本日2月1日をもってe-Educationは設立から12年目を迎えました。
これも、いつも温かい応援をくださる皆さまのお陰です。
心より感謝申し上げます。
12年前、大学生だった三輪が、創業仲間とともにバングラデシュの農村の小さな集会所からスタートさせた「最高の教育を世界の果まで届ける」という教育支援活動は、たくさんの方の応援と協力を受け、映像授業という形で延べ3万人以上の子どもたちへ届けることが出来ました。
そして昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、e-Educationの活動意義は益々強まりました。
今日は、代表・三輪から皆さまへのメッセージをお届けする前に、パンデミック後の世界の教育状況についても併せてお伝えしたいと思います。
先週の1月24日は「教育の国際デー」でした。
国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、”教育の国際デー”に寄せてビデオメッセージを公開し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって世界中の子どもたちが学びの機会を失っていること、そして教育の重要性について次のように語りました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界中で教育を大混乱に陥れました。
ピーク時には約16億人の生徒や学生が、勉学の中断を余儀なくされ、その状況は未だに終わっていません。
今日、学校の閉鎖によって3,100万人以上の生徒の生活が未だ混乱しており、学びの危機は世界的に深刻化しています。
私たちが行動を起こさなければ、開発途上国において、学校を離れ文字を読めない子どもの割合は、53%から70%に増える恐れがあります。
しかし、教育の混乱はアクセスと不平等の問題に留まりません。
従来の教育システムは、すべての人々にとってより環境に配慮した、より良い、より安全な未来を創るために必要な知識、スキル、価値を上手く提供できずにいます。
国際社会は、教育の提供、品質、適切さに対して無知では済まされません。
私が今年後半に教育変革サミットを招集する理由は、ここにあります。
教育に対して、私たちが再び一致団結して取り組む時が来ました。
それは、生徒が失われた学習機会を取り戻すよう支援する包括的な計画への投資を意味します。
(ビデオメッセージから一部抜粋して記載しています)
(出典:国際連合教育科学文化機関HPより「Total duration of school closures」/2022年1月30日時点)
この世界地図は、各国における全休校と部分休校の合計期間を可視化したものです。
データ化されている210ヶ国中、日本は189位。パンデミック後に学校が全休校または部分休校となった合計期間は10週間となっていました。
そしてe-Educationが支援している4ヶ国は以下の通りです。
・ネパール4位 / 82週間(約1年半)
・バングラデシュ19位 / 73週間(約1年5ヶ月)
・ミャンマー26位 / 69週間(約1年4ヶ月)
・フィリピン44位 / 61週間(約1年1ヶ月)
いずれの国も1年以上休校や部分休校となっていました。
その中でもバングラデシュにおいては、全休校だけでみても63週間と世界で1番休校期間が長く、つい最近も、一時再開したもののまた休校となってしまい、いまだに休校期間は延び続けています。
しかし昨年、私たちe-Educationはこれまでの映像授業を進化させ、バングラデシュでは完全オンライン化へ挑戦しました。
そして、史上最多となる難関国公立大学合格者数を輩出することができました。
完全オンライン化で大事にしていたのは、最高の教育を届けるという授業の”質”だけではありません。
学校にも通えず、大学入試は何度も延期ー。
先の見えない中、日本以上に過酷な受験競争に挑み続ける生徒たちの心のケアも必須でした。
そこで活躍してくれたのが、オンライン学習コーチの皆さんです。
オンライン学習コーチは、全員優秀なバングラデシュの学生です。
彼らは、過酷な大学受験に打ち勝った先輩であり、生徒たちにとってのロールモデルです。
というのも、e-Educationの生徒同様に農村部出身で経済的に厳しい状況にある子がほとんどだからです。
コーチ自身が受験に挑む中での苦悩を抱えたことがあるからこそ、生徒に寄り添い、勉強だけでなく精神的なサポートが出来るのです。
そして2022年1月、バングラデシュではまた次の生徒への大学受験支援がスタートし、つい先日、e-Educationスタッフと共に生徒を支えていくオンライン学習コーチとのミーティングが開催されました。
ミーティング中、”木の上でオンライン授業を受けて合格を掴んだナジムくんのエピソードを記事やメールを通して皆さまへお伝えし、心温まるメッセージやご支援をいただいた”という話をナジムくん本人に伝えたところ、「ありがとうございます。僕の人生は困難なことばかりでしたが、自分を誇りに思えるし、この様なチャンスをくれたことに本当に感謝しています。」と皆さまへの感謝の気持ちも聞かせてくれました。
e-Educationで支援を受け、未来を切り開いた生徒たちが、今度は後輩を支援する側に。
このような恩送り文化が根付いてきているのも、たくさんの方の応援があってこそです。
そんな日頃から応援くださっている皆さまへ、e-Education代表・三輪からメッセージがございます。
いつも応援してくださっている皆さまへ。
《悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである》
これはフランスの哲学者アランの言葉ですが、僕たちe-Educationがコロナ禍で大事にしてきた言葉でもあります。
COVID-19は世界中の教育を大混乱に陥れました。バングラデシュやネパールは世界で最も
休校期間の長い国の一つとなり、子どもや若者たちに大幅な学びの遅れが生じています。
でも、僕たちはこの状況を「チャンスにする」と決めました。
学校に行けない、先生に会えない。そんな苦しい状況だからこそ、僕たちが10年以上信じてきた映像教育の力が必要になると信じて、これまでの映像教育支援に加えて、オンライン学習コーチといった新しい取り組みを開始しました。
試行錯誤の毎日で、度重なる休校延長や受験延期のニュースに心が折れそうな時もありましたが、それでも「楽観」であり続けられたのは、皆さまからの応援のおかげです。
皆さまの応援の声は、僕たちはもちろん、受験勉強をあきらめない生徒たちにとっても大きな支えとなり、みんなの力で大きなチャンスを掴んだ。そんな1年だったと思っています。
一人では悲観的になりそうな時でも、みんなと一緒であれば楽観的でいられる。ピンチをチャンスにすることができる。これが僕たちがコロナ禍で見つけた希望になります。
そんな学びと挑戦する勇気をくださる皆さまへ、改めて感謝をお伝えいたします。
いつも応援いただき、本当にありがとうございます。
認定NPO法人e-Education 代表 三輪 開人
現在も多くの子どもたちが学校へ通えずにいます。
日本であれば、学校や塾、予備校へ通えない中でも、たくさんの参考書や問題集の中から自分に合ったものを選んで勉強することも出来るでしょう。
しかしバングラデシュの農村部では、日本のような参考書も問題集もありません。
たとえ問題集を手に入れられても、そこには問題と答えしか書かれておらず、解説などありません。
だから解き方もわからずに、問題と答えをただ丸暗記するしかありません。
しかし、日本以上に熾烈を極めるバングラデシュの大学受験競争において、ひたすら丸暗記するしか選択肢がない農村部の子どもたちが、予備校へ通い解き方を学んだ都市部の子どもたちを上回り”合格”を掴むことが出来るでしょうか?
私たちe-Educationは、バングラデシュの農村部の子どもたちの選択肢を増やしたい。
丸暗記ではなく、有名な予備校講師による授業を、最高の教育を届けていきたい。
これまでの映像授業を進化させた完全オンライン化という形だからこそ
パンデミックで学校へ通えない状況下でもそれが可能です。
しかし、より多くの子どもたちに最高の教育を届けるためには、より多くの方からのご支援が必要不可欠です。
月々1000円のご寄付で、子ども2人に、2000の授業を受けられるタブレット端末を渡すことができます。
もし私たちの活動に意義があると感じていただけましたら、ぜひこの機会にe-Educationの活動を応援いただけないでしょうか?
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