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教育省の前にいたおばさん。首痛が心配です。

皆さんこんにちは!ルワンダで教育格差を埋めるために日々走り回っているドガです。

前回の記事では、ルワンダの教育業界ではなぜe-Educationというメソッドが最高にフィットするのか、そしてもう一人のアレックスからの要望であったビデオ撮影の件で現れた「救世主クリスさん」について話させて頂きました。

今日は、”e-Educationルワンダ最初の関門”である教育省長官補佐官との会合についてお伝えします。

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考え事をする時はカフェへ

ルワンダに降り立ってから1週間が経過。プロジェクトに関して実際に行動していこうと思っていたところでした。

撮影クオリティ、現地パートナー、政府との交渉プラン・・・などなど、とにかく何をどこから始めればいいのか、細かいことを気にし過ぎてしまい、順序良く物事が進まないことが多々ありました。

今まではルワンダの友人宅で作業していました。そこで、少しフレッシュに環境を変えてみようと思い、首都キガリ市内にあるオシャレなカフェに移りました。

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相手は政府のお役人とあって、日本からいくら来たと言っても、名前も地位も何もない僕たちの相手をしてる暇はあまりありません。

メールもダメ、携帯メッセージもダメ、毎回電話で話をしています。

看板も無く、迷いながらたどり着いた教育省

以前も書かせて頂きましたが、ルワンダでは最初に、政府から「プロジェクトをやってもいいですよ」という活動許可をもらう必要がありました。

僕1人だとさすがに心細かったこともあり、ルワンダ第二の都市ブタレから現地パートナーのアレックスを連れて、ルワンダ教育省に乗り込みました。

アレックスも中の人には会ったことがあったらしいのですが、実際の教育省には出向いた事はなく、いきなり迷ってしまいました。バイクタクシー(モト)で何度も同じ通りを走ったり、人に聞いたりして、ようやくそれらしき建物を発見しました。

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民あで考えてくれる優しいモトドライバーたち。結局最後は電話で確認しましたが・・・

一国の官庁であるのにも関わらず、何の看板も無く、これは迷うのも仕方ないなといった感じでした。後日話を聞いてみると、教育省はその時引っ越しの最中で、中のオフィスも全て新しかったのです。

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国旗以外何にもありません

一人じゃ何もできない

まだルワンダでの滞在が短い僕ですが、すでに一つ気付いた事があります。それは、プロジェクトの企画書作りや計画は、自分1人でもできるが、いざ実行するとなると、それなりに徹底したチームが必要となるということ。

つまり、人脈や現地人という馴染みのある人が1人でもいると、交渉がぐっとスムーズに進むということでした。

何とか10時のミーティング20分前に着いた僕とアレックスは、お互いの最終確認を教育省の正門前でパソコンを広げて話し合いました。

まずは、心構えから。

  • 意味不明なことを言われても絶対に怒らない
  • 積極的に攻めていくが、攻め過ぎない
  • 相手の話をまずは聞く、立場を理解する(アクティブリスニング)
  • 終始笑顔で
  • 言っても相手は政府の高官ということを忘れない

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収獲はあったけれど・・・

単刀直入に、ルワンダ教育省長官の右腕”もう一人のアレックス”との交渉の収獲はありました。しかし、どれも非常にネガティブなものばかりでした。

今までは、通常通りルワンダ政府長官と許可さえ降りればプロジェクトを始めることができると思っていました。しかし、交渉が始まるなり、2012年4月から交渉してきた際に一度も言われてなかったことを突きつけられたのでした。

「ドガ、アレックス、そういえば、ルワンダでこのようなプロジェクトをやるには全て政府からのリサーチ許可証が必要なんだよ。申請には最低でも3ヶ月かかかるけど」

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申請内容簡単なのに許可が降りるまで3ヶ月かかる・・・

これには、僕もアレックスも驚きを隠せませんでした。もちろん、こちらも応戦しました。

アレックス:「そんなこと、今までは一度も言われなかったのですが…」

もう一人のアレックス:「そうなんだ、今年から少しルールが変わったんだ」

ドガ:「でも、僕たちのプロジェクトは、決してリサーチではないと思いますが?」

もう一人のアレックス:「そうなんだけど、今の政府の方針だと、リサーチでも何でも関係無しに、国外からルワンダでプロジェクトをやるにはこの申請書が必要なんだ」

予算不足&低クオリティ?

もう一人のアレックス:「一年目だけの予算表だけじゃ足りない。長官は、これに加え5年後、10年後を見据えた計画書・予算表を提出して欲しいと言っているんだ。それにこの一年目の計画書でも、まだまだ予算が全然足りていないだとさ」

ドガ:パイロットプロジェクトとして、まずは一年目e-Educationを実施し、それで成果が出れば、その後につなげるといったことはできないのですが?」

もう一人のアレックス:「残念だがドガ、僕たちが受け持っているプロジェクトの予算額は最低でも○○○百万円なんだ。国連とかを見てご覧よ」

アレックス:「でも、僕たちは一学生の始めたプロジェクトとしてルワンダで大きなニーズがあり、教育格差を縮めようとしたいだけです!」

もう一人のアレックス:「それともう一つ、撮影されたビデオを見たけど、これじゃまだまだクオリティが低すぎるよ。もっと生徒が分かりやすく他の地域にも拡散していけるように作り直して」

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次々と現れる関門

確かに、僕たちが提出した予算は、他の大きな国際協力機関と比べると非常に少額なものとなっていました。そして、ビデオのクオリティも、特に音のところなどで聞き取りにくい、理解しにくいポイントもあり、良いアドバイスを頂けたと思います。

しかし、それ以前に問題は、このリサーチ許可証というものを提出しなければいけないということ。しかも、申請に最低3ヶ月かかる。そのときは9月の頭でしたが、生徒たちの試験は11月中旬と、3ヵ月も待っている時間はありませんでした。

政府と交渉して、活動許可をもらうことが最終目的では無い。ルワンダの都市部と農村部、お金持ちと貧しい子供達との教育格差を縮める事が目的なんだ。ルワンダの農村部の学校の子供達は僕たちのコンテンツを待っているはず。

ルワンダでのe-Educationプロジェクトの進み具合は、マズい段階。しかし、生徒たちのことが最優先と改めて考え、別のアプローチをとっていこうとアレックスと誓ったことについて、次回は語らせて下さい。

ありがとうございました!


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