今回は先日ネパールで行われた数学教育カンファレンスを中心に、ネパールインターン三笘の活動の様子をお伝えします。
ネパールにおける最も大きな教育課題は、農村部と都市部の学習環境の格差です。
特に全国共通の中学修了試験は、都市部の私立学校では約90%の生徒が合格するのに対して、農村部の公立学校では約30%に留まります。
そこでネパールでは大きくふたつの活動が現在進行中です。 今回のカンファレンスはその中の《農村部に数学の映像教材を広める活動》の一環で行われました。
これまでe-Educationは「映像教材を先生が自分の授業で使うことで授業の質を上げる」という活動を、カブレ郡ブメ校などのパイロット校で行ってきました。
使われる映像教材はこれまでのネパールインターンがつくってきたもので、各単元の基本的なコンセプトの解説に重点を置き、アニメーションやドラマなどを盛り込むことで生徒に理解しやすくしています。
映像授業により、生徒はずっと伸びる。
この教材をもっと広めたい。
そんな想いから、学校だけではなく行政やNGOに対して、映像教材を使った授業の運営方法や教育効果を伝え、教える意欲を掻き立て、「より加速度的に映像授業を広めること」を目的にカンファレンスを行いました。
どうしたら先生たちに響くカンファレンスになるか?
どのようなプログラムが先生のためになるのか?
三笘は学校教員向けに行った第一回の研修の反省を活かし、現地パートナーNGOのKids of Kathmandu(KOK)と、オフィスだけではなく、時には休日にKOKのメンバーの自宅でも、濃密な話し合いを重ねました。
その結果、以下のような工夫が生まれました。
・市町村の教育担当官を呼び、映像授業の良さを理解してもらうことで、直接彼らの担当地区に広めてもらう
・映像教材の活用法や、映像教材を拡散するためのアイデアを出しあうワークショップの実施
・NGOを巻き込み議論をより活発にする
こういった工夫により、質疑応答がカンファレンス終了後も止まず、また、すぐに導入してくれる先生が現れるなど大きな反響を得ることができました!
確かな手ごたえを感じつつ、三笘の残りのインターン期間はあと2か月半。 カンファレンスが終わった今の次なる目標は、首都カトマンズで研修を実施するだけでなく農村部の行政レベルで研修を行い、もっと映像授業を広めること。
三笘の挑戦はまだ続きます!
真剣に話を聞く参加者たち