e-Educationは、おかげさまで2月1日に創業から14周年を迎えることができました。
そして、去る3月2日(土)に【14周年イベント「~ともに。〇〇な未来を目指して~」】を開催しました。
当日は、オンラインとイベント会場合わせて約30人の方々にお越しいただきました。
お越しくださった皆さま、誠にありがとうございました!
本日はイベント当日の
・各国の活動報告
・海外インターン生の帰国報告
・新規事業の報告
・ブースに分かれての交流会
のうち、「各国の活動報告」について、たっぷりとお伝えいたします。
「こうやってe-Educationを応援いただいてる皆さんの前に立たせていただいたのは、実は4年ぶりになります」
「どうしてもコロナで皆さまをお呼びしていいのかどうか、悩んできた4年間でもあります」
そう言って初めに登壇したのは代表の三輪。
e-Educationの立ち上げからこれまでのストーリーを語りました。
e-Educationの活動は、バングラデシュから始まりました。
2010年に訪れた時、村で出会った高校生たちは「大学に行きたい」と言い、真夜中でも街灯の下で勉強し、帰宅後はランプの光で勉強していました。
彼らの挑戦を支援する方法を考えた時、三輪自身が高校生の頃に受けたDVD授業を思い出しました。
その後、バングラデシュの予備校の先生の授業を映像教材にして提供したところ、高校生たちは勉強に励み、大学入試に合格しました。
新型コロナウイルスにより受験が中止になりましたが、e-Educationの映像授業を利用し、13年間で500人以上の生徒が難関国立大学に進学しました。
また4年前、バングラデシュの事業を独立させるという宣言を行いましたが、その目標は達成されつつあります。
e-Educationと同じ頃に創業したバングラデシュの現地パートナー企業は、日本の9人のe-Educationスタッフに対し、130人のスタッフを抱えており、大きな成長を遂げています。
これは教育事業のアップデートによるもので、主に3つの変更がありました。
最初に、DVD授業からの移行があり、タブレットを用いた教育プログラムを導入しましたが、市場に合わず失敗に終わりました。
その後、どんなデバイスでも利用可能な教育アプリケーション「BacBon School」が開発されました。
これにより、生徒は授業を受けるだけでなく、学習の理解度を確認するテストも受けられるようになりました。
これらの私たちが制作してきた教育アプリケーションや教材が、2024年から2028年にかけて、USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)による支援もあり、全国の全ての高校2200校に導入される準備ができました。
さらに、コロナ禍でオンライン家庭教師プログラムも開始され、コロナによりアルバイトを失ってしまった大学生と、家から出れず学校にいけなくなってしまった地方の高校生をつなぎ、重要な事業の一環となっています。
私たちは「ピンチをチャンスに」変えることを信じ、コロナ禍以降4年間の苦難を乗り越えてきました。
コロナ禍では、予備校の閉鎖や受験期間の延長などの影響もあり、教育の需要が増加しました。
しかし、円安の影響で支援範囲が縮小し、昨年末に実施したクラウドファンディングによる皆さまからのご寄付が重要な役割を果たしました。
卒業生のなかには新たな夢を持つ学生も出てきています。
その1人、ナジム君はこう話してくれました。
カイトさん聞いてください。
新しい夢ができました。
これからはe-Educationの皆さんのような困っている人を応援する起業家に僕はなります。
そしていつか困った時には、今度は僕が恩返しできるような、そんなリーダーになりたいと思います。
彼らと出会えたことが私たちにとって誇りですし、彼らに想いが継がれている、こんな社会が近づいたら良いなと考えています。
最後に、バングラデシュには130人以上の仲間がおり、彼らの中には学校に行けない方や仕事を失った方もいました。
特にソニアという女性は、現地パートナー企業で働く前には路上で生活していたところ、現在は映像編集チームのシニアマネージャーに成長し、教育コンテンツの責任者として活躍しています。
現地の130人の仲間には、多様な背景を持つ一人ひとりがおり、最高の仲間がいる。だから最高の教育をアップデートし続けることができると信じています。
続けて、代表の三輪からネパールの事業について紹介が行われました。
ネパールは地理的にも社会的にも困難な状況にあり、特に都市部と農村部の教育格差が顕著です。
2015年の大地震では1万人以上が命を失い、2万5000以上の教室が失われました。
その後、教育支援が必要とされていましたが、従来のハードの支援だけでは不十分であることから、ソフトの支援も必要だということで映像教材を活用した支援を行いました。
これにより、中学校での映像授業が導入され、中学生の学習成果に大きな影響を与え、中学修了試験で一番の課題となっていた数学の合格率は支援前の15%から50%にまで上がりました。
また、教師のサポートのため、教科書で理解が難しい理科と数学に焦点を当てたり、映像授業の効果的な利用方法を研修するなどの取り組みを行いました。
2021年からは現地パートナー団体とJICAと共に、このモデルを全国の中学校に広げ「公共モデル」にする活動を行っています。
新しいスタッフであるシェルパ絢子も加わり、ネパールのパートナーとの結婚後、e-Educationへ参画を機にネパールに移住し、活動に参加しています。
さらに、現地関係者を日本へ招待する2回目の訪日研修が行われ、日本における教育プログラム「GIGAスクール」の導入の際の課題のヒアリングや、教育の実践者や教育委員会から学ぶ機会を作りました。
これにより、ネパールでもICT支援員の制度の導入を検討する動きが出るなど、国づくりの新たな挑戦が進んでいます。
「僕らはミンダナオ島という所で活動しています」
「マニラ、セブ、この辺りは知ってるよ、行ったことあるよ、そういう風に言っていただける方も多いんじゃないでしょうか」
こう話し始めたのは、副代表の坂井です。
坂井からはフィリピンのミンダナオ島の2つの地域の事業について、紹介が行われました。
ミンダナオ島のカガヤンデオロ市には人口が70万人、カミギン島には8万人が暮らしており、災害や紛争の影響もあり、約20%の子どもが学校に通いながら働いています。
しかし、新型コロナウイルスの影響で2年半も学校が閉鎖され、2700万人の子どもが影響を受けました。
この状況に対処するため、オンライン家庭教師プログラムを始め、子どもたちが笑顔と誇りを取り戻せるように取り組んでいます。
特に、高校受験を目指す中学生に対して受検対策の支援を行い、最難関の国立高校に1人が合格しました。
今は、100名以上の中学生にオンラインで教育プログラムを提供し、子どもたちの夢の実現を支援しています。
さらに、「国際協力の逆転」を目指し、途上国の力を借りて日本の課題解決を行うことも掲げています。
このプロジェクトでは、日本の教科書を起点として、日本の生徒が英語で「書く」「話す」を学ぶために、フィリピンのスタッフが英作文添削やオンライン英会話を行っています。
フィリピンでオンライン英語チューターを雇い、現地法人を設立し、日本の高校生に英語を教えています。
2022年から開始し、現在5500人の日本の高校生が参加しており、フィリピンにおける失業率の高い若者や高学歴者に対し、英語を教えるチューターの雇用も生んでおり、バングラデシュのチューターを含め、新たに150人の雇用が生まれました。
フィリピンのチューターの一人を紹介させてください。
英会話講師であるハニーは、家族を経済的に支えるために、1人で出稼ぎに行っていましたが、毎晩思い起こすのは家族のことでした。
家族と離れ離れになり、寂しい日々が続きましたが、それでも家族のために、と頑張って働いていた彼女に1つの試練が訪れます。
それが娘の1歳の誕生日を祝うことができなかったことです。
大好きだった家族を守るためにセブに行ったのに、目の前で1歳の誕生日を祝えなかった時に、彼女は決心して「やっぱり故郷に戻ろう」と思い、その時に見つけたのがe-Educationのオンラインチューターのプロジェクトでした。
そして彼女は今地元で大好きな家族と一緒に過ごしながら、頑張って働いてくれています。
2020年に創業していますが、6人だったチューターは今27人まで拡大しており、フィリピンで雇用を生み出すことができています。
国際協力の逆転を通じて、日本の高校生に最高の英語教育を届けている挑戦を、ご紹介させていただきました。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
たっぷりと当日の活動報告に沿ってお伝えさせていただきましたが、いかがでしょうか?
私たちには、海外で頑張る仲間、国内で支える仲間、それを応援して下さる日本の皆さまがいます。
そして何より、各国で逆境に屈せず人生を切り開こうとする子どもたちがいます。
今回の14周年イベントを通して、このつながりの温かさを実感することができました。
これからも活動を続けていくには、皆さまからのご支援やご協力が欠かせません。
引き続きe-Educationの応援をいただきますようよろしくお願いいたします。