アイさんとのいつものミーティング風景
こんにちは!e-Education Projectインドネシア担当の尾崎綜志です。
教育機会の恵まれないインドネシアの子供たちに最高の教育を届けるために活動しています。
前回の記事では難航する先生探しの様子についてお話しました。
今回は、新しく決まった英語の先生や撮影風景についての様子を伝えたいと思います。
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ゲストのお出迎え
「空港に行くには何時に出れば良いんだっけ?」
僕は頭で考えます。
「道が空いていれば空港から家まで1時間半位だけど、渋滞を考えると…」
そう、今日はゲストが空港に来る日です。そのゲストとは「沼さん」。ミャンマープロジェクト代表の小沼武彦です!
軽装で到着した沼さんは、ミャンマーにはない飲食店に興味津々です。
沼: 「うわー、ケンタッキーあるじゃん。食べようよ!」
幸せそうな沼さん
沼さんの滞在中、せっかくなので僕も滅多に行かないジャカルタ中心部を見学に行きました。ジャカルタで最もハイレベルなモールが「プラザインドネシア」です。
中はブランドショップが並び、一瞬インドネシアにいることを忘れるほど。モールを歩いている人々は煌びやかな衣装を身にまとった、いわゆる「高所得者層」であり、経済発展を続けるインドネシアの勢いを感じることが出来ました。
ジャカルタのまさに中心部
日本食レストランを見てはしゃぐ沼さん
もちろん沼さんの滞在中は、活動に同行してもらいました。
マスターの様子や、アイさん、リアンと言ったパートナーを紹介しましたが、さすがだったのは現地に溶け込むスピードです。コミュニケーションをとるのがうまいですし、何よりミャンマーの話が面白いのです。色々な写真を見せて楽しませてくれるため、皆興味津々で沼さんに質問していました。
プロジェクトのその後や自分の将来について話すこともあり、非常に刺激になった3日間でした。
さらにゲストが!
そして偶然時を同じくして、以前からプロジェクトをサポートして下さっている稲垣さん・片庭さんも応援しに来て下さいました。
一緒にマスターの授業を見学したり、他の高校の授業に一緒に参加しに行ったりと、自分一人だったらやらなかったであろうことも体験することが出来て、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。
77高校の生徒と
みんなで1枚@BTA
英語の撮影
行き詰まっていた英語の先生探しでしたが、ついに希望が見え始めていました。ある先生が協力してくれるという返事をくれたのです!
その先生の名は「ファフミ先生」。パートナーであるリアンの友人で、英語専門塾の講師です。
彼は大学生ですが十分な講師経験があり、長時間の撮影も協力してくれると言ってくれました。なによりも魅力的だったのは、彼が教育で有名なジャカルタ州立大学(UNJ)の生徒であるということでした。
ただ授業するだけでなく、共に0から授業を考えてくれました。
実は現状でマスターの生徒が合格したことのある最難関大学の1つがUNJであり、UNJに行きたいという生徒は非常に多いのです。以前のアンケート結果でもインドネシア大学(UI)と並んで最も志望者数の多い大学でした。
マスターの生徒にとって、ファフミは言うなれば「憧れの存在」です。そんな彼の授業を撮影することは、非常に大きな価値を生むと考えたのです。
英語の先生も決まり、あとは撮影を進めて授業の用意をしていく段階に入りました。僕に残された時間もあと少し。果たして授業を開始して後任に引き継げるのか、あとは時間との勝負でした。
撮影と授業
最後に、撮影や授業について、今までお話出来ていなかった部分を説明したいと思います。
①撮影
アイさんらと話して撮影のコンセプトが決まりました。
どういうことか詳しくご説明します。
・マスターのため
先生はマスターの生徒が馴染みのある先生、あるいは目標になる先生を選びました。その結果がBTAであり、ファフミであったのです。先生達にはマスターの生徒の学習レベルを伝え、最終目標の大学入試合格レベルにもっていくためにはどのような授業を組めば良いのか話し合いを重ねました。
・マスターによる
順番が前後しましたが、「マスターによる」とはどういうことかご説明します。
このプロジェクトが他の国のプロジェクトと大きく違うのは、DVDを作ること自体も授業にしてしまおうという点です。実はマスターには芸術系の学部・大学を志す生徒がいます。それは普段から音楽などの芸術を通じて毎日お金を稼いでいるようなバックグラウンドがあるためです。
音楽を弾いてお金を稼ぎます
それを受けて、今回のDVDの撮影や編集は主にマスターの生徒にやってもらうことにしました。その彼の名はファルス。パソコンを器用に使いこなし、絵も上手な彼に頼むことで、一つのDVDという作品を作ることを体感してもらえればという狙いがありました。
ファルス
さらに、DVDのオープニングやエンディングに使う音楽に関しては、ゴルガという青年にお願いしました。彼は仲間を集め、自らが作曲した曲を得意のバイオリンで弾き、レコーディングまで行ないました。
右のバイオリン弾きがゴルガ
もちろん問題点もありました。撮影を生徒に頼むのですが、「朝9時に○○で」といってもまず遅刻してくるため、毎朝マスターへ迎えに行かなければなりません。
また撮影自体もプロではないため、「焦点が動いてしまうのはどうすれば良いか」「もっと明るく撮るにはどうしようか」「ビデオで読める字のサイズはどのくらいだろうか」といったところから一つ一つ一緒に考え試行錯誤していきました。
先生とファルスと撮影の出来を確認
本当に多くの人に助けてもらいながら撮影を続けていきました。
停電の日は非常用電灯をお借りして撮影に挑戦しました(先生の顔が青白くなってしまったので残念ながら途中で断念しましたが)。
②授業
授業はただ映像を流すだけでは不十分です。映像授業をうまく活用する必要があるのです。そのために僕らは毎回の授業の確認で使う問題集と、生徒をサポートするチューターという存在を用意する必要がありました。
僕はすでに協力してくれていたティヨやヨガ、リアンに協力をしてもらおうと考えていました。特に英語に関しては、スピーチコンテストで優勝したヨガがいます。彼なら喜んで引き受けてくれると考え、ヨガに話を持ちかけました。
僕: 「授業をサポートする人が必要なんだ。ヨガ、協力してくれないか?」
ヨガ:「ソウシ、僕には出来る自信はないよ。」
僕: 「?? 大丈夫だよ!キミ程の適任はいないくらいだよ!」
ヨガ:「僕は教えるのはあまり得意じゃないんだ。ごめんね。」
僕: 「そんな…」
必ずヨガならやってもらえると思っていただけにかなりショックな返答でした。でも、貧しい環境から必死で勉強してインドネシア大学への切符をつかみ取ったヨガにこそチューターをやってもらいたい!僕はある作戦を試みました。
いよいよ僕のプロジェクトも終盤です。続きはまた次回!お楽しみに!
大学最後の大勝負!部活一本だった僕が、インドネシアで新たな挑戦を始めます(一橋大学5年・尾崎綜志)
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