そして慣れない「日本語」で算数を勉強することが、算数を理解するハードルを上げていました。
たとえば問題の回答を間違えた時、日本人の先生が1対1でどこで間違っていたか丁寧に教えてくれたとしても、掛け算や割り算、筆算といった「数の概念」から学ぶ必要がある教科としての算数は難しいのです。
日本語を勉強し始めたI君にとって、日本語がよく分からないという「言語の壁」が、日本語を使って算数を学ぶという「学びの壁」にもなってしまうのです。
このように
以上3点から、基礎的な算数につまずき、今のままだと日本の授業についていくのが困難な状況でした。
私たちはこれまで、言語の壁や文化の違いに戸惑い、授業についていけず「もう学校には行きたくない、母国に帰りたい」と海外から希望を持って日本にやってきてくれたものの、泣きながら帰国する人たちを見てきました。
そんな中、勉強を一生懸命頑張るI君。
まだ11歳の彼にとって、私たち大人が想像する以上に大きな困難に直面しているのではないでしょうか。
そこで私たちは、I君や、同じような状況にいる越境児童(=海外ルーツの子どもたち)の学びを支援し、No one left behind(誰一人取り残さない). 越境児童ひとりひとりに「最高の教育」を届けるため、活動をしています。
私たちなりの解決策として、e-Educationが各国で実施しているオンライン家庭教師スタイルで算数をサポートすることになりました。
算数の授業中、ひとりひとり個別にオンラインからサポートし、同郷のe-Educationの卒業生や現地パートナー団体のスタッフを先生として、子どもたちに母国語や継承語(家庭内で用いられている言語:例 フィリピン南部出身者にとってのヴィサヤ語など)で勉強を教えます。
さらに、海外の仲間たちに加えて、日本にいる越境児童の先輩たちも勉強のサポートを実施しています。
この結果、I君は繰り下がりのある3桁の掛け算・割り算が解けるようになりました。
また、勉強ができるようになるだけでなく、日本という海外に来て孤独を感じている子どもが、オンラインで同郷のお兄さんお姉さんと繋がり、笑顔になっていくことができました。
「日本語がわからない私は毎日心細い想いをしていたけど、この授業の時だけは自分の出身地のお兄さんがビサヤ語で『今日何があったの?』と聞いてくれたからとても嬉しかった」
といった心の拠りどころに関する越境児童の声も聞こえてきています。
このように、私たちはe-Educationに出会った生徒や仲間たちが国や世代を超えて繋がる循環を作っています。
そして、皆さまのご支援のおかげで今まで続けることができた途上国への支援やこの循環が、現在日本にいる越境児童への支援まで広がっているのです。
✅ 来日した途上国の子どもや大人に
「日本に来てよかった」と思ってもらいたい
✅ ”〇〇人学校”のような在外教育施設が無い
国籍の子でも、不自由なく学んでほしい
✅ テクノロジーや世界の人々の力で、
教育機会を多くの人に届けたい
こんな想いに少しでも共感いただけた方、夏季募金キャンペーンにご参加いただけませんか?
私たちと共に海外ルーツの子どもたちにも最高の教育を届けてください。