本日は、先日開催した日本での新しい取り組み「越境児童(海外にルーツを持つ子どもたち)支援」のイベントの様子をお知らせさせてください。
7月10日(水)に実施した、代表の三輪開人による越境児童(海外ルーツの子どもたち)支援事業に関する活動説明会の様子についてお届けします。
今回のイベントでは主に
・越境児童を取り巻く課題
・e-Educationが目指している方向性
についてお伝えさせていただきました。
約20名の方にご参加いただき、参加者の方からは
「各地域の優秀な人材を活用されている事業モデルに感銘を受けました」
「学習言語の習得の難しさを体感できたことが、今日の一番の学びでした」
など多くのメッセージを寄せていただきました。
そこで今回はイベントに参加できなかった方々も、ニュースレターを通して日本に暮らす海外ルーツの子どもたち、「越境児童」について少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。
これまで私たちe-Educationは、アジア4か国において映像教材を活用した教育支援を主な活動として行っていましたが、この6月から新しく越境児童(海外ルーツの子どもたち)に対して「最高の教育」を届けるための支援活動を開始しました。
私たちe-Educationは静岡県にある「虹の架け橋 菊川小笠教室」と連携することになりました。虹の架け橋とは、過去14年間に渡り、来日直後の越境児童を対象に日本語や日本文化を教えている教室です。
e-Educationは、私たちの強みであるオンライン学習支援を生かし、母国語での学習支援を提供することで学びの遅れを取り戻すことに励んでいます。
母国からオンラインで勉強を教わっている児童
私たちの学習支援の1つ大きな特徴をご紹介します。
突然ですが、こちらの算数の問題を解いてみてください。
難しい問題ではありません。
小学校レベルの問題です。
どうでしたか?
こちらは小学校レベルの問題ではありますが、ネパール語で書かれた問題です。
当然ながら、ネパール語が堪能でない限り、文章自体全く理解できなかったのではないでしょうか?
実は、日本の学校の先生方が一番指導に困っていたのは算数なんです。
越境児童が日本に来た際、最初に当たる壁はもちろん日本語です。
日本語が分からなくて大変な思いをしている子どもたちは多いですが、実は算数・数学が苦手な子どもたちも非常に多いということに私たちも驚きました。
なお、上の問題で最初に出てくる数字のようなものは「16」、次に出てくる数字は「24」と、国によっては数字も違った表記をするため、計算問題以前に数字を覚えるために一苦労する子もいます。
虹の架け橋では、編入先の学校からの要望が非常に多かったため、日本語だけでなく算数や数学にも対応したとのことで、算数や数学は日本語支援と比較すると見落とされがちだということも分かりました。
越境児童を取り巻く課題のご紹介の後には、e-Educationが目標にしていることをプレゼンテーションさせていただきました。
私たちe-Educationは越境児童への支援を行うにあたり、「2つのゼロ」を目標に掲げております。
2030年までに支援の必要な越境児童の人数をゼロに、そして受け入れ体制が未整備な自治体をゼロにすることです。
現在、日本語指導が必要な越境児童が全国に50,000人以上いると言われていますが、この数字は「十分解決可能」であると考えております。
それは、これまでコロナの前後に関係なく、年間150万人の生徒がe-Educationの映像教材を使ってきたからです。
だからこそ、2030年までに2つのゼロを実現するにあたり全国へこの事業を素早く展開していくためこの夏、活動資金を集めています。
皆さんの寄付によって、
・6,000円で、生徒1名に6か月分の支援
・12,000円で、生徒2名に6か月分の支援
・30,000円で、1トピック分の独自教材開発
が可能になります。
e-Educationのオンライン授業に参加している、I君という生徒をご紹介させていただきます。
「日本語がもっとできるようになりたいです。そのために、話す練習、読む練習をもっとしたいです。(e-Educationの)オンライン授業では、算数の割り算と掛け算を習って、できるようになったのが嬉しいです。僕はこれまで内気でしたが、おかげで積極的になることができました。このサポートは僕たちが勉強できるようになるためのすごい助けになってます」と話してくれました。
支援者のみなさま、本当にありがとうございます。割り算と掛け算ができるようになりました。みなさま、本当にありがとうございます。これからもI君のような、子どもたちのためにe-Educationはたくさんの支援をしていきたいと考えております。