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2022年度活動報告書&est探求のあかりプロジェクトについて

本日は、遅ればせながら「2022年度活動報告書」と、2022年度より始動しました「est探求のあかりプロジェクト」の誕生背景や、今年から始まった新たな取り組みについてお届けいたします。

 

2022年度活動報告書のご案内

私たちe-Educationが活動する国々では、コロナ禍の2020年から長らく学校の閉鎖や一部休校が続き、フィリピンにおいては子どもたちへ厳しい外出制限も課されていました。


2022年にようやく制限が完全解除されるも、子どもたちの学習への影響は大きく、学びの遅れを取り戻すために各国で様々な活動を行っていました。


詳細は2022年度活動報告書をご覧ください。


また、本日は、2022年度活動報告書にも記載しております「est探求のあかりプロジェクト」について、誕生背景からお伝えしたいと思います。

 

尽きない探求心と学びの心を応援!エストと連携した「探求のあかりプロジェクト」

尽きない探求心と学びの心を応援!エストと連携した「探求のあかりプロジェクト」

「探求のあかりプロジェクト」は、学ぶこと・知ることを通して、誰もが自分の無限の可能性に出会い、豊かで美しい人生を送る社会の実現のため、2022年6月よりエストがスタートさせたプロジェクトです。

2022年度は、エストの全商品の売上から総額260万円の寄付をいただき、e-Educationが行うバングラデシュの農村部に住む高校生たちに対する大学受験支援や、コロナ禍で学校へ通うことができないフィリピンの子どもたちに向けた高校受験支援の活動に充てさせていただきました。

この「探求のあかり」というプロジェクト名には、「探求するすべての人の、あかりになりたい」というエストの想い、そして、e-Educationの活動のキッカケとなったエピソードが由来となっています。



e-Educationの始まりは、代表の三輪開人がバングラデシュの農村に訪れた13年前に遡ります。

熱帯夜、三輪が涼もうと暗がりの田舎道を歩いていると、念仏のような声が聞こえてきました。
近づいてみると、街灯の下でひたすら教科書を読み返し、一生懸命勉強している子どもがいました。

その理由は、「家にあかりがないから」


また、貧しさと農村という環境下では教科書を読み返すしか勉強する術がないことを知った三輪は、生まれた環境に関わらず誰もが質の高い教育を受け、未来を切り拓いていけるようにと映像授業での教育支援をスタートさせました。

※映像授業制作のため撮影に立ち会う代表・三輪



村の集会所に設置したパソコンで、バングラデシュでもトップクラスの講師による映像授業を受けられるようにした2010年から、毎年連続でバングラデシュ最高学府のダッカ大学含む難関国立大学合格者が誕生し、2023年現在までで累計641名もの生徒が未来を切り拓いていっています。


現在は、お金もネット環境もない生徒でも勉強できる2000の授業が入ったタブレットや、添削機能やAIによる学力測定機能も付いた学習アプリの開発など、最高の教育を世界の果てまで届けるためにe-Education自身も探求し続け、子どもたちにとっての「探求のあかり」にもなっています。

※添削機能やAIによる学力測定機能も付いた学習アプリ

そして、「探求のあかりプロジェクト」から新たに、合格後の大学での学びをサポートする「探求のあかり基金」が誕生しました。

バングラデシュとフィリピンの大学生の学びを照らす「探求のあかり基金」

「探求のあかり基金」は、夢を持ち、学びたいという意欲があるにも関わらず年間約1万5,000円ほどの大学の学費を支払うことも困難なバングラデシュとフィリピンの大学生の学びを照らすため経済的に4年間サポートするものです。


2023年7月のest全商品の売上の一部が探求のあかり基金に充てられ、今年大学に入学した学生4名(バングラデシュ2名・フィリピン2名)が、選考の上、サポートを受けることが決定いたしました。


今日は、その4名を紹介したいと思います。


【バングラデシュ】

■Zakia Sultana(ザキアさん/ダッカ大学合格)

バングラデシュとフィリピンの大学生の学びを照らす「探求のあかり基金」

ーest基金に応募した理由は?

私の家は、母子家庭で、5人の兄弟と暮らしています。
母はマドラサ*の教師で、私もマドラサ*に通っていました。

母の月収は8,000タカ(約1万円)程度で、私たち家族を養うのに精一杯で、大学の学費を出してもらうことは不可能です。

母にこれ以上負担を掛けたくないと応募しました。

宗教や経済的理由で女性が社会で活躍することを諦めたくないです。

勉強に集中して、将来、家族や地域の子どもたちを支援したいと思っています。

*マドラサ…宗教的に厳しい且つ貧しい家庭の子が通うイスラム教育に特化した無償の学校


ー大学でどんなことを学び、将来に活かしたい?

アラビア語やイスラム教を専攻する予定ですが、英語も引き続き学び続けたいです。

将来は、アラビア語圏や途上国で、NGOや教師として教育に携わりたいと思っています。
また、大学で英語も学び、世界中の人と意見交換したり情報を得て、この広い世界を知りたいです。
そして、地域の子どもたちに世界の実情を伝えるような活動にも携わりたいです。



■Emtiaz Ahmed Shooab(エムティアツさん/ダッカ大学合格)


ーest基金に応募した理由は?

2022年に、服の仕立て屋を営む父が大病を患いました。

母が引き継いだものの月収は8,000タカ(約1万円)程度で、母は畑を耕し自給自足をしながら生活を支えてくれています。
父の薬代もかかるため、大学の学費を捻出することは困難だからです。

奨学金を得たら、勉強に集中し、様々な経験や幅広い分野で学びを深めたいです。


ー大学でどんなことを学び、将来に活かしたい?

ファイナンスを大学で学んで、将来は父親と同じようにお店を自分で持って、地域の雇用不足の解決に貢献したり、金融業界で働き、国に貢献するなどしたいです。



【フィリピン】

■Mary Ann Vidal(マリアンさん/フィリピン大学セブ校)

ーest基金に応募した理由は?

父は飲料水の販売を、母は自宅の空きスペースで食堂(いずれも非正規労働者)を営み、月収は7,000ペソ(1.8万円)程です。

両親は勉強好きな私の進学を応援してくれていますが、大学進学するには奨学金を得る以外にないと応募しました。

奨学生に選ばれたら、自分のような境遇の子でも夢を叶えられるということを、同じような子たちに伝えることもできると思ったので応募しました。

ー大学でどんなことを学び、将来に活かしたい?

経済的に困っている両親を見てきたことから、経営やビジネスに関心があります。
コロナ禍の外出制限で家から出られない間、私は映画や本に元気と勇気をもらいました。
その経験からも、将来は素敵な作品を届ける企業を経営戦略の面でサポートし、自分と同じ様な人々に元気や勇気を与えていきたいと思っています。



■Jannen Kate, Labrada(ジャネンさん/リセオ・デ・カガヤン大学)

ーest基金に応募した理由は?

2011年に発生した大型台風センドンで、母と兄弟を亡くしました。

現在は父と二人で生活しています。父は警備員の仕事をしていて、収入が不安定な上に、糖尿病を患ってしまいました。
父を助けるためにも奨学金は必要不可欠だからです。

ー大学でどんなことを学び、将来に活かしたい?

将来は医者になりたいです。
人を助けることが出来るし、収入も安定するからです。

また「検査代がもったいない」と病院に行こうとしない父親の診断もしてあげられるからです。

リセオ・デ・カガヤン大学は、私の住むカガヤン・デ・オロ市で唯一医学コースに進める学部があるため受験しました。
経済的理由から諦めることなく、勉強を頑張りたいです。

「探求のあかり基金」第1期奨学生の選考を終えて

バングラデシュとフィリピンの2カ国で、4年間の大学生活を支援する「探求のあかり基金」第1期奨学生の募集をスタートし、たった3日で100名を超えるエントリーがありました。

最終的には2カ国合わせて809名もの学生がエントリーしてくれていました。

その中から4名を選んだ各国のカントリーマネージャーと現地パートナースタッフは、「この子も選んであげたい」と本当に悩みながら選考を重ねていました。

反響が大きいということは、それだけ、支援がないと大学進学が困難な学生が多いということでもあり、改めて今回のエストとのプロジェクトから誕生した「探求のあかり基金」の意義を感じるとともに、もっと多くの学生を支援できるようにe-Educationとして出来ることについて考える機会にもなりました。

皆さまの声を聞かせてください

今回の「探求のあかり基金」の奨学生の選考過程で、多くの学生が経済的事情から進学が困難な現状にあることを痛感しております。

もし、e-Educationとして、こうした学生の支援をするための寄付キャンペーンを実施したとしたら、応援していただけますでしょうか?

寄付キャンペーンではなく、もっとこうしたら?など皆さまのご意見や、今回の取り組みに対する感想など、ぜひ皆さまの声を聞かせてください。

以下のアンケートフォームよりお送りいただけますと幸いです。
アンケートフォームはこちらから

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