トジョウエンジンをご覧のみなさん、初めまして!
立命館大学法学部3回生の磯部香里です。フィリピンの首都マニラで暮らす貧しい高校生たちに「最高の授業」を届けるため、昨年11月よりマニラにて活動をしています。
これから現地での活動の様子を少しずつご紹介していきます。初回である今回は、私がなぜe-Education Projectの活動に参加したのか、そのキッカケを紹介させて下さい。
TEDxイベントの運営に挑戦
みなさん「TED」をご存知ですか?
「Ideas Worth Spreading (より良い価値のあるアイディアを広めよう)」を理念とし、様々な分野で活躍する人たちがプレゼンテーションを行う場です。
このTEDの理念に共感した人たちが独自で開催する「TEDx」というイベントがあり、京都では大学の可能性をテーマにしたTEDxYouth@Kyotoが開催されました。
TEDが大好きだった私は、このTEDxYouth@Kyotoの運営に携わりました。仕事内容はチームマネジメント。大学2回生の後期から3回生の前期まで、一緒にイベントを作り上げて行く仲間のモチベーションを上げ、チームをつくる役割を担当していました。
チーム作りは予想以上に大変な仕事でした。京都内の様々な学校から様々な目的やバックグラウンドを持って集まった仲間と、時にはぶつかり合い、意思疎通が上手く行かず悩み、辛い思いをしたこともありました。
ただ、イベントをどうしても成功させたい想いで、毎日必死に取り組みました。夜通し打ち合わせをしたのは1度や2度ではありません。気づけば、アッとうい間に本番がやってきました。
イベントは、大成功でした。
無事にイベントを終えた当日の夜。会場にあった大階段の一番上に座り、イキイキとした表情で仲良く話している約60人の仲間たちを眺めていました。
連日の疲労を感じつつも、「まずは運営側のメンバーが楽しむこと」を第一に考えていた私にとって、全てを出し切った仲間達が、笑顔で楽しそうに話している姿をみてホッとしました。
「磯部ちゃんの目指していたのはこの笑顔だったんだね」
お世話になった社会人の方から温かい言葉をもらい、自然と涙がこぼれました。
必死に取り組んだ先に見えたもの
イベントが終わり、学校の試験もなんとか乗り越えた後、急に周りが騒がしくなってきました。
そう、就活です。インターン、自己分析など様々な言葉が飛び交うようになりましたが、その会話に入ることができませんでした。
TEDxYouth@Kyotoの運営を通して、色んなことを学ぶことができたものの、自分が何をしたいのか全く見えなかったのです。
「香里ちゃん、何したいの?」
友人たちからの質問に、全く答えられませんでした。
TEDxYouth@Kyotoの仲間たちはみんな次のステップへ進んでいました。
企業インターンを始めたり、大学院入学を目指して勉強に励んでいたり、イベントの広報で培った文章力を活かしてライターとして活動をし始めたり・・・一方の私は、全く動くことができません。
そんな時、仲の良い仲間から厳しい一言を言われました。
「他のみんなはイベント終了後それぞれの道へ進んでるけど、香里さんは何にも変わってないね」
自分は何にも変わっていない。何も進んでない。
必死で取り組んだ先に見えたのは、焦りと自己嫌悪でした。
考えた先に見えたもの
「自分がやりたいことってなんだろう?」
必死に考えた先に浮かんできたキーワード。それは「笑顔」でした。
小さい頃から「香里ちゃんはいつも笑顔だね」「香里ちゃんのスマイルパワーには元気もらえるよ!」と、よく周りの方に言って頂きました。
笑顔は大きな力になります。「私も誰かを笑顔にできることをしたい!」と漠然と考えるようになりました。
でも、人を笑顔にするはどうしたら良いでしょう?それを仕事にするには?
モヤモヤ悩む日は続きました。
e-Educationのメンバー募集を発見
そんな時、e-Education Projectの海外メンバー募集の記事を発見しました。
e-Educationルワンダプロジェクト担当のドガ君がTEDxYouth@Kyotoにスピーカーとして参加してくれたこともあり、活動自体は以前から知っていました。
そして募集のあったフィリピンの首都マニラでのプロジェクトも知っていました。貧しい環境でも難関大学への進学を目指して頑張る高校生たちに「最高の授業」をDVDにして届ける事業。ちょうど受験を無事に終えた後のインタビュー動画が公開されていました。
「e-Educationありがとう!」「とっても役に立ったよ!」
こう笑顔で話す生徒たちの姿を見て、「この子たちを笑顔にしたい!」と純粋にワクワクし、気づいたら応募のメールを送っていました。
「やらなかった後悔」はしたくない!
正直、自分がどこまでフィリピンの子どもたちに貢献できるができるのか自信はありませんでした。
国際的な活動には以前から関心があったものの、自分に何ができるのか悩み、応募課題を書く手が全く進みません。
そんな時思い出したのが、高校時代のアメリカ留学で体験した後悔でした。
高校生の時に約10ヶ月、アメリカの公立高校で交換留学をしていたときのこと。その時に友人が「カオリ!ミュージカルのオーディションがあるから一緒に受けようよ!」と誘ってくれました。
最初は乗り気だった私でしたが、オーディションでは歌を歌わなければなりません。結局オーディション直前になって「歌えないし、やめとこう」と諦めたことがありました。
諦めた後、猛烈な後悔を感じました。
挑戦していたら友達がもっとできたかもしれない。1回しかない留学がもっと充実したものになったかもしれない。チャンスがあったら挑戦することの大きさ、そしてやらなかった時の後悔がどれほど大きいか気が付きました。
この経験を思い出し、「挑戦しなかったら絶対後悔する」と自分を震い立たせ、応募課題を完成。応募締め切り時間の3分前に提出しました。
そして、子ども達を笑顔にしたい気持ちと、新たな挑戦に挑みたい気持ちを面接で伝えたところ、フィリピン(マニラ)プロジェクトの新担当者として選んで頂きました。
そしてマニラへ
プロジェクト参加が決定してから1ヶ月。
関西や東京でe-Educationの研修を受け、引っ越しの手続きなどバタバタと過ごしている間にあっという間に渡航日に。責任の重みと不安もありながらも、新しい挑戦にワクワクした気持ちでマニラへと向かいました。
活動2年目を迎えるマニラプロジェクト。コンテンツの改善に実施校拡大と、やるべきことが山積みです。0からプロジェクトを作りあげてきた2人の先輩の想いを引き継ぎ、さらに多くの子どもたちに「最高の授業」を届けられるよう邁進していきます。
もう後悔しないために。もっと多くの笑顔を作るために。
どうぞ応援よろしくお願いいたします!
[Photo Credit: TEDxYouth@Kyoto via CC ]
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