photo credit: United Nations Photo via photopin cc
みなさんは「難民」と聞くと何をイメージしますか?
「テレビや写真では見たことがあるけど、実はよく分からない」「日本とはちょっと遠い存在」というイメージを持たれた方も多いのではないでしょうか?
実は、2011年の時点で、日本には難民申請者が1,867人(ミャンマーやネパール人など)、難民として認定されたのは21人もいるとされています。
今回は日本の難民をネイルアートによって支援する岩瀬香奈子さんの取り組みを紹介します。
ネイルアートによって難民の自立を支援する「アルーシャ」
「アルーシャ」代表の岩瀬香奈子さん
東京・港区に、岩瀬さんが経営する「アルーシャ」(アフリカ タンザニアの都市名)という他とは違ったネイルサロンがあります。それは、ネイルアーティストは「全員外国人」であり、その大半が「難民」であるということです。
事前のネイル研修で脱落者発生
岩瀬さんは一般企業で約10年間、営業として働いた後、マイクロファイナンスで貧困支援を実施しようとしていた慶応義塾大学の岩男壽美子先生との出会いをきっかけに日本での難民の存在を知り、「ネイルを通じた難民支援事業」を始めたそうです。
まずは2ヶ月間自ら毎日研修所に通い、次に難民の人たちへのネイル研修を始めました。研修説明会には世界中から20名以上の参加者が集ったそうですが、いざ研修を始めると「交通費を払えない」等という理由で、断念される方も出てきたなど苦労もあったとか。
アルーシャのウェブサイト。広報大使は、女優/タレントのサヘル・ローズさん
「私があなたのライフを変えるのではない。あなたがあなたのライフを変えるんだ。」
岩瀬さんは、研修脱落者に対して非常に残念だと感じる一方で、「やりたい人、続けられる人は続けて下さい。そうじゃない人は、辞めることになっても 私は止めません。」というスタンスでいたと言います。
難民の方はこれまで自分の意思とは違った人生を歩まざるを得ませんでした。しかし、日本では自由があり、自分の頑張りで収入を増やして生活を改善することができます。
そのことから、「私があなたのライフを変えるのではない。あなたがあなたのライフを変えるんだ」と彼女たちに言い続けていたそうです。
最終的に3名をプロのネイリストとして採用、丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、リピーター客も増えているとのこと。
現在は、仕事に就けるのが女性に限定されてしまうネイリストだけではなく、性別も年齢も関係なく、難民の方に仕事を提供出来るよう語学事業も始めています。
決して与えるだけの支援でなく、「自分のライフは自分で変える」サポートをする岩瀬さんの挑戦はまだまだ続きます。
[アルーシャ]
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