2016年7月1日。バングラデシュの首都ダッカでテロ事件が発生してから、ちょうど5年が経ちました。日本人7名を含む22人が亡くなった事件の傷跡は深く、外務省の海外安全ホームページでは「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」の状態が今日まで続いています。
「バングラデシュは今もまだ危ない国なのか?」
そんな疑問に対して、e-Educationの代表である私(三輪開人)が、テロ事件後にバングラデシュへ拠点を移して活動してきた記録を振り返りながら、コロナ禍でも決して消えない《希望》についてお伝えいたします。
私がバングラデシュへ拠点を移した2017年に「ロヒンギャ難民危機」が発生しました。隣国のミャンマーから1ヶ月で70万人以上の人たちがバングラデシュへ避難するという歴史的な事件が起こった直後、e-Educationの元生徒であるシャフィたちが動き出します。
「彼ら(ロヒンギャの人たち)のために、今できる限りのことをしたい」
e-Educationの元生徒たちが大学を超えて連携しあい、ロヒンギャ難民支援プロジェクトが立ち上がりました。彼らの勇気ある行動は、私を含めたくさんの人たちを巻き込み、最終的には2万人を超える人たちに食料を届ける大きな活動となりました。
食糧支援の活動をやり遂げたシャフィに対して、現役の受験生たちに向けてエールを送ってほしいと相談をすると、彼は後輩生徒たちに向かって、こんな言葉を贈ってくれました。
私は自分が貧しく、弱者であることを誇りに思います。弱い人たちの痛みや苦しさがわかるからこそ、私は、私たちは、誰にとっても優しい未来をこの手で作ることができる、そう信じています。
彼のスピーチを聴きながら、バングラデシュに帰ってきてよかったと心から思いました。シャフィこそ、彼のようなe-Educationの生徒たちこそ、バングラデシュの《希望》だと思っており、そんな彼らの挑戦や成長に貢献できることが嬉しくてたまりません。
2020年2月。テロの再発防止に尽力したバングラデシュは年々治安が改善され、いよいよ渡航中止勧告が撤廃されるのではないかと思っていた矢先に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界を襲いました。
バングラデシュではCOVID-19感染拡大に伴い、2020年3月より休校となり、現在もなお休校状態が続いています。そんな中私たちは昨年5月より、大学受験を控えながら学校にも塾にも通えない農村部の高校生と、学費のためのアルバイトができず中退危機にある大学生を救うため、「オンライン家庭教師事業」をスタートさせました。
これも私たちのアイデアではありません。大学に進学したe-Educationの元生徒たちが、経済的にも苦しい状況でありながら、それでも尚、地元の生徒たちの勉強をサポートしたいという強い要望を受けて立ち上げた事業であり、シャフィ同様、《希望》あふれる若者によって生まれた事業でもあります。
私たちは1年間で延べ726人の高校生に支援を届け、126人の大学生にアルバイトの機会を提供することができ、1年遅れで実施となった国立大学医学部の入学試験では、早速1人目の合格者が輩出されました。
(※他の国立大学の入試は度重なる延期措置で、まだ入試が実施されていません)
国立医大に合格した生徒のHimelくんは、「入学後はe-Educationの卒業生として、自分のような医学部や理系学部を目指す高校生をサポートしたいです」とも話してくれています。
コロナ禍でも《希望》は生まれ続けているのです。
「人生に誇りを、社会には想いやりを」
これは昨年刷新したe-Educationの新しいビジョンであり、バングラデシュの生徒たちから教えてもらったe-Educationの価値を示す言葉でもあります。
5年前のテロ事件によって、1年前のCOVID-19によって、国と国の分断が、人と人の分断が大きく進みました。
まるで出口の見えない真っ暗なトンネルを進んでいたかのような時期でも、誇りを忘れず、想いやりをもって社会に貢献し続ける生徒たちは、世界の《希望》だと思っており、この《希望》を世界の果てまで届けられるよう私たちも挑戦し続けます。
最後に。
もし、私たちの活動に共感いただけたら、e-Educationの未来に可能性を感じていただけたら、ぜひこの機会にe-Educationの活動を応援いただけないでしょうか?
寄付をして応援することも《希望》あふれる行為であり、みなさんからの温かいご支援は、苦しくても夢を諦めない途上国の若者たちを支える大きな力があります。
世界の果てまで《希望》を届けるために、ぜひ皆さんの力を貸してください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
e-Education代表 三輪開人
バングラデシュをはじめとした、e-Educationでの活動国の感染者数は、依然として多く、子どもたちへの教育の遅れや、苦しい経済状況は続いています。
世界中が厳しい状況に直面しておりますが、私たちのミッションである「最高の教育を世界の果てまで」は変わりません。
ぜひ、引き続きみなさまのお力をお貸しいただけないでしょうか。下記よりご寄付の方法を選択し、フォームへ必要事項をご記入の上、お申し込みください。
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