こんにちは!
e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。
前回は学校訪問と教育局訪問についてお話しさせていただきました。
今回は新たな「出会い」についてお話ししたいと思います。
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ルームメイトの友人「マノジ」
現在私は大学の寮で暮らしています。ルームメイトのチェカには生活全般のことから、プロジェクトのアドバイスまでいろいろな面でサポートしてもらっていました。
プロジェクトを一緒に進めてくれる「仲間」を探している、と相談すると、「この前友達に話をしたら興味を持ってくれる友人がいた」と話してくれました。早速連絡先を教えてもらい話をすることになりました。
連絡先を聞いた次の日に早速アポを取り、会いに行きました。そして出会ったのがManoj(マノジ)です。自己紹介を済ませ、早速プロジェクトについて話します。e-Educationの活動、現在ニーズ調査の段階であること、Aレベル試験もしくはOレベル試験を対象にしたいと考えていること、そして、興味を持ってくれる学生やプロジェクトパートナーを探していることを伝えました。
地方出身という境遇
マノジと一緒に
マノジはルームメイトのチェカと同じ学年で数学を専攻しており、現在は数学科のジュニアスタッフとして授業を教えていました。彼は理工学部に所属しており、理工学部にはSahodara Piyapath(サホダラピヤパット:以下サホダラ)と呼ばれる学生団体があるということを紹介してくれました。
サホダラでは、大学周辺の小規模校や大学から離れた地方の学校に出向き、Oレベル(Grade10,Grade11)の学生向けにサイエンスの授業を教えるという活動をしています。ペラデニヤ大学には既に地方の学生向けのプログラムを実施している団体が存在したのです!しかも詳しく話を聞くと、なんとサホダラの活動を始めたのはマノジと彼の友人たちだったのです。
マノジは比較的「地方」と呼ばれる地域の出身です。
自分は大学まで来ることが出来たけれども、スリランカ全体を見るとまだまだ教育の格差は大きい。地方という自分と同じ境遇にある子どもたちのサポートをしたくて始めたんだ。
そう語ってくれたマノジ。彼の言葉の中で印象に残っているのが、「モチベーション」というキーワードです。
学生たちは試験をパスする能力は十分にある。だけど、みんな出来ないと思ってしまっているんだ。だから勉強に積極的に取り組まない。もしこのプロジェクトを通して彼らのモチベーションさえ上げることができたら、学生たちは絶対に合格できる!
これは一緒に活動をするチャンスだ!
そう思った私は、地方での教育環境の改善に関わりたいという自分の想いをマノジにぶつけました。「一緒にプロジェクトをつくらない?」という私の問いに対して、「もちろん!」との答え。ここまできてようやく共感してくれる「仲間」が見つかったのです。
そこからマノジとプロジェクトについて話し合う日々が始まりました。
Aレベル試験対策の重要性
JWAの学生たち
前回の記事でOレベル試験対策コンテンツ作成の可能性が大きくなったことをお伝えしましたが、それでもやはりAレベルの重要性も無視できません。Aレベル試験はかなり競争が激しく、最初の大学生向けアンケートでも判明した通り、ほぼ100%の学生が塾に通っていたという事実があります。そのため、引き続きAレベル試験対策についても可能性を探ることにしました。
そこで訪問したのが、JWAと呼ばれるAレベルの塾です。この塾は、キャンディーと呼ばれるスリランカ第二の都市にある最も有名なところです。大学生向けのアンケートからこの塾が有名であることがわかったため、飛び込みで話を聞かせてもらうことにしました。
突然の訪問にも関わらず事務の方が丁寧に対応してくださいました。ここでもe-Educationについての紹介をし、Aレベル試験について教えていただくことにしました。この塾の学生はキャンディー周辺だけではなく、バスで4時間以上離れた地域からも来ています。またこの塾のオーナーが経済的に厳しい家庭の学生も学べるようにと、一部の学生に「フリーカード」と呼ばれる授業料を無料もしくは半額にするカードを提供していることがわかりました。
通常塾では1科目あたり月に1000ルピー(日本円で800円ほど)かかります。これは日本だととても安いように感じますが、「経済的に厳しい家庭」というと月の収入は5000ルピーから10000ルピーほどになります。その中で全てをまかなわなければならないため、子どもの塾代は家計にとってかなりの負担になっているのです。
たくさんの学生
事務の方もオーナーもプロジェクトに対して興味を持ってくださり、塾での授業の様子を見学させていただくことが出来ました。そこには1つの大ホールで勉強する1000人はいるのではないかと思われる学生たちの姿がありました。皆とても真剣です。私が塾を訪問したのはAレベル試験3ヶ月前で、学生にとってはこれからが勝負という時期でした。
この授業を受けるためにかなり離れた地域から学生が通っていること、そして高い塾代。これはつまり、塾に通いたくても通えない、もしくは近くの塾で我慢せざるを得ない学生たちが地方にいるということでした。Aレベル試験対策コンテンツのニーズも大きい、そう実感した訪問でした。
このAレベル塾の訪問もふまえ、パートナーのマノジとさらにプランを練ることにしました。
次回はさらにプロジェクトを加速させることとなる学生団体との出会いについてお話しさせていただきます。
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