課題解決で必要となるクリエイティブ力。
今回は先月行われた、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルから社会貢献色の強かったアイデアを厳選してご紹介します!
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1. 「MESSAGE BARTER」:子どもと著名人がメッセージを交換!?(サイバー部門ブロンズ)
「先生不足」というe-Educationと同じ課題に取り組むインドのNGO Akanksha。
この課題を解決するために彼らが行ったのは、先生が不足していることを知ってもらい教員志願者を募るという単純なものでした。
しかし、その方法がユニークなのです。人々に呼びかける子ども達が口にしていたのは「先生が足りない!」ではなく、ボリウッド映画や本の宣伝などでした。
その代わりに発信力のある著名人に先生不足を広めてもらおうというのです。この結果、志願者も2.5倍に上昇したそうです。
2. 「SEARCHING FOR HEARTS」:寄付が行われたのは・・・刑務所!(ダイレクト部門ブロンズ)
小児ガンのために毎年寄付金を集めているペルーガン財団。ここ3年は、目標額に届かなかったため、従来の方法を変える必要がありました。
温かい心を求めた先は、心の冷たそうな受刑者たち。彼らが寄付してくれるなら、誰だって寄付ができることを示唆したのです。
なんと寄付金だけでなく子ども達へのプレゼントや手紙まで集まったとのこと。この様子に心動かされたペルー人はもちろん寄付をし、過去最高額を達成することができました。
しかも受刑者も自分たちが役に立つことや自分を信じて寄付してくれることに心動かされたようです。子どもたちのために始めたはずが、全ての関係者のためになったキャンペーンでした。
3. 「POCKET FIRE EXTINGUISHER」:小さくて安い消火器(アウトドア部門ブロンズ)
フィリピンの火事はスラムでおきることが多いそうです。廃材から家ができているスラムでは、火事が起きれば何百人もの人が1分間で家を失ってしまいます。
消火器があれば被害は少なくてすみますが、普通の消火器は45ドルもするので購入できません。
そこで開発されたのが1ドル以下の小さな消火器。混ぜるとCO2が発生するベーキングソーダと酢で主にできています。
マニラのラスピニャス市で使われ始めたこの消火器は、フィリピン全土に展開されています。
4. 「LIGHT AFTER SCHOOL」:充電して持ち帰ることのできる電球(デザイン部門ブロンズ)
中国西部の農村地域では電力が十分に整っていないところもあります。ロウソクや石油ランプの薄暗い中で勉強する子どもたち。家だけでなく学校でさえコンセントが1つしかありません。
そこで開発されたのが「Haier Hugging Brightman」という、1つのコンセントから連結して充電できる電球です。まるで人型の電球が連なってハグしているよう。
学校で充電した電球を家に持ち帰り、2時間明るいところで本を読んだりできるようになりました。昨年11月にリリースされて以来68校に導入、日々その数は増えているそうです。
5. 「SWEETIE」:実在しないおとりの少女(グランプリ・フォー・グッド他)
最後は全作品の中から社会貢献度の高いアイデアに贈られるグランプリ・フォー・グッド受賞作をご紹介します。
ネット上で蔓延している児童買春。国連とFBIの調査によると常時75万人もの小児性愛者がオンライン状態にあり、フィリピンだけでも1万人もの小児が犠牲になっているそうです。
しかし、犯罪者の特定は難しく、調査では6名しか特定できませんでした。そこで登場したのが、SWEETIEというフィリピン人の女の子。一見どこにもいそうな女の子ですが、おとり捜査のためにCGで製作されています。
たった10週間で71ヵ国から1000人もの犯罪者の特定に至り、世界中でこの犯罪の取り締まりが強化されたそうです。
[via Cannes Lions 2014]
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