昨年立ち上げられた「インターネットへのアクセスが無い全世界中の50億人をネットに繋げること」を目標に掲げた、グローバル共同体「Internet.org」。
発起人のマーク・ザッカーバーグが、現在バルセロナで開催中の「Mobile World Congress」に先立ち、いくつかの新プロジェクトを発表しましたので、ご紹介します。
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ルワンダでまずは活動開始!
ルワンダでは、携帯電話端末で世界最大のシェアを誇るノキアと教育分野で、通信会社Airtel、ウェブ上で無料で参加できる大規模講義MOOCsのedX、そしてルワンダ政府とパートナーシップを組み、「Social EDU」プロジェクトが始動しました。
これは、ルワンダの生徒たちに無料でオンライン教育のプラットフォームを提供する取り組みです。一番注目したいのは、これが全てクラウドべースの携帯電話で行なわれる、ということでしょう。
MOOCs最大手のCourseraはすでにモバイル版を公開。今回edXはフェイスブックと提携して、フェイスブックのアプリと連動しながら使用できる学習アプリを開発しました。
Airtelは通信アクセスを無料で一年間提供し、ノキアは安価のスマートフォンを生徒たちへ提供。ルワンダ政府は、今回のプロジェクトを資金面でバックアップしていきます。
「Internet.org」の研究施設!?
さらにスウェーデンの通信機器メーカーエリクソンと提携し、「Internet.org Innovation Lab」を設立します。
ここでは、デベロッパーたちがナローバンド(速度が遅い通信回線)で使えるアプリの開発や、途上国でのハッカソンイベントの企画・計画等を行なっていくそうです。
Photo: BGR
インドでパイロットプロジェクト
大手一般消費財メーカーユニリーバとも提携し、「Internet.org」のリサーチプロジェクトとして、インドの農村部で活動予定。
同国のインターネット普及率は13%と大変低く、大都市外での速いインターネットアクセスが大きなハードルになっています。
Photo: Livemint
宣伝のため?そんなことは関係無い
フェイスブック社のこのような大胆な動きは「宣伝のためだ」と言う人々も多くいます。
しかし新興国の成長に伴い、”ネクストビリオン”と呼ばれる低中所得層の人々は巨大市場になってきます。これはフェイスブック社の先日のメッセンジャーアプリWhatsAppの買収からも見てとれるでしょう。
デロイトの調査によると、インターネットアクセスを途上国で増やすことは、生産性を25%ほど上げ、1.4億の雇用を生み出すことなるそうです。
何はともあれ、「Internet.org」が世界の残り50億人をインターネットに繋げる取り組みは社会を良い方向へ変えていき、今後も注目していきたいです。
[Facebook / TechCrunch / Ericsson / Unilever / Internet.org]
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