世界最大の家具メーカーで、自社デザイナーを抱え製造から販売まですべて手がける企業スタイル(DIY)で大人気のIKEA。
そんなIKEAが開発したのは、世界中に4500万人以上いると言われている難民の住居問題に対するソリューションでした。今回は、IKEAの「折りたたみ式難民シェルター」をご紹介します。
SPONSERD LINK
IKEA財団は国連機関UNHCRとも提携
IKEA創設者が運営するIEKA財団では、UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)とRHU(難民用住宅ユニット)のデザイナーチームと提携。現在の難民シェルターやテントを大きく変えようとしています。
IKEAの「Hemnes」や「Expedit」などのフラットパックシェルターは、分解された状態で段ボール箱の中に入って送られてきます。しかし、これら難民シェルター用の部品は、自然災害や紛争が起こる度に世界中の家を捨てざるを得なくなった人たちのために輸送されます。
RHUのプロジェクトマネージャーであるカリソンさんは、以下のようなコメントを残しています。
最初から私たちは2つのことを知っていた。私たちは、何百万人もの異なった伝統・宗教・場所から来た人たちのために、共通した一つの解決策が必要なんだ。
350万人がテントの中で暮らす
問題はいくつもあります。多くの地域で難民は、荒れた異常気象地域からやってきており、UNHCRによると約350万人が未だにテントの中で暮らしているそうです。
この何十年もの間にテント設計を変えた事は少なく、平均で約12年もの間このシェルター内に住むということです。
シンプルなデザインの模型
IKEAが既に開発した模型はとてもシンプルで、プラスチック板を金属ワイヤーとパイプフレームを使うだけで組み立ていくことが可能です。
従来型のテントと比べて、IKEAの「難民用スマート・シェルター」は全ての面で進化しています。
IKEAのシェルターはテントの2倍の大きさをほこり、5人で住むには十分の家となっています。そして、頑丈な壁なため、気候にもよりますが耐久年数は約3年です。
今までの難民キャンプ内で一番大きな問題となっていたのは、夜になるとテント内の光源によって、中で生活する人の影が壁に映ることだそうです。プライバシーの問題からテントを離れ、暗闇で寝たい人も出てきます。
しかし万能IKEAシェルターは、日中は太陽光が中に入ってきて、夜になると影一つ映らない設計となっています。
世界中で難民が快適に過ごせるように
現在50弱のIKEAシェルターがイラク、レバノン、エチオピアで試験的に使用されています。まだ実用化には時間がかかりますが、IKEAシェルターの開発によって難民の人たちに住居を決める選択肢が新たに生まれます。
世界中の難民が不自由無く生活できるようになることに期待したいです。IKEAの折りたたみ式シェルターに関する下記の動画もご覧になってみて下さい!
SPONSERD LINK