Charis

インドネシア大学生、カリスと

こんにちは!e-Education Projectインドネシア担当の尾崎綜志です。教育機会の恵まれないインドネシアの子供たちに最高の教育を届けるため、現在活動しています。

前回の記事では三輪開人さんが到着し、マスターでのプロジェクトが正式に始まったこと、また先生探しで壁にぶつかった時の話をさせて頂きました。

今回は、先生達との出会いとプロジェクト予算決め、そしてマスターの歴史や背景をご紹介したいと思います。

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BTAとの出会い

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BTAの方々と

前回、最大手の塾にきっぱりと協力を断られた僕らでしたが、アイさんに紹介してもらい、新たなる塾BTAに足を運びました。

  • BTAの先生はマスターの生徒を知っている
  • マスターの生徒もBTAの先生の事が好き
  • インドネシア大学を始めとした難関大学への進学実績がある
  • World Educationと関係をもっていて交渉しやすい

という理由から現状最も有力な候補です。

着くなり、「ハロー!」歓迎して頂きました。インドネシア人は親日の方が多いのですが、BTAの方々も日本が大好きでした。「侍はいるのか」「お前は刀を持っているか」「お化けはどうだ」などといった日本についての話をし、楽しいひとときを過ごしていましたが、「なんでウチに来たの?」という質問で、一瞬空気が変わります。気付くと開人さんがパソコンを開いてくれていました。僕はパソコンを使い、プレゼンを始めます。

プレゼン

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プレゼンを聞くBTAの方々

僕はこのプロジェクトがマスターにとって必要なプロジェクトである事、また今後インドネシア全土に広がっていく可能性のあるすごいプロジェクトなんだ、という事を説明しました。英語が完全に通じる訳ではないのでアイさんに通訳をお願いしながら進めます。

以前もアイさんにプレゼンの手伝いをしてもらった事があったため、僕が言う前から説明出来てしまうほどアイさんも理解してくれていました。最後まで真剣に聞いてくれたBTAの塾長トゥーチルさんが口を開きます。

「わかった、先生に話してみよう。予算が決まったらまた連絡してくれ!」

先生候補は決定です。第一関門は突破しました。

予算決め

続いてアイさんと開人さんと一緒に予算を決めます。生まれてこの方一度も予算など組んだ事がない僕にとっては戸惑う事ばかりです。

アイさん:「あとはどんなフィーがあるかしら」

僕:「あー、えーっと…」

開人さん:「あとは移動費や会場費がありますね」

アイさん:「そうね、あと食事の費用もあるわね」

僕:「うんうん(なるほど…)」

特に先生への撮影費に関しては非常にピリピリとしたディスカッションが行なわれました。僕にとっては非常に新鮮で貴重な体験でした。

資料作り

予算が決まり、今度はそれを資料にしていく段階に入りました。プロジェクトを進めていくにあたっては予算についての資料はもちろん、具体的なスケジュールの作成やWorld Educationとの覚書きも作らなければなりません。こういった資料を作ったことのない僕は、何を書く必要があるのか考えながら0から進めていきました。

辞書を使いながら資料を作り、それを開人さんに提出してダメだしをもらい、修正し、またチェックをもらい…。難しかったですが、非常にチャレンジングな体験でした。

マスターという学校

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Save Master

この記事の最後に、マスターという特異な学校について、少しお話出来ればと思います。

多くの行動を共にしてくれていたアイさんは、その間僕たちにマスターについていろいろな事を教えてくれました。

マスターは現校長のヌロヒムさんがゼロから作り上げた学校で、所属している生徒は現在1000人以上いること。今でこそ多くの学生が通っているが、政府の開発計画によって一度取り壊しの危機にあったこと。それに対して近隣住民やインドネシア大学生が中心となり「Save Master」運動を行い、乗り越えたこと。

マスターの生徒にとったインタビューの内容も見せてもらいました。ある生徒は以下のように語っていました。

僕は経済的な理由の為に、父さん、母さんと別れて暮らさなければいけなかった。寂しかったけれど、仕方なかった。道端で音楽を弾いたりしながら小銭を稼いでいた時、マスターの話を聞いた。「マスターに行けば勉強できるらしい」。勉強したかった僕はすがる想いでマスターに向かった。そんな僕をマスターは快く受け入れてくれたんだ。僕はマスターで、第2の家族に出会う事が出来たんだ。

また、ある日アイさんは「マスターはまるでトットちゃんみたいなのよ」と教えてくれました。マスターの校舎はコンテナで造られており、小説『窓際のトットちゃん』に出てくる「鉄道学校」ならぬ「コンテナ学校」なのだ、というのです。

アイさんがトットちゃんを知っていた事にまず驚きですが、「コンテナ学校」という響きが僕は大好きでした。いろいろな人の想いが詰まったマスターの暖かみを表現する、まさにぴったりな言葉だと感じました。

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コンテナで造られた校舎

来週は今週作った資料を提出、その結果について書きたいと思います。お楽しみに!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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