フィリピンでは貧困などの理由で普通の学校に通えない子どもたちが多くいます。
フィリピンのミンダナオ島北部で、普通の学校に通えない中学生たちに対して、現地の大学生チューターによる
授業支援とオンライン家庭教師によって、教育のサポートをしています。
ISSUE
解決すべき課題
活動地であるフィリピンのミンダナオ島は長い紛争の歴史や自然災害の多い地域として知られています。そのため貧困家庭が多く、勤労学生(Working Student)が多い要因となっており、平日は家族のために働かなければならないため、学校の中退を余儀なくされてしまいます。
そんな子どもたちが週末を利用して中学校卒業を目指せる「オープン・ハイスクール・プログラム(OHSP)」という公共制度が用意されていますが、十分な教材も先生も確保できておらず、子どもたちは学ぶ機会を取り戻すことができていません。
OHSPでは、「モジュール」という専用の参考書を使っていますが、解説や答えは詳しく書かれていません。にもかかわらず、モジュールを教える先生が不足しており、生徒は満足な教育を受けられているとは言えません。
そこで、地元の学校や、ミンダナオ島カガヤンデオロ市、カミギン島の両教育局と正式にパートナーシップを結び、このモジュールの内容を教える映像授業を一緒に作りました。現在は、日本の企業と協働して映像授業を制作し、現地の大学生チューターによる授業の支援や、オンライン家庭教師サービスも提供をしており、中退を経験した高校生も対象に広げています。
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約2000人の生徒に教育を届けました
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日本企業との協働
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現地法人を設立しノウハウを蓄積
これまでに複数のモデル校で映像授業、大学生チューターによる授業支援、オンライン家庭教師を導入し、約2000人の生徒が学んでいます。また、NTTコミュニケーションズからはCSR事業として、タブレットやPCの現地への寄付を通してご支援頂くなど、日本企業との協働も進んでいます。
また、現地が自律的に回る仕組みをつくるために、現地法人を設立して教育のノウハウを蓄積しながら活動しています。
今後は対象学年や科目を増やしていくことを検討するとともに、これまでの成果を中央教育局へ働きかけ、中退した中高生の学ぶ機会を広げる取り組みをフィリピン全土へ展開していくことも検討しています。
私は家庭環境から、オープンハイスクールで勉強することを選びました。どうしても、平日の学校に通い続けることが難しくなってしまったの。
父と母と兄弟3人、生活がとても厳しくて、家計を助けるために働きながら、何とかオープンハイスクールに通っているわ。
「オープンハイスクールでしっかり勉強して、良い学校に進学して、もっと良い仕事に就職して、家族を助けたい!」
その一心で、勉強と仕事を頑張っているわ。
数学が苦手な私たちのために、e-Educationのおかげで、苦手な数学もとても楽しく勉強できてるの。
e-Educationはもちろんだけど、支援してくれている日本の皆さんには、本当に感謝してもし切れないわ。