“僕(三輪)にとって、今年2回目のバングラデシュ出張は、e-Educationのルーツを紐解いて結び直す、そんな時間だったのですが、出張ハイライトは何と言っても、バングラデシュの最高学府であるダッカ大学の合格速報を、喜びを、現地の仲間たちと一緒に味わえたことです。
「やった!5人目だ!」
「わお!!6人目...いや、7人受かった!!」
「8人、9人、10人...止まらない!最高だ!!!」
大声を出して喜んでいたのは、e-Educationの生徒たちを最後の最後まで応援しきった現地の若きリーダー・ラジョン。
彼はもともとe-Educationの生徒であり、ダッカ大学に合格「できなかった」若者です。
不合格の結果を目の当たりにしても、なお、「僕はe-Educationの生徒であることを誇りに思う」と感謝の言葉をくれたラジョン。
大学に入ってからも経済的な理由で何度も退学の危機になりましたが、奨学金として彼の学費をサポートしようと思ったところ、「無償ではもらいたくない。e-Educationのインターンとして生徒をサポートさせてほしい」と、現地インターン第一号に名乗り出てくれました。
そんな彼の想いもあって生まれたのが、オンライン家庭教師プログラムです。
コロナの影響で学校に通えなくなった村の高校生と、バイト先を失った都市部の大学生を繋ぎ、双方の課題を解決する事業が生まれたのは、彼の原体験から生まれる強い想いがあったからに他なりません。
今年の合格発表の日は、ラジョンたちと一緒に仕事をしていました。
次々と届く合格速報...と同じように届く不合格の速報。
一喜一憂しながらも、ラジョンは生徒たちに同じ言葉を贈り続けます。
「ここが本当のスタートラインだ。今度は君たちが(オンライン家庭教師として支えてくれた)お兄さんやお姉さんのようなリーダーになる番だ!」
素晴らしいメッセージだったよ、とラジョンに声をかけると、
「10年前に、開人さんからもらった言葉だよ」と満面の笑みで返してくれた時には泣きそうになりました。
東大入試に2度落ちて、自暴自棄になりそうだった昔の自分。
その時、通っていた予備校の恩師から「三輪くんには力がある。僕と一緒に受験生を応援してみないか?」と背中を押してもらい、勉強することの面白さや誰かの夢を応援する仕事の楽しさを学び、受験の合否が人生のゴールではないことを教わりました。
恩師に出会って18年。
e-Educationの活動をはじめて12年。
気がつけば人生の半分近くを教育支援の活動に注いできましたが、この道を選んで本当に良かったと心から思います。
《思うは招く、想いは渡る》
Nothing is impossible(不可能なんてない)という言葉は、創業時から大事にしてきた言葉であり、気がつけばe-Educaitonを応援・協力してくださる方々みんなの言葉になりました。
言葉に込められた想いには、夢を応援する力があります。
コロナ禍で国内も苦しい状況が続いている中、遠い国の子どもたち・若者たちのことを想い、日々応援してくださるサポーターの皆さまには本当に感謝しかありません。
これからも「最高の教育を世界の果てまで」というミッションを実現するために、一歩一歩前進していきますので、良かったらこれからも応援を、そしてこの機会に応援いただけたら本当に嬉しいです。”
私たちe-Educationは、皆さまのご支援によって様々な事情、環境にある子どもたちへ「最高の授業」を届けることができています。
しかし、実は届けられているのは、それだけではありません。
e-Educationに出会う前まで、ダッカ大学はじめ難関大学の「受験なんて貧しい自分には到底無理だ」と、受験自体を諦めそうになっていた子どもたちに、「これなら行けるかもしれない」「やれば自分だって出来るんだ!」と、“希望”や“誇り”も子どもたちに届けられているのです。
たとえ不合格という結果になっても、「最高の授業」そして「希望」と「誇り」は子どもたちの未来を明るく照らしてくれています。
三輪が語ったラジョンさんも、その1人です。
そしてまた9月から、新たな生徒を迎えてバングラデシュの大学受験支援がスタートします。
Nothing is impossible(不可能なんてない)
という合言葉を胸に、私たちe-Educationとともに、引き続き、未来を切り拓こうとしている子どもたちを応援いただけますと幸いです。