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【インタビュー】「マニラの大学に行きたい」親に反対されても諦めない強い想い

フィリピンのミンダナオ島でe-Educationの支援をいま受けている高校生に、インターン生がインタビューを行いました。

今日はフィリピンの地方の高校生が抱える困難や教育事情を感じていただきたく、地方の生徒のリアルな声をぜひ知ってください。



いまフィリピンの子どもたちが抱えている課題があります。

  • ✓台風など自然災害が多くインフラが不安定になりやすい
  • 貧困を理由に働きながら学校へ通う子どもが多い
  • 学校を中退せざるを得ない子も多い
  • 教師は科目に対し人数が不足し、授業の質も不安定


特にミンダナオ島では災害や紛争の影響により、
約20%の子どもが学校に通いながら働いています。

台風により倒壊してしまった家屋とフィリピンの人々



そこに新型コロナウイルスの影響により2年半も学校が閉鎖され、2700万人の子どもが学びの遅れの影響を受けました。

フィリピンでは2012年の教育改革によって、 高校の教育年限が誕生したことから、現在は高校生を対象に支援活動を展開しています。

これまでバングラデシュの約15年で培った「テクノロジー(オンライン授業)×ヒト(チューター)」という技術を生かし、大学受験を目指す経済的に貧しい高校生に対して受検対策の支援を行っています。

地方を中心に自然災害の多さ、児童労働、教材・教師の不足といった環境下で、子どもたちが学びの遅れを解消し、「自分ならやり遂げられる」という自信を持てるようにサポートをしています。

十分な教育を受けられない子どもたちは、仕事を選べず、自分で未来を広げていくことが難しくなります。

世代をこえて貧困を繰り返してしまう悪循環を壊すためにも、子どもたちの学びを止めてはなりません。

今回のインタビューでは、経済的な苦しさを持った家庭ながら、e-Educationの提供するオンライン授業とオンライン家庭教師を受け、大学受験の勉強をしている高校生に、インターン生の坂本・大岡の2人が話を伺いました。

支援を受けているヴィンス君



ーーまずご自身のことを簡単に教えてください。

僕の名前はVince Laurence C. Dadayと言います。
フィリピンのミンダナオ島、カガヤン・デ・オロ市出身の高校生です。

Liceo de Cagayan Universityという高校に通っていて、今17歳です。

普段は自営業の父と教師の母と兄弟と4人で暮らしています。

趣味は色々ありますが、絵を描いたり、音楽を聞いたり、小説を書いたりすることです。

StudyCo(e-Educationの大学受験支援プログラム)のフィリピン大学の受験対策に参加していて、今後は大学入学に向けて準備を進めて行く予定です。



ーー金銭や経済的なことで困った経験はありますか?
また勉強環境で困っていることはどんなことですか?
ヴィンス君が話せる範囲で良いので、教えていただきたいです。


現在家庭の経済環境としては安定しているものの、裕福ではありません。

大学受験の準備には膨大な費用が必要だからこそ、簡単に様々な受験対策講座は申し込めないのが現実です。

両親には高校の学費を払ってもらっているからこそ、これ以上の負担をかけたくないですが、受験に必要な費用を自分一人では賄うこともできません。

StudyCoのチュートリアルサービスに参加する余裕はないけれど、大学受験合格のためにもどうにか工夫を凝らしながら頑張っています。

チュートリアルサービスより値段を抑えられた、KIPPAP(フィリピンの大学入試対策のためのレビューセンター)のフィリピン大学入試向け短期集中講座に申し込んだりして、自分に必要だと思う学習の機会は逃さないようにしています。

お金がなかったとしても、それを理由に諦めるのではなく、何とかして勉強し続けられる機会を常に模索しています。

学校で勉強中のヴィンス君



ーー支援プログラムの間、苦労したことは何ですか?
またご自身にどんな影響があったかも教えてもらえますか?


正直、僕の母親は大学受験に対してあまり賛成していません

ある時、僕は大学進学についての自分の進路を母親と話したことがあります。

「僕は、フィリピン大学や首都マニラの教育環境が整った大学へ進学したいんだ」と。

母の回答は「だめだ」の一択でした。

というのも、マニラの大学に通うには遠すぎるし、金銭的にもそれほど余裕はありません

マニラの大学に通うとなると大学に通うために寮、食事、交通費、その他の出費など、様々な費用が必要になってしまいます。

そこで母からこのような条件を提示されました。

もし、本当にマニラの大学に通うのであれば、食費や他の必需品だけは支援する、それ以外は自分で賄う覚悟でいなさい。それができないのであれば、地元カガヤン・デ・オロの大学に進学しなさい

しかし、自分が頑固であることは分かっています。

両親が100%のサポートをしてくれなくても、僕は本当にマニラでの教育を追求しようと思っています。

そんな僕はStudyCoのフィリピン大学受験支援という貴重な機会を得て、僕はたくさんの夢と希望をもらい、大きく成長することができました。特に質の高い授業と、色々な先生やスタッフの方々との出会いは、僕にとって大きな影響がありました。

進路に向けて邁進する毎日の中で、この支援のおかげで経済的な苦労をすることなく、勉強に打ち込めました。しかし同時に、学校活動との両立は容易ではありませんでした。

色々なことを同時に進めることの難しさや大変さを感じています。

フィリピン大学受験に向けての学力向上はもちろん、学校の学内活動や授業の理解をすること、両方とも達成をする壁の高さに直面しています。

学校の課題があって、睡眠時間を削って夜遅くまで勉強することもありましたが、健康を害さないように管理することも心がけたいと思っています。

日々色々な場面で想定外のことが起きたり、苦労があって大変ですが、StudyCoのスタッフの方々やチューターの方々には、いつも温かく指導していただき、感謝しています。彼らの人の温かさや授業の面白さのおかげでフィリピン大学受験支援でのプログラムに気持ちよく参加できています。

フィリピン大学受験支援を通じて、僕は多くのことを学び、成長することができました。そして、たくさんの素晴らしい人々と出会うことができ、本当に感謝しています。

StudyCoのスタッフの方々やチューターの方々が家族のような存在になったからこそ、ひと人の温かみから感じる嬉しさや感謝の気持ちがこみ上げます。

StudyCoのスタッフと写るヴィンス君



ーー将来の夢は何ですか?その夢に向かって進むうえでぶつかっている壁はありますか?
将来のことを考えて不安や心配なことがあれば、それでも頑張れている理由なども教えてください。


日々忙しく、充実した生活を送ることができている今、行きたい大学に合格することが今一番かなえたい目標です。

まずは、大学に入ることですが、「興味分野である法律の学校に行きたい。」という目標もあります。

しかし、将来のことを考えるなかで、失敗してしまうことへの心配があります。

もちろんこれから先、勉強していく中でうまくいくことだけではありません。

いくら自分の頭の中で計画立てられたプランがあったとしても様々な壁にぶつかることは多くあると思います。

自分の考えること、計画することと現実の間にはどうしてもギャップが生まれてしまうからこそ、自分に失望することがあるかもしれません。

沢山の困難や失敗と向き合いながら、将来に向かって突き進んでいきます。

家で勉強している机の上の様子

 



ーー最後に日本の寄付者の方々へのメッセージはありますか?

このプログラムを支援してくださっている皆さん、いつもご支援いただきありがとうございます。

皆様のおかげで、無償で品質の高い授業を受けることができています。

また、このプログラムのおかげでスタッフや先生方など様々な素敵な方々に出会うことができました。

改めて本当にありがとうございます。




いかがだったでしょうか?

ヴィンスくんのように皆様の支えのおかげで、途上国の沢山の子どもたちはより良質な教育の機会を手に入れることができています。

日々のご支援、心より感謝申し上げます。

また、今後ともe-Educationの支援を通して一緒に多くの子どもたちへの教育機会をご支援していただけますと幸いです。

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