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【言語の壁が、学びの壁であってはいけない。】I君のストーリー

e-Educationでは、7月8日から8月31日まで【夏季募金キャンペーン】を開始しており、この期間に日本国内で学びに困難を抱える海外ルーツの子どもたちへのご関心・ご支援を募る取り組みを実施しています。

途上国の子どもたちの人生を教育の面から切り開こうと活動してきたe-Educationがなぜ日本で新たに取り組んでいるのか。

本日は皆さまに、見過ごされがちな日本国内の教育課題と、私たちなりの解決策についてご理解とご協力を賜りたく、子どもたちの現状をお伝えさせてください。

言語の壁が、学びの壁であってはいけない。|I君のストーリー

言語の壁が、学びの壁であってはいけない。|I君のストーリー

皆さんは海外へ行った時、使用する言語、文化が違い、戸惑いを感じたことはありませんか?

そんな環境でずっと生活する様子を想像してみてください。

楽しいこと、新しい発見がある一方で、頼れる人も少なく、母国との環境の違いに大変な思いをすることもあるのではないでしょうか?

本日は言語の壁、文化の壁を乗り越えようと奮闘し、日本の小学校へ通うことを目指す生徒の一人、I君をご紹介します。

I君は、家族でフィリピンから日本にやってきた、6人兄弟の末っ子、バスケットボールが好きな11歳の少年です。

彼は今、大きな困難に立ち向かっています。

それは、算数です。

彼は、新型コロナウイルスの影響により、フィリピンにいた小学1年生から2年半以上の間、学校に通うことができず、自宅でプリント学習を余儀なくされていました。

もくもくと一人で勉強するだけで、わからない事を優しく、詳しく教えてくれる先生が近くにいない日々を過ごしました。

掛け算の九九はうろ覚えで、フィリピンでは7の段以上を教わっていませんでした

また、掛け算は「棒計算(指計算)」といわれる縦棒と横棒の交点を数えることで掛け算の答えを出す計算法を使用していたため、計算に時間がかかってしまう他、計算ミスが起きやすくなっていました。

▲縦棒と横棒の交点を数えて「8×3」を解くI君
 

そして慣れない「日本語」で算数を勉強することが、算数を理解するハードルを上げていました。

たとえば問題の回答を間違えた時、日本人の先生が1対1でどこで間違っていたか丁寧に教えてくれたとしても、掛け算や割り算、筆算といった「数の概念」から学ぶ必要がある教科としての算数は難しいのです。

日本語を勉強し始めたI君にとって、日本語がよく分からないという「言語の壁」が、日本語を使って算数を学ぶという「学びの壁」にもなってしまうのです。


このように

  • ・新型コロナウイルスの影響による学びの遅れ
  • ・今まで勉強してきた計算方法との違い
  • ・慣れない日本語での勉強

以上3点から、基礎的な算数につまずき、今のままだと日本の授業についていくのが困難な状況でした。

私たちはこれまで、言語の壁や文化の違いに戸惑い、授業についていけず「もう学校には行きたくない、母国に帰りたい」と海外から希望を持って日本にやってきてくれたものの、泣きながら帰国する人たちを見てきました。

そんな中、勉強を一生懸命頑張るI君。

まだ11歳の彼にとって、私たち大人が想像する以上に大きな困難に直面しているのではないでしょうか。

そこで私たちは、I君や、同じような状況にいる越境児童(=海外ルーツの子どもたち)の学びを支援し、No one left behind(誰一人取り残さない). 越境児童ひとりひとりに「最高の教育」を届けるため、活動をしています。
 
 

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私たちなりの解決策として、e-Educationが各国で実施しているオンライン家庭教師スタイルで算数をサポートすることになりました。

算数の授業中、ひとりひとり個別にオンラインからサポートし、同郷のe-Educationの卒業生や現地パートナー団体のスタッフを先生として、子どもたちに母国語や継承語(家庭内で用いられている言語:例 フィリピン南部出身者にとってのヴィサヤ語など)で勉強を教えます。

さらに、海外の仲間たちに加えて、日本にいる越境児童の先輩たちも勉強のサポートを実施しています。

この結果、I君は繰り下がりのある3桁の掛け算・割り算が解けるようになりました。

また、勉強ができるようになるだけでなく、日本という海外に来て孤独を感じている子どもが、オンラインで同郷のお兄さんお姉さんと繋がり、笑顔になっていくことができました。

母国フィリピンから先生に算数を教わるI君

 
 

「日本語がわからない私は毎日心細い想いをしていたけど、この授業の時だけは自分の出身地のお兄さんがビサヤ語で『今日何があったの?』と聞いてくれたからとても嬉しかった」

といった心の拠りどころに関する越境児童の声も聞こえてきています。

このように、私たちはe-Educationに出会った生徒や仲間たちが国や世代を超えて繋がる循環を作っています。

そして、皆さまのご支援のおかげで今まで続けることができた途上国への支援やこの循環が、現在日本にいる越境児童への支援まで広がっているのです。
 
 

✅ 来日した途上国の子どもや大人に
  「日本に来てよかった」と思ってもらいたい

✅ ”〇〇人学校”のような在外教育施設が無い
  国籍の子でも、不自由なく学んでほしい

✅ テクノロジーや世界の人々の力で、
  教育機会を多くの人に届けたい

こんな想いに少しでも共感いただけた方、夏季募金キャンペーンにご参加いただけませんか?

私たちと共に海外ルーツの子どもたちにも最高の教育を届けてください。

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