授業などの教育機会創出を、e-Educationと共に行なっていただいています。
「探求するすべての人の、あかりになりたい。」
そんな想いで始まった「探求のあかりプロジェクト」を通じて、アジアの多くの子どもたちに学ぶ機会を届けていただいてきました。
■エスト
「エビデンスベースの皮膚科学で一人一人の真実の美しさを引き出し、年齢にとらわれない自由な生き方を応援する」というパーパスのもと、スキンケアを中心としたさまざまな商品を提案しています。

2023年度には、さらなる途上国教育支援の一環として、大学へ合格した後も、経済的な理由から通い続けることが難しい学生を支援する「探求のあかり基金」を、エストとe-Educationが協働で設立しました。
これまでに、バングラデシュとフィリピンの大学生10名を奨学生として支援しています。

2026年度は、フィリピンから110名を超える応募が寄せられました。書類選考や面接を経て、厳しい環境の中でも学びを諦めず、自分の経験を将来の社会貢献につなげようとしている2名が選ばれました。
セレモニーでは、クレアさんとイアンさんがそれぞれ自分自身の想いを花王の皆さんの前でプレゼンテーションをしてくれました。

高校生の頃にお父さまを亡くし、現在はお母さまと、就学中の5人のきょうだいとともに暮らしているクレアさん。経済的に厳しい環境にありながらも、勉学と課外活動を両立し、高校を成績優秀者として卒業、フィリピンのトップ大学の一つであるフィリピン大学セブ校の会計学部へ進学しました。
セレモニーでは自分の人生の哲学と、将来の夢について力強く語ってくれました。
私に最も強い影響を与えてくれるのは、華やかなステージの上にいる人や歴史上の偉人ではありません。
日々どんな苦難にも負けず、思いやりと希望を持って真面目に生き、この国を陰でしっかりと支えている「ごく普通のフィリピンの人々」です。
本当の意味で豊かな人生とは、そうした「誰かや社会のために尽くす人生」なのだと、彼らの姿から教わりました。
彼らの生き方を見ているからこそ、私は自分の目指すべき道に迷いがありません。会計学の専門知識を身につけ、将来は自分が大切に思っている地域社会や人々の暮らしをしっかりと支えられるキャリアを築きたいです。

フィリピン南部科学技術大学の看護学部へ進学したイアンさん。
同学部は、約1,000人の受験者のうち、合格できるのは約80名という難関コースです。家庭に医学系コースへ進学できるほどの経済的な余裕がない中でも、夢を諦めきれず、懸命に勉強を続けて合格を果たしました。
イアンさんが医療の道を志す原点には、幼い頃の入院経験があります。病気がちで何度も入院していた際、優しく接し、自分の不安に寄り添ってくれた看護師との出会いから、「自分も医療を通じて誰かを支えたい」と考えるようになりました。
セレモニーでは、看護師として地域社会に奉仕するだけでなく、自ら医療制度を大きく変えるようなイノベーションを起こしたいと語ってくれました。
「あなたの夢は何ですか?」と聞かれると、私はいつも「幸せになることです」と答えます。
では、私にとっての「幸せ」とは何でしょうか?
それは、地域社会に奉仕すること、そして安定した仕事に就くことです。
私は将来看護師となり、医療を必要としている人々に寄り添うことで、この幸せを実現したいと考えています。そして研究やイノベーションを通じて、医療制度そのものをより良く改善していくことも私の夢です。
大学という新たなステップへ踏み出す今、みなさまと一緒にこの素晴らしい道を進めることを光栄に思い、とてもワクワクしています。
このような素晴らしい機会をいただき、本当にありがとうございました。
続いて、2025年度の奨学生であるバングラデシュのアキさんとアミンさんから、大学生活やこの1年間の活動について報告してもらいました。
奨学生として選ばれた当時に描いていた夢が、大学での学びや新たな出会いを通じて、少しずつ具体的になっていることが伝わる発表となりました。

アキさんは、ラジシャヒ大学で会計学を学んでいます。
出身地域では、女の子が高等教育を受けることに否定的な声も少なくありませんでした。家庭の経済状況も厳しい中、アキさんは自ら働いて学費を工面しながら、勉強を続けてきました。
大学では数字や財務に関する専門知識を身につけ、将来的には国家公務員として教育や行政の分野に携わることを目指しています。
そして、地元の女の子たちが教育を受け、自らの力で人生を切り拓けるような環境をつくりたいと考えています。
私は地方の農村部で育ちました。そこでは今も、多くの女の子たちが十分な教育を受けるうえで、さまざまな困難に直面しています。
私は将来、女の子たちの教育支援や女性のエンパワーメントに関わり、一人ひとりがより明るい未来を描き、平等な機会を得られる社会をつくりたいと考えています。
その目標を実現するために、現在は大学で真剣に学びながら、国家公務員採用試験の準備にも取り組んでいます。試験に関連する書籍を読み、英語力を高めるとともに、リーダーシップやコミュニケーション能力を磨き続けています。
努力を重ねること、焦らず粘り強く取り組むこと、そして学び続けることが、いつか自分の夢の実現につながると信じています。

アミンさんは、バングラデシュの名門・ダッカ大学で社会福祉を学んでいます。
お母さまの体調不良により家計が不安定な中、自ら家庭教師として働き、家族の生活を支えながら受験勉強を続け、大学へ合格しました。
アミンさんが学びを通じて向き合いたいと考えているのは、児童婚や女性の教育中断、宗教的な差別などの社会問題です。
セレモニーでは、大学での学びや社会活動について紹介するとともに、自分の夢が少しずつ現実になっていることへの喜びを語ってくれました。
大学では、社会政策や社会正義、人々の行動、専門職としての倫理、そして社会の中でさまざまな立場の人々が直面している課題について学んでいます。こうした学びを通して、調査や政策が社会の発展や、より良い変化を生み出すために、どのような役割を果たせるのかを理解できるようになってきました。
そして何より、自分がどのような分野で、どのように社会に貢献できるのかを考えるきっかけにもなっています。私にとって教育とは、知識を身につけるだけのものではありません。支援活動や調査、地域の人々との関わりを通して、学びを実際の社会貢献につなげていくための道しるべでもあります。
奨学生による発表の後には、エストのみなさまとの質疑応答を行いました。
「困難に直面したとき、どのように乗り越えていますか」
「将来、どのような仕事に就き、社会へ貢献したいですか」
「最近の、一番うれしかったこと、楽しかったことはなんですか?」
奨学生一人ひとりが、自分のこれまでの経験や、現在考えていることを、自分の言葉で回答しました。

また、スキンケアや化粧品に関する質問では、奨学生たちから自然と笑顔がこぼれました。
勉強や将来の社会課題について真剣な表情で語る姿と、好きな化粧品について楽しそうに話す姿。その両方から、それぞれの個性や等身大の大学生らしさが伝わる時間となりました。
セレモニー参加者からも、「熱心に自分の夢を語る姿と、流行りの化粧品について語る笑顔のギャップが印象的だった」という声が寄せられました。
セレモニーの後には、セレモニーに参加いただいたエストのみなさまから、奨学生へあたたかい応援のメッセージをいただくことができました。
「ご自身の夢が少しづつ現実になってきて嬉しいというプレゼンテーションを見て、自分まで嬉しくなりました。」
「みなさまの輝いている姿を見て勇気をもらいました。」「皆さんのバックグラウンドや想いを直接聞けて、探求のあかり基金がどれだけ役に立っているか実感しました」
「自分の若い頃に比べ、みなさんが人生について深く考え、周囲の方に感謝している姿がとてもかっこよく、感銘を受けました」
探求のあかり基金は、奨学生の学びや挑戦を後押ししたいという想いから始まりました。しかし、今回のセレモニーを通して改めて見えてきたのは、この基金が、誰かが一方的に支え、誰かが支えられるだけのものではないということです。
奨学生が、自らの経験や葛藤、将来の夢をまっすぐに語る姿は、会場にいた一人ひとりに、さまざまな気づきや前向きな刺激を届けてくれました。

今回のセレモニーは、奨学生とエストのみなさまがお互いに言葉や表情に直接触れることができる、顔の見える支援の機会となりました。
自分の夢を改めて言葉にすること。自分の挑戦を応援してくれる人の存在を知ること。そして、成長した姿を1年越しに伝えること。
こうしたつながりも、若者たちが学び続け、自分の未来を信じるための力になると、私たちは考えています。
これからもe-Educationは、エストのみなさまとともに、探求心を持って未来へ進む若者たちの「あかり」となれるよう、奨学生一人ひとりの挑戦を応援していきます。
改めまして、奨学生の未来を継続して応援してくださっているエストのみなさま、そして本セレモニーの開催にご協力いただいたみなさまに、心より御礼申し上げます。
今後も、奨学生たちの成長や挑戦の様子をお届けしてまいります。
【探求のあかりプロジェクト特設ページ】https://www.sofina.co.jp/est/esg/

