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【学び続けたい】政変の影響を受けても夢を追い続ける少女アミン

皆さまは今、この瞬間にも先の見えない暗闇の中で必死に前を向こうと生きる若者たちがいることを知っていますか?

「自分の力ではどうにもならない外部の力によって、自分の可能性が制限されてしまうような気がしました」


これは、バングラデシュの政変に巻き込まれたことによって、18歳の高校生アミンが発した言葉です。

本日はe-Educationの支援プログラムに参加してくれている、アミンがこの政変を受けて、今置かれている環境、そして将来への展望についての想いをご紹介いたします。


【学び続けたい】政変の影響を受けても夢を追い続ける少女アミン

これはバングラデシュの高校3年生の少女、アミンが国で起きた大規模抗議活動をきっかけに、デモと勉強に迷いを抱きながら、いま自分にできることをしようと向き合ったストーリーです。

アミンには兄弟姉妹はいなく、まだアミンが小さい頃に両親が離婚し、お母さんと2人で暮らしています。

お母さんは清掃員や家政婦といった仕事をしながら、「足が痛い、腰が痛い」と身体の不調をアミンに訴えていましたが、それでも生活をどう切り盛りするかを優先して働き続けていました。

しかしこの夏から「ものすごく背中が痛い、身体が弱ってる」と言うようになり、仕事ができなくなってしまいました。

身を粉にして頑張ってきた母を見てきたアミンは今、母の代わりに、週7日も家庭教師として、中学生2人、小学生4人の6人に勉強を教えていて、ひと月に14,500タカ(日本円で19,000円程度)も稼いで家計を支えています。

インタビューに答えてくれてアミン

そんな最中、バングラデシュの政変が起こりました。

この政変は、今年6月に公務員採用の優遇枠をめぐって学生たちが抗議活動を開始し、やがて一般市民を巻き込んだ全国規模の抗議運動へと発展。

政府庁舎の外に駐車していた車両が放火されるなど、抗議運動はエスカレートしていき、1,500人以上の若者が命を落とすまでに至る大規模なものとなりました。

デモ運動が起きてからアミンは家庭教師もできなくなり、収入も無くなってしまいましたが、何とかお母さんをお医者さんに診せて色々検査してもらいました。

治療代と薬代で15,000タカ。アミンが毎月稼ぐ給料よりもお金がかかってしまいました。

お金を稼ぐために、家庭教師の仕事をしたい。

しかし、デモの影響で、アミンは家から出ることが許されていませんでした。

デモが過激になり、お母さんからは「外に出ないで」と言われます。頭では分かっているのです。

お母さんは自分のために、身の安全のために言ってくれていることを。

そんな中、Facebookを通して、より良い未来を求めて自らの身の危険を犯してでもデモに参加する学生がいることを知りました。


 
「彼らは闘っているのに自分は何もできないで、このまま家にいるだけでいいのか?」
とアミンは、自問自答を繰り返し、一度だけお母さんの反対を押し切って、デモに加わるために外へ行くと、自分のすぐ近くで爆発が起きました。

どれほど多くの死者が出て、ここでは戦いが起こっていて、どれだけの若者が苦しんでいるのかを目の当たりにし、やっぱりお母さんの言う通り安全な家にいる方がいい。

でもその一方で危険を承知で現状を変えようと行動する若者たちが大勢いる。

「私はどうすればいいの?」


悩みや不安が頭の中で駆け巡り、アミンの心を曇らせていきました。

デモの影響は生活だけに支障をきたしているわけではありません

アミンの将来の希望である大学へ通うための道筋にも大きな影を落としました。

アミンはデモが起こる前に考えていた将来の夢について教えてくれました。


 
なぜ心理学を学びたいか
を聞くとアミンはこう答えました。


 
とアミンは当時の事を振り返ってくれました。


アミンは周囲の人に精神的に支えられてきた経験から、大学に通って勉強をし、そこで得た知識や経験を元に自分の将来を変えていきたいと思っていたのです。

しかしアミンはデモの期間、学校へ通うことができませんでした。

高校3年生のアミン。大学に進学するために、毎日必死に勉強をしてきましたが、このデモの影響を受けて大学入試は延期が決定しました。

受験までの6か月間、この間も勉強を続けたいけど、その日一日を生き延びるのに必死なアミンにとって高額なお金を払って塾に通うのは金銭的にも難しい。

たとえ塾に通えたとしても、家の外では爆発音が鳴り響いており、いつ巻き込まれてもおかしくないような環境の中、塾まで通うのは大変危険です。
  
             
自宅で勉強するアミン

今のままだと何年も大学受験のために頑張ってきたことが、政治の影響を深く受けてすべて無駄になってしまう。

そう思っていた時、アミンは先輩からの紹介で、e-Educationのプログラムと出会いました。

Facebookの投稿を確認すると、一定の条件を満たせば無償でオンラインで受講できることが分かりました。これはアミンが理想としていた学びの形と一緒です。

審査の結果アミンは条件を満たし、実際にプログラムに参加してみると、自分の家庭教師の仕事と勉強のバランスを取りながら、知識を体系的に学べて自分の日常のルーティンを犠牲にしないで済むことが分かりました。
  
             
文系・理系問わず3,000の授業と10,000の問題を制作&提供

しかも、自分と境遇が似たライフコーチ(大学生家庭教師)が勉強のことはもちろんのこと、日々の悩みにもアドバイスをくれました。

これにより、アミンは希望を捨てずに勉強を続けることができました。

私たちはアミンに、「政変によって、勉強以外の側面でどんな悩みや心配が出ましたか?」と聞くとこう答えてくれました。                
 
e-Educationの
ライフコーチとは、過去にe-Educationの支援を受けた大学生たちです。

アミンはライフコーチに関して、                
 
と話してくれていました。
 
  
             
ライフコーチ(左)とオンラインで話す過去のe-Educationの生徒(右)

私たちe-Educationは自分の行動に正解がない中で、今できることを少しでもしようと懸命に前を向いて行動するアミンの話に心を打たれながら、彼女に「今回のデモを経て将来の夢に何か影響はありましたか?また、なんでその夢を持つようになりましたか?」と聞きました。

アミンは話します。                
 
大学進学後は、世界のあちこちで生じている
複雑な問題を乗り越えるために自分にできることを準備し、希望の輪を広げていきたいと話すアミン。

18歳の少女がこの不条理な世の中に懸命に立ち向かっています。

最後に、アミンからさまへ、メッセージをお預かりしました。
  
             
 
e-Educationではこのような学ぶ機会を失ったものの、自分の将来の夢に向かって懸命に努力する若者に
「テクノロジー × ヒト」の力を使って、“希望の授業”を届ける活動をしていきます。

どうか、支援を待っている子どもたちが未来を切り開けるよう、力をお貸しください。
 

 
 
 

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