e-Educationの教育支援は、バングラデシュの小さな村の集会所でスタートしました。
それから11年ー。
現・代表の三輪を含む3人の大学生が始めた活動は、14ヶ国まで広がり、3万人以上の中高生に教育を届けてきました。
バングラデシュでは、貧しい農村から11年連続でダッカ大学(日本でいう東京大学に匹敵するバングラデシュ最高学府)合格者が誕生し、2021年には史上最多となる難関国立大学合格者を輩出しました。
そして今私たちは、バングラデシュでの事業を、そしてe-Educationを次なるステップに進めるために「2024年度までに、バングラデシュにおける教育支援の自走化」という目標を掲げ、日々、現地パートナー団体と共に活動に取り組んでいます。
今回は、バングラデシュで大学受験支援事業を支え、パートナー団体と切磋琢磨し自走化に挑んでいる大学生インターンの今津千尋さんにインタビューしました。
今津 千尋(いまづ ちひろ)さん
神戸大学法学部4年生。中学の頃から戦争と貧困の問題に興味を持ち、将来は国際機関での平和構築や開発分野で活動したいと考えている。大学1年次に、カンボジアの教育系NGOでのボランティアに参加。スラム街のフリースクールで英語を教える中、現場の当事者の声に耳を傾け、共に課題に取り組んでいくことの素晴らしさに気づく。現場に密着するNGOの働き方を学ぶべく、NPO法人テラ・ルネッサンスで長期インターンを経験後、2021年10月よりNPO法人e-Educationの海外インターンとしてバングラデシュへ渡航。現地パートナー団体とともに教育支援事業の自走化に取り組んでいる。 |
ーーバングラデシュではどのような事業のどんな業務に携わっていますか?
バングラデシュでは、大学受験支援と新規事業開発という大きく2つの事業があります。大学受験支援は、映像授業・モチベーショナルカレッジ・大学生によるコーチング・英語添削という4つが組み合わされているのですが、私は大学生コーチのマネジメントとモチベーショナルカレッジの企画に携わっています。
新規事業開発では、英語教育のソーシャルビジネス化に向けて市場調査だったり、サービスのモデルを組み立てる、立ち上げのところに携わらせてもらっています。
ーーモチベーショナルカレッジとは何ですか?
モチベーショナルカレッジとは、大学受験を控えた生徒は約3ヶ月という準備期間に映像授業を使って勉強しますが、バングラデシュは大学合格への入り口がすごく狭いというのもあり、”これだけ頑張っても合格出来るだろうか”と勉強する過程でのモチベーションの維持が難しかったりするので、生徒のモチベーションの面からサポートする取組みです。
例えば今社会で活躍していらっしゃる方々とか、e-Educationを卒業して夢を叶えた人をお呼びして話をしてもらう等、その企画と運営をしています。
ーー大学生コーチのマネジメントはどのような事をしていますか?
大学生コーチのマネジメントでは、コーチ自身”どういう風に生徒に伴走していくか”というのを持っておいた方が、やっぱり出来ることは変わってくるので、コーチ1人1人と面談したり、週に1回コーチの皆さんとミーティングしたり、企画設計などをしています。
ーーなるほど。コーチのメンター的なことを担っているのですね
ーーe-Educationのインターンに応募しようと思ったキッカケや理由は何ですか?
応募する以前から繋がりのあった、e-Educationのバングラデシュ担当の職員の延岡(のぶおか)さんからお話を聞いていて、インターン募集が始まった時にお知らせいただいたのがキッカケです。
応募理由は、実務的な経験をしたいという気持ちがあったのと、プロジェクトをどう動かして、成果をどう測定していくのかなど全くわからないことへのチャレンジや、現場で働く心構え、心持ちというのを何か学ばせてもらえそうと思ったこと、そして現地での自走化を目指すというのが、めちゃくちゃ素敵だなと。
私の思う理想の形にもすごく近かったというのがあります。
ーー今津さんは大学4年生で、来年卒業というタイミングでの応募だったかと思いますが、迷いや不安はなかったですか?
めちゃくちゃありました。でも、現地に行きたかったし、不安よりも魅力的というのが強かったです。
ーーどんなところが魅力的でしたか?
実務経験が得られるとか、e-Educationが現地事業の自走化を目指すというところもですが、すごく心を感じる仕事だなって思って。
というのも代表の三輪さんのプレゼンとか、e-Educationの皆さんの話を聞いていても、誰かのために何かをしたい、特に困っている人たちの為になんとかしたいというのをすごく感じましたし、活動も本当に意味のあることで、その活動自体、皆さん好きなんだなというのも感じて、私も、”なんか好き!”って惚れてしまったんです。
ーー実際にバングラデシュで活動をしてみてギャップはなかったですか?
あります!でも良い意味でのギャップで、自分の想像以上に成長機会があるというところですね。
ビジネス、経営のことをゼロから知れるというのもですが、何一つ思っていた通りにはいかず、”日本だったら普通こう考えるよね、こういうやり方でこういう手順で進めるよね”っていうのが、やっぱりバングラデシュでは違う。
どう合わせていったら良いかというのを毎日、毎秒のように考えてます。
ーーバングラならではの感覚があるのですね。活動する中で大変だったことなどありますか?
現地の人と一緒にどう行動していくかを考えるにも、自分だけで走っちゃいけない。自分ひとりで周りを引っ張るのではなくて、どうすれば現地の人も気持ち良く、より良い形に出来るかというバランスが本当に難しいと感じました。コミュニケーションが上手くいかなかったというのはもう山程あります。
ーー大変な中でも頑張れる理由は何でしょうか?
やっぱり、これを成功させた先に絶対喜んでくれる人がいるというのが1番のモチベーションになっています。
例えば、生徒から、”厳しい経済状況で本当につらいけど、頑張ってきた。それを支えてくれたのがe-Educationだった”という話を聞くと本当に嬉しいし、モチベーションになりました。
ーー特に嬉しかったことなど教えて下さい
大学生コーチの採用で、生徒は経済的問題を抱えていて本当に困っているからこそ、コーチとしての素質以外にも頑張る意欲があって、ちゃんと生徒を支えられる人を選びたいと思っています。ただ大学生コーチ自身も経済的に困っていることが多くて、採用したコーチから”この様な仕事が出来ることが本当にありがたいし、大好きなe-Educationの一人として働けることも本当に嬉しい”と個別にメッセージをもらった時には、真剣に悩んですごく時間がかかったけど採用して良かったなと嬉しくなりました。
ーー活動する上で意識していることはありますか?
e-Educationのクレドに、Local First(ローカルファースト)というのがありますが、現地パートナー団体のBacBonの皆さんや生徒に対して1番良いやり方で、それも誰がやってもちゃんと再現出来るようなプロセスにしていくというのを、BacBonのラジョンさんと一緒に考えて創るということ、自分だけで進めないということを意識しています。
ーーその意識を持ったのには何か理由があるのですか?
これは職員の延岡さんがよく仰っている言葉ですが、「早く行きたいなら一人で行きなさい、遠くへいきたいならみんなで行きなさい」と。
私はもちろん早く行きたい時もあるけど、もっともっと遠くまで行きたい。
だからこそ今は、スピード感も大事にしつつ、みんなで頑張れるような環境をちゃんと作りたい。それは遠くに行くために、みんなで頑張らなきゃいけないから。
自走化のため自分たちで舵取って遠くまで行くんだったら、今一緒に考えてチームになってやらなきゃいけない。
土台を一緒に作りたいというのがあるので、土台を1人でこっちで勝手に作っても意味がない。というのが理由です。
ーー共に活動するBacBonメンバーにはどの様な方がいますか?
大学受験支援では、主にラジョンさん、カマルさん、レミさん、ワキルさんと関わらせてもらっています。
皆さんそれぞれのバックグラウンドを活かして、今より良くしていこう、コンテンツをもっと良くしていこうとされてます。
例えば、元々先生をしていたカマルさんは、映像教材を制作するときに、実際に授業をしてもらう有名な先生に、”こういう風に教えてください”とディレクションして質の担保をすごく考えています。
ラジョンさんは、ご自身も元e-Educationの生徒で、コーチも務めたこともあるからか、すごく生徒やコーチとの距離が近くて、毎日、生徒やコーチとずっと話し続けてます。大体100人くらいを1人でみてます。
本当に凄いですよ。でもすごくイキイキしてます。みんなからは「ラジョンバイ(ラジョンお兄さん)」と呼ばれています。
ーーBacBonの皆さんのここ凄いと思うところを教えてください
日本でもこんなに働いている人あんまりいないんじゃないと思うぐらい、ものすごくハードワーキングな人たちで、それだけ忙しいという事なんですが、本当に優秀な人が集まっていて、それぞれが、それぞれのフィールドで力を発揮して、”これはこのチームにやってもらおう”とか専門性に基づいた棲み分けも出来ている。そういう姿を見ていると凄いな〜と思います。
ーーバングラデシュに来る前と比較して、自分自身成長したなと思うところはありますか?
はい。責任感がすごく強くなりました。コーチの選考の時もそうですが、判断というより決断しなくてはいけない事がとても多く、決断して選んだからにはちゃんと育てなければいけないですし、”良いコーチに育てる自信ありますか?”と間接的に問われている気がするんです。
だから本当に、適当に仕事は絶対できないですし、このプロジェクトの一人なんだという実感もあり、オーナーシップも持って臨めるようになりました。
大抵トップダウンで、インターンが決定権持つことって普通ないと思うんですが、e-Educationは重要な決定にも関わらせてもらって、チャレンジもさせてもらえています。
ーー成長したこと以外に、何か自分の中での変化はありましたか?
チャレンジに対するハードルというか、障壁はなくなりました。もちろん、まだ怖いと思う部分もありますが、何を目指していくか、誰とどういう事を作っていきたいかとか、もっとチャレンジを求めるようになっている自分がいます。
だから自分の出来ていないところを教えて欲しい。言われたらめっちゃへこむんですけど、でもその後”やってやろう!”って思える。チャレンジ自体が楽しいです。
ーーe-Educationのインターンの魅力はどんなところですか?
ここでインターンしてますとかは、所属したらいくらでも言えますが、じゃあ何を頑張ってきたんですか?どういう成果を出してきたんですか?という話になったときに、このe-Educationのインターンは言えることが山ほどあるところです。それだけ、安心してチャレンジさせてくれる場所です。
ーー安心してチャレンジ出来ると言える背景には何があるのでしょうか?
”こうしたらいいんじゃないか”って話し合ったり、皆さん基本的にポジティブな意見が多くて、三輪さんはじめ”1回ちょっとやってみよう”という方が多いからかもしれません。あと、PDCAの回し方も早いので考えているだけでは置いて行かれるというのもあります。
ーー最後にe-Educationのインターン応募を検討している皆さんへメッセージをお願いします
悩んでいる方は、私が保証します。このインターン以上にチャレンジングなものは無いです。挑戦することが好きな人、自分の力で何かを変えたいという人にはおすすめです。現地の自走やe-Educationの成長に、自分自身の成長も重ねられる人はとても楽しめると思います。
e-Educationでは現在、今津さんのようなインターンを募集しています。
新たなe-Educationの一員として、「最高の教育を世界の果てまで」という私たちのミッションに向かって、私達と共に様々な活動に挑戦して頂きたいと考えています。
途上国の子どもたちに教育の機会を届けることを通して、彼らが夢や想いを実現することをサポートし、誇りを持って生きていける社会の実現に、一緒に挑みましょう。
熱い意思を持った方のご応募をお待ちしております!