こんにちは!e-Education Projectインドネシア担当の尾崎綜志です。
教育機会の恵まれないインドネシアの子供たちに最高の教育を届けるため、現在活動しています。
前回の記事ではマスターが実施校として決まった経緯、また生徒達にとったアンケートの結果についてご紹介しました。
今回は日本からやってきた強力助っ人、e-Education共同代表・三輪開人(以下、開人さん)の登場と、その時の出来事を2回に分けて書きたいと思います。
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開人さん到着
出口を間違え使えずに終わった歓迎ボード
アジアのe-Educationプロジェクト実施国を飛び回る開人さんが、インドネシアへやってくる日が来ました。スカルノハッタ空港まで迎えにいきます。
数週間にわたる視察のため、さぞかし大きなスーツケースを持っている事を予想していましたが、現れた開人さんは小さめのバッグ1つでした。
開人さん:「今日は少し遅くまで起きて、明日以降の準備をしようか!」
その時夜中の1時。新たなプレゼン資料が作り終わり、結局就寝したのは午前4時でした。
勘の鈍い僕でも「これは大変なことになるな」ということはわかりました。
プレゼンというコミュニケーションツール
プレゼンをする開人さん
僕は早速World Educationのアイさんや、協力してくれているインドネシア大学生達を紹介しました。開人さんから彼らに対し直接プレゼンをしてもらうためです。内容としては特別新しいことを説明している訳ではないのですが、聞いているうちにどんどん現実味がわいてくるプレゼンで、非常に勉強になりました。
特に力をいれていたのはアイさんに対するプレゼンでした。パソコンを提供したWorld Educationのメンバーである彼女を見方にできなければ、マスターで授業を進めていくことは難しいからです。
開人さん:「…このように、e-EducationはマスターにDVD授業を届けようと考えています」
アイさん:「わかりやすかった。ソウシからも話は聞いていた。私たちはDVD授業に関心がある。あなた達はナイスタイミングで来てくれた!ではこんなこともやってみてはどうだろう、例えば…」
終始和やかで、ワクワクするような時間でした。アイさんは非常に好意的に私たちを受け入れ、一緒に活動していくことを了承してくれました。
いざマスターへ
ヌロヒムさんへのプレゼン
そんなプレゼンを勉強させてもらった後、向かった先はマスターでした。目的は、マスターでプロジェクトを進めることを校長のヌロヒムさんに認めてもらう事。アイさんに取り計らってもらって一緒にマスターへ向かい、彼にプレゼンをさせてもらいました。ヌロヒムさんは英語が通じないため、僕が説明し、アイさんが通訳し、またアイさん自身にも補足説明をしてもらいながら進めます。
僕:「…このような形でプロジェクトを進めていきたいです。いかがでしょうか?」
ヌロヒム:「マスターの生徒のためになるんだね?なら良いですよ。やってみて下さい!」
その瞬間、マスターでのプロジェクトが正式にスタートしたのです。
先生探し
聞き込み調査をしたインドネシア大学
プロジェクトを始めるにあたって最初に何をするかというと、まずは先生を探さなければなりません。
「マスターの生徒にとって最高の先生とは誰か?」
パッと思いつくのは東進ハイスクールの林先生のような有名予備校教師です。
実は以前、「有名な先生はいないか、あなたが思う最高の先生は誰か」ということをインドネシア大学の生徒に聞いて回った事がありました。日本であれば、「A塾の英語の先生はすごい」「数学ならB塾」といった情報が得られるのですが、実際に返って来た答えはバラバラでした。多くの答えが「通っていた高校・地元の塾の○○先生」というものだったのです。日本とは教育事情が少々異なるようでした。
大手塾の壁
しかしそんな中でもよく名前の出てくる大手塾がありました。「ここに第2の林先生がいるかもしれない!」そう考えた僕らは早速その塾に向かいます。ノーアポイントメントでしたが、話だけならということで僕らを受け入れてくれました。
話を聞くと、カリキュラムが整っており、また生徒達の評価に基づいて先生達の評価をランク分けしているようです。最高ランクの先生であればきっと良い授業が撮れるに違いないと考えた僕は、直球の質問を投げかけます。
僕:「マスターという学校でプロジェクトを始めます。授業を撮影する事は出来ないでしょうか?」
塾の先生:「塾の財産が流出してしまうので難しいですね」
僕:「そこをなんとか!」
塾の先生:「インドネシアではすぐにDVDのコピーが出回ってしまいます。そのため、いかなる撮影も許可できないです。」
あえなく撃沈。当然と言えば当然なのですが、思っていた以上に塾にお願いする事は難しい問題でした。
BTAという塾
そんな時、アイさんからBTAという塾を紹介してもらいました。BTAという名前は以前の聞き込みの中でも出て来ていたものです。
話によると、BTAはマスターの生徒に対して授業を行なった事があるようでした。
「マスターを知っている彼らなら、もしかすると協力してくれるかもしれない」
とにかく当たって砕けろの精神です。僕らはBTAに向かいました。(後編に続く)
大学最後の大勝負!部活一本だった僕が、インドネシアで新たな挑戦を始めます(一橋大学5年・尾崎綜志)
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