現地情報

【インタビュー】父の死を乗り越え、夢に向かって努力する少女

季節は早くも初夏を迎え、関東では日ごとに暑さが増してまいりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

日頃から情報発信活動を支えてもらっているインターン生の大岡が、フィリピン・ミンダナオ島でe-Educationの生徒へインタビューをしました。

大岡にとって初めての途上国。
彼女が見たこと、知ったこと、感じたこと。
それを応援いただいている皆さまにお届けしたい。

そんな想いから今回は彼女自身の言葉で伝えていただきます。


【インタビュー】積極的ではなかった生徒が支援を受け

はじめまして。

4月から新インターンとなりました、大岡美葉と申します。

現在は主に国内インターンとして広報業務を担当、9月からは海外インターンとしてフィリピン・ミンダナオ島へ渡航予定です。

本格的な活動はこれからですが、3月にフィリピンへ行ってきました。

実は今回が、私にとって初となる途上国の訪問です。

印象的だったのは、超高層ビルのふもとに並ぶカラフルな屋根と、吹き曝しの家。

綺麗な服を着て、ショッピングモールで楽しくお買いものをする子の横には、学校に通えず、家計を支えるために、ずっと両親の仕事の手伝いをする子。

豊かさと貧しさが同時に広がる光景は、決して忘れることができない現実となり、深く心に残っています。

不法地帯居住地区のある通り




現地のパートナーや生徒とも交流を行いました。

対話の中で気づいたのは、貧困は複雑で、一人一人に様々な背景があるということ。

生まれながらに貧しいだけが理由ではなく、突然の身内の死や家族との絶縁、会社の倒産による生活の破綻など、多様な人生の物語がありました。

今回ご紹介するジェッサも、そのうちの一人です。

今までの生活が父親の死によって、突然変わってしまった。

昨日までの豊かな暮らしが、今日突然消えてしまったら、皆さんは何を考えますか?

日本では当たり前の、「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が守り切れていない場所。

そこに、何が起きてもくじけず、夢を持ち続ける一人の少女がいました。

今回はe-Educationの生徒、ジェッサさんのインタビューをお届けします。

ジェッサ・タムピピ・デル・プエルトさん




ーー自己紹介をお願いします。

はじめまして。ジェッサ・タムピピ・デル・プエルトです。出身はフィリピンのカママンアン地区です。今は10年生(日本の中学3年生に相当)です。

家族は母と兄が2人の4人家族、私は末っ子です。



ーー学習支援を必要としていた時期、家庭や経済状況はどのような状態でしたか?

私の父は数年前に他界しました。

家の収入は母一人の稼ぎだけで、非常に不安定な経済状況でした。

また、父が亡くなったときは借金を返す必要があって、母はとても苦労していたのを覚えています。毎日毎日、寝る間も惜しんで働いていました。

学校に通えなくなりそうになりました。



ーーどのようにe-Educationを知り、なぜ参加しましたか?

学校でe-Educationのことを教えてくれる人がいて、そこで知りました。

無料で質の高い教育を、そして仲間と一緒に高め合いながら勉強する機会を与えてくれます。

より一層、知識を深めることを助けてくれるので、とても良いです。



ーー学習支援によって、自己成長や自己評価にどのような変化がありましたか?

私は、たくさん努力をするようになりました。

これまでは学校が終わった後、ただ家に帰って、宿題をするだけ。

それ以上の勉強をすることは絶対になかったです。

でも、e-Educationの学習支援のおかげでとても刺激を受けました。

たくさん勉強したいという気持ちになります。

知らないことを優しく、楽しく教えてくれる先生がいつもいて、とても素敵です。



ーー学習支援を受けて、将来の目標や夢に対してどのような影響がありましたか?

私はこれまで積極的なタイプではなかったです。

でも、 学習支援を受けてもっと積極的になれば、より立派な人に近づけると思うようになりました。

これからはもっと、物事に対する知性を深めて、将来に繋げていきたいです。



ーー将来の夢は何ですか?

将来の夢は航空エンジニアになることです。

もっと言うと、一番はNASAで働きたいと思っています。

そのためにとても良い大学に通って、学業を修めたいです。

e-Educationの支援のおかげで、私には一緒に高め合える仲間がいます。

どんなときでも、一生懸命に諦めず、努力し続けることができます。


仲良しのローズマリーさんと




ーー支援をしてくれた全ての人へ何か伝えたいメッセージはありますか?

私たちを支援してくださり、本当にありがとうございます。

直接お会いできないにも関わらず、私たちのためにしてくださる、今日の皆さまのあたたかいご支援が、私たちに実りある、目標を達成するため、そして夢を叶えるための、より多くの機会を与えてくださいます。

心より感謝しています。

インタビュー後の写真。現地パートナースタッフと



どんな状況にあっても希望を失わずに努力し続けることの大切さを教えてくれる、彼女の力強いメッセージが心に深く響きます。

ジェッサのような子どもが安心して学び続けられるように、私たちe-Educationはこれからも活動していきます。



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