皆さまの中にも、過去にご利用になられていた方もいるかもしれませんが、
(株)新興出版社啓林館さま発行の高校英語教科書「LANDMARK」と「LANDMARK Fit」に、e-Educationが取り上げられました!
「LANDMARK」および「LANDMARK Fit」は、SDGsに関連する題材を取り入れ、英語を学びながら社会課題に触れることも出来る教科書になっています。
その題材の1つとしてe-Educationが選ばれ、高校1年生向けの英語教科書にe-Educationの創業時の話や活動内容が英語で描かれています。
少しだけ皆さまにもお見せしたいと思います。
e-Educationの創業者・税所(さいしょ)と代表の三輪が大学生インターンとしてバングラデシュに渡航していた際に出会った街頭の下で勉強している子どもの話や、バングラデシュでは先生が不足していること、そこで映像授業での教育支援を始めたことなどが書かれています。
e-Educationの活動を、日本の子どもたちに“教育”を通して知ってもらえる機会をいただけたことにスタッフ一同感激しています。
この嬉しいお知らせに加えて、e-Educationが教育支援をスタートした時のお話もしたいと思います。
この写真は、まさに12年前、e-Educationが映像授業での教育支援をスタートした場所です。
バングラデシュの首都ダッカから船で6時間ほどの場所にあるハムチャー村にあるこの建物にパソコン数台を運び入れ、村に住む生徒32名がここに通い、映像授業を何度も見返し学んでいました。
そもそも、なぜハムチャー村からスタートしたのか?
その理由の1つに、この村で出会った“子どもたちの可能性”がありました。
ハムチャー村は、バングラデシュのチャンドプール県の中にある農村です。
三輪が街灯の下で勉強する子どもと出会ったのも、ここハムチャー村でした。
「家族を助けたい、そのために大学へ行きたい」と、ひたすら教科書を読み返す子どもに出会った三輪は、ダッカとハムチャー村を幾度となく行き来し、調査や活動準備を進めました。
その調査で浮かび上がってきたのは、バングラデシュにおける教育格差問題と、その教育格差が貧困の連鎖にも繋がっているという課題だけではなく、村の子どもたちの可能性でした。
超学歴社会のバングラデシュでは、どこの大学を卒業したのかだけでなく、HSC( Higher Secondary Certificate)という高校卒業試験の成績も就活の際に明記されます。
また、HSCの成績はA+からDまで複数段階あり、ダッカ大学などの難関大学はA-以上でないと受験することすらできません。
村の高校生約100人にアンケートを取ると、約22%の子がHSCの成績がA-以上、難関大学を受験する資格があったのです。
※写真は、バングラデシュ最高学府ダッカ大学。
しかし、このハムチャー村で難関大学へ行けたのは、過去40年間でたった1人しかいませんでした。
それはHSCと大学入試のレベルには大きな乖離があり、HSCとは違う大学受験のための勉強が必要だからです。
そもそもハムチャー村含むチャンドプール県にある中学や高校には、教員資格を持つ教師の数が全体の半分にも満たず、大学受験に必要な授業を行える教員・講師が不足しています。
バングラデシュの受験生の多くは、都市部の予備校へ通うか、家庭教師を雇い勉強していますが、ハムチャー村の子どもたちの親の月収は5,000タカ〜10,000タカ程度。
予備校へ通うには12,000タカ〜19,000タカが必要です。
A-以上という難関大学を受験する資格があるのに、お金がなくて大学受験に必要な勉強ができない…
そこでe-Educationは、死に物狂いで独自に受験勉強を続けていた32名の生徒を迎えて映像授業を活用した大学受験支援をスタートしたのです。
※写真は、e-Educationの支援を受けダッカ大学に合格した一期生。
スタートした初年度、32名中18名が大学合格、その内1名はなんとバングラデシュ最高学府のダッカ大学合格を果たしました。
その後も、毎年連続で難関大学合格者が誕生し、現時点で難関大学合格者数は累計465名にも昇ります。
そして6月、今年もまたダッカ大学の入試が始まりました。
※e-Educationバングラデシュ 担当インターン生・今津千尋(写真中央)と、受験生を支えてくれた学習コーチ